2021/03/17 のログ
■タマモ > ぴくん、不意に耳が揺れる。
その存在は、それなりに距離のある場所、そこに居るだろう。
だが、この静かな河川の周辺での鼻歌は、十分に異音となっていたのだ。
…とは言え、だから何だ、と言う訳ではない。
敵意も害意も無いならば、寄ってこようと問題はないのだから。
魚が焼けたのを確認し、焚き火から焼き魚を離す。
用意した器の上に並べれば、後は食べるだけである。
離れた場所に居る何者か、その相手が近付いてくるならば。
とりあえず、そちらに少しだけ注意は払っておこう。
警戒、ではなく、どんな相手か気になるのは当然の事、見てみたいと言う、こちらも好奇心だ。
■ソラム > 石に躓いて転ばないようにしつつ、少女に近づく。
やがて少女の傍まで歩いてくると、改めて少女の姿を見る。
遠目でしか見えなかったものだが、どうやら魚を焼いていたようだ。
「魚、焼いてたの...?」
少女にそう問いつつも、彼女は愛用し、いつも羽織っている群青色のロングコートのポケットから小さく丸い果物を取り出し、口に放り込む。果物は赤みがかっており、食べられるくらいにまで熟しているだろう。
■タマモ > 河川を囲む木々の合間から、その存在は姿を現した。
そこでやっと、その存在が少女だと知る訳だが。
一匹目の焼き魚を手に取れば、ふーっ、ふーっ、と息を吹き掛ける。
…焼き立ては熱いのだ、猫舌なのだから仕方無い。
そんな事をしながら、その少女へと視線を向ける。
「………うん?…いや、まぁ、見て分かる通りじゃのぅ?
川のある所、釣りをせねば失礼と言うものじゃろう?」
別に、そんな礼儀はないのだが。
そう伝えながら、冷め加減を確かめる。
「して、こんな場所、お主こそどうしたものか。
魚の匂いに釣られ、やって来たくちか?」
もう一匹の串を手にしながら、ぴし、と少女を指し。
続けて、そう問うのだ。
■タマモ > 焼いた魚は、多くも無く、少なくも無く。
もし、その少女が己の言う通り、釣られて来たり、今見て欲しくなったとか。
何であれ、魚を欲するならば、別に分けるのも吝かではない。
で、結局のところは、どうなったのか?
それは、己と少女のみぞ知るところである。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からタマモさんが去りました。