2021/11/27 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 九頭龍山脈、その麓付近にある湖。
その沿岸、ところどころに、腰掛けるに程良い岩があり。
その内の一つに、少女は腰を掛けていた。
「………こう言う時に限って、なかなかに、釣れんのぅ」
その言葉から、今、少女が何をしているか、想像出来るだろう。
すぐ傍らを見れば、別の岩をバランス良く並べ。
そこに釣竿を斜めに引っ掛け、手にせずとも、釣り糸が垂らされるように調整されている。
さっきまでは、手に握っていたのだが、少し疲れたので、こうして休憩を挟みつつ、釣りは続けているのだ。
くぁ…軽く欠伸をしつつ、ぐーっと伸びをして。
のんびりと、水面を眺めたり、晴れた青空を見上げたりしていた。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 九頭龍山脈の山賊街道にて盗賊団討伐の依頼を果たした帰路。
湖付近の森の中にて天幕を張り、水の調達へと湖畔にまで足を伸ばした。
遠征時、一番の問題となるのは飲料水の確保であり、その点、
今回のように濾過すれば飲む事も叶う湖があるのは何とも有り難い事で。
「んっ、……釣り人、か?」
樹々を抜けて開けた湖畔に踏み出せば、水面の反射に思わず細めた視界の端、
湖に釣り糸を垂らす先客の姿を見付ければ、その目を眇める。
岩の上に腰掛ける先客の見覚えある髪色と同色の揺れる尾を見て取れば足が其方に向き。
「あぁ、矢張りか。よぉ、タマモ。今日は九尾なんだな?」
顔がはっきりと見て取れる距離まで近付いてみれば、以前に迷宮の中で遭遇した人物。
否、人ではなく狐狸の類であろうが、兎にも角にも、知った相手に声を掛けて。
■タマモ > 右に左に、体を揺らし、体を解していれば。
ぴくん、と耳が揺れ、その動きが止まる。
まぁ、少女がこの反応を示した時は、大概、何かに気付いた時だ。
実際に、その付近、近付いてくる誰かが居る訳で。
と、それに気付いたところで、少女の行動は変わらない。
のんびりと、休憩継続、と言ったところで、その誰かが近付いて来るのを理解する。
足音で分かるのは、相手の大雑把な体格と性格ぐらいか。
例えば、大柄で大胆、好奇心旺盛な性格であれば、堂々と近付いてくるだろうし。
慎重であれば、その足音を忍ばして来るか、我関せずで去って行く。
足音の感覚一つで、それなりには分かるものなのだ。
今回の場合は、多分、知人だ。
己に気付いたように、一寸動きが止まるも、何かに気付いたように、普通の歩調で近寄って来る。
現に、ある程度に近付いたところで、声が掛かった。
「おや、誰かと思えば…
………うん?…あー…そうか、あの時に会うたっけかのぅ…
これが、本来の妾の姿じゃ」
が、その言葉に、かくん?と首を傾げる。
何かを思い出そうとしているように、視線がさ迷い…ぽんっ、手を打つ。
そして、そう答えるのだ。
■トーラス > 声を掛けた女の反応に拍子抜けすれば軽く肩を竦めれば苦笑を漏らす。
自身の事を思い出したと云うよりも、彼女が尾の大半を喪っていた時の事を思い返したのであろう。
その反応に対して腹立たしさも覚えず、手にした水袋を持った侭、
相手に背中を向けると水辺に屈み込んで、動物の胃袋で作られた袋を水中に沈み込ませる。
「んっ、……冷っ」
秋の暮れ、冬の始まり。
湖の水温は下がり、水の冷たさに季節を感じながら、水袋を満たすとそれを持ち上げ。
水面に垂れる釣竿の糸の先を眺めた後、振り返れば、彼女の傍らを見廻す。
釣果があるならば、其処に在る筈の魚の姿が影も形も見当たらなければ、口端を緩め。
「ふむ、坊主か?
水温が下がっていると魚も中々餌に食い付かないかもな。
……持て余しているならば、俺と暇潰しでも如何だ?」
水袋を担ぎ直して、女に声を掛ければ、其の侭、立ち去るのかと思いきや、
相手の腰掛ける岩の隣りに腰を据えると、揺れる尾の一本に触れようと手を伸ばす。
■タマモ > 少女はこれでも、千を超える年月を生きる、妖の中でも古参の存在、であった。
それでも、出会った者達、そのすべての顔を覚えているのだ。
名前を覚えきれないくらいは、大目にみて欲しいものである。
…まぁ、それを知らないのだから、あれなのだが。
ふむ、と軽く腕を組みながら、水を汲む様子を見詰めてはいるも。
己の釣竿と、足元の、魚を入れておこうとしている、小さな水の溜まり。
それを見ての男の言葉に、はふん、と溜息を一つ。
「小腹を満たそうと、一匹か二匹で良いか、とな?
そう思っている時に限って、こんなものじゃ。
寒さのせいか…むむむ…それも、あるやもしれんな。
いやいや、こうした時間も、悪いものではないものじゃぞ?
時に、体を、心を休める事も、大事な事、とな?」
ひらひらと手を振り、そう答えているものの。
その途中、伸びる手が尻尾に伸びれば、ちら、と視線を向け。
それ以上は何もせずだが、ゆらり、揺れる尻尾の一本に、触れる事が出来るだろう。
ふわふわのもふもふで、温く、触り心地は最高である…それだけだが。
さすがに、そのすべての尻尾が、思った通りのものでは非ず、であるのが分かるか。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にクロイツさんが現れました。
■クロイツ > 九頭龍山脈の山中にある山賊のアジトの一つ。
先ほどまでは戦利品を前に酒盛りで盛り上がっていたその場は今は悲鳴と血の匂いが漂う惨劇の場。
アジトの山賊たちはある者は地に伏し、ある者は逃げまどっていて。
それを行っているのは一見華奢と言える見た目の少年で。
「あれだけ派手にやって手配書まで出てるのにこの程度なんだ。
これじゃ肩慣らしにもならないよ?」
完ぺきとは言えないがそれなりに魔力が戻り、それを試すために手配書にあった山賊のアジトに乗り込んだのが少し前。
最初こそ怒声や罵声と共にこちらを殺そうとしていた者達は最初の様子はなく完全に狩られる側。
かといって追撃の手を緩める事もなく、魔術で、素手で未だに抵抗をする者を始末をして。
「これでも魔王なんだよ?こんな玩具で如何にかなる訳ないよ」
転がる鉄製の剣を踏み砕いてアジトに逃げ込んだ生き残りを追いかける為に足を向けてアジトへと足を向けて。
■クロイツ > アジトに踏み込めば残りの山賊たちがバリケードを築いての最後の抵抗を見せ。
それに笑みを見せれば解き放つのはアジトに損傷を与えない魔術。
やがてアジトから人の気配が消えれば一人だけが外へと出、その場から立ち去って。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からクロイツさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──ほう……」
ぱらぱらと雨が降る夜。
山中をランタンを携え散策していた金髪の男は、その道中で山小屋を発見して足を止めた。
男は顎に手を当て思案するような仕草をしながら、その小屋をジロジロと眺め。
「ほむ……ちょうどいいから今日はココに泊まるとしようかのう。雨もこの後強くなりそうだしな」
そう独り言ちておもむろに近づけば、一応軽くノックをした後扉を開け、中へ。
明かりの灯っていない小屋の中を、ランタンを掲げて照らして眺め回す。
中には木製のテーブルが一つに椅子が2脚。
壁沿いに設置された木製の幅広のベンチのようなものは、布団のような寝具こそないが、おそらく寝床だろう。
「──ふーむ……ちょっと埃っぽいがたまに利用されてはいるといったところかな……ウム、上等上等」
などと満足気にウンウンと頷き、テーブルの上のホコリを軽く払うと、ランタンとバッグをその上に置く。
椅子のホコリも払ってから、ゆっくりと腰を下ろし。
「ふぃー……──うおっ。何だ急に強まってきた雨脚」
一息ついた所で、ざざ、と急に雨音が大きくなって軽く驚きに目を丸める。
まさにすんでのところで屋根のあるところに入れた自分のタイミングの良さに
さすが俺、などと内心で自賛しつつ、タオルを取り出すと濡れた髪や顔をわしわしと拭い始め。
ゴロゴロと雷も鳴り始めたのが耳に届くと、こりゃ今夜中には止まない奴かな……と呟きを漏らす。
そんな折、小屋の扉をノックする音が響く。
十中八九、自分と同じく雨宿りの場所を求めた誰かだろう。のそりと立ち上がると、
出入り口の方まで向かい全くの無警戒でその扉を開けてやり、まるで自宅のごとくに笑顔で出迎えて。
「はいはーい。雨やべーだろとりあえずカカッと入りなせえ」