2019/06/26 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にイナリさんが現れました。
イナリ > 九頭龍山脈、奥深くの森の中。
少し空けた空間に、すとん、と降り立つのは一人の少女。
周囲をぐるりと見渡した後、ふぅ、と一息。
ぴん、と耳を立て、瞳を閉じる。

「………今日は異常無し、ですね」

ぽつりと呟けば、その瞳を開く。

「このような場所に、一体何をしに来ていたのか…あの駄狐は」

なにやらこう、嫌な事を思い出したような表情を浮かべる。

本日は、世話になっている隠れ里周囲の見回り。
とは言え、このような場所に来る相手なんてのは、大概は禄でもないもので。
こうして、何者も見掛けないのが一番である。

イナリ > 「ともあれ、信仰は着実に集まっていますし…
前の場所程とはいかずとも、手の届くものを護るに足るものとなる事でしょう」

ぶんぶんっ、と何かを振り払うように首を振り、気を取り直して。
思考を切り替えるように、それを口にする。
周囲の隠れ里に赴いては、信仰を得る為に、ミレー族を相手に己が仕えていた存在を伝える。
信仰は、それを信じる心さえあれば、少なくとも得られていくものなのだ。
今では、許可を得て社を建てさせて貰い、各所への限定ではあるものの、移動は安全となっている。
この調子で、もっと他の隠れ里にも赴きたいもの、と考えていた。
増えれば増える程、信仰も得られ、本来の力も行使出来るようになるだろう。

………まぁ、今はまだ、日に数度程度しか行使出来ないが。

深呼吸をすれば、見回りの再開を、と考える。
来た道を一度確認し、進む先へと視線を向けて。

イナリ > しかし、すぐに動きはせず、少しの間だけ佇んだまま。
ここまで来るまでも、休み無く移動を繰り返していた。
少しくらいの休憩ならば、構わないだろうと。

だが、長々と居ると言うのもあれだ。
どこかで一区切りすれば、とん、と地面を蹴る。
ふわりと木々の間をすり抜け、樹木の天辺まで舞い上がった。
そして…ふっ、とその姿は、闇に紛れるように消えて。

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からイナリさんが去りました。