2020/04/18 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは九頭龍山脈、それなりに奥へと進んだ山中。
いつもは静かな獣道、そこに何度も、硬い物を打つ鈍い音が鳴り響く。
そして、その音に続き、何かの鳴き声か、呻き声らしきものも。
その音を辿り、木々の隙間を縫って行けば、そこに見えるのは…
いや、灯りのない暗闇だ、闇を見通せなければ見えないか。
その暗闇の中、月の明かりに反射して、赤味を帯びた金色が輝く。

「………まぁ、仕方無いのじゃ。
そもそも、襲ってきたのは、お主達からじゃからのぅ。
そして、あれじゃな…今宵は、月が良く見える」

再び、ごっ、と響く鈍い音。
暗闇から、獣道へと吹き飛ばされた何か。
どごぉっ!と木の幹に強く打ち付けられたそれは、魔物の姿。
汚れ切った手入れもしてない鎧を纏い、手斧を持つそれは、ゴブリンだった。
かなりの衝撃だったのだろう、ずるずると崩れ落ち、地面に倒れた。

いつもの散歩、そこまでは良かった。
日も沈み、のんびりと休もうと、空けた場所を探して…の途中、それらと遭遇したのだ。
どこかに向かうつもりだったのか、どこかからの帰還中だったのか、それは分からない。
気が付けば、結構な数に囲まれていた。
警戒しようとするタイミング、その前にこの状態だったから、どうしようもなかったのだ。
偶然とは、怖いものである。

「にしても、多いのぅ。
倒しても倒しても、きりがないのじゃ」

ぽつりと、そんな呟き。
そう、結構減らしたのだが、まだまだ周囲の気配は途切れていない。

タマモ > 「あれじゃな、一匹倒したら、三十匹は居る。
それみたいなもの、じゃろうか?」

はふん、と軽く溜息。
うん、何かちょっと違う気がしないでもない。
そして、それに合わせたように、その少女に襲い掛かる、白金の閃。

しかし、ぱんっ、と弾くような音。
少女の手の平が、その武器を振るう手に当たる。
同時に、ふわり、その手を掴まれたゴブリンの体は、浮き上がった。
浮かされた体、ゴブリン自身にどうしようもなく、体を捩ったりする程度しか間を与えない。
次の瞬間、ごすっ!とゴブリンは頭から地面に叩き付けられた。

「………あー…これ、何匹目じゃったっけか?」

等と、考え込むような仕草をしながら、呟くも…
先の通り、まだまだ数は残っている。
次のゴブリン、更に次のゴブリンが次々と襲い掛かって来るだろう。

時に打ち、時に投げ、少女は襲い来るゴブリン達を倒す。
もうしばらく経てば、そこら中、倒れたゴブリン達となるか。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にオグルゴブリンさんが現れました。
オグルゴブリン > 無数に倒れる同族……と言ってもゴブリンでありながらゴブリンを逸脱し始めたオグルゴブリン達にとっては虫けらと代わらないが、そんな同族達が1人の着物をまとったミレー族の少女にしか見えない人影にいとも容易く打ち砕かれていく様を眺めていた。

最初はゴブリン達と同じように山脈を山道を歩く少女に眼をつけて、護衛も持たない無防備で愚かな少女を捕まえて巣に戦利品として持ち帰ろうと、一緒に狩りに来ていた同じオグルゴブリンの兄弟を一足先に少女の歓迎の宴を開くために走らせて、残りで早速掴まえようとしたのだが、その思考の間に別の矮小なゴブリンの群れが現れて横取りをしようと少女に襲い掛かり――…今は哀れな姿を月明かりの下に曝け出しているのを見て、作戦というものをたて始めた。

オグルゴブリンにとって戦略をたてる事は当たり前のこと。
だからかそんなに時間は掛からずゴブリン達が全滅する頃にはミレー族?の少女を捕まえるための作戦は完成している。

そして完成したなら行動は素早く。
今ならゴブリンを駆逐するだけの戦闘力を持つ少女でも疲れかそれとも何かしらの要因で弱体化していると考えられる。

「オンナァ!!!」

だからだ。
戦いの狼煙は1匹のオグルゴブリン。
今そこらに転がるゴブリンよりも一回りほど大きいが、少女よりは小柄であるオグルゴブリンが雄叫びをあげて、真正面から斧を振りかぶり少女に襲い掛かる。

しかし、是はフェイク。
是ではただのゴブリンと変わるまい。
だがオグルゴブリンはゴブリンであってゴブリンに非ず。
正面から少女に斧を振り下ろさんとするオグルゴブリンとは別に少女の右手の茂みからは筒を咥えて、常人であれば卒倒するほどの強い天然の麻痺毒を浸み込ませた植物の棘を吹きだして少女の首筋を狙う。

勿論これも避けられると考えている。
本命は彼らの特技・能力でもある道具生成で生み出した拘束具、見た目はただの金属の輪であり三匹目のオグルゴブリンはそれを少女の首に目掛けて投げつける。

もしそれが本命が命中すれば首輪は半分に割れて、少女の首を挟むように再度輪を形成し、同時に着用した者の魔力を吸い上げて、それを輪が強度へと変換するだろう。

強ければ強いほど、それは強固になり……。

タマモ > 少女は、戦いに慣れている。
この地にきて、それはより明確な形となっていた。
だからこそ、なのだろう、新たに現れた、別のゴブリンを前にした少女。
その姿には、あの数を相手しながらも、疲労の様子は見られなかった。
その点が、まずは予想を外したところと言えようか。

「ふむ…不要な力を抑え、最低限の力で動く。
それこそが、戦うに必要な知恵であり、技術であr…うん?」

そんな少女が、倒れたゴブリン達に言葉を掛けているのだが…
その新たなゴブリンが、言葉を発した事に、かくん?と小首を傾げた。
今まで見たこの魔物に、言葉を使った者は居なかったからだ。

「おやおや、これは珍種と言うものじゃろうか…?
言の葉を交わせる、と言う事は…闇雲と言う事は、なかろうかのぅ?」

ゆらりと、少女の体が揺れる。
それは、別に疲労で揺らいだ訳でない。
そのゴブリンの動きを見遣り、その軌道を読んだのだ。
多少大きく、力があろうとも、流す事を基本の少女に意味は薄い。
振り下ろされた斧は、その側面を触れる手に、くい、と押されて軌道が逸らされる。

と、少女の視線が、噴く吐息の音に反応し、そちらに向いた。
なるほど、二重の手か。
その視線は確かに細い飛来物を察知し、半身ずらし、その棘を紙一重に更に避けた。

「………そうか、お主のような種が、そこまで考えて…」

策を練った手、それを回避しようとも、少女は気を緩めない。
が、ゴブリンと言う種でありながら、ここまで思考を巡らせ、行動をする。
そこに深い感心を抱けば、あえて、そこで動きを止めた。

それが何であるか、それは、己の首に嵌まった時点で気付く事だろう。
しかし、そうなりながらも、少女は笑みを浮かべるのだ。
今の少女には、魔力と言うものが存在しない。
魔力を吸い上げ強固となる、それは意味がなく。
それでも…

「まぁ良い、その努力に免じて、その逆転は認めよう」

そうゴブリンに言葉を掛ければ、軽く両手を上げてみせる。
言葉と共に、身振りを加え、それを伝えた。

オグルゴブリン > 三段構え。
通常のゴブリンでは考えられぬ程に周到に練られた必勝の策であった。

一段目は完全なるフェイク。
必殺を装い意識を己に向けさせる為の偽りの一撃で、少女が仮に避けなかったとしても、斧は空中を裂くだけで少女の髪一本も裂く事無く、地面に落ちるだろう。

だがミレー族と思しき少女はその一撃必殺の斧を捌き反らした、反らされれば勢いは僅か加速して予想もしない方向に力が加わり、斧は地面を叩き割り地面にガッチリと食い込んでしまう。

オグルゴブリンの1匹はその地面に斧の刃がガッチリと食い込んだ斧と戦うことになるのだが、何分……こう……食い込みが強くて中々に抜けない。

ニ撃目の麻痺毒の吹き矢。
音も小さく、矢尻さえも細く、意識が一撃目に向くのであれば刺さると判断しての一撃であったが。
空を裂く音以前に吹き矢を吹く音さえミレー族?の少女に捉えられ針が空を裂いて木に突き刺さると、二匹目は素早く近場の茂みに隠れて気配を消して隠れようと、しかし隠遁の術に長けてるわけではなく、吹き矢を避けるような相手には気配は薄れても体臭……熱した鉄か土に似た香りの体臭は隠すことが出来ない、か。

大本命である三撃目。
魔力のある相手であると錯覚したオグルゴブリンが選びだした魔道具。
装着者の魔力を吸い上げて強固になる黒色金属の首輪。
それが少女の首に嵌った刹那に口元を吊り上げ、下顎から鋭く上向きに生えた犬歯を見せつけて笑い、露骨に勝利を確信した表情を浮かべ、少女が口にした言葉の半分ほどを理解し、その言葉を金属の首輪による魔力吸収によって引き起こされた脱力での敗北を認めたと自分たちに都合の良いように理解したのか、赤味を帯びた金色の瞳に対してギラギラに眼を光らせて、ジリジリと距離を詰めて久方ぶりの女肉にありつこうと腰に巻いた布を高く突き上げる肉棒を揺らし、ゲラゲラゲラと大笑いを。

そして距離を詰める度にその土と金属の香りともいうべき体臭を広げながら色濃くしながら、その三匹のうち唯一ミレー族?の少女に勝利したオグルゴブリンがその腕を伸ばすと、邪魔な少女の着物を割り開くように引っ張って、まずはその衣服の中に隠れた柔肉をまろびだして、戦利品の品定めをしようとした。

ゴブリンより戦略を立て連携を持って行動するオグルゴブリンはゴブリンより格段に賢く、人間の言葉も半分くらいは理解するが、それ以上の域を今は超えていない。

故に情欲にまみれた視線の先の少女はミレー族の少女と認識し、その態度は自分の作り上げた拘束具の効果に負けたのだと、余力以上に少女の力がゴブリンを駆逐しても衰えず、その上自分たちより数倍以上強いのだと気がついていない。

代わりに感じているのは自分より上位の存在を犯せる事への興奮である。
自分よりも頭二つは大きい相手に勝利した悦びである。

それに是だけ美しい少女であれば族の中でもかなりの地位が見込めるだろうと。

タマモ > 人にまで、とは言わないが、思考を持つゴブリン。
珍しい存在との出会い、ある意味、今日は当たりの日、なのかもしれない。
………いや、まぁ、戦いに負けて勝負に勝った、みたいな…違う?

そんな、相手の理解出来ない思考を巡らせながらも、相手の様子を見る。
うん、明らかに、作戦勝ちに喜ぶ姿に見えるだろう。
勝利を得る為の努力、それを認めたのだ、今回は素直に喜んでおけば良い。

「ふむ………」

この場合、大人しくしてれば、敗北感にうんぬん、とか思われるのだろうか?
いや、それよりも、着物の脱がせ方、知ってるだろうか?
とりあえず、静かに、そんな事を考えながら、伸びてくる手を眺めていた。

まぁ、左右に広げるくらいは、さすがに分かるか。
その手が、着物の襟を掴めば、左右へと引っ張ってくる。
引っ張られるままに、着物は割り開かれ、ゴブリン達の前に身丈に似合わぬ膨らみが晒される事だろう。

そうしているゴブリン達が、何を思い、己を得た事でどう見られるか。
さすがに、そこまでは分かってないが、これから先はどうなるのか?
それを考えると、少々期待を持ってみるのであった。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からオグルゴブリンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中の廃鉱」にフォンさんが現れました。
フォン > (一切明かりなどの無いはずの廃鉱の中に煌々と明るい光球をふよふよと浮かばせながら奥へと歩いている黒髪の男。
その姿はモンスターが出てくるかもしれない場所を歩いているとはまったく見えず、さながら散歩といった風情であって)

「さて……まだ金の卦……鉱物の気配は感じないな。
土の卦と火の卦が入り混じった石炭の気配は少々感じるが、今の目的はそっちじゃないからなぁ~」

(散歩でもしているかのような雰囲気を醸し出している男の手の上には風水盤が置かれていて
それによって鉱物がいまだ眠る場所を探しに来たもようで)