2018/09/22 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に紅月さんが現れました。
■紅月 > ーーーかつ、かつ、しゃら…
はて、これはどういう事か。
キョロキョロと辺りを見回せど…視界に入るのは其処此処に落ちた"肉"や"赤"ばかり。
気配を探っても"人間"の気配は無い。
「……、…お片付け、終わっちゃってるや」
何故己がこんな血生臭い所でキョトンと首を傾げているかと言えば、ギルドで賊の討伐依頼を受けたからで。
更に言うなら、ついでに噂されていた"希少鉱石"とやらをコレクションに加えようと…ほぼほぼ此方が本命であるが、とにかく好奇心に駈られて探検に来てみた訳だ。
…だというのに、この惨状。
「…こりゃあ、先越されたかねぇ?
まぁいっか…鉱石だけでも持って帰ろ……」
うなじを右手でさすりつつ、ちょっぴり残念そうに呟く。
ダンジョンのもっと奥の方に、何というか…やたらと可笑しな気配があるが、まぁ、弄らなければ大丈夫だろうと相変わらずのユルい調子で。
…まさかその可笑しな気配の主も鉱石目当てで、ついでに自分の角が高位魔石である故に探知に引っ掛かるなど、予想できる筈もなく。
■サタン > 本来戦闘特化な能力ばかり保有しているこの魔王にとって、探索関連の技能はさほど優れている訳ではない。
敵対者の気配を読み感じ取る感覚を工夫して見てはいるが、やはり鉱石程度の存在は意識に引っ掛かる気配は無く。
「―――やはり、眷属達に探索させるべきであったか…?」
などと、聊か判断ミスだっただろうかと、双眸を開け、呟く。
元より気紛れが先行しての探索だ。
運良く見つけれたのならば、運命と呼んでも良いかも知れぬが、早々運命とやらは微笑む様子は無いのだろうし、噂話の中身を血眼になって探さねばならぬほど金銭的にも能力的にも足りてないわけではない。
本職からすれば雑と言われるだろう探索を切り上げ、ダンジョンを後にしようと踵を返そうかとした刹那。
先ほどまで、自分が屠った骸以外に、人間とは『何か』違う存在を知覚し。
そして、先ほどまで当りもしなかった魔石の気配がダンジョン内に出現した事を男の気配探知は察知すると、その気配の元へと向き直り。
「――見落とした…?いや、確かに鉱石だと連中は言っていたが、よもや石が移動した…?魔物か原生生物にでも寄生している…いやいや、それは鉱石と言って良いのか…?」
なにやら答えの出る気配の無い問答を一人繰り広げてみるも、やはり答えは出るはずも無く。
ダンジョンの入り口へと向いた男の脚は、一先ずその気配の存在を確認するべく、来た道を返し歩みを進めていった。
然程複雑な造りではないダンジョン故に、後から来た者と鉢合わせするまでに然程時を要する事もないであろうか。
■紅月 > 遺跡の奥にて魔の王が困惑しているその頃…動く魔石こと紅月もまた、頭を抱えていた。
…何故か?
希少鉱石とおぼしき物が、件の"やたらと可笑しな気配"よりも更に奥にあると…気付いて、しまったからである。
この女は、支援や非戦闘技術に長けている。
治癒解毒に付与魔法、魔道具作成や異種族との交流技術…大地の記憶や気配を読む技術もそのひとつで。
しかし、それは女の血筋柄とでも言うべきか…先天的に、持っていたもので。
それ故に希少鉱石の噂は真実で、希少鉱石が存在するのは確実だと確信出来るのだが…だからこそ、何というか、越えねばならない問題の難しさがよくよく理解できると言うべきか。
「うあぁぁぁ…これ面倒くさいヤツだ……」
血のついていない、遺跡の壁面…其処に手をつき壁に向かい合ったままで、その場にしゃがみこむ。
どうしたものか、と。
いやさ、己の能力を押し込めている封具の類いを外せば謎の強大な気配に挑むことも出来よう…が、しかし。
そこまでして鉱石が欲しいかと問われれば、あくまでも趣味の範囲故、そこまででもない気がするし…貴重な古代遺跡のひとつを崩落させるリスクを考えると、これは引いておくべきかとすら思う。
…思って、気付いてしまったのだ。
そんな気配の主と一般の冒険者がバッタリ鉢合わせたらどうなるか、ということに。
「…チラッと覗くだけ、気配の正体見たら引こう」
そう決めて立ち上がる。
パパっと髪についた砂を払えば、賊が使っていたのだろう篝火に照らされ…ふわりと舞った髪が、宝石質な煌めきを放つ。
そうして遺跡の奥へと踏み出しながら…今度は先程の気配の主の位置をもう一度探ってみるのだが。
「……っ、近い…っ!?」
其れはもう、すぐ其処に…
■サタン > 普段であれば、会敵する前に焼き滅ぼすか、会敵したのなら跡形無く殴り消し飛ばすか、といった物騒極まる2択の選択肢が基本な魔王なのだが
今回に限っては、そのどちらも選んだ際に目的の鉱石ごと無に還してしまう可能性がある。
故に、感じ取った魔石の気配の主が、問題解決のための苦悩をしている間も、男は気配の元へと歩みを進めていた。
そしてその歩みが、先ほどの殲滅の跡地へと近づいて行けば、丁度髪の汚れを払い退けた後の娘の姿が視線の先でその輪郭を捉えた。
背に大太刀らしき武具を背負っているというのなら、冒険者の類であろうかと推測し。
「――娘…良い魔石の気配がお前からするのだが、それはこの地で取れるという代物か?」
相対することになる娘には、これまた探索する気があるのかという位、場違いな装いで武器らしい物も手にしていない男の姿が映る事となり。
今は敵意を見せては居ない男は、気配の正体について問い尋ねる言葉を伝えた。
■紅月 > 振り返ったら奴が居た、の、レベルの近さに"魔王級"の気配。
まさか本物の魔王だとは思っておらぬ紅娘…納涼なら夏にしてくれないかなぁ、なんて、1拍ほど思考の片隅で現実逃避をしつつ向き合うも。
視界に入るのは美丈夫…銀髪紅瞳の紳士が其処に立っていた。
「…へ?魔石?」
しかも彼からは敵意や害意がなく、思わずきょとりと首を傾げながら鸚鵡返しに。
「うぅん、違うよ?
私が今持ってる魔石って言やぁ、このブーツのヒールとか魔道具や封具に使ってんのと…後、コレだもの」
相手に害する気がないならいいか、とばかりに…律儀に自分の扱うものをざっくりと相手に見えるよう示してやり。
最後には、見やすいように軽く俯き…自分の角に触れてみせ。
「…っていうより。
お兄さんよりもっと向こうだよ、あるとすれば」
不思議そうに首を傾げながら…素直というか馬鹿正直というか、相手に鉱石のある方を教えてやり。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からサタンさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から紅月さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にミケ・ファムトさんが現れました。
■ミケ・ファムト > 山賊街道での演習。
本日は昼は山岳地帯での演習。
夜は、それぞれ一人になってのテントを張って夜を過ごす。
「でも、なんで一人で寝泊まりするんだろう。 訓練にしても変な感じ…。」
一応危ないので各自の危機感を養う訓練であるという言葉。
不可解な事に単純な少年は頭を悩ますだけ。