2019/12/10 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──ほう……」
夜の山中を、ランタンを携え散策していた金髪の男は、その道中で小さな山小屋を発見して足を止めた。
男は顎に手を当て思案するような仕草をしながら、その小屋をジロジロと眺め。
「ほむ……ちょうどいいから今日はココに泊まるとしようかのう」
そう言っておもむろに近づけば、一応軽くノックをした後扉を開け、中へ。
明かりの灯っていない小屋の中を、ランタンを掲げて照らして眺め回す。
中には木製のテーブルが一つに椅子が2脚。
壁沿いに設置された木製の幅広のベンチのようなものは、布団のような寝具こそないが、おそらく寝床だろう。
「──ふーむ……ちょっと埃っぽいがまれに利用されてはいるといったところかな……ウム、上等上等」
などと満足気にウンウンと頷き、テーブルの上のホコリを軽く払うと、ランタンとバッグをその上に置く。
椅子のホコリも払ってから、ゆっくりと腰を下ろし。
「すぁて……寝る場所を見つけたはいいがまだ眠気は来ていない感。それまでどうしてようかのぅ……」
そう呟くと、なんか暇つぶしになるもんでもあったかな、とバッグをゴソゴソと漁り始める。
ランタンの明かりは小屋の外にもほのかに漏れていて、中に誰かがいることを明確に示していて。
■エレイ > やがてその明かりも消えると、周囲は再び闇に包まれ──
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは九頭龍山脈、その山中のどこかを流れる小川。
木々に囲まれ、静かに流れる小川は、目立つ事もそうないだろう。
澄み切った流水は、月明かりに照らされた水面を通し、そう深くはないにしても、その水底を綺麗に映し出す。
時折、その流れに従うように、逆らうように、泳ぐ魚の姿も見られるか。
そんな小川、その上流から、何らかの影が水中を流れ行く。
よく見れば、それは人影。
ゆらりゆらりと、揺れる水面に映し出されている人影。
それから、僅かな間。
不意に大きく人影が揺らげば、ゆっくりと水辺へと近付き…
ざばーっ、勢いよく飛び出した。
「ぷあーっ! し、死ぬかと思ったのじゃ…!」
上がる声と共に、ばしゃり、と着地の音、そして地面を濡らす。
当然だ、今まで水の中に居たのだから、濡れていない方がおかしい。
現れた人影は、一人の少女。
ずぶ濡れの着物姿と、それとは対照的に水気を大して含まぬ狐の耳と九本の尻尾。
とりあえず、気持ちを落ち着かせるように、深く深呼吸。
ぐるり、と周囲を確認するように見渡すのであった。
■タマモ > 「………ふむ、九頭龍山脈辺り、じゃろうか?
自然地帯ならば、妾の領域が感じ取れるからのぅ」
腕を組みながら、軽く考え込み、そう呟く。
周囲は木々に囲まれ、小川が流れる。
近い距離に、多くの気配も感じ取れない。
こうした場所は、己が知っているのは、そう多くは無いのだ。
「それにしても…」
視線を上に、木々の隙間から見える、夜空を見上げる。
「本気を出してさえ、いまだ、まともな相手にもならん。
むむむ…まったく、本当に何なのじゃ、あやつは…!」
だむだむっ、その場で地団太を踏み始めた少女。
だが、それもすぐに止まり、はふん、と溜息を一つ。
疲れた上に、余計に疲れるような真似は、してられない。
よいせ、と手頃な岩に腰掛け、軽く一息を、と。
■タマモ > 「妾の力は、そうそう上がるものでもない。
上げれる力もあるが、あれだけはのぅ…」
むぅ、と唸りながら、難しそうな表情。
それに対する自覚はあるし、その方法も、分からないでもない。
しかし、それを行うのは、己の拘りが許さない。
しばらくは、そうして悩んで、悩んで、悩んではいるも…
「………まぁ、いずれ何か見付かるじゃろう」
悩むのに、飽きた。
半ば諦めたかのように、そう呟けば、そのまま、べたーっと腰掛けていた岩に寝転がる。
うん、だから勝てないんじゃないだろうか?との言葉は、無しにして貰おう。
ともあれ、もう少しだけ、ゆっくりと休もう。
その後は、まぁ、戻るなり、適当に何かするなり…その時に、考えれば良い。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。