2019/08/20 のログ
■カイン > 「他は――ン、海水だ?ここからとなると結構遠いなあ…。
他所で手に入れればよかろうに」
他の依頼の品を確かめるうちに見えた単語に、
思わずげんなりとした表情が目に浮かぶ。
一度王都に戻ってからにしたほうが良さそうだと考えて息を吐きながら、
コーヒーを煽るとその暑さに思わず目を白黒させ。
「あ、つ…っ。あ゛ー、ついてないなっと」
自分の不注意さを棚に上げてぼやきながらふと空を見上げると、
まだもう夜半である。ジタバタしても始まらないと肩をすくめ。
■カイン > 「さて、寝る準備をしないとな。明日に引いたら溜まったもんじゃない
終わりが何時になるかわからんしなあ」
食事を終えて体に力が戻るのを感じながら、
野営の後片付けを済ませればそのまま森の中へと足を踏み入れていくのだった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「………うむ、面倒そうじゃ」
九頭龍山脈、その山中。
少女は言葉の通り、面倒そうな表情を浮かべていた。
なぜならば、今、少女の周囲には魔物の姿があるからだ。
適当に散歩してたら、魔物と遭遇、まぁ、そんな感じだ。
ただ、今のところ、その魔物達は少女に気付いていない。
………まぁ、単に、高い樹木の上。
その枝の上に立っているから、だが。
■タマモ > 下を指差し、一つ、二つ、と魔物の数を数える。
…が、十を越えたところで、それを止めた。
「やれやれ、力をそう使わずに、なんぞ言われた後に限って、こんな状況か。
まったく、困ったものじゃのぅ」
と、呟きながら、軽く肩を竦める。
しかし、このまま立ち去る、と言うのも面白味に欠ける。
何かするつもりだろう、ゆらり、ゆらり、と少女の尻尾は揺れていた。
言ってしまえば、魔物、と言うだけで、その種類は分からない。
分かる者が見れば、ゴブリンの集団と分かるだろう。
大した力はない、だが、結構な数だけに油断はならない。
さて、どうしたものか…少女は、枝の上で考えていた。
■タマモ > 「よし、久々にあれをやってみるのも良かろう」
何か思い付いたのか、ぽむ、と手を打つ。
袖へと手を入れ、ごそごそと中を漁る。
そこから取り出したのは、何枚もの折り紙だった。
「さて、どんな反応を見せてくれるじゃろうか?」
折り紙を一枚取り出し、もそもそと折り始める。
曲げたり、畳んだり、広げたり、出来上がったのは折鶴だ。
出来上がったそれは、ふわり、と少女の力を受けて浮かび上がる。
少女は器用に、一枚、また一枚と取り出し、折鶴の数を増やす。
少し時間を掛けて、それを作り続けて、気が付けば、足元に見えるゴブリンに近い数となっていた。
「さぁ、遊びに行くが良い」
少女の周囲に浮かぶ、幾つもの折鶴。
それ等が、少女の声と共に、ゴブリン達の元へと飛来して行く。
■タマモ > あるゴブリンが、それに気付いた。
ゴブリンからすれば、浮いている何か。
それは、その周囲をゆらゆらと漂い続ける。
蚊を払うように、ゴブリンは手にした獲物を振るう。
…が、まるで空気のように、折鶴はそれを、ふわりと回避した。
その頃には、点々と折鶴に気付くゴブリン達も現れ、同じように追い払おうとしようとしている。
しかし、どの折鶴も攻撃を避けてしまい、触れる事さえも出来やしない。
更に挑発するかのように、折鶴はゴブリン達の周囲を、ただただ右へ左へと巡る。
何度もそれが続いてゆけば、怒り出したゴブリンが、躍起になって払おうと動き出す。
それなりに、固まって動いていたゴブリン集団。
今や、完全に折鶴に翻弄され、散り散りになり始めている。
「………おぉ、頑張るのぅ。
ほれほれ、もっと気張れ、そんなんじゃ当たらんぞ?」
元凶である少女と言えば、そんな言葉を呟きながら、今だ樹木の上であった。
ゴブリン達の様子を、楽しげに眺め、こう、時に応援なんかもしてみたりして。
■タマモ > まぁ、所詮はゴブリンだ。
揺れ漂う折鶴、それを叩き落せる者は、誰も居なかった。
一匹、また一匹と、体力の限界か手を止めてゆくゴブリン達。
座り込み、完全に休憩に向かう感じだ。
「ふむ…誰一人とて、当てられぬか。
それでは、おやすみ、じゃな?」
くすくすと笑い、ぱちん、と指を鳴らす。
途端に、ゴブリンから寄らず離れずだった折鶴が、一気にゴブリン達へと突撃し…ぽんっ、と爆ぜる。
周囲に漂う、白い煙。
そして、ばたばたと倒れるゴブリン達。
地面に倒れたゴブリン達は、そのまま、寝息を立て始めた。
「ふふんっ、大した力を使わずとも、この程度ならば楽勝じゃ。
さて、と…」
えっへん、と誰にともなく胸を張れば、とん、と枝を蹴る。
散らばり倒れるゴブリン達、その付近に降り立てば、ぐるりと一度見渡して。
まぁ、一応は念の為、である。
■タマモ > 周囲を確認すれば、ゆっくりとゴブリンに歩み寄る。
ごそごそと、懐や手にした袋があれば、それを漁り出す。
見える範囲に居るゴブリン達、対象はそれ等だ。
「………うむ、見事に何も無いのじゃ」
一通り漁り、しかし、これと言った物は何も無し。
はふん、と溜息を吐く。
と言うか、何を期待してゴブリンを漁ったのか、とも。
何も無ければ仕方無い、寝転がるゴブリン達は放置しておこう。
少女は、再び散歩を再開しようと、その場を後にして歩き出すのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。