2018/10/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカインさんが現れました。
カイン > 完全に人の気配が失せ、夜の帳落ちた後。
山道の中腹付近にあるぽっかりと明いた空地の一つで、
焚き木を起こして野営の準備をしている人影があった。

「ふう…随分手こずらされたな。出来たら今日は街に帰りたかったんだが、っとあちっ」

依頼された街道を荒らしまわる化け物を仕留めるのに思った以上に時間がかかり、
気が付けばもう完全に夜半になっていた。
運の悪さに息を吐きながら、火にかけた薬缶からコップに黒い液体を流し込んで一口飲む。
口の中に広がる苦みを楽しむ間もなく、熱し過ぎた液体の熱さに思わず目を白黒させ。

カイン > 「それなりに手強くて楽しめたから悪かなかったんだがなあ。
 その結果がこの野宿ってのは中々重たい代償だな」

コーヒーを少しづつ冷ましながら飲み、体の温まっていく感覚に息を吐く。
初夏になり日中は温かくなったとはいえ、
朝と夜の山中ともなればやはりまだまだ冷え込みが強い。
ふと吹き抜けた冷たい風に少し身震いしながら片手を火に当て。

「山の中野宿はこれがつらいねえ。いい加減俺も年かね」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にクロエ・ラ・シャアルさんが現れました。
クロエ・ラ・シャアル > それはちょっとした帰り道。
いつものように空間を俯瞰し、餌場から自宅までを空間跳躍しようとしたとき。
なんの理由もないが、なんとなしに気になったために降り立つ場所を変える。

「こんばんは、オジサマ。
今日はここで野宿かしら?」

何でもない場所のように、何にもない場所に突然姿を現し、笑顔を見せて挨拶をする。
貴族らしく、短いスカートを少し持ち上げて、お辞儀をしつつ。

カイン > 「うん…?」

さて、そろそろ薪でも探しに行こうかと考えて居た所に聞こえて来たのは、
到底この場に似つかわしくない少女の声だった。
少し驚いた様子を見せながらも視線をやって上から下まで見てみれば、
明らかに異質な空気のようなものを感じて目を細め。

「ああ、そうだぜお嬢ちゃん。そっちこそ何でこんな所に?」

見た目通りの相手ではなかろうとは考えながらも、
それなりに履きやすい様子で声を返し。

クロエ・ラ・シャアル > 「ちょっと用事を済ませた帰りなの。
そのまま屋敷に戻ってもよかったのだけれど……。
こんなところで野宿してる人がいたから気になって立ち寄ってみただけ。
隣、失礼するわよ」

警戒するに値しない。
彼の全身をみて、剣を見て、そう判断した結果、有無を言わさずに彼の隣へ座る。

「はぁ~、暖か暖か。
でも、ちょっと火が弱いかしら。
ねぇ、薪をもうちょっとくべないの?」

失敗した、と思ったのはこの服装で外に出たこと。
お昼ごろは暖かかったためにこの姿でもよかったが、夜になるとちょっと寒かった。
火に両手を伸ばし、暖を取りながら火の強さを要求する。

カイン > 「そりゃまた物好きだな?ま、大したものは出せないがね。
 それで、一体何の用事でわざわざ外に?」

軽く肩をすくめて言い返してみせる。
少なくともこちらに危害を加える気はなさそうだと見てとってのことである。

「薪なあ。今はもう少しあるが…」

言いながら傍らの薪を火に焚べ、空気を入れて燃え上がらせる。
一気に増した熱量に空気があたたまるのを感じて軽く肩を揺らし。

「この調子だと真夜中に消えかねんから後でもう一度くらいは取りに行かなきゃいけないな」

クロエ・ラ・シャアル > 「んー、ごはんを食べに。
王都のごはんはまずくはないのだけれど、こってりしたのが多いのよ。
たまにはこういう辺境なとこのごはんも食べたいわ」

一瞬どう言おうかと迷ったが、別に良いだろうと、本当のことを伝える。
別に嘘を言っているわけではない。
ただごはんの内容に問題があるだけで。

「あら、そうなの?
冒険者って大変なのね。
こんなところで野宿して、おまけに薪拾いだなんて。
田舎で暮らしてる方がよっぽどマシな生活じゃないかしら?」

肌を焼く熱さが強くなったのを確認して、火からちょっとだけ離れつつそんなことを口にする。

カイン > 「ふうん?ま、普通の食い物なら別に良いんだがな。
 特別な食い物はこの国では程々にしとけよ」

それが何かとは問わないが、何となく察する物がある。
火にかけていたポットを棒を使って手元に手繰り寄せ、
コップに中身を注げば、相手に向かって差し出して見せる。
臭いでコーヒーだと判るだろう。

「飲むか?…ハッハ、俺は好き好んでやってるからな。
 それこそ一日中屋敷でふんぞり返ってるような生活は、俺の性にはあってないのさ。
 そんなもんは百年以上前に懲りた」

もう二度とやりたいとは言いながらに、少し離れた相手に喉を鳴らし。

クロエ・ラ・シャアル > 「大丈夫よ、ちゃんと合意をとっているもの。
私だって馬鹿じゃないわ」

どうやらこちらのことはなんとなくわかっているらしい。
それでいて、どうこうしようという気がないのは、こちらとしても助かる。

「……?
んー……うぇ、にがぁ……」

差し出された飲み物――コーヒーを口に含んで飲み込む。
初めて飲んだが、あまりおいしいものじゃない。
おもわずしかめっ面をしてしまう。

「ふーん、物好きな人ね。
でも貴方、百年前はそういう暮らししてたんでしょ?
何がきっかけで冒険者になったの?」

どうやら、自分よりも古参の人外らしい。
とはいえ、ただ古いだけの相手に敬意を払うつもりはないし、
そういう相手だとしても、払うつもりはないが。