2021/01/11 のログ
ご案内:「九頭龍山脈/山中 山賊街道/山中」にレーキさんが現れました。
■レーキ > 男がいる場所に差し込むのは冷たい月の光。
山中の森の中、カコーン、カツーン、カコーンと、甲高い音が響き広がっていく。
その音の出どころは一人の男。
寒くここげる様な冷気や体温を奪う風も半裸の男の脂肪や筋肉の熱は冷ます事が出来ず、かわりに白い湯気を生む。
斧を振りかぶる度に巨躯の男の背中に盛り上がる瘤の様な筋肉によって、生み出された力強さをもって木の幹に斧を突き立てる。
予め倒す方向が決められていた木は削られた所でみし、みしみしと軋んだ音を立てながら倒れ、ずぅぅぅんっと腹を揺するような低く重い音を響かせながら山を小さく揺らす。
■レーキ > ふー。と一息つくと、斧を少し小さいものに変え、枝を打ちはじめる。
カン、カンと、それまでの物よりも短いリズムで木の幹から延びる太い枝や細い枝を払い、木を整え続ける。
しばし、その音を響かせ、腕を振るい木の幹から枝を払い終えれば男は倒した木の中央辺りを抱えるように抱くと、筋肉が体を支えるようにギチギチと力が籠められ男によって担がれる。
ずっ、ずっと比較的平らな山の斜面に足をめり込ませながら男は一歩。また一歩と足を進め、
切り倒した木を並べておく場所へと運んでいく。
■レーキ > ここに積み上げておけば翌日には運搬型が運んでくれる。
そんなシステムらしいが、男はただひたすらに木を刈り運び、黙々と仕事をしていく。
白い湯気となり蒸発していく汗を手ぬぐいで拭うと、御茶を入れるために焚き火の傍で温めていた薬缶から中の茶をコップに移し一息。
■レーキ > 「ずず…」
自分で作った特製サイズのコップ(ジョッキ)を手で包み込み、伝わる熱で温めながら中の茶を啜れば、広がる香りにわずかな渋みと辛み。
安物の御茶なので甘みなどはなく、体を暖めるためのしょうがのしぼり汁のおかげですこしピリリとするそれを味わい、ふっと一息零してからぼんやりと天を見上げる。
■レーキ > そして男は再び木を刈りに戻っていった。
ご案内:「九頭龍山脈/山中 山賊街道/山中」からレーキさんが去りました。