2018/10/08 のログ
■カイン > 「それならそれでいいけどな。元々お尋ね者みたいなもんだが、
これ以上肩身が狭くなるのは困るんでね」
元々魔族とミレー族に対しては非常に風当たりの強い国である。
おどけた様子を見せて言い返しながら、クックと喉を鳴らし。
「それが良いんだろ、それが。ま、判るのが大人なんて言うきはないが、
苦みの良さってのは知っておいて損はないと思うぞ」
好みの問題だろうがとは言いながら、砂糖の入った瓶を少女の前に置いて肩を揺らしてみせる。
少量の調味料のたぐいは何かと重宝するので持ち歩いているらしい。
「百年…よりはもっと前だったと思うけどな、何がきっかけと言われれば、
人間に殴り倒されたことかねえ。暇に開かせて怠惰な生活してた頭にガツンと来た、文字通りな。
自分の届いてない頂ってのを見せられたら、其処に行ってみたくなるのが男の性ってもんだ。
ああ、それと一応俺は傭兵な」
冒険者とはちょっと違うと笑って見せて人差し指をピッと立て。
「御用とあったら声をかけてくれれば仕事はするぜ。
勿論対価はいただくが。見合った報酬と、強い奴と戦える機会があれば尚の事良い」
立てた指を軽く振って見せれば、にんまりと笑い。
「俺はカイン、嬢ちゃんの名前は?」
■クロエ・ラ・シャアル > 「あら、そんな自分で限界を決めてしまうなんてもったいないわ。
もうちょっと肩身を狭くしてみれば、なにか新しい世界が見えてくるんじゃないかしら?
なんなら私が狭くしてあげましょうか」
くすくす笑いながら近くにより、ぎゅっぎゅっ、とその肩を押してみる。
勿論、言っている意味はわかっている。
ちょっとからかっているだけだ。
「苦いのが好きなんて生き物としておかしいわ。
そんなのが好きなのはおかしい奴か、変態の女だけよ」
置かれた瓶――砂糖を珈琲に入れては飲み、入れては飲み。
もはや珈琲でなくなるくらい甘くなるまで、砂糖を入れる。
苦いのは、苦手なのだ。
「ふーん……男の人ってわかんない」
元の自分の境遇も記憶にあるため、そんな感想しか出せなかった。
確かに、脳の片隅にある記憶には、知り合いの男の子もそんなことを言っていた気がするが。
それでもやはり、感想は変わらず。
少なくともわたしには、理解が及ばない存在らしかった。
「クロエ。
クロエ・パトリシア・ラ・シャアル・ド・ククルル。
貴方たち傭兵を雇う、貴族なんて立ち位置にいるわ。
どうぞよろしく、カインオジサマ」
いい意味で言えば、男らしい笑顔をする彼に優しく微笑みで返す。
■カイン > 「おーおー、そんな事になったら他の国に行くことも考えるかな。
確かに俺は肩身を狭くされる側ではあるし、其処にそれほど文句言う気もないが、
耐えかねたら反撃の一つ二つはしてみせるかもしれないぞ?」
肩を押す感覚に目を細めて少し脅すようなことを言いながらも、
ひょいと手を伸ばして相手の体を引き寄せてしまえば膝の上に載せてしまう格好を作ろうとする。
最も、拒む仕草をされればすぐに手を止める程度の戯れでしか無いが。
「甘い物ばかりというのもそれはそれでどうかと思うがな。
…何だ、名指しで嫌な思い出でもあるのか?」
変態とでてくる所に、興味を惹かれた様子で問を返す。
あっという間に減っていく砂糖に少し呆れの混じった視線を向け。
「男にだって女は完全には理解できないものさ、だからいいんだろ?
いい女といい男ってのは違ってるからこそ面白い」
声を上げて笑い飛ばしながら一口自分もコーヒーを煽ってゆっくり息を吐き出し。
「宜しく、クロエお嬢様。ま、こんな所を一人でうろつくならほんとに誰か雇ったほうが良いがな。
それで、帰りはどうするつもりだい?」
■クロエ・ラ・シャアル > 「まぁ、乱暴ですのね!
こんなか弱い女の子に手をだそうだなんて!
紳士の風上にも置けないわ」
ひょい、ともちあげられて膝上に乗せられる。
この身軽な体ゆえ仕方ないのと、そもそもそれを嫌がりはしない。
頭を、背中を彼の体にくっつけ、ふんぞり返るように彼を見上げて言い切る。
ちょっと、顔が笑ってしまっているけれど。
「ええ、思い出したくないほど最悪な女がいるわ。
いいこと、カイン。
どこぞで吸血鬼を名乗る女に会ったら、間髪入れずに頭をかち割って、地面に埋めてしまいなさい」
思い出すだけで体に寒気が走る。
甘くなった珈琲は、残念ながら寒気を取ってくれず。
追って怒りもこみあげてくる。
仕方なしにその怒りを彼の膝を叩いて発散する。
「ん、帰り?
そうね……」
んー、と考える。
確かに、彼の言う通りこのあたりをうろつくなら雇った方が良いか。
うろつくつもりはないが。
「じゃあカイン。
貴方を一晩買うわ。
これぐらいあれば足りるかしら?」
持っていたお金の余りを彼に渡す。
貧民区ならちょっとした家を建てられる程度の金額しかないが、足りるだろうかと思いつつ。
■カイン > 「そうだなあ。じゃあ口説き落とすのは良いのかい?
紳士なんぞと今更名乗るガラではないけどな、
そこまで云われたら改めなきゃな」
白々しくも言い放って見せながら、見上げてくる相手の額に軽くデコピンを落とす。
そのまま相手の体揺らして座りやすいように調整してやりながら、喉を鳴らして笑い。
「はあ。…そりゃまた…吸血鬼なあ、幾らか覚えがないことはないが。
余程お前さんと反りが合わないみたいだな、って、イタ。
こら、落ち着け落ち着け」
その手合の知合が多いわけではないが居ないわけでもない。
自分の知るだけでも性格にクセの有るものしか思い当たらないので曖昧に濁した所で、
膝の痛みに反応して相手の頭をワシワシと撫で、なだめるように軽く抱きしめて見せる。
「…こりゃまた、大した額だな。
足りはするが、こんなには要らない……が、そうだな。
これで暫く用があるならいつでも仕事を請け負うってことにしておこうか。
それでお嬢さん、まず俺は何をすればいい?」
提示された額に目を丸くして、何かの時に騙されそうだという失礼な感想混じりに少女を見下ろす。
適正な分だけ取って戻すことも考えたが、明らかに若干面倒くさくなった風を滲ませつつそんな事を言い放つ。
次いでの問いかけは、一晩買うという言い方が面白かったからだろうか。からかうような響きを載せて問いかけ。
■クロエ・ラ・シャアル > 「ひゃんっ!
――口説く、といいながら暴力をふるうのは感心しないわ。
それともあれかしら。
飴と鞭で落とすと。
そういう作戦かしら?」
痛みはないものの、額を抑えて抗議の視線をやる。
「ふんっ。
……まぁいつまでも覚えているのは健康的じゃないわね。
さっさとあんなのの事は忘れるべきだわ。
まっ、貴方もあいつに出会ったら気をつけなさい」
抱きしめられて温まるからだとは裏腹に、なんとなく頭が冷えて、冷静になる。
「そうね……。
ちょっと、動かないでちょうだいね」
なにをさせようか。
このまま湯たんぽにさせるのも良いかとおもったが、小腹が減ったのもある。
太ももと首、どちらがかみつきやすいか。
彼の体に手を這わせ、どちらが柔らかいかを探る。
■カイン > 「躾は年長者として必要だろう?」
いけしゃあしゃあと嘯いて見せながら、
クックと喉を鳴らしがてら相手の抗議を受け流し。
「忘れられることなら忘れちまえ、それができるなら大したことじゃないってこった。
……おう、まあ、気をつける」
結局名前も出てこなかったので何とも言えない表情にはなりながらも、
頭の片隅には止め置いて軽く視線をさまよわせる。
そのまま、相手の言葉に動きを止めれば不思議そうに見下ろしてみせる。
やはりしっかり鍛えられてるからか、這う指に当たる感触はどちらかと言うと首筋のほうが柔らかそうだった。
くすぐったげに身じろぎしながらゆっくり息を吐き。
■クロエ・ラ・シャアル > 「そういうのは子供にしなさい。
私はもうそんな歳じゃないわっ」
ぺし、と強めに一回だけ彼の膝を叩く。
もう五十年以上生きている。
子供じゃないのだ。
……たぶん。
「んー、首の方が柔らかい、かしら。
王都の餌よりは堅いけど。
匂いは悪くないわ」
体勢を変え、彼と向き合う。
肩に手を置き、首に鼻を近づけ、血の匂いをかぎ取る。
決して嫌いな匂いではないが、さて味はいかがだろうか。
「ちょっとちくっとするけど、子供じゃないんだから喚かないように」
そういってから、彼の首に口を近づけ、血をすすろうとする。
■カイン > 「俺から見たら大差がないと思うがねえ。
背伸びしたいお年頃な所も?」
楽しげな笑みとともに揶揄するようにそんな事を告げて見せれば、
クックと喉を鳴らしてゆっくりと目を細める。
云われた言葉にようやく相手の行動の意図を把握すれば、
ああと苦笑いめいた表情が浮かび。
「そりゃ一晩売るとはいったからな。
好きにしてくれ、っと」
今更痛みそのものでどうにかなる訳ではないが、
刺激を感じれば軽く身じろぎはしてしまう。
少女の行為を成すがまま受け入れつつも、
息を吐けば背中をゆっくりなでて安心させるようあやす。
男の活力と魔力に満ち溢れた血液は濃く、強いモノではあるのだろう。
それを味としてどう感じるかまでは男には流石にわかりかねるのだが。
■クロエ・ラ・シャアル > 「……百年も昔のオジサマからしたら、まぁ少し?
少しだけ若いかもしれませんけれど」
否定はできまい。
所詮は吸血鬼になって五十年の新参者だ。
他の人外に比べれば、若いかもしれない。
まことに遺憾ではあるが。
「んっ……は、んふ……」
(予想より、結構、濃いかも……)
血に含まれた魔力は、そこらの者たちよりも上質なものだと感じとり。
その活力は、味わったことのない味。
つまるところ――。
(美味しい――。
頭、クラクラする――)
例えるなら安酒しか飲んだことのない人がいきなり上質なワインを飲んだように。
頭を撫でられる安心感と、味わったことのない味に酔い、牙を深く立てて出血を促し、舌で舐めとり、口で吸い取るように。
お腹が膨れるまで吸い続ける。
■カイン > 「そこで認める当たりが、素直で良い子だなクロエは」
負けん気の強さも認められるが、
その様子に笑い飛ばして見せながらゆっくりと目を細める。
何とも可愛らしい反応に喉がなり。
「ん…大丈夫か?」
血を吸われる事自体は喪失感を感じこそすれ、
そこまで大した問題とは感じない。しかしながら、
少女の様子がどことなくおかしな様子に訝しげな表情を浮かべ、
心配そうに問いかけた。とは言え相手が満足するまではそのまま身を委ね。
■クロエ・ラ・シャアル > 「別に……、褒められて、嬉しくなんて……」
血を吸いながら返事を返す。
なんとなく返事が弱弱しくなっているのは、少し酔いが回っているためかもしれない。
彼の問いに対して返答はせず。
ただ貪るように血を求める。
そして数分後には首から口を離す。
口からは彼の鮮血が滴り、首を流れて胸元まで伝い、ドレスを赤黒く染めていた。
「ん、ふ…はぁ……オジサマ……」
弱弱しい視線を、物乞うような視線を彼に送る。
つまるところそれは、発情した目であり。
「もうちょっと、だけ……」
しかし酔いつぶれたかのように、しなだれかかる。
数秒後にはすやすやと寝息を立て始める。
■カイン > 「褒め言葉ってのは素直に受け取っておいたほうが良いと思うんだがな。
ま、そこは気にしないことにしておこう」
笑うまま相手の頭をポンポンと軽く叩くように撫でて緩やかに肩を揺らす。
そうするうちに、相手の吸血が終われば少し感じる文字通りの貧血。
随分持っていかれたらしいと感じながらも見下ろすと、
艶やかな瞳にそっと体を抱き寄せ。
「…そういう所がまだまだ子供っぽいな」
全く、と漏らしながら寝息をこぼす少女の額を軽く弾く。
そのまま、少女の体を抱えた格好で火の番を始める事になる。
明け方辺りに薪が尽きた当たりで、
少女ともども座ったまま毛布を羽織る格好で眠りにつくのだった。
その後二人がどのようなやり取りを交わしたのかは、二人のみの知るところ。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からクロエ・ラ・シャアルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 「よっせ」
部下の悲鳴が聞こえて焦ったか、頭目らしき男が洞窟から飛び出してきた。
そこを影に隠れていた少年が不意を打つ。大型ナイフの峰で後頭部を殴打したのだ。
そのまま膝裏、腰と、連続で蹴りを入れ、地面に転がす。
ひーふーみーよー…5人、確か調査ではこれで全員。
「わりーな、使わせてもらってよ。もう寝てていいぜ?」
悲鳴をあげさせるために使った部下の山賊の足に突き立てたダガーを抜いて
前金で購入した強力な睡眠薬を嗅がせておく。
それが終われば頭目を縛り上げて、同じように薬を嗅がせて。
ダガーの刺し傷は念の為治療しておこう。
なにしろ、依頼主は生け捕りがお望みだ。
■ブレイド > 山賊街道にすまう小規模な賊の一団。
何を盗まれたわけではないが、彼らを生け捕りにしてほしいという依頼。
正面切って戦わなければ大したものではなかった。
夜襲、奇襲、罠。できるだけ相手を孤立させてそれらを駆使して一人ずつ始末していった。
時間そのものはかかったが。
おかげさまでもう結構夜も深い。
捕まえた彼らがなにに使われるか…
明日には同行した荷馬車の荷台で王都まで一緒に運ばれる身だが
彼らの行く末は知りたいとも思わなかった。
「ま、今日一晩は仲良くしようぜ?」
薬を嗅がせたおかげで、しばらく起きることはないだろうが。
少なくとも朝までは。
だが夜闇も深い今、少し離れた場所に待機させている荷馬車まで彼らを運ぶのも危険だ。
今日は彼らの寝床を使わせてもらおう。
起きたとしても、厳重に拘束してある。また薬を嗅がせればいい。
■ブレイド > もちろん野営具は自分のものを使わせてもらうが
火の準備やテントをわざわざ用意しなくていいというのは楽だ。
ついでに食料もいいものがあれば使わせてもらおう。
奴らの奪ったもの…は少なかったが、小遣い程度にはなる。
報酬と合わせれば、美味しいと言えるだろう。
今回は殺さずすむし、懐も潤うということで気分がいい。
「ふんふーん♪おっと、上等なハムじゃねーか…」
どこかから奪ったものであろうか?
保存食のたぐいは充実していた。
だが、惜しむらくは野菜が足りない。
もっと野菜を食え、野菜を。もうそれは叶わないだろうが。
■ブレイド > 干し肉、ハム、塩漬け肉、ベーコン…
あとイモ類、玉ねぎ…
だいぶ肉食系だ。
「駄目にしちまうのももったいねーな」
せっかくだし使わせてもらおう。
食材をあわせて、調味料と香草と炒めてしまえばそれなりに美味そうになる。
今回は余裕があるし、荷馬車に運び込んでもいいだろう。
それにしたって、明日起きてからの話になるが。
食事が終わったらこいつらの装備を今のうちに確認すべきか。
なにか隠し持っていたら厄介だし。
■ブレイド > 雑魚どもは縛り上げる際に調べはしたが、頭目はまだだ。
食事が終わったら…とおもったが、思い立ったが吉日ともいう。
皿に今日の食事を取り分けてから、フォークを咥えつつ適当に点検。
山賊、という割にはあまり不潔ではないのは救いか。
このあたりに温泉でもあるのだろう。
「ま、これくらいの備えは当然か…」
服の裾、ズボンの裾、ブーツの中、ブーツの裏
耳の裏や髪の中。
使えそうなものはだいたい剥ぎ取った…はずだ。
塩のきいた芋をぱくっと口に運びつつ、焚き火傍の椅子に座り直す。
■ブレイド > それにしたって、奴らの拾得物の中に『女』がいなかったのは幸いした。
さすがに、そういうものは扱いに困ると言うかなんというか。
奥に木組みの格子があったことを考えると、そういうものもたまに捕らえていたのだろう。
おそらくお楽しみのあとに奴隷市場送り…といった感じだったのだろうが。
「ま、流石にそこまではしったことじゃねぇけど…」
推測に過ぎないし、用意しただけで実際に使われたかはしらない。
それだけで怒りを募らせることもないだろう。
この肉味濃いなぁ…。
■ブレイド > ……本当にいなかった…と言い切れるだろうか?
頭目を倒してから、ぱっと見回った程度だ。
奥の方で縮こまっていればわからないかもしれない。
そのあたりを考えると、もうちょっと念入りにこの洞窟を調べたほうが良さそうではある。
幸い、大空洞とも言えない、それこそ『住処に適した窖』だ。
そんなに時間はかからないだろう。
「念を入れるに越したこたねぇか…」
もしかしたら、隠した財宝なんかもあるかもしれない。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からブレイドさんが去りました。