2018/03/09 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエリミアさんが現れました。
エリミア > 「うぅぅぅ…これって、どうなっちゃったんだろ?」

鬱蒼と茂る夜の森の中、少女の頬を掻きながら困り果てた声だけが空しく響いていく。
少女の目の前には、人どころか馬すら繋がれていない馬車の荷台が打ち捨てられている。
交易商の馬車が戻らないため、調査に行って欲しいという依頼を受け、記録されたルートを逆走していった末、ここまで辿り着いた。

「盗賊にやられたのかなぁ?それとも魔物?どっちにしても誰もいなーい!」

荷車に積んでいたのは食料品が主であったらしく、どれだけ時間が経ったかわからないが獣に荒らされ放題になっていて。
残念ながら無事な食糧は瓶に詰められた酢漬けらしきもの程度で、それすらもいくつか割れて酸っぱい臭いをまき散らして放置されている。
荒らされたことで痕跡も滅茶苦茶になっていて、最早何があったのか傍目にもわからないほどだった。

「とにかく、何かないか探してみよっと」

結局、馬車を見ても何もわからないため、隊商の所属を示すエンブレムだけベリっと力任せに剥いでいき。
それから周辺を探索するようにきょろきょろと周囲を歩き回っていく。

エリミア > 「あー…いっそ、こっちから盗賊のアジトとか襲えばよかった」

歩きながら荷物を入れた袋から、依頼の目録と羽根ペンを取り出す。
それなりの行程の間、人どころか魔物その他とも接触がなく、魔力の飢えも無視できなくなっていて。

「えー、積み荷全滅、御者行方不明、荷馬行方不明、原因……不明」

依頼の目録に調査した内容を記録していくが、殆ど白紙に近い内容に頭を抱える。
荒事なら得意と安請け合いしてしまったが、調査という冒険者然とした技術は不得意な性質である。
暗い森といっても、月明かりが木々を通り抜けて照らしており、その中で立って歩く姿はそれなりに目立つ。

「人も馬も残ってないってことは、連れ去られたのかなぁ?誰か生きてるー?」

手に持っていた羽根ペンを指で弄りながら、周りに死体らしきものもないとわかると首をかしげて。
足元が不安定なこともあり、一旦目録とペンを仕舞えば、暗闇に声をかけていく。