2021/04/13 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ほう……」

ぱらぱらと雨が降る夜。
山中をランタンを携え散策していた金髪の男は、その道中で山小屋を発見して足を止めた。
男は顎に手を当て思案するような仕草をしながら、その小屋をジロジロと眺め。

「ほむ……ちょうどいいから今日はココに泊まるとしようかのう。雨もこの後強くなりそうだしな」

そう独り言ちておもむろに近づけば、一応軽くノックをした後扉を開け、中へ。
明かりの灯っていない小屋の中を、ランタンを掲げて照らして眺め回す。
中には木製のテーブルが一つに椅子が2脚。
壁沿いに設置された木製の幅広のベンチのようなものは、布団のような寝具こそないが、おそらく寝床だろう。

「──ふーむ……ちょっと埃っぽいがたまに利用されてはいるといったところかな……ウム、上等上等」

などと満足気にウンウンと頷き、テーブルの上のホコリを軽く払うと、ランタンとバッグをその上に置く。
椅子のホコリも払ってから、ゆっくりと腰を下ろし。

「ふぃー……──うおっ。何だ急に強まってきた雨脚」

一息ついた所で、ざざ、と急に雨音が大きくなって軽く驚きに目を丸める。
まさにすんでのところで屋根のあるところに入れた自分のタイミングの良さに
さすが俺、などと内心で自賛しつつ、タオルを取り出すと濡れた髪や顔をわしわしと拭い始め。
ゴロゴロと雷も鳴り始めたのが耳に届くと、こりゃ今夜中には止まない奴かな……と呟きを漏らす。

エレイ > その晩は男の予想通り雨は止まず、そのまま小屋で夜を明かし──
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 朝日が昇るのも随分早くなった。
少し浮かれたような鳥の囀る中、朝のひやりとした空気漂う緑深い山肌を行く人影ひとつ。

「…―――♪」

銅色の肌のエルフはくせ毛を揺らし、ごく小さく、鳥の囀りに混ざるように歌いながら、森に囲われた沢伝いに斜面を登って行く。
時折小動物が繁みを揺らして駆け去って行くのを横目で見ては笑みを零し、所々苔に覆われた岩間をのなかかるがると歩みを進める。

少し視線を上げれば、陽光が新緑を透かしてまるで緑色の灯りが灯されている様。合間からは光の帯が地面へと振り落ちて、ざあ、と時折吹く風にゆらゆらと揺れる。

薬草採取と散歩と、趣味と実益を兼ねた道行。
女エルフは若草色の瞳を細め、唇の端を上げると自然と歌は明るい調子のものを選んで、ヒトにはわからぬ言葉で春を寿ぐ。

ジギィ > 恐らくお昼ごろまでには中腹へ辿り着けるだろう。
様子を見て、今日この山で野営をするかはそれまでの成果次第。

(森の民たるエルフを、森で狩れるものもいないだろうし…)

ほんのすこし慢心にも似た事を考えるが、同時にそれは矜持でもあったり。

鳥と歌声を競うようにもしながら、女エルフは天を目指すかのごとく斜面を登って行く…

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジギィさんが去りました。