2022/09/25 のログ
■ティアフェル > 「巨大なお世話。そっちこそいい男にならねーぞー。
ふうん……なんか、そんな感じなのにのほほんとしてるのね。
その方が助かるけど」
力を求めるような性質でもないらしい。悲鳴を聞きつけてわざわざやって来てくれたことを思うと世話焼きで親切な性分と認識し。
「いやー充分珍しいし。角に触らせてもらえる機会なんてそうそうないわよ。
へえ、へー…わぁ、やっぱり見た目通り硬い……象牙にも似てるけどそれより硬い感じかしら」
手が届きやすいようにしてくれると、わあい、と無邪気な声を発し。
感心しきりでなめらかな手触りを確かめ、かなり頑健な感触を指先に感じては、先端に指先を押し込むようにして尖ったそれは力を入れれば容易く皮膚を貫きそうだと。
満足いくまで触れては、ありがとうと手を下ろし。
「大変っちゃ大変だけど慣れてるし。どうってことないわ。あなたは大変なことなんかないの?
カザンさん。なんかぴったりな感じの名前ね。
鬼……オーガじゃないんだ……ま、確かにこんなにご親切な魔物もいないわね」
確かに不意に出くわせば先制攻撃を仕掛けてしまいそうになるだろう。
しかし、そこら辺の血の気の多い輩よりよほど穏やかな気質に物珍し気に見やって。
「いやぁ。まさか通りすがりの鬼さんに労われるとは思わなかったぁ。
寝床? それはちょっと興味深いけど……」
ご親切はありがたいがやや逡巡気味に首を傾げ。
出会ったばかりだし、女性ではないだろう。いいのかしら、ひょこひょことついてって。と悩むように眉を寄せるが、あんまり深く考える質でもないのか。
「じゃ、お言葉に甘えようかな。てか、どんな生活してるのか見てみたい」
好奇心が勝った。なんだか見てくれはともかく安全パイに感じてお宅訪問と決めた。
■カザン > 「はっは。俺はもういい鬼なんでな。
…なんだ。血に飢えた化け物がお好みだったか?
そうだな。角は人間風に言うなら、心臓みてぇなもんだ
これが無いと暴れまくるから、折るんじゃあねえぞ?」
そういう相手でないことはわかっているから、からからと笑って
弱点を伝えても問題ないであろう力量差もありそうだ
好きなだけ触らせればゆっくりと立ち上がって腰に手を当てる
「大変なこと?そうだなァ…今日の飯をどうするか、っつーぐらいか
後はたまーーーにだが討伐されそうになるな。追い返すけどよ」
元々そのために山をのんびり歩いていたのだ
帰り際にイキのいい魔猪でも捕らえるか…とか呟きつつ
「んな立派なもんでもいいが、獣は寄り付かねえ
朝になったら送ってやるから、それで帰りな。じゃ、ついてこい
ああ、帰りにちょっとメシ調達するから、俺の後ろに隠れてろよ」
鬼が居る場所にわざわざちょっかいをかける獣も居ないだろう
そして宣言通り、帰りに…
ブモオオオオオオオオオオオオオオオオ、などと狂暴に襲い掛かってくる猪を捻り
今日の晩御飯とする
彼の寝床は岩山の中腹にある洞窟である
疲れて居そうなら女に手を貸しつつ案内すれば
中は柔らかく乾かした草による寝所と…やけに強い酒の匂いがする樽が数個
「あれだけ叫んで腹ぁ減ってねえか?用意するから食うなら食いな」
たどり着けば…洞窟の前、少し広場のようになったところで鬼は料理を始める
豪快に皮をはいだ猪の口から尻まで棒を通し、自分の手を使って火をおこして肉を焼き始める
しばらくすれば、野趣溢れすぎる丸焼き肉が完成するだろう…
■ティアフェル > 「うーん、それに関しては否めない。
いや。全然。まったく。微塵もお好みでない。
折ろうたって折れないわよ。どちらかというと、逆鱗というやつのようね」
いかに本性的にゴリラと云えどその頑丈な角をぶち折る膂力はない。
そもそも今親切にしてもらっている相手に不義を成すような悪質でもない。
「っふふ。非常に呑気なお悩みね。それはわたしもよく考えるわ。
まあ……悪評が立ってないとしても、ばったり出くわしたら攻撃するか逃げるかが一般的ではあるかも知れないわね」
驚いて攻撃してしまうのもさもありなんと肯いて。
それはちょっと大変だなと眉を寄せた。
「単純にどういう生活してるか分かんないから興味あるのよ。
おお。優し気。助かるー。ありがとーう。なんかお伽噺みたいで楽しー。
メシ……狩っちゃうのね。その一部始終しかと見ておこう」
鬼の匂いを嗅ぎつけただけで野生の獣程度だと恐ろしがりそうだ。
その住処についていく道中で、一筋縄じゃ行かなそうなイノシシをあっさり仕留めてしまった現場に立ち会って。イノシシさんに合掌した。
案内されたのは想像に難くないワイルドなお住まいで。
洞窟が住居ということに深く得心した。やっぱりお伽噺みたいだと感服しつつ。
野性的ではあるが寝心地はよさそうで。あと、おもてなしまでしてくれる。
いいのかしら、こんなに甘えてとは思いながらご厚意はしっかり受けようと。
「わあい。お肉だ。ありがとー。なんか、いかつい人が親切だと通常の倍は優しさを感じてしまう。
そうそう、スパイスとか持ってるの。苦手じゃなかったらお肉に振りかけるとおいしいよ」
と見た目より容量のあるウェストバッグを開けて、塩コショウ、ナツメグ、乾燥バジル、ディル、オールスパイスなど、肉の臭みを取ってくれそうなスパイスの小さな包みをいくつか取り出して。
じゅわっとジューシーに焼けた箇所からナイフで削いでいただこうかと支度した。
■カザン > 「だろうなあ。野犬にぴぃぴぃ言ってたし」
は、は、とまた大きな声で笑う
犬に弱いということをイジりつつ、ゆったり森を歩く
「ティ、…んー。ティアフェルも冒険者なら、ちぃと言っといてくれねえか
俺はここでのーんびりしてるだけだから襲うなってよぉ」
口馴染みのない名前を少しなじませつつ
女が言わんとすることもわからなくはないのだが…
手加減というのも難しい、と言って
今日の晩飯を狩れば、後はもうゆっくりだ
「ほぉ。こりゃよさそうだ。どれ……
ん、うまい…!」
焼いた肉を素手で割き、女から貰ったスパイスを適当にばーーーとかけて齧りつき
べろりと舌なめずりをして頷く。気に入ったようだ
女が切り分けようとするなら止めはせず、好きなだけ食べさせるつもりで
「ああ、後そっちの裏に温泉もある。好きに入って、好きに寝ろ
俺も好き勝手にするからよ。酒も飲むなら、洞窟にあるぞ」
とは言っても酒はめちゃくちゃ辛口の酒なのだが。
後はもう自由行動だ。鬼も鬼で、イノシシ肉をがっつり食いながら酒をかっこみ
何事も無ければ、そのまま、寝てしまうことだろう――
■ティアフェル > 「うるさいなあ。犬じゃなければ平気だし」
痛いとこを突くと眉をしかめては。
てくてくと木々の間を横切って、冒険者の立場として肯いて。
「分かったわ。報告はしておく。カザンって云う鬼は人畜無害だから襲撃無用って」
確かに何もしていないのに急襲されては堪らないだろう。
どうしても危険を感じる見た目ではあるので予備知識がなければ襲い掛かる気持ちも理解できるのだが。
少しでも抑止力になるように報告はしておくと請け合って。
いともたやすく狩られた獰猛そうなイノシシを今晩のおかずにしてもらって。
遠慮なく美味しく焼けたところからいただこう。
「新鮮なお肉も硬いけどおいしいのよねー。
いただきまーす。あ、お口に合った? 良かった。じゃあお礼代わりに少し置いてくね」
と好むのであれば提供します、とスパイスの包みを置いてこうか。
そして焼き立ての肉を削いで、塩やスパイスをかけて頬張るとじゅわっと口に広がる肉汁と硬い野趣あふれる味わいに目を細めて。
「うん、おいしーっ。疲れた身体に肉が沁みますわぁ。
へー。お風呂まであるのねえ。上等ー。
ありがとうー。今度お礼にくるね」
すっかりお伽噺の一幕という感じで、うんうんと粗野だが親切な言葉にありがたく肯いて。
お肉をお腹一杯いただいたらすぐにうとうとと眠くなって。
お酒は遠慮しておいたが、柔らかな草の褥に丸くなってすやすやと寝入り。
翌朝犬の出なさそうな地点まで送ってもらえば、改めてありがとうと丁寧に礼を云って手を振るだろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からティアフェルさんが去りました。
■カザン > 「おー。またいつでも遊びに来い。居なかったら居座っても構わねえよ」
などと、朝になれば気軽に手を振って
今日もまたのんびりと、鬼の一日が始まるのであった
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカザンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、中腹辺りか。
いつもの散歩、少女からすれば、そうだったはずだ。
とは言っても、その目的が目的だけに、鋭い聴覚を澄ませ、移動をしている事が多い。
それは、遠く、足音さえ聞き取る程のもの。
だが、それゆえに、欠点も存在していた。
それに考え到るのは、そう難しい事でもないだろう。
警戒していれば大丈夫だが、不意に響く、大きな音に弱いのだ。
…まぁ、要するに。
そんな状況に、ついさっき、遭遇してしまった訳で。
そんな音を発した原因、この付近に、魔物退治に来ていた、そんな冒険者らしき者達。
その中に居る、魔法の使い手らしき何者か、に視線を定めていた。
「ふ…ふふ…やってくれた、やってくれたのぅ。
この償いは、しっかりとさせてやるのじゃ…!」
まだ、冒険者らしき者達からは、気付かれぬ距離。
一本の大きな樹木、その枝の上に立ち。
そんな呟きを零しながら、片手で耳を抑え、ぎりぎりと、掴む樹木の幹から、軋む音が…
怒っていなさそうな、笑顔を浮かべてはいるが。
その呟き、様子から、明らかに怒っているのが分かるだろう。
…まぁ、逆立っている数本の尻尾を見、その意味が分かるならば。
そうであるのが、より分かり易いのだろうが。
■タマモ > 「ふむ…ぱーてぃー、とやらか。
しかし、その中の誰かの行いは、その全員の責任。
たっぷりと、晴らせそうな者で、晴らさせて貰おうか」
目的に向かっている途中か、戻っている途中か。
どちらにせよ、休憩中、と思われる、足を止めている状況。
とりあえず、そのメンバーを確かめ、手頃そうな相手を探る。
その対象は、何も原因である、魔法の使い手とは限らず。
以外に、対象になりそうな相手がいれば、その者に狙いを定めるつもりだ。
後は、その相手に決めた者を除いては、悪いが、しばし眠って貰う事としよう。
あれやこれや、どう嬲ってやるか、そんな想像を膨らませながら。
じわりと、己を中心に、力が広がってゆく。
夢現の一端、夢に誘う効果を持った空気が、風に流れて。
油断…は、完全にしてる訳ではないが、そう簡単に、気付かれるものでもない。
ゆっくりと迫る力、それが届けば、いずれ誰かを残し、残りの者達は寝入ってしまう事だろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にカイナさんが現れました。
■カイナ >
今日の仕事は危険もあったが、報酬がよかった。
とある冒険者パーティーの荷物持ち。なんでも長旅になるから臨時で集めたかったとか。そこで奮起したのが彼だった。
自身の特性上、身体能力はともかくスタミナは強いし、怪我しても最悪即死しなければ治る。意外とこういう仕事に対しての適合率は高かった。
とはいえ、能力は何もそれだけではない。自身の能力の一つ。自身の全てが力に変換される能力。それは悪い効果を生む。
つまりは道具の暴発を生んだ。大きな音が鳴っていたが、幸いにして魔物等は寄ってこなかったらしい。
一息ついて冒険者パーティと休憩をしていた。しかし。
「あ、あれ? 皆?」
1人、また1人と倒れていく冒険者達、途端にサッと顔が青くなる。
戦闘能力がない自分では魔物が襲い掛かってきた時何もできない。
荷物からサッと取り出すのは丸いボールのような何か。
魔力を帯びたそれはある種の爆弾の様な何か、つまりは先ほどの音の原因であるとわかるだろう。
「ど、どこにいる! で、出てきたらこれで反撃するぞ!」
素人から見てもこけおどしと分かるくらい震えたままそう叫ぶ。慣れているのなら猶更こけおどしだとわかる事だろう。
とはいえ、この爆弾非殺傷の物。つまり大きな音で魔物を寄せ付けないという代物であり、反撃したところで一定以上の相手には効果などまるで無いわけだが。
■タマモ > 正直、冒険者パーティー、その作業分担なんてもの、細かく知る訳もなく。
残した相手が、そのパーティーの荷物持ち、なんて事は知る由もない。
しかし、少女の気紛れによって、残されたのは、何の力もない荷物持ち。
他の冒険者達は眠りに付き、戸惑う残した相手。
その相手、少年の様子を眺めながら、とん、とん、と樹木から樹木を移り、近付いて行く。
そんな、少年の真上に到着した頃には、その姿や様子は、はっきりと確認出来るだろう。
なにやら、ボールのような物を持ち、反撃がどうこう言っている少年。
…あぁ、うん、つまりあれか…
あの玉みたいなもの、何かしらの力を感じるし、あれが原因なんだろう。
そんな、脅しとしての行動が、逆に少女へと、その理解をさせてしまう。
効果や威力は…よく分からないが、音にさえ注意すれば、己には何ら問題はない。
そのまま、気付かれようと、気付かれまいと。
少女は樹木の枝から、身を躍らせ、ふわりと、少年の真後ろに、音も無く着地をする。
すかさず伸びる手が、それを掻っ攫うように、奪い去ろうとするのだろう。
己の気配に気付く事が無いのなら、少年が気付いた時には、その手に何も持ってない。
そんな風に、感じてしまうか。
■カイナ >
さて、威嚇はしたものの、正直この少年に反応する能力など持ち合わせているわけがない。
少しスタミナがあって、異常なほど頑丈なだけで身体能力は一般人に毛が生えたレベルしかないのだから。
周囲をキョロキョロしていたが、ふと違和感。手にあったはずの重さが無い。
「あ、あれ!?」
落とした!? なんて言いながら下を見たりして、後ろを見ようとしたときに彼女が目に入る。
自身からしてみればいきなり後ろに出現していた事になるわけで。
「うわぁ!?」
思わず驚き、後ろに下がる。しかし足がもつれてそのまますっころぶ。
下から彼女を見上げる形になるだろう。
「な、なんだよ! 俺達別に何もやってないぞ! ちゃんと依頼で……もしかしてと、盗賊とかか……?」
道具も手に無く、地面に倒れている状態。反撃の手段など現状あるわけもなく。しかし声だけはしっかりと出す。半分叫ぶようなそれは周りの冒険者を何とか起こそうとした結果。
しかし、術で眠らされた冒険者達はその程度の事では起きないのだろう。
■タマモ > まさか、ここまで簡単に事が運ぶとは、思って無かった。
力を感じる道具を使うし、前衛職ではない、とは思っていたが。
普通に後衛職であろうと、こうも容易くいきはしない。
色々と、考えを巡らせようとするのだが…
「………まぁ、良いか。
ともあれ、よくもやってくれたものじゃ。
盗賊なんぞと、同じにされても困るが…
何もやってない、と言うのは嘘じゃな、うん」
多分、道具なら、衝撃か何かで効果が出るだろう。
そう予想出来ているか、ぽん、ぽん、と手元でボールに衝撃を与えない程度に弄び。
少年の言葉に、そう答えながら、冒険者達の荷物の傍らに、それは置いておく。
「面倒なんで、理解しろ、等と言いやせん。
お主には、妾が受けた事のお返しを、理不尽に受けてくれれば良いだけじゃ。
………さて、どうしてくれようか?」
そして、そんな台詞をさらりと伝えながら。
じりじりと、少年へとにじり寄って行くのだ。
面倒な説明を省いているからか、それだけを聞いた少年からすれば、この少女から、どんな目に合わされるのか。
その想像は、少年次第で色々と浮かぶものだろう。
ちなみに、当然だが、騒ごうが叩こうが、冒険者達は目覚めはしない。
…さすがに、激痛が伴う攻撃とかすれば、目覚めるかもしれないが…
■カイナ >
「な、なにもやってないぞ! だって俺達は依頼でこの辺りの魔物退治に来ただけで……も、もしかして魔物の仲間……!?」
盗賊ではないとなればそっちに行きつく。
つまり歩いている内に彼女の領域に踏み込んだか、そこを荒らしたか。魔族で生きてきたからこそそういう話もよく聞く。
彼女が言う償いという言葉を聞けばサッと顔が青くなり。
「ま、まって! 俺達何も持って……い、いや俺が出せる物なんて何も……!」
冒険者達なら何か持っているかも。そう言おうとしたが他人を売るみたいでそれは言い出せない。
では自分が出せる物は何もない。そう言おうとして、あった。自分でも出せる物。
「……あ、あの。元気になりたい?」
おずおずといった様子でそう聞き返し。フードを取る。
下から出てくるのは灰色の髪をした少年瞳も同色だ。
「俺の体は……肉も汗も血も全部。何かしらの力に変換される。魔力でも生命力でも」
と語り手を差し出す。
ギュッと目をつぶって。
「その上死なない限りすぐに再生する。だから死なない限り力の糧にしていいから。許してほしい」
と告げる。
自分の中で対価として差し出せそうな物はこれしか持っていなかった。
とはいえ、少年の中では食べられるとかそういうのを想像しているのでギュッと目をつぶったまま震えているが。
■タマモ > 「………魔物退治…なるほどなるほど、それでか。
あー…何となく、分かったのぅ」
己を、魔物の仲間と考え到る少年をよそに。
己は己で、あの音の理由が、攻撃か何かの衝撃音、と誤認した。
うん、これは間違いなく、深みに嵌る流れであるか。
と、どうしてくれようか?とは言ったが、やる事は決まっている少女。
にじり寄る少年から、自ら捧げるような提案が挙げられれば。
かくん?と首を傾げてみせた。
それから、僅かに何か思案をする間。
ぽむっ、と何か納得か理解をしたように、手を打った後に。
「ふむふむ、死なねば、すぐに元通りか…
ふふ…なるほどのぅ、それならば、何をしても、問題無い訳じゃな?
許すか許さぬかは、その後に考えるとして?
それならば、妾の好きにさせて貰うとしよう」
にやり、と邪な笑みを浮かべながら。
差し出された手を、ぎゅっと握り、引っ張り寄せる。
楽しむならば、残した連中は放置になるが。
…まぁ、他に危険そうな気配はない、大丈夫だろう。
■カイナ >
「う、うん。だから……たぶんその最中で迷惑かけちゃったんだよな……?」
領土に入ったか、何かやってはいけないことをやったか。そうしてしまったのだろう。
そこまでは理解していた。
その後の発言を聞けば首を縦に振る。
「う、うん。だけどできれば痛いのはやめてほしいな……」
やってしまったのがこちらのミスならば受け入れよう。幼少の時よりの経験が受け入れの構えを取る。
引っ張り寄せられそのままついていくように彼女の後についていくように歩いていくだろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からカイナさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 普段よりも大きく膨れた鞄を抱え込んだまま、一人で街道を歩いている。
タナール砦の方で一応の目的を果たして、後は誰が何処に行くのかも個人次第による解散の運びとなった。
魔族の国に赴くのでもなく、元より荒れた道を一際膨れて重たさを増した鞄で進む。
時々に魔法を用いた事によって比較的スムーズに行く事は出来ているものの、幾らかの「荷物」を抱えて一人街道を行く女性と言うのは格好の的。
なるべく目立たない様に、そして魔力を消費し過ぎない様にと歩きながら酷道を魔力で潜り抜ける。
そんな行為を繰り返していく内に、やっと街道に通じる道と、休憩小屋とに辿り着いていた。
「…………」
当然ながら山賊の縄張りかもしれないし、既に中に居る相手が完全な善人であるという保証は何一つとして存在しない。
それ以上に自分の取り分もどう使うのかは未だに宙に浮いて決まっていないが、構わず鞄を携えて小屋の中に入る。
誰も居なければ火起こしの準備を、既に誰かが居たならば善人である願いを、
人でもない「何か」が存在するのならば――
そこで最近張り替えた形跡のある扉に触れ、中へと入り込んでいく。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にリデルさんが現れました。
■リデル > 未だ新人冒険者の域を出られていない少年は、少々後悔していた。
程よい報酬のそこまで難しくない相手の討伐の仕事。
値が少し良いのは単純明快遠い場所だからというものだが、自分の身の丈にも合っていると思って依頼を受けたのだが、予定外に時間が掛かった挙句、そこまで荷物も持ってきていなかった。
寝る手段も食べるものもそこまで持ってきていなかったため現地調達せざるを得ず。
仕事こそ終えたものの寝床をさがして見つけた小屋にて、一晩凌ごうとしていたところ。
それなりに極限状態に近づいていたということもあって、少々本能が強まってきてしまっている。
街道を利用する者たちにとって共有地点でもある休憩小屋は無人であったが、誰でも使えるよう道具は残されている。
とりあえず火を起こそうと、ハシゴを立てかけて高所にある道具を取ろうとしていた、そこへ。
「うおわっ!?」
完全に油断しきっていたためにドアが唐突に開いた音に盛大に驚いてしまい、ばったーん!と派手な音を立ててハシゴごと床にひっくり返ってしまったのだ。
そこまで高さもないため、とりあえず大丈夫そうではあるが。
■レフェーリア > 「……ひゃっ!?」
小屋の中に入り込もうとした途端に激しく響く音に、中で張っていた山賊が襲い掛かりでもしたのかと咄嗟に身構えながら驚きの声が自然と溢れる。
今すぐ踵を返そうとした辺りで音を立てた相手が一人であり、倒れたのは梯子の音、そして梯子の下敷きになっている軽装の男の姿を薄暗い中で捉えて、思わずその場で立ち止まる。
「……あの、えーと……大丈夫、ですか?」
獣の耳を生やした姿と認識した途端に自分の身体に疼く感覚から完全な人間ではないとは理解するも、
これ程の姿を晒している相手が何かしらの企てを行っているのは考えにくい。
合わせて彼女は都合よく治療師でもあり、現在進行形で怪我を負ったかもしれない相手を放っておくのは職業的に気に食わないというお節介。
とりあえず扉を閉めて小屋の中に入ってから、相手に向かって手を差し伸べる。
重たくなった鞄の提げ紐を通した胸元はほどよくきゅっと強調されて、真下から見上げる形になった相手には一層その膨らみが際立って見えるかもしれない。
■リデル > 「っ~…だ、大丈夫…」
幸いにして背中から受け身を取るようにして倒れたため、それほどダメージは無いにしても少々頭を打ったようでわずかに朦朧と。
ぴくぴくと犬耳を揺らしながらぼやける視界に映るのは天使…それも何か、すごく大きいような気がする。
「…おわっ!」
そこでやっと意識が明確になり、倒れた自分とそれを覗き込む知らない女の人。
慌てた様子でハシゴを蹴っ飛ばして警戒するようにして尻もちを付いたまま距離を取る…と言っても狭い小屋の中。
対して距離は取れず、結局女性を見上げたまま。
どことなくおっとりとしたような様子…というか見た目というべきか。
豊満という言葉は目の前の女の人のためにあるんじゃないかというくらいわかりやすい魅力的な身体は、未経験の少年には刺激が強そうだ。
警戒していると見せようとするものの、なんか頬を染めてドキドキしている様子なのが丸わかりであり、尻尾なんかふりふりと左右に揺れているのだ。
■レフェーリア > やっとこちらの方に気が付いたらしいが、露骨に様子がおかしくなって恥ずかしがっている姿も分かっている。
扉が開いた物音に驚いたあまり引っ繰り返ってしまったのならばそれも仕方ないだろうと勝手に割り切り、その場で動かない様子を見ると彼女の方から動く事にしたらしい。
普段よりも重たい鞄を小屋の片隅に置いてから、高所に通じる立て掛け式の梯子を手に取って持ち上げ、これまた手頃な壁へと掛けてから。
「それで、えっと……大丈夫だったら、良かったですけど……この小屋を、使っても良いですか?」
そこまでの処置が必要無いらしいと適度に割り切りながら、尻尾が自然と揺れて床を掃く音を小さく聞き取りつつも問い掛けてみる。
そこまで荷物が多くない相手の様子から、この小屋の中に長期間過ごしていてもおかしくないという適当な見立て。
これで駄目だったら大人しく日が暮れるまで歩こうという魂胆を宿しながら、
鞄を提げていなくても立派な重量感と隆起の際立つ膨らみをローブ越しに見せてしまいつつ相手からの答えをじっと待つ。
■リデル > 「ああ…うん、大丈夫…なんかごめん…」
至って落ち着いた様子の女性の姿に、少年も少しは落ち着いたようで、よく考えれば少年のように小屋を利用しに来る人間がいてもおかしくはない。
女性もそういった一人なのだろうし、少なくとも敵意とか怪しい気配は感じない。
少年は彼女の質問にちょっとぶっきらぼうに答えつつ、気恥ずかしそうにもしていた。
「俺の小屋ってわけじゃないから、ぜんぜん気にしないで。
あー…火を付けるとこだったんだ…」
ひっくり返ったとはいえ、火を付けるための道具はとりあえずあったので、暖炉に薪をくべてごそごそと火起こしを始めようとする。
そう時間も掛からず火を付けられるだろう。
「おねーさんは…冒険者っぽくないね、旅人?」
■レフェーリア > 「ああ、いえ、無事だったら何より、です……」
少しの間を置いて答えてくれた相手が怪我を負っていないらしいと分かるとほっとした雰囲気を見せる。
暖炉に薪を置いている様子を大人しく見届けようとしながら、その場に腰を落ち着けてもいて。
「……えーと……今は成り行きでこの街道を通っていた所です……ね……普段は治療師として……」
何気ない問い掛けに対して色々と含んだ答えを返しながら、比較的灰色寄りな方法で金稼ぎを行っていたとは公には言い難いものだった。
鞄の中身も見せられはせずに、馬車なり何なりを乗り継いで行き来しており、ちょうど一人になって歩いた辺りで此処に辿り着いたのだ、と少しばかり苦しいかもしれない答えを付け加えて。
「……まあ、そんなところ、です…」
何とも言えない雰囲気を醸し出させながら、話を纏め上げてしまって。
■リデル > 「ふーん…まぁ詳しくは聞かないけど…治癒師かぁ」
とりあえずのところ、女性自身に害は無さそうだということで少し思案をしつつ火を起こし、部屋が明るくなり少し暖かくなる。
こちらの質問に対してあまり詳しく話さないあたり、いろいろあるのだろうと詳しく尋ねることはせず。
その重たい荷物についても聞くことはしなかった。
それよりも聞いてみたいことがあったのだ。
「ねぇ、なんか人の本能というか…そういうの抑える方法ってあるかな?
なんつーか俺、ミレーっぽいけどそうじゃなくて…たまに人狼になっちゃうからさ」
すこし考えてからちょっとふんわりとした質問を投げかける。
己が人狼化しそうになっているというのもあり、別段暴走するというわけではないが、冷静でいられる保証もない。
取り分け目の前の豊満な女性を前にして、どうにも抑えがきかなくなりそうな気がする。
少年の犬耳と尻尾の毛並みが、妙に逆立ち始め、その瞳もどこか獣じみてきているのが、治癒師の女性なら見て取れるだろうか。
この手合いの治し方は、抑圧された本能を発散させれば収まるのが定石であり、平和的な方法は想像するに難くない。
少年も頭ではわかっているのだが、一人で抑えてきただけで経験はなかった。
■レフェーリア > 相手が火を起こしたのを自然と眺めていきながら、灯された火の光と熱気に表情も和らいでいく。
鞄の中身から食料を温めるのももう少し先で構わないと思っている間に、じわじわと違和感と共に相手から溢れる雰囲気が徐々に高まっていくのも身体が鮮明に感じ取る。
元より獣の兆候が混ざり合った所謂亜人の姿を備えてはいるものの、急にその雰囲気が高まっているとも自然と読めてしまっていたが。
「……そう、ですね。薬に体力の消費による発散、瞑想等集中力の向上によって急な感情を落ち着かせる方法というのは色々とあるものですけど……」
毛並みが逆立って、獣で言うには興奮状態に陥り出しているらしい相手の様子を眺めながら、治療師としての問い掛けに対して言葉を選んで口を開く。
精神の興奮を抑える香といった薬も用意出来るものだし、火起こしを行って明るくなる日和であってもそこまで時間が掛かりはしないとも分かっているが。
「……今の貴方ならば、発散して解消出来るのであれば、変に抑え込むよりは発散させてしまった方が良いかもしれません……」
まだ若い印象である以上は、これから先の成長に伴って抑え込める様になるのか、それとも力も上がって更に歯止めが利かなくなるのかは分からない。
それまでの間に薬を用いたならば耐性がついてしまい、強い薬を求めて不調を起こしてしまうか、依存してしまうかもしれない。
「……私が原因であるのなら……その、付き合います、が……」
その上でもしかしたら、との疑問解消も兼ねて、先程と同じく付け加える。
自分に興奮してしまっているのならば、義理堅くも責任を持って襲われるのも構わない、と。
■リデル > やはり相談して正解だったかもしれないが、得られた答えは今まで聞いたり試したりした内容とそう変わらない。
精神的な修行は少々雑念の多すぎる年齢であるし、薬に頼るようなことはしたくない。
結局のところ、本能に身を任せるというのが一番単純明快かつ正常な手段ということになる。
問題はそのあとの結果次第で後悔するかしないかの違いであり、少年はそれが怖くて一歩踏み出せないでいたというのもある。
「本気?…どうなるかまじでわかんないけど…」
女性は発散に付き合うという。
少年はきょとんとした顔をしたが、すぐに視線をそらして頬をわかりやすく染めるのだ。
本能と共に興味を示していることを表すかのように、またしても尻尾が機嫌よく左右に揺れて。
「でも、責任とって襲われてもいいとか、あんまりいい気分じゃないから。
その、あれだ…治療ってことだからね」
なぜ女性が責任を感じる必要があるのかと思いつつも、拒否できない自分もいて。
結局のところ流されてしまうものの、自分の中で納得できる理屈を述べたうえで流されて行こうとした。
■レフェーリア > 少し自惚れが過ぎるかもしれないが、曲がりなりにも受け入れられてしまったならばお互い合意の上となる。
まだ十分に成熟しきっていない身体ならば発散させる事は一番であり、単独で解消するにも限界があるとするならば。
「……ええ、治療…治療、ですね……はい、ちょっとぐらいはその、無理しても大丈夫ですから……」
言葉の割に尻尾が揺れ動いている姿を見届けながら、これから先に誰かが入って来ないだろうか、と心配して閉じた扉をちらりと見つつ。
流れのままにまだ名前も聞いていない様な相手を前にして、発散する対象となる準備を着実に進めていった――
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からレフェーリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からリデルさんが去りました。