2020/06/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──あーもうベトベトだよ……」

月の明るい夜。
そんなウンザリした声を漏らしながら、ざしざしと山道を歩いて下っている金髪の男が一人。

その全身は、今は何やら赤黒い液体で言葉通りにベトベトである。
──というか、それはあからさまに血であった。
そんな男の挙動はどこかに不具合を感じさせるものではないことから、これは
男自身の出血ではなく、どうやら返り血の類であることも読み取れる。

より鋭敏に鼻の効く者であれば、それは人間の血ではない、ということもわかるかもしれない。

「麓に降りる前に一度流しでもしないと血だらけのやべーやつ扱いされてしまうのは
確定的に明らか。んんーむ、この辺に川とかありましたかねぇ……」

ぬぅん、と唸りながら記憶をたどりつつ。
全身血まみれのホラー状態の男は、しかし堂々と道の真ん中で歩を進め続け。