2018/09/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジードさんが現れました。
ジード > 寒さすら感じ始める風の吹き始めた山道の一角。
街道から少しだけ離れた天然の広場に腰かけて、
ランタンの明かりを元に地図を見分している男の姿があった。

「ん…町まで抜けようと思うと少し時間がかかるな。
 今日は野宿覚悟かね」

薄っすらとランタンの明かりに照らされた広場の中に漂う微かな異臭。
男の撒いた獣除けの薬の匂いを煙たがるように手を振って振り払いながら、
げんなりとした表情で空を見上げる。
空を覆うどんよりとした雲に嫌そうな表情が浮かぶ。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアリゼさんが現れました。
アリゼ > 整備のされていない山道をゆるやかに下る幌付き馬車が、広場の側を過ぎていく。
そのままふもとへと向かうように分かれ道を曲がろうと速度を落としたとき、
幌付き馬車の中から女性の声がした。

「すまない!ちょっと止めてもらえるか」

いつもの黒ずんだ重装鎧を着たアリゼが幌付きの荷台から降りて、
広場に座る男の元へと向かう。そうしてランタンの灯りに照らされながら、
彼女はジードにこう聞いた。

「野宿でもしようと思っていたんだろう?
 今なら空いた荷馬車に乗り込んですぐに戻れるが、どうする?」

馬車の御者台に座る商人は恰幅がよく、白髪交じりの初老の男。
どうやら品物をありったけ捌けたようで、喜びを隠しきれないようだ。

ジード > のんびりとした時間を暫し一人で過ごすうちに、聞こえてきたのは通行する影。
少し警戒した様子を見せながら道の方へと視線を向ければ、聞き覚えのある声がした。
少し驚いた様子を浮かべながら荷物を手に立ち上がり声の方へと近づいていく。

「おや。こんな所で会うとは思わなかったよアリゼ」

笑顔を浮かべて相手に応じながらも荷馬車の様子を見れば問題ないかと頷きを返し。

「折角だし邪魔させてもらおうかな。
 何より、アリゼが護衛をしてくれるんだろう?だったら安心だ」

アリゼ > 「もちろん任せておけ!この方にもずいぶん食べさせてもらったからな。
 野盗が来たところで一人も生かしては帰さんよ」

こうして二人が荷台に乗り、再び馬車が動き始める。
ガタゴトと揺れながら進むそれは少々乗り心地が悪いが、多少は仕方のないことだ。
町までの間、夜だというのに珍しく動物や野盗もなく、適当に会話をしながら時間を潰していく。

「そういえば王都には温泉宿があると聞いたな。
 汗もかいたことだし、せっかくならば入ってみたかったが……この時間では無理だろうか?」

ジード > 「追い払うだけで十分なんだけどなあ。
 あんまり荒っぽいことして怪我しないでよ?
 いいや。大丈夫じゃないかな、部屋は凄く多いみたいだし」

少し困ったように言い返し、荷馬車の主に礼を述べながら肩をすくめる。
そのまま他愛ない会話を続けながらその場を後にしていくことになるのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアリゼさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジードさんが去りました。