2023/02/24 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカジャさんが現れました。
カジャ > ぐじゅる、ぐじゅ、ぐじゅる、ぐじゅる、ぐじゅ

九頭龍山脈にある山賊街道。
ゾス村よりもだいぶ港湾都市ダイラスに近しい位置。
夜空には月も星も無い、どちらも厚い雲が覆い隠している。
その闇の中で虫の鳴き声でも獣の遠吠えでもない、場違い、そう呼ぶが自然な音が小さくであるが鳴り響く。

人の気配はない。
獣や鳥の気配すら危うい。
虫すらも息を潜める異様な空気の街道、闇に包まれた道の真ん中に――…人影が一つ。

もしそれを危ういと感じる直感があるなら嗅覚を活かせば、少し潮の香りに近しい何かを。
もしそれが人に非ずと考えたなら聴覚を活かせばその粘り気あるもの同士が絡み合う音が。

ただ視覚に頼るのは危うい選択である。

それは人間の子供が闇の中に直立しているように見えて、否、人ではなく同様の大きさの何かが人の真似をして、街道の真ん中を通るものを遮る様に鎮座している。

8本の足。
3本を一つに束ね人の足を二本作り。
束ねる事の無い二本の足はだらりと垂らして腕とする。
弾力ある身体は人の輪郭を真似、闇の中に立てばそれは人の子、生きた罠、もしくは疑似餌。

――…好奇心は何を殺すか、危うきものには近づくな、それを飲み込んでまで人影に声をかける哀れで優しい何者かが通るか、或いはそれが何か知ってて見つけ寄るか、今宵どうなるかは、誰もわからない。