2020/02/20 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にフォルネさんが現れました。
フォルネ > 険しさと物騒さで知られる九頭龍山脈、そこにそんな山脈とは無縁そうな格好をした少女が一人、街道から外れた山中へと歩みを進めていた。

「整備されてない道だから歩きにくいし凍らせて滑って…うぅん……今はすぐ溶けないから駄目だよね」

樹木の幹に背中を預けて座り込み。水分補給をしつつ、ふと頭を過ぎった考えを口に出しては首を振ってすぐに否定して。歩いている最中は本気であったものの流石に危険なことに変わりはなく。自分が良くてもそれが原因で他者を傷付けるようなこと──もっとも、こんな山中を歩くような物好きが他にいるとも思えないけど、万が一ということはあるから──はフォルネにとって許せるものではない。

「…さて、と! 依頼にあった洞窟はもうすぐみたいだし気を引き締めていきましょう!」

勢いをつけて立ち上がると、『未発見洞窟の調査』と書かれた、該当の洞窟までの地図を記された依頼書を懐に仕舞い込んで再び歩き出した。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にネメシスさんが現れました。
ネメシス > 九頭竜山脈を地図を手に歩き回る革鎧を纏った女。
腰にはロングソードをぶら下げ、背中にはイチイの弓を付けていた。

「九頭竜山脈はだいぶ回ったつもりだけど、こんな区画がまだ残っているなんてね。
意外と見てるようで見てないものなのね。」

地図と実際の地形を交互に見つつ、ぶつぶつとひとりごとを呟く女。

「あら?」

周囲を見渡すうちに、飛び出た髪が特徴的な女性を見かける。
確か、事前にギルドで聞かされていた格好だ。

「こんにちは、貴女もギルドの冒険者さんですか?」

先を歩く冒険者に声をかける。

ここでは向こうが先輩になる。

はたして、受け入れてもらえるだろうか…。

フォルネ > 意気揚々と歩いていると急遽かけられた声。
気配には気を付けていたつもりであったものの、敵意はなさそうだと判断して振り向いて現れた同じ冒険者風の女性に頷き。

「こんにちは。貴女も、ということは其方も同じく冒険者の様ですね」

にこり、と仲間だと示すように微笑みかけてそう答え。
とは言うものの、十分に警戒をしつつ立ち止まって女性がやって来るのを待ち。

ネメシス > おっと、どうやら警戒されているようだ。
それに気づいた女は剣が届くよりも少し遠い位置で足を止める。

「はい、冒険者のティシフォネと申しますわ。」

女はティシフォネと名乗り、笑みを浮かべる。
騎士団経営も軌道に乗り始めた為、気晴らしと武者修行で始めた冒険者稼業。

胸元からティシフォネ名義で書かれたギルドの依頼状を取り出すと、両手で広げて見せる。

「先輩のサポートに行けとのことで依頼を承りましたの。
足を引っ張らない様に頑張りますのでよろしくお願いします。」

ティシフォネは双眸を細め、会釈する。
証文自体は本物である。
ギルドに裏から手を回して冒険者登録したからであるが。

「私、剣と弓に自信がありますの。
先輩の盾となりますので気軽に使ってください。」

フォルネ > 警戒が伝わったようでお互いに距離を取りながら見せられた依頼状を視認して内容を読み。

「…なるほど。確かにギルドのもののようですね」

自分の目で証文を確認するといつでも女性の足元を凍らせようとしていた魔力を和らげ。

「疑ってしまい申し訳ありませんでした、ティシフォネさん。私はフォルネと申します」

謝ってペコリと頭を下げると自分からティシフォネへと近寄って握手しようと片手を差し出してみせ。

「まぁ…剣と弓を。それは頼もしいですね。ギルドの方から聞いているかもしれませんが、私は氷雪系の魔法を得意としますので協力して頑張りましょう」

そう言って疑う様子などなく手を差し出したまま笑ってみせる。

ネメシス > 「でしょう?」

ふんすと小鼻を膨らませ、ドヤ顔のティシフォネ。
足元に漂っていた魔力が消えると、漸く警戒を解かれたのかと気づく。

「仕方ありませんわ。 この時世、疑ってかかることは当然のことですもの。」

差し出された手に片手で力強く握手をする。

「そうですの、おまけに身体も頑丈ですからフォルネさんをしっかり守ってくるように言い使っておりますわ。
では、早速ですけど私が前を歩かせてもらいまわすわね。
フォルネさんは先輩らしくドーンと構えて下さいまし。」

証文を胸元へと仕舞うと、依頼の地図にあった道を先へと進む。
無論、途中で足を止めフォルネが順調に進めているかを確かめることも忘れない。

「ところで、この山脈に未発見の洞窟なんて珍しいですわね。」

フォルネ > 「守られる先輩というのもなんだかおかしい気もしますが…そこまで仰るなら頼らせていただきますね」

力強い握手をするティシフォネに頼もしさを覚えながらクスクスとおかしそうに笑ってしまって。

「そうですね…発見されていなかった…ということですし、今まで自然物で隠れていたのか、それとも隠されていたのか…どちらにしても楽なお仕事ではありませんね」

歩きながら会話を交わし。
当然のことながら、話しながらでは体力の消費も激しく一人の時よりはペースが落ちるも、気遣うティシフォネに感謝して自分の推測を話してみせ、なにか考えでも? と訊ねてみる。

ネメシス > 「とんでもない、魔法で援護して頂けるからこそ私も前で命を張れるのですわ。」

オッドアイの先輩は笑顔がとても可愛い。
ティシフォネが冒険者一発目の仕事が楽しい相手とのセットだったことに心の中で喜んでいた。

「なるほど、そういうことも考えられますわね。」

件の洞窟は段々と視界に入るレベルまで近くなる。
遠くに見える洞窟まで歩きなれた山道を歩く。
ついこの間までこの辺りを縄張りにしていただけあり、九頭竜山脈は庭を歩く様なものであった。

「そうですわね、私が思うに最近まで隠れていたのではないかしら。
ほら、あれをご覧になって。」

指さした先には大きな岩が転がっていた。
実の所、ティシフォネは見たことのある岩で。

「あれが塞いでいたのが何らかの弾みで落ちて見つかったのではないかしら。
となると、誰も居ないと思いますが一応気をつけましょう。」

右手にロングソードを構えるティシフォネ。
フォルネの準備が良ければ早くも洞窟に侵入するだろう。
その前に。

「…明りの類は用意ありまして?
なければ私から離れない様にしてくださいまし。」

左手には既に松明を持っている。

フォルネ > 「ふふっ、嬉しいことを言ってくださるのですね」

自分と違い身体能力が高いペアがいるというのは自分で思っていたよりも心強く。
それが実力者だというのなら心強いさもひとしおでもあった。

「それにしても、慣れていますね」

自分が若干迷いながら歩いていたのに対しティシフォネと名乗る後輩冒険者は迷いがなく正しく目的地へと歩む様子が少し不思議で。あえて『何が』とは言わずにそう聞いてみることにした。

「なるほど…確かにあれほど大きな岩で隠されていたのであれば見つからないのも当然のこと…」

指し示された岩を見ればすんなりとその言葉に納得する。

「魔物が幸いとばかりに寝床にしている可能性もあるでしょうし、ええ」

不足の事態に対応できるように魔力を高めて問題ないと言いたげに頷き。

「洞窟の調査ですからね、用意はしてありますが…二つとも無くすと怖いのでティシフォネさんに甘えることにします」

まだ火のつけていない松明を見せてすぐに仕舞うと隣に立って見上げた。

ネメシス > お互いに心強さを感じ、にっこりと笑む。
こういう互いに背中を預け合う関係も新鮮だ。

「下手の横好きですわ。
お恥ずかしい。」

その辺は隠すつもりもないのか。
口では恥ずかしいと言って見せるもどちらかと言えば堂々とした表情。

「大きい岩ですものね、何かあったのでしょうか。
ああ、その可能性もありますわね。」

他にはごろつきたちが住処にしているパターンを考え。
とはいえ、ティシフォネが動じている様子はまるでなく。

「では、いきますわ。」

革のブーツが洞窟内に第一歩を踏み出す。
足場は固くしっかりしている。
だが、天井は2メートル程度で槍を使うには向いていない。
おまけに周囲もそれほど広くなく、刺突での戦闘になるだろうか。

松明で行く手を照らし、先を進む。

「今のところは何もないですわ。」

こういう洞窟では大昔の罠が仕掛けられていることもあり。
油断は禁物である。

フォルネ > 「ふむ…さて、気を引き締めないと」

堂々とした様子に不思議そうにしながらもそれ以上詳しく聞くつもりはないようで自分の頬をぺちん、と軽く叩き。

「強風で耐えきれずに落ちたのか、魔物の争いか…そこの調査は正式な方たちに任せましょう」

幾つか思い浮かんだことを口にして。
フォルネも怯えた様子も逸る様子もなく冷静にいて。

「危なそうであれば無理はせずに戻りましょうね」

気を付けるようにと告げながら続いて入り。
洞窟の内部を観察して。これなら二人で対応できなければ自分の得意とする魔法で対応可能であると判断する。

「何もない、が安心できるものではないのは分かりきっていますからね…」

苦笑いしながら気を緩めずに辺りの様子を観察しつつ探索を進める。

ネメシス > 「私たちは彼らが安全に入れるようにすることですわね。」

こういった洞窟では賊がたむろしていることもある。
二人とも前方を警戒しつつ、更に深い処へ。

「当然ですわ。」

冒険者と言う稼業は慎重に仕事をこなすらしい。
それを元冒険者の団員から聞かされていたティシフォネも冒険者らしく
少しずつ探索を進めて。

「でも、本当に何も起きないですわね。」

やがて、二人は広い部屋に辿り着く。
そこにもモンスターの類はおらず、代わりに宝箱が一つ。

「…どう思います?」

フォルネ > 「何事もないのが一番ですね、頑張りましょう」

警戒しつつも、自分たち以外の物音がしないことからよっぽど奥が深いのか、それともなにも潜んでいないのか…と考えを巡らせる。

「ここまで何も起きないと本当に何もなさそうですね…」

罠なども言葉の通り一つもなく、慎重すぎると言われてもおかしくないほどの慎重さで探索していき。

「…何もないのに急に宝箱は、怪しすぎる、ような……」

ぽつん、と置かれている宝箱を前に自信なさげに首を傾げて。