2021/04/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にユベールさんが現れました。
■ユベール > ゴトゴト、ゴトゴト、走る幌馬車の中には、悲嘆が満ちていた。
肩を寄せ合い啜り泣く少女たち、必死に涙を堪えているミレーの子供、
薬でも嗅がされているのか、ぼんやりと虚空を見つめ、口を半開きにした若い女。
彼らが皆そうであるように、修道衣姿の『少年』の首にも、黒革の首輪が嵌められていた。
バフートで売られ、何処かへ買われていく奴隷たちを運ぶ馬車だ。
その身分を示すのは首輪だけではない、皆の両手を前で括った金属の枷は、
ひとりこっそり逃げ出す者が出ないよう、それぞれ縄を通されていて、
落ち着かなくとも、逃げ出したくとも、大人しく身を寄せ合い、座っているしか術がない。
「どうしよう、どうしよう……これ、絶対、このまま行っちゃダメなやつだよね……」
青ざめた顔を俯かせ、目深に被ったフードの下で独りごちる。
『少年』奴隷としてであれ、『少女』奴隷としてであれ、
行き着く先が地獄であるのに変わりはないはず。
いっそこの辺りで良く出るという山賊でも現れて、馬車を襲ってくれたなら、
隙をついて逃げ出すことも出来るのでは、と考えるも、
略奪されて、もっと悪い地獄へ行き着く可能性についても、考えずにはいられなかった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にアラクレさんが現れました。
■アラクレ > (街道で奴隷を運ぶ幌馬車が通ると言う情報を、街で情報収集をしている仲間から連絡を受けて襲撃するために20人ほどで待ち伏せをして。
情報通りに幌馬車が現れれば幌馬車の前方に15人、後方に5人の配置で取り囲み、幌馬車を止まらせる。
自分以外の仲間には弓を構えさせ、不用意に動き出せば射殺すというように威嚇をしながら、自分が代表して前へ出て)
「おーっと、これ以上は通行止めだ。
命が惜しかったら抵抗せずにアジトまで来て貰おうか。
下手なことはするなよ?別に荷物だけでもこっちとしちゃぁ十分なんだ。
死にたくねぇだろうし、なんだったら運ぶだけの荷物を楽しめるんだぜ?」
(護衛がいたとしても取り囲まれて弓を構えられていれば抵抗は出来ないだろう、武器を落とさせて団員に彼らを拘束させて。
それを横目に自分は荷物の確認と、幌馬車の中を覗きこむ)
「へぇ、なかなかの収穫じゃねぇか……これなら暫くは楽しめそうだな。
ん?おい、お前、フードを取れ……って拘束されてるから出来ねえのか、仕方ねぇなぁ」
(フードを目深にかぶり、俯いている小柄な人物に気付けばフードを取るようにと言って、拘束されていて無理だと分かれば無造作にフードをはぎ取ろうとする)
■ユベール > ガタ、ゴトッ――――――大きくひと揺れして、不意に馬車が停まった。
何事かと思い耳を澄ませば、外の騒ぎが切れ切れに聞こえてくる。
どうやら本当に、馬車が賊に襲われているらしい。
「う、嘘でしょ………」
そんな馬鹿な。
馬車が停まってくれればとは思ったけれど、こんなに急では、
しかも、明らかに大人数での襲撃であるらしいと察して、更に青くなる。
せめて、あまり怖い人でなければ良いのに、などと、望むべくもないことを―――――
忙しく思考を巡らせつつも、頑なに顔を伏せていたのだが。
フード、という単語に周囲の子供たちがざわめき、『少年』はびくりと肩を震わす。
下手に声をあげるわけにもいかず、ふるふる、と小さく頭を振ってみせたが、
無遠慮に伸びてきた手が、ばさりとフードを引き剥いだ。
ひゅ、と微かに喉を鳴らし、ますます身を硬くして四肢を縮こまらせるも、
長く垂れた髪の間から覗く、僅かに尖った耳、とか。
少年だとしても、随分と華奢な首筋、とか、そんなものが露出する。
ついでに、前で戒められた両手の――――右手親指に今も填まる、安くなさそうな指輪も、だ。
■アラクレ > <<場所移動します>>
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からアラクレさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からユベールさんが去りました。