2020/05/05 のログ
■ラディエル > どれ位の時間、そうして転がっていただろう。
死体の振りを続ける必然性は無さそうだと判断した――――と言うより、
単純に硬い地面に転がっているのが苦痛になってきた。
どっこらしょ、なぞと年寄りじみた掛け声と共に上体を起こし、
ボロボロの黒衣に絡む土埃を、両手で雑に払いながら立ち上がる。
うーん、と大きく伸びをして――――、
「………さて。
今夜は何処で休むか、ね。
此の辺って、集落とか何かあるんだっけか……、」
此の街道が何と呼ばれているかは知っている。
つまり、あったとしても、其れは高確率で善意の人の集落では無いだろう、が、
―――――何とかなるだろう、とぼんやり考えつつ、轍の痕を辿って歩き出す。
取り敢えず街へ辿り着くまでには、もう少しましな私服を調達しなければ、
今度は留置所に叩き込まれる羽目に陥りそうだ、とも―――――。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からラディエルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にヒヨリさんが現れました。
■ヒヨリ > 九頭龍山脈、山中ではあるも麓付近と深くない場所。
山賊街道から少し離れた木々の中、透き通るような歌声が微風と共に流れていた。
その歌声の主は一人の少女、身丈以上の岩の上に腰掛けて。
瞳を閉じながら、その歌声に集中している。
ただ、時折、閉じた瞳を開き周囲を見渡す。
その瞳には、どこか不安気な様子が見え隠れしている。
そして、何もない事を確かめると、また瞳を閉じて歌に集中するのだ。
■ヒヨリ > がさり、と茂みから起こる物音。
「ぴぃっ!?」
そんな物音が起これば、歌声はぴたりと止まり、素っ頓狂な声が上がった。
少女はがばっと岩の頂に丸まる、これで身を隠したつもりだ。
そして、その物音の方角へ、恐る恐る怯えた視線を向ける。
少しの間を置き、そこからぴょこんっ、と姿を現わすのは一匹の小動物。
その姿を見た途端、はぁー…と深い深い吐息を吐くのだった。
「び、びび…びっくりしたぁ…ど、どなたか、来てしまったかと…」
相手は小動物だと言うのに、怯えた様子を隠す事なく。
そんな相手が奥へと引っ込むまで、少女は身を隠したつもりのまま、注意深く見ているのだ。
そして、何も居ない事をしっかりと確かめれば、その歌声を再開し始めて。
■ヒヨリ > ちょくちょくとやって来て、人の来なさそうな場所を探しては、こうして歌う。
今日の場所は、近くに温泉が湧いているようで。
後でちょっと入ろうかな?なんて考えを浮かべながら、いつものように、歌声を奏でる。
岩の上に腰掛け直し、両手は膝元に添えて。
ゆらゆらと背の翼を揺らしながら、紡ぐ歌声を再び微風に乗せる。
その静かな奏では、寝入っている動物達に、心地良い眠りを与えている事だろう。
■ヒヨリ > そうして、しばらく歌える事が出来たのならば、満足そうに歌い終える。
岩の上に立ち上がれば、ふわっ、と岩から地面へと舞い降りて。
周囲への警戒は向けたまま、見えていた、温泉へと向けて歩き出す。
その後、目的の場所までは着いたのだけど…
少女に少し熱過ぎる温泉で、泣く泣く諦める姿が見えていたとか。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からヒヨリさんが去りました。