2019/04/09 のログ
■洛 > バスタオルをきゅっと締める。体を包んで締め付けて、ずり落ちないように……。
あとは体を乾かしてから服を着るだけである。
「…………あ……ぅぅぅぅぅ」
ひがい は じんだい だ 。
男がおもむろに鞄の中身を披露すると、そこにはなんと色々な薬品が混ざった混合液が!
これでは薬としては使い物にならない。ついでに鞄も使い物にならない。激流をぶっ掛けた結果がこれである。
女は、不健康な白い顔をますます白くしていた。屈みこむと、鞄の中を覗き込み絶望感漂う声を漏らす。
瓶(だったもの)のラベルを手に取ると、口を半開きにした。屈みこんだ姿勢のまま男を見上げる。
「こ、これって………うぅぅぅぅぅ! すっごく、た、たかいやつじゃ………? たかいやつだったぁぁぁぁぁっ!!」
聞いてみた。やっぱりそうだった。
貧乏薬師には手が出せない類の薬だった。弁償と聞かれて、涙目で男をまた見上げる。
「ど、どうすればいい? かな? 私の手持ちじゃとても払えないから……な、なにかすればいいかな……?」
祈るように両手を組んで、男の足元に擦り寄った。
■シュバルト > 「重ねて言うけど、貴族相手に売りつける商品だったからね?貴族相手のだからね?虎の子わかる?薬師ならわかるよね?判ってくれてるみたいだけどさ……。」
正直一安心。
売れなくて在庫になりかけた物もあるし、処分が出来て尚且つ美人と知り合えたと思えば……得したと思い込めなくも無い、正直赤字である、売れる見込みがなかっただけ、だがそれでも仕入れて売る予定だったもの。
しゃがみ込む女の姿を眺めながら、何度目か判らないけども肩を大きく竦めて、それに溜息を追加して吐き出した。
でも女が薬の価値を理解しているだけ、事態は悪い方向にだけ転がり続けているわけではないと、安堵もするがそれは表には出さない、そしてその価値を理解し支払いも出来ぬ女の懇願を見下ろして欲望を抱かぬほどに枯れてもいない。
「……じゃあその分、身体で払ってもらおうかな。有り触れたセリフにはなるけど、一番判りやすくて手っ取り早いしさ。ああ、でもそれは流石に問題あるかなーそんな提案したとわかったら、王都で生活できなくなりそうだし……。それに支払うとしても何時までかかるやら……?」
ふむ、とわざとらしい咳払い。
言葉は悩む素振りではあるが、暗に自らその身体に価値を決めて、期間も何もかも提案して見せて?と言わんばかりな言葉を紡ぐと、さあどうする?と疲労感が見える瞳をじーっと見つめる。
いや危くじゃあ結婚を前提にお付き合いをして子供が片手くらい出来て平和な家族計画に付き合えば許すといいかけたのは心にしまっておこう。
それよりも虐め倒した方が今夜失った分は取り戻せそうだと思ったからね。
■洛 > 「反省、してます……」
その様子、菜に塩を振るが如く。
猛省していた。女は悪いことをして心が痛まない種類の人間ではなく、むしろ逆だった。
相手からしたら売れない品だったかもしれないが、値段で言えば貧乏薬師の女が支払おうとしたら家畜用食糧で命を繋ぐ羽目になるくらいは高いものをダメにしてしまったのは事実なのだ。
相手が何かを希望するならば、それを飲もう。という心意気が固まっている。
「からだ……? ぅ、わ、わかったけど………え゛? ダメなの? な、なな内臓とかは、売りたくない!」
若い女の内臓である。売れるだろう。だが売りたくない。早とちりした女は立ち上がって自分のお腹を腕で隠した。
すぐに違うとわかって一安心したのはつかの間、どうやらそれだけではダメらしい。
いつまでかかるのか。わからないが、現在の年収で薬の値段を割るとこの辺りの岩に苔が生えてしまうほど時間が必要になることはわかっている。
「…………ぅ……じゃ、じゃあ、暫く、いいって言うまでわたしが君? あなた? のおうちで家事、とか……して体で返す、とかは……。
りょ、料理はじっ自信あるんだよ! お洗濯とか……あ、あああ、あとお薬調合とか……だめ……だめですか?」
女は必死で言葉を選びながら、頭を絞って考えた言葉をかけた。
体を売ると王都で生活できないらしい。なら家政婦ならどうだろう。女なりに考えた発言だった。
祈るような姿勢のまま、前のめりになって男に言った。
■シュバルト > しかし、反省していると言われると心がぐらっと来てしまう根は悪人になりきれない自覚のある偽悪人である。
暗に提案をさせる様に色々言葉を濁して何でも言う事聞きますといわせる心算が心、料理も洗濯も薬調合までも出来る家政婦さんゲットになるとは、いや間違いなく何でも言う事を聞いてもらえる流れになった……と思う。
「……キミ、でもアナタでもなく……っと名前なのって無かったよな。シュバルト・イフシュント、今日からオレが満足するまで家政婦してもらう予定のアナタのお名前は?」
内臓は要らない、要らないというか貰っても嬉しくないし、泣く、のでその部分はスルーをして一応少し意地悪さのある笑みをニターッと浮べて名前を名乗る事にした。
で前のめりに祈るような姿勢の女の頭に手を伸ばして彼女の薄青色のセミロングの髪をくしゃっと掻き乱してやろうと手を手を動かす、嫌がられたら止める弱気なスタイル。
「あ、勿論、オレの仕事の実験台に為ってもらうこともあるけどな、と言っても調律師なので人体実験というよりマッサージの実験台と感想を聞きたいからな……あとは何かやったら罰として、うん」
勿論エロイ事もする心算である。
身体を売ると王都で生活できない、のは売らせた側の自分だろう、周囲に噂されたら貴族の耳に入ったら、微妙な顔をされかねない、ので……自分から言えなかった初心モノである、その中で唯一言えたのが罰として…するぞ?とだ。
■洛 > 善人かつ人の言葉を信じやすい詐欺師の手にかかればいいカモの類の女。
弁償代と称してアレコレ命令しても逆らったりはしないであろう。むしろ喜んでやってくれる。
「私は洛………わ、わかった。家政婦するから。きみはシュバルト、く……様?」
同年代であろうためか様をつけるのが難しいらしい。
笑みを浮かべて頭を撫でようとしてくる男。特に嫌がるでもなく手を受け入れる。色こそ派手ながら、艶といい細さといいシェンヤンの女特有の滑らかな指通りがすることであろう。
実験台と聞いて女の脳裏に浮かんだのが、自分も稀に使うことがあるネズミの類だった。何でも人間に近いらしいので使うのだ。使ったらポイである。
さーっと血の気が引く。
「え……な、内臓を?」
内臓から離れろと誰かが聞いていたら言ったであろう。
ちょうりつし。まっさーじ。聞いたことの無い単語と、聞いたことはあるが具体的に何をどうするのかを体験したことのない単語が出てきた。
小首をかしげている。
「マッサージって、お年寄りがするやつ……? い、いいけど、疲れてないけど……あ、肩はこるけど……」
なんだかよくわからないが頷く女。マッサージイコールお年寄り用の観念があるらしい。頭にエロがつくとは露とも思っていない。
■シュバルト > 「……くんでいいよ……流石に様ってアレでも……洛さん?洛って呼び捨ての方が……。」
様はロマンだけどもね。
平民地区の安宿を借りてるくらいの金持ちとは言い切れない魔導調律師、まだ職業的な知名度も低いし、収入も安定しないので「様」は暫くオアズケである。
しかし、掌と言うか指に絡むような滑らかな薄青の色の髪の細かさに艶やかさに何時までも撫で続けていたいが、正直風邪を引きそうなのだ……ずぶ濡れなのだ。
「内臓から離れよう?そうお年寄りにってわけじゃないんだが、人の身体に流れる魔力を自分の魔力と呼応させてマッサージする事で魔力の流れを…その時に薬や香を使うので強ちまったく無関係な職種でもないとか……それよりも、早速役に立ってもらおうか……。」
自分の職業を説明する際は早口で少しだけ表情にドヤっとしたモノが混じってしまうのだけど、そんな笑みを止められない。
一先ず、一先ず名残惜しいが数奇な運命?縁で家政婦となった洛さんの髪から手を引くと、使い物になりそうもない革鞄を拾いながら告げる。
「……我が家政婦よ!ごめんなさい、一先ず街に帰りたいので案内お願いします……風邪引きそうです……帰りたい……。」
と、あんまりかっこいいとも言えないセリフをがくっと両肩を落として告げるのだった。
■洛 > 「じゃ、シュバルト君」
にこにこと頬を緩ませる女。
一方女は貧民地区のウサギ小屋のような狭さの家を仕事場兼住居として借りている。男のほうが遥かにいい暮らしをしていることだろう。
「内臓じゃないの? ……へー、なんかすっごい………あ、お香は私も使うよ!」
前半部分はほとんど理解できなかったが、お香は故郷では頻繁に用いられたものである。
知っている話題が出てきて嬉しいのか声を弾ませる。
男が鞄を取る。ずぶぬれで使い物にならないそれを。
女が盛大にくしゃみをした。
「くちゅん! ……う゛……たしかに……ちょ、ちょっと待って。着替えて荷物、纏めるから……あ、焚き火であったまっていく、とか」
せっかくだから焚き火で服を乾かしてもいいし、さっさと馬車でも拾って帰ってもいい。
何はともあれ山歩きには慣れた女の案内で迷子の男は王都への帰還を果たすことが出来るだろう。
『よよよろしくおねがひっします』
と噛み噛みどもりまくりの女が不審者丸出しで自宅に尋ねて来るのは帰ってからすぐのことだったとか、そうじゃなかったとか。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からシュバルトさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から洛さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > ほとんど人の来ない山奥。
静かな湖面に青い光が映る。
雲間より青い光の筋が一本。ゆっくりと下っていき、湖のほとりに消える。
「…ふぅ。」
まるで山歩きに向かない服装で、小型の荷袋と鞘に納まった長剣を一振り持った姿。
一息ついて、周囲を少しだ見回せばゆっくりと湖の縁を歩き始める。
今宵は風も穏やかだ。
先日は風が強かった。残っていればいいのだが。
そう考えながら、お目当ての場所にやってくる。
「……おお。残っていてくれたか。」
山奥に一本の太い樹木。
その樹は枝を湖に張り出させ、誇るように淡い桃色の花をつけていた。
湖面に浮かぶ小さな花びらと、空の月。
静かな光景は幻想的な雰囲気を醸し出していた。
王都方面のこちらでは花見など叶うまい、と思っていたものの。
空からこれを見つけ、散る前に一献と思いやってきたのだ。
「やはりこの季節、桜が無くてはな。」
表情を綻ばせ、手近な岩に腰掛ける。
荷袋の中から徳利と杯と取り出して酒を注ぎ―――。
乾杯、と静かな湖面に杯を掲げた。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジーヴァさんが現れました。
■ジーヴァ > 桜が静かに咲く湖畔に、一人の少年が現れる。
フードを目深に被り、大きな麻袋を背負った彼は岩に腰掛ける女性を見つけて
手を振って敵意がないことを示す。
ただし、右手には銀に輝く錫杖を握ったまま。
「おーい、こんな夜中に何してんだ?
酒を飲むならふもとの酒場の方が安全だぜ」
そう言って彼は湖を回り込み、桃色の花をつける樹木へと歩いていく。
やがて樹皮や花びらを観察すると、満足気に麻袋を下ろした。
「それともシェンヤンの風習って奴かい?
あんたも恰好からして、最近王都にたくさん来てるシェンヤン人だろう?」
実際はまったく異なる文化だが、シェンヤンの王族が着るような服装から装飾を取り除けば
彼女が着る服に似ていなくもない。服飾にあまり興味のないジーヴァが勘違いするのも無理はなかった。
■ソウレン > ず、と杯の酒を一口飲み、桜の木を見上げる。
はらはらと落ちる桜の花びらが1枚。酒の上に落ちた。
夜桜を楽しんでいれば、ざり、という砂利を踏む靴音。
こんな山奥に誰が来るのか、と視線を向けてみれば、手を振る少年が一人。
近づいてくれば、何やら荷物を下ろし話しかけてきていた。
「ふもとの酒場ではこの景色は味わえないだろう?」
自分も人の事を言えた義理ではないが、ずいぶん歩きづらそうな恰好でここまで来たものだ。
それだけを思えばまた景色に視線を移し、酒を一口飲む。
「いいや、私は王都の方の人間だよ。
ただ、生まれはもっとずっと東の方だけれどね。
…君はこんなところまでわざわざどうしたんだい?」
シェンヤンの人間が王都に流れ込んでいるのは知っている。
しかし、それとは無関係だと説明をする。
それから、また視線を少年へと向けた。穏やかな青い瞳が少年を見ている。
■ジーヴァ > 言われてみれば雲の切れ間から覗く月明かりが桃色に咲き誇る木を照らし、
少年の身でも綺麗だと分かる景色だ。
理解したというように彼は頷き、懐から取り出した短刀を花びらが咲き誇る樹木にゆっくりと押し当てる。
「東の方かぁ、あっちはシェンヤンと似てるからよく間違えちまう。
俺は調合の材料を取りに来たのさ、あんまり信用されないが俺は……魔術師でね!」
短刀にすっと力を込めて樹皮の一部を切り取り、麻袋に放り込む。
開いた麻袋の口からは、同じように切り取られた大量の樹皮が月明かりに照らされてよく見えることだろう。
「桜ってのは周りの栄養を吸い取って成長するんだが、その時に自然界に漂う魔力も吸い上げるって話だ。
だから植物の中でも結構な触媒になるんだぜ?できれば全部持って帰りたいぐらいには価値がある」
そう言って彼が見上げた樹木は彼が百人いても持ち上げられないほどよく育っている。
これだけのサイズなら、花びらですら集めて適切な調合をすれば、それだけで魔力補給用の飲み薬になるだろう。
彼は残念そうに桜を見つめながら、しばしその景色を眺めていた。
■ソウレン > 見ていれば桜の樹木の皮をはいでいる。
余りに多く採るようなら一言言おうかと思ったがそこまででもない様子。
というか、他で採ってきたようだ。
「ほう。それで採取か。まぁ、よくある話だ。」
確かに胡散臭いという意味では信用されないのかもしれない。
が、ソウレンにはあまり関係のない事だ。
なので信用も何も、見たままを信じる事にする。
「さすがにそれは止めるが、できたらの話か。
せっかくの景色、壊されるのは忍びない。」
残念そうな様子に、飲むかい?と杯を差し出してみる。
見たところ少年ではあるが、王都では男の子が飲んでいるのは珍しい光景でもない。
■ジーヴァ > 差し出された杯からは、酒と思いきや王都によくある安酒ではない香りが漂う。
嗅ぎ慣れない香りに戸惑いつつ、荷物を下ろして杯に顔を近づける。
「酒とは思ってたけどよ……変わった匂いだな。
では一つ、いただきますっと」
フードを下ろして顔を露にすれば、そのまま杯を持ってぐびりと飲む。
杯に残っていた量の半分ほどを喉を鳴らして勢いよく飲んでいくと、すぐさま顔が赤く染まった。
「おっとと……飲みやすいし、臭くもない。
いい酒だけど……ちょっと強いかもな」
そう言って彼は彼女が腰掛ける岩に背中を預けて、ゆったりと月明かりに照らされる桜を眺める。
ふとそこから彼女を見上げてみれば、着流しからわずかに覗く肌が妙に艶めかしく感じて、慌てて目を逸らした。
■ソウレン > 少年にしては景気のいい呑みっぷり。
ソウレンにもうっすらと微笑が浮かぶ。
「米の酒だよ。確かに、少し強い酒ではあるね。
だが、花見にはこれがいいと私は思っている。」
人には拠るけれどね、と酒の好みにまで踏み込むつもりは無い様子。
ぴちょん、と花がまた1枚水面に落ちる。
と、共にさぁっと緩やかな風が、落ちた花びら、枝に着いた花びらを舞わせた。
月明りに照らされるそれは幻想的な雰囲気を醸し出す。
その光景を満足そうに眺めながら、また1杯徳利から杯に注いでいく。
それを飲みながらも、ソウレンの肌の色は特に変わった様子を見せない。
景色に夢中だった為、少年が慌てて目を逸らした事にも遅れて気づく。
どうかしたか、と静かに微笑むのみだったが。
■ジーヴァ > 米の酒と聞いて、普段シェンヤン人や東の方から来た人間が食べているあの米を連想する。
あの白い粒の集まりがどうしてこんな酒になりうるのか、知識を追求する魔術師としてはとても興味があった。
しかし今は、舞い散る桜をゆったりと眺めていたい気持ちが大きく勝っていたのだ。
「確かにこの景色に、エールだの葡萄酒だのはいまいち合わないかもな。
この季節に来られてよかったってもんだ」
酒を飲んで気が大きくなっているのか、妙に身体が熱いと少年は感じていた。
話を続けて紛らわそうにも、静かに微笑む彼女の顔は月にも劣らず美しく、
軽やかに吹く風が彼女の長い髪をふわりと浮かばせる。
その光景に桜よりも目を奪われて、ぼうっと彼女を見つめていた。
「……ふぅ……ん……」
何か感想を言うにも思いつかず、ただ見惚れている少年。
惚けにも似たそれは、称賛でもあった。
■ソウレン > どうかしたか、との問いかけにも少年は応えない。
景色にでも見惚れていたか、と思えば視線の先には自分しかいなさそうだ。
やれやれ、と苦笑すると少年に手招きをする。
「ほら、ここに座るといい。」
そう言って隣をぽんぽんと叩く。
硬い岩だが、座るにはよさそうな平らな部分だ。
「やけに熱い視線を感じるが、どうした。もう酔ってしまったか?」
隣に来れば、身長差から少し上からソウレンが見つめるだろう。
羞恥など特になく真っ直ぐに青い視線を向けている。
見惚れてくれるのは嬉しい事なのだがな、と内心で苦笑する。
女性としては男性にそう見られるのは悪い事だとは思わない。
下心満載で言い寄ってくるのもいるが、そんなのは論外だ。
少年には特にそういう気配もない。
なので、その素直な様子を伺ってみる事にする。
■ジーヴァ > 少年は誘われるがままに岩に腰掛けて、より近くなった彼女の顔を見上げる。
真っ赤に染まった顔がその瞳よりも赤くなりはじめ、いよいよ頭が回らなくなる。
「あ、熱いのは顔とか身体というか……酒が強かったから。
いい酒は大抵強いもんだからな……」
ぼんやりと語りながら、少年の身体はふらつきつつ彼女の身体に寄りかかるようにして
やがてその膝の上にうつ伏せに倒れ込む。
少し経って聞こえてくる寝息は、酔いが回って眠気に誘われた彼のものだった。
「……すぅ……ぐぅ……ん……」
少年が目覚めたとき、どうなっているかはまったく分からない。
だが、綺麗なヒトと景色に出会ったことはしっかりと覚えていることだろう。