2019/03/24 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にウルスラグナさんが現れました。
ウルスラグナ > ――――ずるり。

重い身体を引きずりながら、人影が山中を進んでいた。
剣を杖に、武骨すぎるその錘さえも杖にしなければ、無いよりましな支えとして使う他にもない。


「………う、ぐ」

……視界が明滅する。普通の半分しかない世界に、探し求めるのは、ただ生きるために必要な、単純明快なものだ。


「……み、ず」





……どれだけ長い間を歩いたかもわからない。けれど、それ以上に。
ここに来るまでに、自分が何をどうしていたのか、自分がだれかのかも分からない時間が長すぎた。
このまま、何も分からないで朽ち果てるのを待つよりはと、ただ歩き続けた。
擦り切れた軍服の裾の中は何もなかった。ただ、生きるという目的のためだけに歩いていた。
水を求めた。食料を求めた。けれど、得られるものはなく。
それでも闇雲に、歩き続けることしかない。



「…………だれ、も、いないのか……」

――――歩みが止まり、杖にもたれるように、そのまま崩れ落ちる。
視界が眩み、空を映した。

背中に伝わる地面の硬さにさえも、そのまま埋まってしまいそうな感覚を、目を閉じていきながら感じる。


「…………しぬ、のか?」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にヴィルヘルムさんが現れました。
ヴィルヘルム > 道を駆ける。森を駆ける。山を駆ける。
雷速の即応戦力部隊としての鍛錬は、何も馬上戦闘訓練だけではない。
『如何に戦地へ速く辿り着くか』。それこそが最も肝要であり、重要視される要素である。

故に、この鎧の男は、険しい山中を馬で駆け抜けていた。
道なりではなく、「距離」にて戦地へ辿り着くための鍛錬。
地理の全てを頭に入れ、一切の迷いなく。

「………!!」

そこに、救うべき人間が居なければの話であるが。

甲高く、馬が嘶きを上げる。
辺りに魔物が居るなら気付かれたかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
どずん、と地面を鳴らすように飛び降り、倒れ伏す女の元へ駆け寄る。

ウルスラグナ > ――地面に倒れ伏すのは、擦り切れた軍服を纏う褐色の女。
地面に突き立ったままの、鉄塊のような剣に手だけがかかり、仰向けに倒れた姿。

……近くに来た誰かへの反応は、少しだけ手が力んで、かち、と、剣が揺れるだけだ。
僅かに上下する胸だけが、生きていることを示す。





「………み、ず」

……駆け寄った貴方の耳に届くだろう声は、掠れ切って。
求めているものを、虚ろに呟いている。

ヴィルヘルム > 「………。」

ひとまず、生きていることを確認し、安堵。
見たことのない様式の軍服に、奇妙な剣。
…少なくとも、マグメール王国軍に属する人物ではないのは確かだ。

だが今は、そのようなことを冷静に考えている余裕はない。
水筒を取り出し、木綿の包帯を引き千切り、しっかりと水を含ませて唇へ押し当てる。
体を動かせないほど衰弱しているのであれば、一度に多量の水を与えるのは危険だ。
…と、兵法書に書いてあった気がする。


「……大丈夫、か?」

人見知りなので声が小さい。

ウルスラグナ > 「…………ん、ぐ」

――口元に充てられる湿り気。乾ききった口に触れた湿り気、その透明さに、身体のほうが求めるままにそれを強く咥える。
染み出す水分が、少しだけ意識を呼び覚ます。

……ゆっくりと開いた紅色の目が、隻眼が、自分に水を与える相手を捉え、一瞬だけ見開かれたが。

「…………たり、ない」

みず、を。

――水を求め、剣から離れた手が、ふらりと伸びてその手を掴もうとする。
……弱っていても、人並みの女性の力より、少しだけ強い。
頭部の角が、おそらくは膂力を持った種族であることを示す。

「……かわ、いて、いる……もっと、みず、を」

ヴィルヘルム > 「…わかっ、た。自分で…飲めるか?」

吃りつつ、蓋をコップ代わりに水を差し出す。

紅玉のような、美しい瞳。
自らの紅眼を写し取ったかのようなその色合いに、少したじろぐ。
そして、その角。
魔族ともミレーとも、当然人間ともつかない、奇怪な樹木のような角。
見ようによっては禍々しい。

しかしまあ、それでも。
引くか押すか、討つか救うか。それは後で決めても遅くはない。

「落ち着いて飲め。…咽るなよ。
 好きなだけ飲んで良い。煮沸はしてある。蓄えもある。」

ウルスラグナ > 「……のめ、る」

……差し出されたコップを掴み、その水を呷る。
――どちらかといえば、唇を濡らすようにしながら、少しずつ、少しずつ飲んでいるようだった。



「――っは、ぁ」

……飲み干して、濡れた唇を、残る水も余さずに舌を潤わせるためになめとって、大きく息をつく。

「……もう、いっぱい、くれ」

空になったコップを、ゆっくりと差し出す。
……幾らか生気の戻った目。ぼさぼさの赤毛の向こうから貴方を見据える目は、少なくとも、何かたくらみなど、そういったものがあるようには見えない。
ただ少しだけ、告げる言葉のたどたどしさが引っかかる。
言葉に、訛りのようなイントネーションの名残が言葉尻にも伺える。

ヴィルヘルム > 「………。」

何も言わずに、その手でコップを受け取り、注ぎ、渡す。
繰り返すなら、落ち着くまで続けるだろう。

隊長という立場上、最低限かもしれないが人を見る目は持っていると自負している。
その上で、『目の前のこの人物に打算や謀略はない』と、大鎧の男は直感した。
目を見れば、大体はわかるものである。大体は。

「……あぁ。……お前は、誰だ?どこの所属だ?ここで何をしてる。」

それでも念の為、聞かなければならない。
疑心は無いが、それでも兵士という立場上、マグメールに害を為す存在かどうかは聞いておかねば。

ウルスラグナ > ――暫く、何度か喉を潤す時間。

ようやく落ち着いた時には、コップからはすでに四度水を飲みほしていた。

大きく息をついて、すっかり焦点を結んだ目が、空になったコップの底を見つめていた。
ふいに尋ねられたことに、ゆっくりと顔を遣り、顔を曇らせる。

「……わから、ない。私には、私のことも、ふくめて、わからない」

――嘘を、言っている様子ではない。

「……あなたに、水を与えられるまでは、ずっと、ずっと、歩いていたと、思う。いつから、そうしていたのかも、分からない。
……ここが何処かも、どこからきたかも、私が……誰なのかも、わからない」

ヴィルヘルム > 「………記憶が飛んだのか。山中で頭でも打ったか…?
 名前とか、友人とか…そういう……何でも良いんだがな。」

とりあえず、空っぽになった水筒をポーチの中へ仕舞い込む。

「(さて、困った。
  敵なら倒すし、無害なら近場の街へ送ろうかと思っていたが…
  わからねぇ、となると判断が難しすぎるな?)」

ふーむ、と腕を組みつつその顔を見る。
憂いを孕んだ、端正な顔だ。しかし華奢さや繊細さは控えめに、強さを感じさせる横顔。
…偽りがある様子はない。

しばらく考え、考え、考え、考え込み……

「……腹は減ってるか?」

一旦、考えを打ち切った。

ウルスラグナ > 「…………」

……何か引っかかったように、頭を抑えた。
角があるほうとは反対側だ。
そこを手でさすり、やがて眼を細めながら。

「……頭が、痛い、気がする」

強く頭を打った、というのが該当しそうだ。そこを触れた時、ぴり、と痛みを得たように、顔をしかめたりもしている。

「私は、名前は……」

――――ぴくり。

「……ウルスラグナ。……ウルスラグナと、なん、だったか……?」

頭に触れていた手が、軍服の上着に触れ、その裏を見た。
そこに何か書いてあったのか、それを読み上げ、その後が分からないのか、首を捻りながら、思い出すのも同時にしているようだ。

「……へって、いる」

ヴィルヘルム > 「…そうか。本当に頭打ったか……。」

もしかしたら、そうなった時に角も折れたのかもしれない。
魔族は骨格を観察すると分かるが、基本的に角は頭骨が変形したものだ。
この女の角も似た構造だとするなら…へし折れる程強く打ったのなら、記憶などに影響が出ても不思議はない。
むしろ、昏倒してそのまま…という可能性すら無いわけではないのだ。

「…ウルスラグナか。良かった、名前まで忘れてたら手続きが厄介だしな。
 俺はヴィルヘルム。ハイドランジア家のヴィルヘルムだ。」

がしょ、とヘルムを外す。
逞しい、しかし精悍な顔付きの青年であった。


「そうか。なら飯にしよう。まずは、腹に物を入れないと活力も出ないからな。
 飯を食いながら体を温めて、その上で考えればいい。
 …って言っても、麦粥くらいしか出せる物はないけどな。」

そう言いつつ、手慣れた手付きで枝を拾い集め、馬の鞍に付けられたポーチから藁の束を取り出す。
がちん、と石を鳴らせば、焚き火の出来上がりである。

言ってみれば、この食事は物の序でであった。
今からこの山道を下ろうと思えば、確実に下山までに日は落ちる。
自然のど真ん中とは言え、街道が近ければ野党も多い。治安も良くはない。

ウルスラグナ > 「……たぶん」

分からない、と答えることも出来ないらしい。
ただ、靄掛かったような思考に、惑うような曇り顔。
「……ヴィルヘルム。そう、か。……ありがとう、ヴィルヘルム」

名前をようやく呼べ、安堵したように、わずかに微笑んだ。
逞しさがある中でも、その微笑みはやはり、女性のものだ。


「……いや、構わない。食べれることは、きっと、いいことだ」
何を言ってるのか自分でもよく分からず、首を傾げながらだが。
あっという間に組み上げられる焚火に、ほう、と息をついた。

「…………」

――徐に、上着を脱いだ。ぱさ、と、脱いだ下は、薄い肌着に、幾重に巻かれた包帯と、あちこちの傷跡が見える肌。
……その上着の裏地を、じっと見つめていた。

「……ヴィルヘルム。この字、読めないか。何か、書いてあるんだ」

と、その裏地を今度はそちらへと見せた。
幸い、きっと貴方には読める字だ。綴りにやはり、見慣れない滑りがあるが、それでも。

『 アルズワース王国軍 ウルスラグナ・ディセンコ 階級 大尉』と読める。

ヴィルヘルム > 「あーあー、別に良い。俺のお節介なんだから。」

焚き火を組みつつ、手をひらひらさせる。
鎧のマントを外し、地面に敷いた。妙に気を使う男である。

「…お、分かってるな。そうそう、食事ってのは大事だ。
 まぁ、俺は食べる専門なんだけどな。最低限しか出来ないんだ。」

案外、記憶の中では聡明な女性だったのかも知れない。
そんな事を思いつつ、焚き火の近くに座り、麦粥をよそう。
春先とは言え夜の山中は相当に冷える。そんな中、焚き火はじんわりと温かい。


…そんな中、唐突に上着を脱ぎだしたウルスラグナに、鎧を鳴らして体制を崩す。
鍛え上げられた褐色の肌に、メリハリのある体型。身長こそ低いが、体つきは完全に女のそれ。
痛々しい無数の傷跡も、いっそ艶かしく、それでいて逞しくさえ映る。

「…うわ、ななな何だよそういうお礼なら俺は……あ?字?
 ああ、ああ字ねそうそう字。字な。オッケー字な。見せてみろ字。」

大分あたふたしている。
ともかく気を取り直して、裏地にずいっと顔を近づけて読み始める。

「……あー、んー。アルズ、うぇ、あ、ワース、王国…軍?
 ウルスラグナ…なんて読むんだこれ。で、いや…ディ、センコか?
 階級……だい…い?なんて読むんだこれ。聞いたことない階級だな。」

どうやら、ヴィルヘルムも文字を読むのは苦手なようだ。

ウルスラグナ > 「……外で、料理ができるのは、たぶんすごいことだと、思う。最低限が、外でできるというのは、なおすごいこと、じゃないか?」

敷かれたマントの意味をくみ取り切れなかったか、小さく首を捻る。

「……どうした、ヴィルヘルム」
振り返り、また傾げた首。
自分の今の格好への違和感はあまりなさそうだ。無自覚に晒された艶やかな体を近づけ、渡した上着の字が読まれるのを聞いていた。

「……私の名前、なんだろうか。ウルスラグナ・ディセンコ、か?」
横から同じく覗き込んでいたが、やがて読むのをあきらめたように、よそわれる麦飯へと視線を移す。

「……何も自分がわからないが、なんだか、こうすることは、きっといいことだと感じている。……はは、なんだろうか。私には、きっと記憶があっても、たくさん、わからないことがある、バカだったのかもしれないな」
そういって、苦く笑っていた。

ヴィルヘルム > 「はは、そりゃどうも。…まぁ、隊長としちゃな。部下に示しがつかないからな。
 ああ、座れ座れ。レディを地べたに座らせんのは俺が気に入らん。
 女扱いされるのが嫌とかそういうのなら言ってくれ。」

ぺしぺしと地面に敷かれたマントを叩く。

「ナンデモナイデス。……だろうな。フルネームだろう。
 ウルスラグナ・ディセンコ。良い名前だと思うぞ?」

そう言って、上着を渡す。ついでに、木の器に入った麦粥と匙も。
少量の塩で味を付けただけのシンプルなものだが、十分に美味い。
自分の分もよそいつつ、自虐を聞いて。

「俺はそうは思わねえな。
 分からないことが沢山あるってのは、別に悪いことじゃねえだろ?」

そう言って、ぴしっと匙をウルスラグナへ向ける。

「いい事してると思ってんなら胸を張りな!」

ウルスラグナ > 「……隊長」

――何か引っかかったのかもしれない。少しだけ、うつ、と目を細めたが、ぺしぺしと叩かれるマントに、続いた言葉に、

「……いや、なんだろう、か。いやではない、と思う」

困惑しながら、失礼して、と、マントの上にそっと座った。
……少し自分の腰に手をやり、気にするようにもぞもぞと動いたり。


「……ありがとう。名前が自分のモノか分からないから、褒められるのは、なんだか不思議だ。でも、うれしい」

麦粥と匙、両方を受け取って、一口をそっと食べた。……ちょっと熱かったようで、少し背中が跳ねたが、口の中に広がる素朴な塩味が気に入ったのだろう。ふわり、と頬を緩ませた。

「……そうか、そういうもの、だろうか?……うん、ヴィルヘルムが言うなら、きっと、そうなのかもしれないな」
と、小さく胸を張った。……たわわな胸が、薄着の下から遠慮なく主張をした。
それはもう、結構な大きさなのだ。

ヴィルヘルム > 「…ん?おう、隊長。ここらへんはマグメール王国領だが…
 そこの王国軍で即応騎馬部隊の隊長をしてる。あんま威厳はないけどな。」

ワハハ、と軽く笑った。
どちらかと言えば兄貴分として慕われているため、隊長としての威厳は実際そんなに無いのである。

「はは、それもそうか。…まぁ、他人の物でも今は借りときな。
 っておい、大丈夫か?慌てなくても粥は逃げねえよ。」

微笑ましそうに、その光景を見て笑う。
美味そうに飯を食う姿は、それが誰のものであっても良いものだ。
…しかし軍人ということは、この剣が得物なのだろうか?
体捌きも見ておきたい。あわよくば記憶を取り戻すまでウチで…

「……うん、それでいいと思うけど上着ような?
 記憶喪失相手にどうこう言うのもアレだけどいい女なんだから気をつけてくれよ。」

首がぐりっと横を向いた。

ウルスラグナ > 「……騎馬隊……、……」

――ずきん。
頭部を僅かに抑えて、目を閉じた。暫くそのまま動かなくなったが、ふと視線を向ければ、なんでもないというように首を振り、また一口。

「……そうさせて、もらう。今は、私がウルスラグナ、だ」

粥を食べ、暖かさが胸の中に満ちる。満たされていく渇きと飢えが、表情を緩めさせ。

「……上着、か?……いや、そう、か。すまない」

指摘を受け、少しだけ気恥ずかしくなったのだろう。さっと上着を着なおすと、胸の前を手で押さえながら、頬を赤らめさせていた。

「……見せられた体でも、ない。失礼、したな」
苦し紛れに、また自虐を零していた。

ヴィルヘルム > 「……ん? ……騎馬隊だったのかもな、もしかしたら。」

それにしては得物が騎馬戦に向かない気もするが…まぁ、そういった兵法もあるのかも知れない。
これ以上掘り返して頭痛が悪化してもいけない。一旦、出自についての話は取りやめた。

「おう。改めてよろしくな、ウルスラグナ……うーん、若干長いな。
 ラグナって呼んじゃ駄目かね。俺のことも好きに呼んでいいから。」

麦粥を頬張ったり、こっそり細切れにした干し肉を入れてみたりしつつ提案。

「……いや、そういうんじゃなくて婦女子が気軽に男の前で肌を晒すのはだな。
 …悪い、口煩くて。うちの両親はそう言うのに厳しかったもんでな…」

繰り返すが、その肢体は非常に魅力的である。

「……あー、おほん。……この後どうする。
 俺は夜が明けたら山を下って、マグメールに帰るつもりだが。」

ウルスラグナ > 「……そう、なんだろうか。私には、やはり、分からないことばかり、だな」

ただ、その言葉の都度に何か反応があるのからして、きっとその推測は外れているという様子ではない。

「……ラグナ、か。……うん、そう呼んでくれて、いい。そうだな、そしたら、私は、どう呼ぼうか。ヘルム……いや、ヴィル……」

うん、と小さくうなずいてから微笑んだ。

「……ヴィル、と呼んでもいいだろうか。親しみがあるように、私も呼びたい」

指摘の内容、それはおおよそきっと、育ちのいい家においての事なんだろう。そう想像をするのもまた、ただ確信があるなんていうようではなく、きっと丁寧な性格の親がいたんだろう、という程度のものなのだが。


「……そう、か。いや、すまなかった。
……私は、行く宛はない。銭も、あるかどうか。
……だから、その」


じぃ、と。

「……ヴィル。ついていっても、いいだろうか。その、マグメール、というところに」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からウルスラグナさんが去りました。
ヴィルヘルム > 「気にすんない。俺だって分からないことがいっぱいあるのさ。女性の扱いとか。」

わはは、と爽やかに笑う。
自らに投げかけられた愛称には、嬉しそうに目を細めて。

「ヴィル、ね。良いじゃないか、良い。…ふふ、そんじゃよろしくな、ラグナ。」

そう言って粥を掻き込み、ふー、と息をつく。
その後の申し出には、驚く様子もなく。
…むしろ、その言葉を待っていた、とさえ言い放ちそうな様子で。

「もちろんだ。ああ、むしろ歓迎さ。
 ふはは、賑やかになるなこりゃ。」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からヴィルヘルムさんが去りました。