2022/05/02 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に黒曜石さんが現れました。
黒曜石 > パチパチ、と。薪の弾ける音が響く。
微かな虫の音、風の音の中に混じる焚き火の音。
街道から外れ、山中に少しだけ入った場所。
山に踏み入る者が、休憩に使う場所だろうか。
夜も更け、僅かに肌寒い空気を、弾ける焔が赤く染めている。
そこに照らされるのは、食事に使ったのか何本かの串と
傍らに座って、焚き火に視線を向ける男の姿。

「――――――」

乾いて、少し罅割れた唇から微かに吐息が零れる。
深く黒い眸は、炎の色を映しても輝きはない。
まるで死骸のように静かに、片膝を抱えるように座っている。
そっと、片手が伸びて、薪を一本拾えば、焚き火に投げ込む。
パチリッ!と火花が弾けて、火の粉が散った。
乾いた木を、炎が艶めかしく舐めてまた少し、火勢が強まった。
旅の傍らの休息のような、そんな光景。

黒曜石 > もう一本、薪を手に取る。
手に取って、へし折って、焚き火の中に加える。
それともうひとつ。串に刺さった魚を、焚き火の傍の地面に突き刺す。
一本、二本、三本――まるで薄く膜が張ったような瞳がその光景を茫洋と見つめる。

「賑やか、だな……」

零れるのは微かな声音。
耳に届くのは、虫の音か、弾ける焚き火の音か、それとも魚の焼ける脂の音か。
あるいは、それ以外の何かが聞こえるのかも知れないけれど。
黒曜石のような眼差しに何かを、浮かべることもなく焚き火を見つめている。
夜の山の中に、仄かに温かみを産み出して、その恩恵に預かる。
それだけの時間。

黒曜石 > やがて、どれだけ時間が過ぎたことだろう。
火の無い灰と化した焚き火。
夜の中に残されたそれだけが、ささやかな時間の残滓を物語っていた―――。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から黒曜石さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にセラサス・セルラータさんが現れました。
セラサス・セルラータ > 山の討伐というものは 実に時間がかかる。

山の戦いに慣れていない者が来ると、なぜこうも手間を取るのかと下の者に憤怒する。

そんな光景を何度も見てきているセラサスは、山の中での厄介な獣や盗賊などの討伐に明け暮れる。
その折りには時折こうして、鎧の手入れと山の中の湿度や戦闘での汚れを拭うように湯屋を利用していた。

「ふぅぅー…… 染みるな。」

立場上 山の中での貢献のおかげか、格安で湯を貸してくれることもあれば
傷の手当に必要な際には無償な時もあるだろう
持ちつ持たれつの関係性の中で、こうして温泉の湧いている場所を借りては全身を浸からせている。

傷の回復 疲労を無くすなど 山の兵にとって湧き出る湯水は継続させる理由の一端にもなるだろう。

セラサスは、筋肉質な全体の体 グッと拳を造り、腕の力瘤を造ると
湯の中での疲労の具合を確かめながら、白緑色の濁り湯の中で、しばしの休息。

鎧と剣は同僚が別の場所で預かってくれているだけに
何事も無ければ湯の中で虎の尾を揺らし、虎の耳はぴくぴくと鳥の声や湯水の音を拾う。

セラサス・セルラータ > やがて入浴を終え、装備を取りに戻っていき。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からセラサス・セルラータさんが去りました。