2020/03/18 のログ
■グラント > 「と言うかね、おじさんずっと騎士団に居たからこれしかできないのよ。
……大して変わらないんだね」
年を聞くとほとんど変わらないのだが…本当に娘みたいな年なのだと再認識して。
時折にこういう毛が生えている子はいるがどうやって動くのかいまだに判らず。
「それは期待しちゃうねえ。
光栄を守るのがおじさんの仕事だからお礼は本当にいいんだよ。
それで好きになっちゃうのはどうかと思うけども…ずっと守ってあげるって言ったらおじさんと付き合うかい?」
それが判断基準で良いのかとなんといって良いか判らない顔になり。
そしてふと冗談っぽい声色で守るから付き合うかいと言っているお茶目。
ともあれ今は少女を犬から全力で守る訳で。
「本当に心配はいらないからね。ほら、笑って笑って。
怯えてると寄ってくるよ?」
ここに居るから大丈夫と示すようにつないだ手を強く握り。
野生動物は感情に敏感、怯えていれば寄ってくるとアドバイスをして。
「おじさんは期待に応えるから安心してほしいね。
勿論離さないけど…多いのを追い払う時は少し我慢してほしいねえ」
一匹二匹、5匹程度なら片手でどうにでもなるがそれ以上は少々きつい。
その時は少しだけ我慢してほしいと告げては念入りな犬、その他へのクリアリング。
移動先への案内は逆に少女に一任して。
「この辺りは流石に知らないね……お、あそこだね」
返された目線を見返し、そして前方の茂みの先の草原を指の動きを追いかけ見詰め。
そこに見える赤い小さな花は知っている数少ない薬草の一つ。
漸くついたと判れば途中の茂みに念入りに石を投げ込んでの確認を終えて草原まで進み。
「おじさんは警戒してるから一人で採取は出来るね?」
こういう場は万が一があるだけに警戒に努め、収穫は任せると告げては笑い。
少女が薬草採取する間は全力で犬の警戒をすると。
■ティアフェル > 「騎士団にいてパティシエになってたら総突っ込みですし、いいんじゃないでしょうか。
……まあ。うん」
大して変わらないと聞いて、否定しようもなく肯く。
そうか、お父さんくらいの年齢……と認識して改めてしげしげ見上げ。
「うんっ、冒険者は持ちつ持たれつ、ってね。
確かに普段はとーぜんだろ仕事しろ、とか思うけどね。犬となると別格っす。
ふおぉ……犬から? 犬守護? なんというパワーワード……。
正直グラっとくる……けど、わたしはいいにしてもそんな理由で付き合いたくないんじゃない?」
犬-!と泣き叫びながら透かさず盾にしてくる女……付き合いたいかどうかでいったらナシになるんじゃなかろうか。と冷静に第三者的思想で考えて真面目な顔して腕組み。
「まじか! そういうものなの?
笑う門には犬こない?」
それは新事実。考えてもいなかった。
そうか、スマイルか、と真面目に受け取って試しににっこり。
命綱(お手々)が頼りになる感じなのでいくらか自然に笑えるようにもなり。
「うん。お蔭さまで今は怖くないよ。
――そそそそ、それはもう。犬撃退を最優先にお願いいたします所存」
安心、とにこ、と笑いかけるが、犬が出た場合の命綱解放事項については何度もぶんぶんと首を縦にして認知した。
犬などがいないか丁寧に確認してくれる、そして犬が出て来ても安心……というだけで、心が軽くなる。
こんなに犬に左右される人生でいいのかと自分でも悩むが。
「――ん、着いたー!
判った。よろしくね。お薬できたらグラントさんにもお分けしまーす!」
傷薬、毒消しなどが調合できるアカカミツレ。それが多く群生している場所はなかなか珍しく、花畑のように密集していると歓声を上げて、ここでは命綱(手)を解放して、付近の警戒はお願いし早速採取に掛かる。バッグから大きな布袋を取り出して、とにかく手当たり次第ぶちぶちと摘んでは袋に放り込み。
犬の心配はないので安心してそれを繰り返して持ってきた袋がいっぱいになると、
「これでよーし。ちょー採れたー! 当分は困らないー」
■グラント > 「……おじさんの同期に一人いたよ?しかも美味しいからね…うん」
5歳差ならば本当に大した違いはない。
父親と変わらないのを認識したのか見上げられるとどうしたのかと見返し。
「冒険者は一人で出来る事は限られるからねえ。ティアちゃんみたいな子が居ると大助かりなんだよ。
誰だって苦手はあるのは判ってるよ。おじさんも苦手はあるんだしね。
犬相手から守るなら本当にお安い御用だよ。
そうでもないんだよ。ティアちゃんといると楽しいし若返った気分になれるんだよね。
だからおじさんとしてはありなんだよ」
寧ろゴブリンは平気で殴り倒すのに犬に怯えるというギャップは見ていて飽きず。
その元気で明るい振る舞いは今のように一緒に居れば元気を分けて貰ったように自分も元気になれる。
それを思うと自分としてはありだと真面目に告げて。
「ティアちゃんも怯えてる相手と如何にも迎え打ちますって相手なら覚えてる方がやりやすいでしょ?
それと同じなんだよね。犬は怯えているのには強気になっちゃうんだよ」
仕事でも同じことがあるよね?ときっと経験してると思いの説明。
そして笑顔を見せる少女にそれで良いと笑顔で頷き返し。
今はまだ手を繋いでいるが、いつかはそれもなしで笑えるようになればいいと。
「それならよかったよ。
大丈夫だよ、おじさんがいる間はティアちゃんに指一本触れさせないからね」
犬には気の毒であるが何より少女の安全が優先される。
逃げてまた崖からと考えるだけでぞっとし、それなら犬には申し訳ないが一食我慢してもらうだけ。
「はいよ、しっかり守るからそっちもね。
お薬も期待してるよ」
この場所は覚えておけばきっと簡単な仕事を受ける時に役に立つ。
しかし少女に教わった場所なのでギルドに報告や自分で使おうとは考えず。
時折に薬草を採取する姿を眺めては茂みに視線を向け、気配を感じれば石を投げてと繰り返し。
「お疲れ様。それじゃおじさんが持ってあげるからまた手を繋ごうか」
袋一杯に採取された薬草を見れば大収穫だと少女の苦労を労わり。
この後どうするかは判らないが山歩きはするのでもう一度手を差し出して。
■ティアフェル > 「もう、なんだか、別にいんだけど「なんでやねん!」とはなるよね。それまでの経歴よ」
自分の父のように結婚していたり子どもがいたりしていても一向におかしくない年齢。
実際そこんとこどうなのかなーというように窺い見ていたが、どうしたのか目線で聴かれると、なんでもなーいと首を振り。
「そう云ってもらえると自信が沸いちゃいますな。えへへ。
グラントさんの苦手はお付き合いしたら教えてもらえるのかしら?
ええぇ……ガチっすか。うはあ、急に恥ずかしくなってきたぁ……。
そ、そっか……うん、なんか…えへへ。嬉しいかも」
先ほどまで犬盾で頭が満員だったが、急に甘酸っぱい話に転んできたようで、頬に朱が上る。
はにかみまくりながら、顔に手を当てて、そっか、アリか。ともそもそ呟いてより赤くなり。
「うーむ。確かに。確かにそうかも。倒しやすいのを先に潰すよね」
しかし、それが分かったところで犬が怖くなくなるわけでもない。
笑顔が少し曇り、はあ、と思わず嘆息が零れてしまった。
「なんなの、そのぐらっとくるワードは…!
騎士時代の貯金ですかァ!?」
犬からの完全防御をつげられるとリアルに心がぐらぐら揺れまくる。ちょろすぎる自認はしている。
しかし、いい語彙してんな、と感心もする。シンプルだが使いどころ最強。
犬からだけではなく、他の脅威からも守ってくれる気がして頼れる気しかしない。
「ぎゃー。ありがとう!
めっちゃめちゃよく効くの作っちゃう!」
周囲に注意を払わなくてもよいお蔭で採取作業はスムーズに進んだ。なんなら他の薬草も少し見つけられたりして。あっという間に目的以上に採取できて、ほくほくと笑顔になり。そしてお言葉に甘えて薬草のたっぷり詰まった袋を託すと、
「ありがとう。
犬から守ってくれるのも嬉しいけど、グラントさん優しいから好き」
さすがは元騎士、だろうか。神対応に感謝である。差し出された手を握って、はにかみ笑いながら見上げて進む道から戻る道へと歩き出そう。
■グラント > 「それは皆で突っ込んだんだよ。騎士からパティシエは違いすぎるって」
あの時は大騒ぎだったと懐かしそうに思い出し。
騎士から冒険者と忙しい仕事を続けているだけに今だに未婚。
何だろうと視線での問いかけには首を振られてなんだろうと悩んで。
「好き者こそ上手なれって言葉があってね、ティアちゃんなら大丈夫だよ。
そうだねぇ…その時は隠し事はなしで教えてもいいよ。
そうなるね、大真面目ってことでいいよ。ちょっと刺激が強すぎたかな?
うんうん、いい笑顔だよ」
犬用の盾という扱いだった訳だが話が変わり少女の頬が朱に染まると一つ頷き。
親子ほどの年齢差はあるがそれも些細な事、本当にそうなればきっと今以上に楽しい日常になるだろうと。
そして元気一杯がトレードマークの少女が赤くなっている姿は自分が原因なだけに満更でもなく。
「そうだよね。でも怖いだろし…そこは少しずつ慣れようか」
おじさんも協力するからと告げていき。
笑顔が曇る事に子犬あたりから慣れればと考えて。
「これでも山賊や魔族と戦い抜いたおじさんよ、ティアちゃんを犬から守るなんてお手ののだよ。
騎士時代の経験のたまものだねえ」
恐れるモノから守るのは騎士として、お話でよくある内容ではあるがやってみせると請け負う。
少なくとも犬ならば確実にそれが出来、状況次第にはなるが今ならば山賊や熊などからも守れると。
そして少女の言葉には笑って頷き。
傷が絶えない前衛には薬は、よく効くものは本当に助かる物。
それに少女の薬がよく効くのは以前に経験済、だからこそそれにの期待もあり採取を安全にできるようにして。
そして薬草たっぷりの袋を受け取れば肩にかけて手を握り。
「お礼は本当にいいんだよ、おじさんが好きでやってる事だからね。
そう言われると照れちゃうねえ。おじさんも会うと元気いっぱいでその元気を分けてくれるティアちゃんが好きだよ」
はんかんで笑いながら見上げる少女を見下ろして。
そして歩き出す隣を並んで歩き、来た時のように犬を警戒して。
■ティアフェル > 「やっぱ総突っ込みは免れなかったか……」
予想通りだった。何も悪くはない…と思うが今までの経歴がもったいない。
この人が完全未婚とも思えず、バツ一とかだったりするだろうか。と在らぬ妄想に耽る始末。
「そっかな。じゃあやっぱ頑張るよ。ご期待に添いたいもので。
むぅ、お付き合い特典が……。
真面目に……そぉかぁ……。
……あのーえとー……わたしなんぞでよろしいのかしらってか。
グラントさんなら……楽しそうと思う……」
若干慌てた。気恥ずかしさで満開になってしまい。突然の話に内心があわわわ。
犬からは守ってくれるし、ちょうど前衛さんだし、仕事でも協力関係になれるだろう。
考えて見たら特典しかなかった。羞恥に真っ赤かになりながらぽそぽそと口にして。
「うぅ……慣れるなんて、慣れるなんて……」
いやだ、慣れるように犬と関わるなんて怖すぎる。
眉とアホ毛が思い切りしおれた。
「わたしもせめて相手が賊、魔物だったら負けませんよ! でも犬は超お願いします!」
犬から守ってくれる彼は、現役を獅退いたとはいえ、自分にとってのナイト様のように思えた。
犬に振り回されながらも心強いものは心強い。
持ってもらった薬草の袋で、いい薬が仕上がることだろう。こんなにたくさん摘んでもできる量は嘘のように少ないのだが。
ここに到着した時と同じように頼りになる命綱(手です)を握り締めるとどこか気持ちが落ち着く。
けれど、甘酸っぱい話をしてしまった後では少しばかりざわつきも覚え。
「そう? でも、こんな時にはありがとうって言葉しか思い浮かばないよ。後は、嬉しい、かな。
……えへへへ。ありがと。確かに照れちゃうね。云うより云われる方が照れるかも」
やはり気恥ずかしい思いを抱えながらも、手を繋いで犬を警戒しながら隣を歩いてくれる人がいるとやはり安心する。ぽかぽかした気持ちになりながら、犬の気配がすると透かさず背中に隠れたが……残念今回はキツネだった。キツネならセーフ。少し犬アンテナが鈍るという調子の狂いようはこの人のせいの気がする。と見上げた。
■グラント > 「一番槍に突っ込む騎兵だったからね…」
本当に違いすぎるだけに、そして作る菓子もまた美味いので突っ込みしかなかったと。
どうしてああなったのだろうと当時の同僚一同の永遠の謎だと笑って告げ。
今までは伴侶を持つなど考えた事もなかったがその気持ちが変わり始めたのはやはり冒険者と言う視線で世間を見たからかもと考えていて。
「だけど頑張り過ぎるのも駄目だよ。無茶をしないで期待に沿ってくれるとおじさんは嬉しいね。
お付き合いするなら隠し事はなしにしたいからね。
言い始めたのはおじさんだよ、駄目ならそもそも言わないからねえ。
まあ…ちょっと年を食っちゃってるのがあれだけど…色々と退屈はしないと思うよ」
困っている姿は放っておけず、仕事では頼りになり、そして一緒に居れば元気を分けて貰える。
自分からすれば少女は共に居て楽しい存在、欠点は自分が父親とほとんど年が変わらない事であるが…。
楽しそうと口にする少女に飽きさせなと楽し気に告げて。
「無理そうかい…?それなら、犬が関わりそうなときはおじさんを呼ぶといいよ」
眉とアホ毛がしおれる事に本当に駄目だとみてしまい。
それならせめておじさんを呼ぶように告げておき。
「犬は任せていいよ。その代わり賊や魔物は背中を任せるからねえ」
お安い御用と犬の相手は任され、その代わりに他は背中をと提案。
現役を退いて久しいが犬に怯える少女のナイトはまだ出来ると。
これだけの薬草があっても少量しかできない事は知らず、多く出来るだろうと内心楽しみにして。
行きだけ安全帰りは不安では意味はなく、帰りは行き以上に安心させようと同じ以上に警戒をしては手を強く握り。
ただ少しばかり少女の雰囲気が行きとは違う気がするが気のせいかと思い何も問わず。
「あんまり感謝されると恥ずかしくて仕方なくなっちゃうからねえ。
嬉しい……?おじさんとこうしていてそう思ってくれるなら少し誇らしいね。
感謝されるって言うのは嬉しくて、そして恥ずかしいものなんだよ」
騎士だった頃は毎日そうだったと告げては鼻を掻き、当時は何度も失敗はあったが今は少女をこうして相手は犬とは言え守れている事は誇らしく。
背中に少女が隠れれば犬かと警戒をして石を投げようとするが茂みから現れたのはキツネ。
ほっと息を吐き石をキツネの近くに投げれば慌てて逃げる姿を見送り。
見上げる視線を見下ろして、犬でなくてよかったと見返し。
そうして歩いて行けばやがて最初に出会った崖の辺りまで戻って来れて。
■ティアフェル > 「何そのギャップ……」
逆にそんな斬り込む生活に嫌気が差してしまったのだろうか……本人にしか分からない派手な転向だ。
騎士にもいろいろいるものだと痛感。
「んー。そうなんだけどね。スイッチはいったらやっぱり突進してっちゃうかなぁ。
で、では、お願い、しよーかなぁ……。不束者です、が。
年齢はあんまり気にしーない」
もぞもぞとした気分の中、小っ恥ずかしい、と視線を反らしながら呟いた。
こんだけ日常がやかましいタイプの女はこのくらい年上の方が逆に馬が合うかもしれない。
お付き合いなどとは冗談以外ではあんまり考えたこともないが、真面目な話なら真面目に考えて応えるしかなく。
「……呼ぶ。超呼ぶので。必ず来てね」
犬が怖くなくなるより、犬が怖くても助けてくれる存在がありがたい。
盾扱いかも知れないが。
「うぃ。犬以外ならわたしはやれる。負けない」
あまりにレベルが違う敵は無理だが、多少の魔物ならば叩ける。
力強く応じて拳を握った。
貴重な薬品を精製できるけれども。仕上がった量に驚かれるかも知れない。いつも大体そう。「え?こんだけ?」と自分でも思う。それでも役に立つものができるには違いなく。
素材がそろったことも嬉しいが犬からしっかり守ってもらって行き帰りできるのも非常にありがたい。今日は順調、とご機嫌になりながら。
「結構照れ屋なんですね?
んー。嬉しいし、安心をありがとうだし、それに好きだよ」
少しからかうように感謝されるのが恥ずかしいという横顔を見上げて笑い。
そして、勘が鈍ってキツネにも無駄ビビりしてしまい。あいつもイヌ科だから……と若干気まずそうに笑い返し、そして、順調に道を戻って崖地点まで来ると、
「街の方まで戻る、でいいかな? ここで追いてったりしないよね? しないよね…?!」
そんなことを云いながら、この流れで置いて枯れないのは半ば分かってるようなもので。このまま街まで戻っていこうか。このまま手はつないだまま。山賊やら魔物やらと時折小競り合いしつつも――。
■グラント > その突っ込みと同じことは思うが応える術はなく。
自分自身が騎士から冒険者になっているだけにある意味同類なのだから。
「そこは誰かが傍で見てればいいんだけどねえ。
おじさんもそれを言うと不束者だよ。
そう言ってくれると嬉しいね。よろしく頼むよティアちゃん」
自分で言っておいていざそうなると恥ずかしいがそこは年の功、視線はそらさずに済み。
いざという時は別としてどちらかと言えばのんびりとしたおじさんには元気な少女に引っ張られるぐらいが丁度いいかもしれず。
宜しくと言われれば大真面目に頭を下げてみせて。
「もちろんだよ。後でおじさんが贔屓にしているギルドも教えるからね」
そこを通せば直ぐに話が繋がるから遠慮なくと口にして。
盾扱いだとしても頼られるというのはやはりうれしいものだ。
「頼りにしてるよ、本当にねえ」
そうは言うが任せるのはゴブリンやそれに近い強さの魔物。
それ以上は自分が引き受けると拳を握り力強く応じる少女に告げておき。
これだけの量の薬草で出来る量には驚くかもしれないがそれだけ貴重であればより感謝を見せるのは間違いなく。
偶々、命の危機を救い。その流れで薬草採取の護衛も行う事となったが全く悪い気はせず。それどころか薬草の群生地を知れるなども収穫まであって。
「実はそうなんだよ、昔は兜があったからよかったんだけどね。
このぐらいなら本当に何時でもお安い御用だよ。それにティアちゃんにそう言ってもらえると嬉しいしねえ」
揶揄うような声色ではあるが感謝されているのはよく判り視線を少しだけそらし。
キツネにビビっていた事にイヌ科だから仕方がないと頷いて。
「おじさんも戻る途中だったからね。そんな事はしないから安心していいよ」
置いていくつもりはないと笑みを受けべ口にし、ついでだから街までの近道も教えようと提案。
そしてこのまま手を繋いで街まで共に戻っていく事にしよう。
途中に不運にも遭遇してしまった山賊や魔物と小競り合いをして、そして色々と話しながら……。
■ティアフェル > 特攻体質に関しては、見ててくれる人に指名してみる。
「それじゃ、グラントさんが見ててくれればいいじゃん。
っふふ、そっか。あなたも不束ですか。じゃあちょうど良いですね。
えへへへ……うん、どうぞよろしく」
頭を下げる所作に気恥ずかし気にくすくす笑いながら、こちらもぺこり、と頭を下げて。
後でギルドも教えてもらえるらしい。「お願いしまーす」と朗らかに頼んで。
頼りにしている相手から頼られるのもいいもので、
「持ちつ持たれつですなあ」
のんびりと笑顔になって頷いた。低級相手しかできないにしても、まあ邪魔にはなるまい。
トラブルはあったものの、冒険者なのだからそれも当然。今回は薬草以外にもいろいろ
収穫できた気分で。帰る道すがらにも他にも薬草を発見すればついでに摘んだりしつつ。
「っはは、防御力が下がっちゃったわけねぇ。
――うーん、頼もしいですなあ。……っふふ。喜んでいただけるとなによりです」
少しそれる視線に、ひょうひょうとしているように見えて照れ屋なのだと分かっておかし気に肩を揺らしつつ。
「じゃ、良かった。だーよーねー。そんなドSじゃないもんねー。優しいもん、ねー」
にこにこと上機嫌で、口にしては、近道も教えてもらって。つないだ手を暖かく感じながら、そして少しばかりそわそわ落ち着かないような気持にもなりながら。
冒険者、冒険しながら街までの帰途へ着いていた――。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からティアフェルさんが去りました。
■グラント > 「おじさんで良いなら喜んで。
不束者だからこの年まで独身だったんだよね…。不束者同士仲良くやれそうだね。」
緊張や恥ずかしいは今まで何度もあったが、今ほどの事はなく。
少女に釣られるように笑ってみせて。
直接に今の住んでいる場所を教えても良かったがそれよりもギルドの方が気兼ねないだろうと考え、任せておけと力強く頷き。
頼りにされるのは信頼される証と誇らしく、同時に自分も少女を頼り、本当に持ちつ持たれつ。
高位な魔物よりもある意味低級の方が怖い場合も多々あり、それを任せれるというのは非常に頼りに出来て。
そして予想外の出会いから少々のトラブルはあったが冒険者ならあって当然のこと。
ちょっとした近道が予想外の収穫を多く得れた日となり。
「今は顔が隠せないからね…困ったもんだよ」
年上の威厳がと思うがもう今更。開き直ったように笑って。
「こんな所に一人置いていく訳ないよ。おじさんは優しいからね」
そんな事をしませんと言い切り。繋いだ手の温かさについ頬を綻ばせて。
そうして街まで帰っていくのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からグラントさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にネメシスさんが現れました。
■ネメシス > 九頭竜山脈近くの街道に突然として現れた関所。
聖バルバロ騎士団が街道を通る者を拘束する為に設けた物である。
関所内では白銀の鎧を纏ったネメシスの 指揮の元、取り調べが行われる。
男なら通行料だけを受け取り、そのまま通すのであるが相手が女の場合、そう簡単には通れない。
身に覚えのない嫌疑をかけられ、取り調べと称して弄ばれるのであった。
関所を無理やり突破しようにも、団員たちは凶悪な無法者で構成された大所帯である。
各々武器を携えており、歯向かう者は簡単に殺害してしまう。
さて、今日はどんな犠牲者がやってくるのだろうか。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にシュティレさんが現れました。
■シュティレ > 私は良くマグメールと、タナールを行き来します、普段は特に何事もなく行き来できるのですが、今宵は違いました。
複数人の男性に囲まれてしまい、足止めをされてしまったのです、先日にはなかったはずですが検問と言う物だと言います。
彼等の容姿や様子は、兵士と言うよりもどちらかと言えば夜盗と言う風にも見えます、然し、ヒトを外見で判断するのは愚か者のすること、ヒトこそが我々、我々血族を襲い、殺して回る存在なのです。
仕方がないので、私は拘束されることにしました、そして、偉い人の所に連れて行き、尋問するという事なので、其処で身の潔白を願えば良いでしょう。
そう、思うがゆえに。私は連れていかれることにするのです。
「しかし。」
何故でしょう、か弱きこの身に、幾重にも結ばれる縄での拘束、彼らの雰囲気から見て拐される、女性貴族にしか見えません。
もう少し、紳士的に案内はできないのでしょうか、粗末なつくりの検問と言うその砦のような場所を私は眺めて思うのです。
いざという時には、私も手が無いわけでは無いので―――今はおとなしくしておきます。
当然今の私は武器も防具も、何も顕現してはいませんし、丸腰の婦女子、と見えているのか、周囲のヒトは、警戒はしてない模様。
むしろ……劣情を持て余している用も見えて、私は本当に騎士団なのか、と彼らの名乗りに疑問を強くしていくのでした。