2018/01/04 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にルアルさんが現れました。
ルアル > 九頭龍山脈の麓を通る山賊街道、そこに一台の荷馬車が停められている。
その周りに幾つもの金属音が鳴り響いていた。
荷馬車を囲む様にしているのは冒険者風の者達、対するは見た目明らかに山賊と云わんばかりの風体の者達。
誰が見ても、今停められている荷馬車が山賊に襲われているのは一目瞭然である。
状況は均衡状態か、押しては押されと中々決着が着かない…そう見える。

だが、荷馬車の後方で一際大きな金属音が響き渡った。
そこへと目を向ければ、手にした斧が手元から粉々に砕け散り、躊躇する山賊が数人。
そこで対峙していたのは、重厚な鎧に覆われた小柄な人物だった。
続けて手にした鈍器を振るう、武器を失った山賊達が次々と吹き飛ばされていってしまう。

ルアル > 時間にしては数秒程度か、荷馬車の前方から左右で一対一で戦っている他の冒険者達とは異質の強さを感じさせるだろう。
しかも、吹き飛ばされていった山賊達は、よろめきながらもその身を起こし逃げ去って行く…つまりはこの状況を作り出そうとも手加減攻撃なのだ。

自分の相手を全て片付けたと判断したのか、武器を手にしたまま次の相手を求めるように荷馬車の側面へと歩き出す。
これを見て相手をしようと云う考えは消え去ったのだろう、他の山賊達も戦いの手を止めて逃げ出していった。
周囲に安堵するような雰囲気が漂う。
ただ一人、その流れを生み出した重戦士を別として。
追い払い喜ぶ様を見せる者達を余所に、自分の配置場所である荷馬車後方へと戻っていった。

ルアル > この重戦士、荷馬車の護衛と云う依頼を受けやってきてからずっとこの調子である。
護衛の位置決めをする時も、他の者達に全てを任し沈黙を保っていた。
荷馬車を進めていた道中も同じくして寡黙で、中々に近付き辛い印象を受けてしまうのは頷けるもので。

尤も、それは本人が敢えてそうしているに過ぎない。
こう云った仕事を手にする者達には、見た目で判断する者が多いのを知っている。
それに該当するだろう自覚がある為に、口数を必要最低限に抑えているのだ。
場合に依っては今の様に一切口を利かない状況だって珍しくはない。

荷馬車は再び山賊街道を進み始めた、目的地は王都マグメールで既に目と鼻の先との距離まで到達している。

ルアル > 護衛をしている荷馬車が王都マグメールへと着くまでに後は何も無かったのか。
これに関しては確実に安全とは言い難いが、無事に辿り着く可能性としてはかなり高いものだろう。

この護衛が終われば、また新たな仕事なりを探さなければならない。
どちらかと問われれば、それをどうにかする方が自分にとっては難しい問題なのかもしれないか。
そう云った考えは置いておき、まずは今の仕事を確実にこなす、それだけだ。

結果だけを伝えれば、荷馬車は無事に到着するのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からルアルさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジードさんが現れました。
ジード > すっかり暗くなった山脈を横断する街道の中腹付近に道行く影がある。
夏が終わり秋風が吹き抜け始めた、山中は時に肌寒ささえ感じさせる。
おまけに物取り追剥の跋扈する危ない場所だというのに、明かりを煌々と照らしながら
岩の上に腰を掛ける様子は存外に落ち着いたもの。手にした地図を覗き込んでいる。

「ここからだと宿までそう遠くはない、か。とはいえ護衛もいないのに動き回るのもな」

この当たりの山賊が活発になる事態は大体目算が付いている。
護衛でも見つかれば別だが、後数刻は動きが大人しくなるまで待とうと判断しての小休止だった。

ジード > 「そろそろ頃合いだな。日付が変わる前には宿にたどり着けることを祈ろうかな」

天上の月を見上げて大よその時間を計って立ち上がる。
宿にたどり着くまでの間に狼藉物に出会わない事を祈りながら
足早に明かりを消して広場を後にしていく。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジードさんが去りました。