2021/01/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にシゲンさんが現れました。
シゲン > 街道沿いから山中に分け入った所にひっそりと立つ放棄された古い山小屋
天井の梁を伝って落ちた水滴が頬に落ち、朽ちかけた壁より入ってくる冷たい夜風に見を震わせれば目を覚ます
目覚めて気がついたが、手足はしっかり拘束されており、立ち上がるにも難儀をした

「はて?乗合馬車に乗っていたハズだけども…?」

冷たい床の上から手近にあった古ぼけた椅子に腰を下ろすと小首を傾げて現状把握に務める
朝方、確かに乗合馬車に乗り込み、ゴトゴトと揺れる車内で昨晩の深酒が祟ったか、
眠りに落ちたところまでは覚えている。予定通りであるならば夕暮れ時には王都に付いているはずで、
こんな崩れかけたどこともしれぬ山小屋にいるはずはないのである
そしてもう一つ、腰に下げていた刀が見当たらない。高価な物ではないけれどそれなりの愛着があった

「…これは山賊にでも捕まったかな?」

室内を見渡すが自分以外に人影はなく
また、室内は暗くてよく判らぬが自分以外が捕まっていたような形跡もない
乗合馬車には自分しか乗っていなかったけれども、馬車の御者は上手く逃げ出したであろうか?
自分を捉えたであろう山賊の気配もなく、シンと静まり返った山小屋には、
どうやら手足を縛られ拘束された自分が、ポツンと1人残されているようである

「…逃げるか」

全く緩い決意表明をすればぴょんぴょんと両足で飛びながら山小屋の中を使えそうなものを探す
上手くすればそこいらに自分の刀が置かれているかもしれない…
売った所で二束三文、自分以外に使いようは無いであろうから可能性はある
そう広くはない山小屋の中を拘束された男がぴょんと跳ねながら探しものをする姿は実に滑稽であろう
こんな状況で我が身のことながら、何やら笑えてきた