2018/09/10 のログ
■光流 > 「………。」
角が生えた額に、ひくりと青筋が浮かんだような。
腕を握る鬼の手指に力が込められる。
――――ギュッ。痛みを与える為のものである。
「あ~……うるせぇうるせぇっ!キンキン頭に響くだろーがっ!」
山賊さながらのガラの悪さを披露しつつ、
隙あらばこちらを攻撃しようとする暴れん坊の足をスイッとかわす。
しかしここまで生きがいいとなかなか面倒くさそうな相手である。
見れば獣の耳。
それをもつ種族をミレーしか知らない鬼は、怪訝に少年の貌を見下ろした。
「うちの里のガキか……?見覚えねぇな。
誰が山賊だよ。目ん玉引っこ抜いて洗って出直してこい。」
舌打ちし、少年を引っ張るようにして歩き出す。
すっかり勘違いした鬼、どうせ里を抜け出した子どもだろうと、連れて行くつもりの様子。
■ガルル > 「っぅ!」
捕らえられた腕を握りしめられればナイフを取り落としてしまう。
「山賊に捕まったら売られたりするんだから抵抗するに決まってるでしょうが!」
キャンキャン吼える様に叫びながら脛を蹴ろうとすれば吸いっと交わされて…。
「うちの里? だってどう見ても山賊だし。
里には鬼?いなかったと思うけど…。
鬼の里!?」
ふとそんな問いかけを呟きながら、引っ張られれば…。
「ちょ。 そんな引っ張んないでよ! 僕はただの行商なんだから誘拐したって大した稼ぎになんてならないんだから!」
唸りながら抵抗しようとするも、抗いきる事は出来ずに相手に引きずられ始めてしまう。
うちの里という言葉にミレーの里よりも山賊や鬼の里を思い浮かべてしまったのか…、命の危機に少年の体からは催淫性の香りを放ってしまう。
■光流 > 「あんなきたねぇ連中と一緒にすんじゃねーよ。
ったく……どいつのガキだ。躾がなってねぇにもほどがあんだろ。」
時間を食ったことに苛立ちながらも、子どもを放っておくわけにはいかない。
片手に少年、もう片手で置いてあった自分の荷を拾い上げて、歩き出したところに。
「――――行商?」
パッと手を放し、少年を解放。
結界に護られ、場所を明確としないミレー族の里に出入りできる者は限られている。
あくまで里の守護を任としているだけなので、七面倒なことには不干渉だが、
確かに――時折訪れる行商の姿は見たことがある。
「ガキの行商もいたな、そういや。
勘違いすんじゃねぇ。オレは里の……ま、いいや。
説明すんのも面倒だから、とりあえず里に向かうぜ。」
今、ここで自分が如何に無害か説明したところで簡単には信じなさそうな勢いを見て、諦めた。
到着したら里の者が代わりに弁解と証明くらいしてくれるだろう。
それに――――
「オマエ、ひとに散々匂いがどうのって騒いだくせに、変な匂いするな。
興奮剤か何か持ってるだろ。 ――――それ以上近づくな。」
鬼は敏感である。
少年の身から放たれる妙な香りに眉を顰め、今度は距離をとるように速足で歩き出した。
手を放したからには、少年の向かう先は自由となる。
鬼についていき、里にてミレー族の弁解を聞くのか、逃げるのかは、さて――――。
いずれにせよ、鬼が里に戻ったのは夜を迎えた頃だったという。
■ガルル > 「そっちだって、いきなり殺気向けて来て挑発してきたくせに…。」
等とぶつくさ呟き。
行商と聞き、解放されれば痛そうに手を摩り。
とりあえず里に向かうと聞けば、小さく納得した様にうなずく。
「全く乱暴なんだから…
だって山賊の里やら鬼の里に連れて行かれたら怖いし。
そりゃぁ… 小さくたって行商人だもの。」
相手に警戒させることができれば、ふふんと小さく胸を張り。
相手が距離をとれば、ほっとして、少年の体からでる香りは収まるも、相手を警戒しながら付かず離れずついていくのであろう。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から光流さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からガルルさんが去りました。