2022/06/13 のログ
タマモ > しばらくの間、のんびりと寛げば。
よいせ、と今度は腰を上げる。
枝に下ろした風呂敷包み、それを背負えば。

とん、と枝を蹴り。
少女の姿は、そのまま掻き消えた。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 湿度の高い山中、藪をガサガサとかき分けて、下山する人影。
いわゆる冒険者の姿。

山道を通って下山すればいいというのにわざわざこんな…
獣道もないところを通っているのは理由がある。
ふつうに山道が使えなかったからだ。

いや、使えるには使えるのだが…賊の姿が見えた。
行きにはいなかったのに帰り道にやつらがいたのだ。
別に自分を待ち構えてというわけではないだろう。
単純に、外に出ていた奴らがねぐらに帰ってきたという感じか

…タイミングが悪い…。

ブレイド > 引っ込むのを待っても良かったが
後ろから襲われるとかまっぴらだ。
危険なところをわざわざ無防備な背中を晒して歩きたくはない。

それに、戦ったところでいいことはないし…。
多勢に無勢。
勝ったとしても、護送にも証拠を持っていくにも手間がかかる。
負けたら身ぐるみ+命を失う。
百害あって一利なし、逃げを打つのも当然だ。
あとは野生動物とかに出くわさなければ御の字なのだが…。

「くそ…歩きづれー…」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にノエニさんが現れました。
ノエニ > ブレイドが身を潜め山を下る背後。
突如、喧騒が聞こえてくる。

山賊たちがブレイドを見つけ追って来たのだろうか?
しかし、奴らとはもう既にかなりの距離を離しており、
よほどの事が無ければ見つからないはず。

野太い男たちの声に混じって、金属音や鈍い打撃音も混じる。
別の誰かが、山賊達と戦っている様である。

ブレイド > 背後で声がする。
いや、剣戟…戦闘音?
連中が仲間割れでも起こしたのだろうか?

藪から顔を出し、背後、山道を確認してみる。
仲間割れならばほうっておくのだが…
誰か、山賊と戦っているのであれば、稼いでもするべきか。

ノエニ > 山賊の方を見やれば……
そこには、屈強な男どもに無謀にも一人で戦いを挑む少女の姿。

「せいっ!とやぁっ!!」
少女は、白い衣に身を纏った聖職者の様である。
その姿に似つかわしくない、大きな戦斧を豪快に振るい、
意外にも山賊共を一人、また一人と打ち倒しては、
白い聖衣を返り血に染める。

山賊討伐の依頼を受けた彼女、
知り合いが少ないコミュ障気味な彼女は、
ヒーラーだというのに前衛職がつかまらず、今日も一人で山賊狩りにやってきたのだ。

「……大人しく……斃れなさいっっ!!」
また一人、山賊を打ち倒す。

が、背後から隙を狙って、一際大柄な山賊が一人、大槌を彼女の脳天に叩き下ろそうと……

ブレイド > 戦っているのは山賊と…おそらくシスターか?
何かしらの聖職者のように見える。
戦いなれはしているようには見えるが、こんなところで、一人で…
しかも、山賊に立ち向かうなどと、無謀もいいところだ。

「何やってんだ、ありゃ…」

よほどの腕自慢か…自信家か。
単純に気づかずに襲われたかはしらないが
山賊の内ゲバではないことは確かだ。奴らの中に聖職者なんていないだろうし。
様子をうかがっていると…シスターの後ろに迫る大男。
これは、流石にまずいか。

「ちっ!卑怯な真似してんじゃねぇ!!」

その男の後頭部めがけてナイフを投げれれば、自身も得物を抜いて…
やむなしと山賊に向かっていく。

ノエニ > 「今日の仕事も……楽勝じゃん……」
斃れる山賊を見下ろし、満足気に笑う少女。
が、背後から忍び寄るもう一人。

「………ふぁっ!!?」
その気配にようやく気付くも、もはや必中の間合い。
振り下ろされる大槌に、慌てて受け身の姿勢をとるが…・・

『げはっっ……!!!』
次の瞬間、急に力を失い倒れ込む山賊。
その喉元には、ブレイドの投げたナイフが深々と突き刺さっていた。

「……た、たすかった……」
見知らぬ人からの思いがけぬ救援に胸をなでおろし、
油断した自分を省みる事一瞬。

戦斧を構え直し、残る山賊どもを蹴散らしに向かう。

ブレイド > 「ふぅ……」

危ないところだった。
放っておけば…あまり見たくないシーンが見れたことだろう。
流石に少女の脳症がぶちまけられるような場面に遭遇したら寝覚めも悪い。
突然のことで驚いた様子のシスターだが、まだ敵は残っているか。

「あー、加勢する」

少女の得物は大きい。
巻き込まれないように背中に付き、少女の援護に回る。
なかなかの腕前の少女、
死角をこちらで守れば、山賊ごときに遅れは取らないだろう。
なにせ、初めて見る少女だ。へたに横に並んでも連携は期待できないからこそ
サブにつく。

ノエニ > 山間に響く、山賊達の怒号。
やがてそれは悲鳴へと変わり、そして、また静寂が訪れる。
残るは山賊達の亡骸のみであった。


「ふぅ……はぁ……疲れた……。」
狩りの証として、統領らしき男のゴツい兜を剥ぎ取ると、
月を仰ぎ見ながら乱れた息を整える。
ブレイドの助けもあり、今日はほぼ無傷で仕事を終える事ができた様だ。

「あ、え、えっと……そ、その……
 ……手助け……ありがとッス……。」
おずおずとブレイドへと歩み寄ると、
殆ど聞き取れない様な微かな声で礼を言う。

ちらちらと遠慮がちに見てくるその瞳は、明らかに人見知りのそれ。
隠し切れぬ警戒心が如実に染み出ている。

ブレイド > 戦いは終わった。
お互い傷つくことはなく終わることはできたが…
見上げてみればすでに月が登っている。
流石にふたりで山賊を壊滅させるとなると、結構時間がかかったようだ。
戦っている間は、そんなに長くは感じなかったが…。

「ぉぅ、おつかれ…無茶するなぁ…」

少女が兜を剥ぎ取っているのを見れば
なにかしらの依頼だったということが何となく分かるが…
この規模の山賊を一人で討伐など…自分がいなかったらどうなっていたのか。
まったく、ゾッとしない。

「いーって、別に。
とおりすがりみてーなもんだし」

ボソボソとなんか言ってるけど、たぶん礼かなにかだろう。
警戒しているようだが、それも当たり前だ。
こんなところで通りすがりなんてのも不自然だろうし。

ノエニ > 「………そ、そうですか……。」
「…………。」
別にいい、と言われ……
特に会話が続かず、気まずい沈黙。

……一人で山賊に殴り込む豪胆さがあるかと思えば、
実のところ相当なコミュ障らしい。

「あ……え……っと……!
 ……お礼なんぞを……しないと……いけません、よね……?」
ちらちらと怯えた様な表情でブレイドの顔を盗み見つつ、
礼をするんだかしないんだか、煮え切らない口調で話しかけてきた。

「と、とりあえず……山を、下りましょう、そうしましょう……。」
ブレイドの返事も待たず、てけてけと小動物の様な足取りで山道を下り始める。

ブレイド > 「……あー…」

なんか、黙ってしまった。
悪いことでも言ってしまった…というわけではないだろう。
会話が苦手なのだろうか?
どうしよう…少し頭をかいて、こちらも会話に困る。

「ん、あ?お礼?
気にしねーでいいのに…ってか、もう夜だぜ?」

日も落ちて、月明かりがあったとしても薄暗い。
コイツラ以外の賊が顔を出してもおかしくはないのだが…
とりあえず、放っておく訳にはいかないので、テケテケ歩き出す少女を追う。

「足元、気をつけろよ?」

無傷で戦いを終えてもころんで怪我したら意味はない。

ノエニ > 「そ、そういうわけにも、行きません!
 労働には等しく対価を払わなければ。」
そういって、ブレイドが倒した盗賊の数を指折り数える。
ブレイドは少女のサポートに回っていたものの、
それなりの人数を斃しており、その分報酬の分け前を貰う権利はあるだろう。

「それに……
 ……貴方の助けが無ければ、死んでたところでしたし……。
 望むままに、礼を致しましょう……!!」
さらには、命の危機も救ってもらった。
あの時助けが無ければ、少女は脳症をブチまけてただの肉塊となっていただろう。

「か、金は幾ら欲しいですか?
 それとも、飯とか酒とかがいいですか……?
 あ、あるいは……カラダですか……っ?」
基本的に守銭奴な少女なのだが、命の恩人とあれば別だ。
望むままに礼をするつもりだという。

ブレイド > 「うぉ…」

突然声を張り上げるものだから少し驚いた。
さっきのボソボソ声を聞いていたからなおさらに。
まぁ、少女の言いたいこともわかるが…。

「オレも見捨ててたら寝覚め悪かったしな。
つか、望むままって…大きく出たな、おい」

命を助けたにしても少し安売りし過ぎではないだろうか?
さっきまで警戒していたのがまるで嘘のよう…
いや、距離感とかそういうの下手っぴなのか?

「カラダって、アンタそんなんが目的ならもうちょっと早めに襲ってると思わねーか?
お礼しねーと気がすまねぇってなら、なんか考えとくけどよ
つか、どっかで休まなくて大丈夫か?」

背は低いが…見下ろすと、でかい。
こんな少女がカラダがほしいのかなどと言ったら、男であれば2つ返事で頷いてしまいそうではあるが…。

ノエニ > 「すみません、カラダは言い過ぎました。
 ……そんなに、安売りするべきじゃないですね……。」
と、勢い任せの言動を反省するかの素振りを見せ……

「超カワイイ私ですから……
 ……1回金貨1袋でも安過ぎですよね……。」
いや、なんかとんでもない事を小声で言い始めた。。
こいつただのコミュ障ではなく、なんかヤベー奴の様だ。
黙ってれば、見た目は悪くないのは確かだが。
胸もでかいし。

「と、言う事で……。
 礼は、別のモノで考えておいて下さい……。
 あ、え、えっと……休憩、します……?
 ……私は案外大丈夫ですが……。」

ブレイド > 「………」

なんかこう、いい性格しているようだ。
こちらも黙って聞いているとなんとなく味のある表情になってしまう。
なんなのだろう、いったい。

「まぁ、確かに可愛い顔してるとは思うけど
なんつーか、気をつけろよな。
いろいろと、まじでな」

主に言動とか。
こんな事言いだしていたらガラの悪いごろつきにぶち犯されても仕方がない…。
そういう経験があった上でこのような感じならよほど肝が太い。

「カラダじゃなけりゃ、まぁ、お礼とか別にいいけどさ。
つか、結構夜目が効くタイプか?
疲れてるとかもだけどよ、夜の山道なんざあぶねーだろ」

カラダが目当てというわけではなかったけど…
そう言われるとなんとなく損した気分だ。