2018/04/22 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジードさんが現れました。
ジード > 春の陽気を感じさせる山中を一人歩く男の姿がある。
物とりや追剥の跋扈する危ない場所だというのに、道行く足取りは確かな物。
その最中少し開けた場所に出た所でフッと足を止め。

「――よし、休憩にするか」

言葉にするが早いか荷物から小瓶を取り出し、中の液体を幾つか地面に垂れ流す。
と、緑色の煙と臭気が一瞬周囲に立ち込めて消え。

「けほっ。…これがあるからあまり使いたくないんだけどね、この獣除け」

ぱたぱたと手を横に振って煙を払いながら丁度いい大きさの岩を椅子代わりに腰かけて息を吐く。

ジード > 「追剥の類は基本的に人間だから何とかなるといえばなるんだけど、
 野獣の類は説得って訳にもいかないし興奮すると薬の効きも悪いしなあ」

最初から関わらないのが一番だとしみじみ漏らす。
元々さして荒事が得意な訳ではないので致し方がないが少々情けない愚痴も漏れる。
かといって護衛を雇った場合、薬の類を使うと護衛からも文句を言われるのがなんとも面倒だ。

「ちゃんとその辺り了解済みの人間でも雇えればいいが。中々そんなのはないよねえ」

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にヴィルヘルミーナさんが現れました。
ヴィルヘルミーナ > ガサガサと茂みが揺れる。
現れたのは血濡れた斧を手にし、全身まで真っ赤に染まった蛮族。
頭に被っている兜まで赤く染まっている姿は追剥か狂人に見えてもおかしくはない。

興奮しているのか、フーフーと荒い吐息を吐いている。

蛮族は岩に腰を落ち着けている男と目が合う。

ジード > 「――おや?」

荷物を整理していた所に唐突に響き渡る物音。
警戒を露に訝しげな様子で目を向けると見るからに興奮した様子の人影が目についた。
ふっと目があったのを見て一瞬考えるしぐさを見せるものの。

「やあ、こんにちは。どうかしたのかい?」

結局普通に声をかけることにした。
最も、荷物に手を忍ばせてる辺り和やかとは言い難いが。

ヴィルヘルミーナ > 蛮族はまだしばらく荒い息を吐いていた。
その間数秒。

が、突然口を開きだす。

「あっちの方で山賊の群れが居てな。 皆殺しにしてきた。」

蛮族の中で、目の前の男は先ほど相手をしてきた連中とは別だと理解できたようだ。

全身血まみれのまま地面に座り込む。

「まだ生き残りがいるかも知れないから、お前もあっちに行くのは止めた方が良いぞ。」

蛮族は腰に酒瓶を二つぶら下げていた。
中身は安物の白ワイン。 味も悪く、また外で放置されているので温い。

だが、蛮族は拘らないのか蓋を外すと直接瓶に口をつけ飲み始める。

「驚かせたな。 お前も飲むか?」

蛮族は腰にぶら下げていたサラの瓶を手に取ると、男に差し出す。

ジード > 「――そりゃあまた。随分と無茶をするものだね」

聞こえた言葉を咀嚼するのに少し時間がかかった。
目を数瞬瞬かせて間を置いた後に出てきた言葉は少し呆れを含んだもの。
とりあえずの敵意がない事を見て取れば、荷物の中から手を引き抜けば軽くうなずき。

「ああ、そうさせてもらうよ。もう少し時間をおいてから出発するかな。
 …おや。お酒かい?それじゃあいただこうかね」

折角だしと笑って頷いてから酒瓶を受け取るべく手を伸ばし、
受け取れれば酒を一口飲み。

「ん…。悪くないね。しかし何でこんなところで山賊退治を?」

ヴィルヘルミーナ > 「いや、それがだな。」

血まみれの蛮族は男の呆れたような言葉にそりゃそうだよなと納得しているようで。

少し間を置いてから口を開く。

「この辺で珍しいものを探しているうちに山賊のナワバリに入っちまってな。
あいつら俺を見るなり問答無用で来やがるからよ。
俺もつい頭に血が昇って、気が付いたら血まみれになっていたってわけだ。」

蛮族のやってきた方角、遥か彼方から煙が昇っていた。
皆殺しにした後、ご丁寧にアジトを燃やしてきたようだ。

「で、あんたこそこんな所で何してんだ?
ここはあんたみたいな優男が一人で歩いていいような場所じゃねえぞ。」

蛮族は喉が渇いていたのか、一瓶をすぐに空にする。
飲み干した瓶を茂みの方へ投げ捨てた。

ジード > 「なるほど?そりゃあ山賊も運がなかったね。
 その気もなかったろうに大層ひどい目にあってまあ」

迷い込んだ獲物があまりに悪すぎたらしい。
少々山賊に同情しながらも、危険が減ったこと自体は良い事だ。
男はとりあえずある程度安全になったらしい場所の事を頭の片隅に置きつつも、
何とも物騒な格好になっている相手をまじまじと眺めて顎に手を当て。

「ああ、こっちは仕事でね。買い物帰りさ、荒事は得意じゃないけど逃げ隠れは得意でね、
 そこいらの山賊には捕まらないさ。護衛も生憎雇えなかったしね」

ハッハッハと声を上げて笑いながら膝を軽くたたいて言い返し。

ヴィルヘルミーナ > 「酷い目に遭ったのは俺だろうが。
近くを通っただけでゴルドを渡せだぞ?
渡すわけねーだろが。
逆に取り上げてきてやったわ。」

蛮族は金汚かった。
妙に語勢が強い。
そして、死体漁りも蛮族の得意技の様だった。

「なら、街につくまで俺を雇わねえか?
俺もどっかの街までは着かねえといけねえしな。
見た所あんたも俺と生活レベル変わらないようだし、金額は負けておくよ。」

身なりの豪奢な商人ならそれなりの額を貰おうと思っていた蛮族。
今回はあまりふんだくるのも憚られる相手だったので金額は向こうの言い値で請け負うとしよう。

ちょうど話し相手も欲しかった所だ。

ジード > 「その分お金稼げたんだからちょっと苦労したけど臨時収入、くらいに考えたほうがいいんじゃない?」

実にろくでもない事をいう相手に対して男も中々の人でなし発言をして見せる。
しかし直後に提案されたことに少し驚いた様子を見せ。

「おや、この辺りが根城って訳じゃないのかい?
 勿論それでいいならお願いしたいところだけどね。
 できれば夜は街についていたい、こんな女っ気のない所で一晩過ごすのもね。
 商売だって出来やしない、薬売りって言ったってこんなところじゃなあ」

生憎と山賊の部類に薬を売りつける気は毛頭ないのだ。
笑って言い返しながらうなずいて見せれば顎に手を当て。

「そうと決まれば名乗らないとね、ジードというしがない薬売りさ。よろしく」

そのまま右手を相手に差し出すのだった。

ヴィルヘルミーナ > 「おう、金はたんまり稼げたな。
この辺の賊は懐が温かそうで羨ましい。」

男の発言に蛮族も歯を見せて笑っていた。

「おい、これでも俺は街に住んでるんだぞ。
昔はこんな山の中にも住んでたが色々事情があるんだ。
だよなあ。 夜はやっぱ女か可愛い男と寝ないと面白くないもんな。
あんたもクールそうな顔してる割にスケベそうだな。」

蛮族は更にスケベ丸出しの顔をしていた。
兜をしているので多少は隠れているが。

「俺はヴィルヘルミーナ。 長いからヴィルかミーナと呼んでくれ。」

右手を差し出されると、蛮族は返り血で染まった手袋を外す。
白い華奢な手が露わになると、男の手を掴む。

ジード > 「この辺りは中々通る人間が多いからねえ。
 山賊同士の縄張りもあるという話だけど」

それでも減らないのだから余程実入りがイイか、あるいは食い詰め物が多いのか。
恐らくはその両方だろうなと戦争が全く終わらない国境沿いの状況を考えて思い。

「おや?それは失礼。じゃあ遠慮なくお願いしようかな。
 俺は男はちょっと遠慮したいが、そうだねえ。
 助平なのは否定しないけど男なんて皆そうだよ?
 女の子ってのは口説かないと失礼だろう」

至極真顔でろくでもない事を言い放って見せながらも
名乗られれば頷いて手を握り返し。

「よろしく、ミーナ。しかし案外華奢な手だね」

もっとごついかと思ってたと遠慮なく言い放ちながら軽く手を上下に揺らし。

ヴィルヘルミーナ > 「あいつら数だけは居るからな。
あそこのアジトも通してきたけど数日もすれば新しい連中が来るんじゃないか?」

アジトは潰せても地形は変わらない。
誰かがやってきて整えてしまえば新たなアジトの完成だ。

「おう、山賊程度なら俺に任せておけ。
それ以上の奴が出てきたら俺も逃げ出すけどな。
いや、あんたの言うとおりだな。
俺も可愛いのが居たらとりあえず口説くことにしているわ。」

楽しそうに笑う蛮族。
酔っているからか、相手が楽しいからか。

「おう、こう見えても半分女だからな。
だから背も低いだろう。」

揺らされた手は柔らかく、女特有の肉付きを感じさせるだろう。
蛮族はもういいかと手を離す。

ジード > 「それだけ稼ぎの元が尽きないと考えれば、
 まあ悪い事じゃないんじゃないか?
 俺は荒事が得意じゃないから関わりたくはないけどね」

関わっても出費しかないものだとおどけて言い返す。
実際の所道具に頼る必要がある身の上としてはどうしようもない宿命である。

「そりゃまた、そこは無理してでも大船に乗ったつもりで、
 位は行ってほしいものだけどね。なるほど、なるほど?」

相手の言葉に得心いった様子で頷きながら手を放し、
納得しながらもからかい交じりににやりと人の悪い笑みを浮かべ。

「それじゃあ俺がミーナの事を口説いてみたらどうする?」

そう軽口交じりに言い放って見せて相手を見やり喉を鳴らし。

ヴィルヘルミーナ > 「悪い事ではないかも知れんが、あいつら相手にやりあってもあんまりおもしろくねえんだよな。
だいたい似たような場所だろ。 山賊がすんでる場所って。」

レアアイテムがあるわけでもなく、構造も大体同じことが多い。
蛮族の偏見なので違う所もあるだろうが。

「いやあ、可愛い娘なら俺も言うがあんた報酬も渋そうだからなあ。
そこは相場に応じた働きをさせてもらうな。」

蛮族は欲深く、相手がそれを言っても良さそうということもあり本音を口にする。
実際、そんな強敵が現れたら置き去りでにげるわけにもいかないが。

「別に俺は困らんが。
ただ半分は男だからな。その辺は考えて口説けよ。」

要はアレがぶら下がっている。そう言外ににおわす。

ジード > 「まあ…そうだな、なんせ人間の住める場所なんてのは限られてる。
 それこそ羽の生えてるやつとか獣そのものの奴とかなると話は変わるが」

どうしても拠点にできる場所なんてのはそうそう多くはないので仕方ない。
相手の言葉に頷いて見せながらも顎に手を当てながらも、
歯に衣着せぬ着せぬ物言いに喉を鳴らし。

「ふうん?なるほど、確かにそいつは道理だ。
 じゃあそういうわけで報酬分は働いてもらうとしようかな、
 危なそうなのが出たら手持ちの薬で何とかするよ」

ちょいとお高いが致し方あるまいと肩を竦めて言い返しながら笑い。

「おやま、そこは普通に断られると思った。
 別に俺はその辺は気にしないけどね。
 ま、どっちみち街に帰りつかなきゃ話にならないけど――
 そっちはさておくにしても帰ったら食事位はどうだい?」

邪険に扱われなかったことには少しびっくりしたりしつつも、
問いかけてついでに誘って見せる辺りは、商人らしく色々と手慣れている様子。

ヴィルヘルミーナ > 「それよりは遺跡とかを回った方が面白いぞ。
この間は角の大きな巨人を倒してな。
もっとも、その時は強い相方が居たんだけどな。」

あんたも来るか? と楽しげに誘う蛮族。
身のこなしもそうだし、遺跡巡りの仲間に誘ってもいいだろうと思っていた。

「まあ、この辺りではそんなに危ないのもみかけないしな。
たいしたこともおきないだろう。」

先程まで戦ってきた蛮族は根拠があるのか、それとも慢心か。
自信満々の様子であった。

「いいねえ。 俺も酒を飲むなら一人よりも誰かと居た方が面白いからな。
で、どっちに向かうんだ?」

潰したとはいえ、アジトの近くにいつまでも居るわけにもいるまい。
蛮族は男の方角を問いかける。

ジード > 「巨人かい、それはまた派手にやったもんだね」

感心した様子で頷きながら話を楽し気に聞いて相槌を打つ。
男本人の能力としては、そんな大物を相手にはできないだけに大変興味深い。
思いもよらぬお誘いに少し驚いた様子を見せ。

「そうだね、遺跡で見つけたものをいくらか買い取らせてもらえるならぜひ。
 こっちとしてもそちらの方が色々と助かるかな。
 ま、頼りにしておくよ?」

笑って言葉に応じながら道行を訪ねる言葉に山間を抜ける道を指さし。

「こちらにいこう。ミーナがそれだけ派手にやったってことは暫くは騒動が起きてるだろうからね。
 様子を見に来る奴らと鉢合わせ内容にさっさと山を下ってしまおうか」

そう算段を立てながら荷物を持ち上げる。
今ならば夜遅くにまでは到着がずれこまないだろう。

ヴィルヘルミーナ > 「ちょっと危なかったんだけどな。
何せ居るとは思ってなかった所に居たからな。
ま、危ない方が金になるからいいんだが。」

男は驚いたり、相槌を打ったりと聞くのがウマいようだ。
蛮族は気をよくして舌がよく滑る。

「何言ってんだ。 一緒に行ったのなら山分けだぞ?
買い取るも何も半分ずつだ。
後はあんたがその話術で他の奴に高く売り付ければいいじゃねえか。」

山道を指差されると、指示された場所を先行する蛮族。
気分は載っているが、周囲を警戒することは怠りなく。
視線はキョロキョロと辺りを見渡していた。

「とりあえず、街に着いたら飲みに行くぞ。
お勧めの店を紹介してくれ。」

気分の良い蛮族は男を先導し、街へと向かって行ったことだろう。。。

ジード > 「運がイイやら悪いやら、わからん話だね。
 どっちにせよ得られるものがあったなら良しとするしかないか」

不意の遭遇何て言うのはどこにでも転がってる話だなと感心する。
路地裏で商売しているときに不意に危ない橋を渡らざる得ない状況になる事などよくある話。
饒舌に応じてくれるのに合わせて男もよく返し、
続いて言われた言葉におやと声が上がる。

「その辺何というか割と義理堅いねえ。
 じゃあ、その時が来たらそういう事で遠慮なく売りさばかせてもらおう。
 わかった、それじゃあ酒のうまい店を教えるよ」

その分補助は色々とするよ、と笑って見せる。
どういう事ができるのかを軽く説明しながらも、
護衛を買って出てくれた相手の半歩後ろを歩きながら町へと向かっていくのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からヴィルヘルミーナさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジードさんが去りました。