2018/03/19 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にヴァルブルガさんが現れました。
ヴァルブルガ > 地図を片手に穀倉地帯をのんびりと見て回った帰り道。通り雨に邪魔をされ、今日は道中で野宿をすることに。
家屋の陰に喜んで近づいてみればそれは半ば張りぼてと化した廃墟で、正面以外の三面は崩れ落ちていた。
残ったレンガ壁が崩れそうにないことを確認すると、そこに背を寄せてたき火を起こして。

干し肉と乾燥野菜のスープを飲みながら、ぼんやりと星空を見上げる。最近暖かくなってきた

ヴァルブルガ > まだ地面や周囲は湿気を含んでおり、敷き布もじんわりと湿っている。毛布一枚では少しつらいかな、と思いながら
酒に手を伸ばして、舐めるように飲む。
たき火脇の灰に昼間農家の人にもらった子芋を放り込み、じっと焼きあがるのを待つ。

舌がやけるほどほくほくになった子芋を想像して唾液があふれて。

「寒い夜はいやですね、もう少し暖かくなればいいんですが」

ヴァルブルガ > 灰から取り出した小芋から灰を掃い落し、塩をつけて頬ばる。熱い。足指がきゅっと締まる。
冷えかけていたからだが、酒と芋で局所的に温められて。
今日見た穀倉地帯は土も良く、これからいろんな作物が取れそうだ。

また雨季のころにでも来よう。この辺りは山賊や物取りも出るとは聞くが……今のところ怖い目には合っていない。ふと懐に
手を伸ばし、取り出したのは釣り針と糸。

機会があれば釣りでも、と思っていたが、ルート上でよさそうな川もなくお流れとなった。
もう一日ぐらいのんびり旅をしてもいいが、着替えの関係もありなかなか判断に迷うところ。

そんなことを考えながらぼんやりと街道沿いに視線を向けて

ヴァルブルガ > こうして夜は更けていく……
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からヴァルブルガさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にルーフェンさんが現れました。
ルーフェン > 鼻先を掠める血と脂の匂い
いわゆる、闘争の匂いに引き寄せられるようにその源泉へとやってくれば、
残されていたのはぼろぼろになった幌馬車と混乱して綱を引きちぎろうと汗だくになった農耕馬…あとは死体の山ばかり

「入れ違いじゃな…」

血の匂いはまだ新しく幌馬車へ飛散した血液に触れれば、まだ暖かいような気さえする
襲撃者が山賊なのか魔物なのかはさておくとして、残された物言わぬ骸の中にひょっとしたら、
しぶとく運良く生き残っているものがいるかも知れない、と思えば1つ1つ肩を掴みゆさゆさ、と揺らしてみる
…が、誰も彼も返事をすることはなかった

「…防御痕が残っておるな…相手も素人か…」

死体に残された傷は一言で言えば雑であるように見える
とすれば、どうやら犯人は山賊なのだろう…金目のものも根こそぎ奪われているようであった

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレイカさんが現れました。
ルーフェン > 「…お主も再就職は大変じゃろうが、頑張れよ?」

ただ唯一生きていた農耕馬と馬車とを繋ぐ縄を手刀でぱすん、と切ってやる
未だに混乱の中にあるらしい農耕馬は慌てて森の中へと掛けていった
彼だか、彼女だかの先行きが明るいことをドラゴンは祈った。折角拾った命なのだから

「…他に見るべきものはないし…あまり長居したい場所でもないのう…」

誰かに見られては自分が下手人だと思われる
それも面倒だからさっさと立ち去ろう、と自分も農耕馬と同じように森の方へと一飛びしようとすれば、
何かを感じたか、むっ?、と背を向けた幌馬車の方へと視線を向ける

幌馬車の中へとズカズカ入っていき、何か気配を感じた衣装箱の中を開ければ……中にそれはいた
中にいた「それ」を抱きかかえると、ぐぬぬ…と眉をへの字に曲げる
すると「それ」は大声で泣きわめき始める

「あわわ…参った。コイツ、ものすっごい臭い」

大声で無く「赤子」を抱いたまま、すっ、と顔を離す

レイカ > ドリアードの知らせを受けて、私はその場に飛び降りた。
ついさっきまで、このあたりで争っていると思われる斬撃と、そして悲鳴が聞こえたと。
もしかしたらミレー族が襲われているかもしれないから、と。

とはいえ、里の警備のこともあるしそんなに急いでも間に合うかどうかは正直賭けだった。
勿論間に合わない可能性のほうが高い賭けだ。
できるだけ急ぎ、私は現場へと降り立った…が。

「…………。」

やはり、というべきだろう。
あまりに遅すぎたらしく、そこはすでに血の海と化していた。
暴れている馬が生きているところを見るに、狙いは別の何か、だろうか。
むせかえるほどのにおいに顔をしかめながら、私はその死体の山を横目に。

探すのはミレー族の痕跡。
何者か走らない、けれどもこの場所でこんな惨劇を行うならば、その可能性もある。
何か痕跡はないかと、あたりを探していた私の耳に飛び込んできたのは赤ちゃんの泣く声だった。

「……っ!!」

とっさに、私はその場所へと走った。
赤ちゃんの声に反応するのは…私が、やはり女だから。
そして、子供を産めないからだろう…。

ルーフェン > 「人の赤子は好かぬ…卵で孵っておればこんな醜態さらさずに済むというのに…」

他の竜種はいず知らず。自分たちは卵の中で幾らかドラゴンとして成長する
卵から孵れば一人前、とは言わずとも物事の分別はつくし半人前とは言え一応はドラゴンなのだ
人種というのは不便じゃな…とか、思いながら泣き叫ぶ赤子を抱いたまま、幌馬車から出る
竜の姿に変じてそこらの人間に押し付ければ如何にも霊験あらたかな子供に見えるだろうから、
人間も世話をするに喜んで世話をするだろう…とか、薄っぺらい考えでいる
…なんて、考えていれば近づく気配に目を細める。幌馬車の丁度、死角になった場所に「誰か」いる

山賊が舞い戻ってきたのだろうか?それとも……
赤子の仇をとってやる理由はないけれども、取り敢えず近づいてきた「誰か」の姿を見てやろう
人種ごときに遅れをとるドラゴンではない…という余裕とも慢心とも思える思考があっさり、彼女の前に
姿を晒させる

「……なんじゃ、レイカか
 早速で悪いが、あれじゃ、乳をくれてやるが良い」

そこにいたのは知己であった。それも人種の
これは都合が良い、とばかりにむんず、と赤子を差し出す
賢いドラゴンは人種の赤子が乳で成長することを知っていた……問題はミレー族の子ではなく、
普通の人間の赤子なのだけれど

レイカ > 「…ルーフェンさん…?」

そこにいたのは、知り合いのドラゴンだった。
会うのはまだ2回目程度だが、最初の出会いが出会いだったので、私の記憶には鮮明に刻まれていた。

里の守りを固めてくれているドラゴンの…世話役?という認識だった。
彼女の口調から察するに、非常に信頼における人物らしい。
小言が多いというのが玉に瑕、らしいが。

「……は?え、いや…あの……。」

差し出された赤ちゃんを、私はつい受け取ってしまった。
大泣きしているし、何より匂いがひどい…のだが、今の私には抱えているこの子をどうすればいいのかわからない。
少しだけ困惑しながら、言われた通りに胸を…出すわけがない!?

「いや、待ってください!私、お乳なんて出ないんですけど!?」

そもそも子供を産んだことのない私が、お乳なんて出せるはずがない。
ミルクを与えてあげたいけれども、里にそんなもの置いているはずもない。
そして何より、この子は人間だ。
人間のこの子を、ミレー族の里に連れて行くわけにはいかないのだ。

しかし、一度抱いてしまった手前置くわけにもいかない。
私は困り果ててしまい…どうしようかとおろおろするばかりだった。

ルーフェン > 赤子を手放してしまえば嫌な匂いもしないしスッキリとした面持ちであった
あとは彼女に任せてしまえばよいだろう。何でも人種をいっぱい匿っているらしいし、
今更、赤子の1人や2人、増えた所でそう大佐はないだろうと思われる

……そのはずだったのだが
赤子を抱いた彼女は先程の自分と同じように困惑している…しかも、乳を出せないと来た
はぁ…と重々しく嘆息を零せば、どっかりと幌馬車の縁に腰を下ろす

「レイカよ…お主、雌なのだから乳くらいどうにかできぬのか…
 ……胸が薄くとも乳くらいだせるであろう?」

お産しなくては乳が出せない、という事をこの阿呆なドラゴンは知らなかった
しかし、しかしである。ドラゴンは乳で育つわけではないので知らなくても仕方のない事である
それでも、一人前の雌なのか…?とか、言いたげな視線を彼女に向ける失礼なドラゴンがそこにいた

レイカ > 「…………ルーフェンさん、それはあまりにあんまりじゃないですか?」

確かに私はそんなに胸はない。
里を守っている彼女と比べてみたら、きっと一目瞭然だろう。
だが、だからといって女として見られないのはちょっと失礼だ。
腰を下ろしたルーフェンさんに半眼を送りながら、私はとりあえずこの子をあやした。

それで泣き止んでくれないのは目に見えている。
それにこのにおい、おそらくおしめを取り替えないとすっきりしてくれないだろう。
だが、こんなところにいるならばきっとおしめがあるはずだ。
そこで座っているドラゴンさんに探してもらおう。

「お乳はどうにもできませんよ、産んだこともないですし。
それよりも、座ってるならこの子が寝ていた近くに布か何かありませんか?
まずは匂いを何とかしましょう。」

ドラゴンだから仕方がないとはいえ、もう少し人間の常識くらいは学んでおいてほしいものだ。
私はそう思いながらも、この子をどこか適当なところで寝かせる。
おしめが汚れているのを確認してから、ウンディーネに水を用意してもらった。
雨が降ってくれて助かった、今ならウンディーネの力も借りやすい。