2018/08/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカインさんが現れました。
カイン > 完全に人の気配が失せ、夜の帳落ちた後。
山道の中腹付近にあるぽっかりと明いた空地の一つで、
焚き木を起こして野営の準備をしている人影があった。

「ふう…随分手こずらされたな。出来たら今日は街に帰りたかったんだが、っとあちっ」

依頼された街道を荒らしまわる化け物を仕留めるのに思った以上に時間がかかり、
気が付けばもう完全に夜半になっていた。
運の悪さに息を吐きながら、火にかけた薬缶からコップに黒い液体を流し込んで一口飲む。
口の中に広がる苦みを楽しむ間もなく、熱し過ぎた液体の熱さに思わず目を白黒させ。

カイン > 「それなりに手強くて楽しめたから悪かなかったんだがなあ。
 その結果がこの野宿ってのは中々重たい代償だな」

コーヒーを少しづつ冷ましながら飲み、体の温まっていく感覚に息を吐く。
初夏になり日中は温かくなったとはいえ、
朝と夜の山中ともなればやはりまだまだ冷え込みが強い。
ふと吹き抜けた冷たい風に少し身震いしながら片手を火に当て。

「山の中野宿はこれがつらいねえ。いい加減俺も年かね」

カイン > 「……ん。火種がそろそろ危険か。
 仕方ない、探してくるとしようかね」

暫くの間ゆったりとした時間を過ごし、
焚き木へ枯れ木を放り込んでいた所で手持ちの燃料が少ない事に気が付く。
困ったとばかりにぼやいて立ち上がると、そのまま荷物を手に森の中へと消えていく。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」に芙慈子さんが現れました。
芙慈子 > 戯れに仕掛けた罠に誰かが掛かったとの知らせに、少女はお散歩気分で山の中を歩く。
月明りを背に浴び、暗い足元を気にすることもなく。

罠というのは神経毒を振り撒く植物を咲かせておいた。
風が吹き、花粉が舞い、それが呼吸器に入るだけでなく皮膚からも吸収されるようにした。
ここは重装備の者が通ることが多く、掛かる者は多くないと思ったが、逆に頻繁に獲物を得ても飽いてしまう。
忘れたころに引っ掛かればいい。
獲物をどうするかまでは考えていない。
しばらく玩具にしてみてもいいし、なにも知らないふりして村へ呼び、治療してもいい。
所詮子どもの遊びだから。

「…………?」

例の場所に辿り着くも、そこには誰もいなかった。
植物自身が知らせてきたので間違いというわけではあるまい。
浸透した毒が少なかったのか、はたまた体力ある個人なら倒れるまでには至らなかったのかもしれない。
それでも毒が抜けるまでは痺れが残り、普段通りに動けないはずと踏んだ少女は周辺を歩き、捜索してみる。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジュンさんが現れました。
ジュン > 少女が周囲を探す場所からそう離れていない箇所
一人の青年が脚を引きずっている
「く…そ……油断した…な…」
山中を歩いている途中で見慣れない植物を見かけたのでそれを少し観察しようと顔を近づけたのだが
それがまずかった、少し匂いを嗅いだだけですっかり神経毒にやられてしまったそして
「あ、糞もう駄目だ」
少しの間は毒に耐えていたが既にそれも体に回りその場に倒れ伏してしまう
少女の位置から少し歩けば倒れている青年が見つかるだろう

芙慈子 > 逃げられても構わないと思っている少女の足取りに慌てる気配はない。
少し探したら帰ろうか。そう思っていた矢先であった。
山中に臥す男を見つけ、ゆっくりと歩み寄っていく。
流れる振袖に葉が触れ枝が触れるも、生地が傷つく様子はない。

「どうやら相当量吸ったようですね。この背丈の者が釣れるとは」

青年を見下ろす形で少女は、こともなげに呟く。
もう少し小ぶりな獲物が掛かるかと、なんて続ける様子は相手を獣かなにかと同等に考えている。
とりあえず―――子ども、屈んでツンツンと男の頬を人差し指でつついてみる。
本当にただの遊びであり、対象は玩具なのだ。

ジュン > 「くぅ…」
このままここでくたばるのだろうかなどと考えていた矢先
誰かが近づいてくる気配を感じた
どうにかそちらを向こうとするも体は余り自由に動かない
そうこうしている間に頬をつつかれれば

「うぐっ…」
といったうめき声をあげながらも何とか顔を向け少女の姿を認識する

「なん…だおまえ…さんは…」
意識も若干朦朧とする中なんとか言葉をひねり出す

芙慈子 > 反応があれば、少女はにこっと笑う。
壊れた玩具ほど興味を引かないものはない。
ただ、山の中で小奇麗な東国の振袖を着た少女が覗き込み、
笑顔を見せるというのも少々ホラーな光景なのかもしれない。

「このあたりに住むものです。
 ご安心ください。その毒は一晩もたてば歩ける程度には抜けます。
 でも…ここにねていると肉食動物が嗅ぎつけるかもしれません」

脅かす口調ではなく、事実を告げているにすぎない。
自分で仕掛けたくせに、考え込むような難しそうな顔をして。

ジュン > 彼女の雰囲気に言い知れぬ不安なようのものを感じつつ

「そう…かい、これまた運が…いい、な…」
ひとまず一晩経てば抜けると聞いて一安心はするものの

「ただ…一、晩、か…そいつは、困…ったな…
なあ、あんた、悪い…んだが…この辺りに…住むというなら…一晩そこで……明かさせて…くれないか」
なんとか意識を飛ばさぬようにと会話をする
また流石にこの状態で襲われれば一たまりも無い
ぶしつけではあったが一応現れた少女にそう尋ねてみた

芙慈子 > つくづく人間は面白い。
この状況で運がいいと言うのだから。

「分かりました。では貴方の身体を運びます」

元々毒が抜ける経過を観察することも好み、看病することはやぶさかでない。
すぐに頷くと少女の黒い瞳の中心に、ぼうっと紅い光が灯る。一瞬。
するとガサガサと、葉が擦れ合うような音が周辺に満ちた。

現れるのは、幾重にも重なり伸びた蔓で出来た人にも近しい形のなにか。
2メートルほどのそれは、両腕らしきものを伸ばし男の身体を抱えようとする。
その傍ら、少女は何事もないように世間話を続けており。

「なにかお好きなたべものはありますか?毒が抜けたらご用意します」

ジュン > 「あ、あぁ、すまな、いっ!?」
突如として現れた蔦で出来た人型に驚くも
体の痺れで抵抗などは出来ないそのまま大人しく抱えられて

「あ、いや…なんでも、大、丈夫だ…そこまで甘…えるわけにも…」