2017/11/14 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山小屋」にクトゥワールさんが現れました。
クトゥワール > 「――まさかこんな所で降られるかよ。」

雨の山中。外の様子を窺いながら舌打ちする。
様子など窺うまでもなく静かな雨音が天候など回復していない事を教えてくれるが、忌々しさから幾度となく外を眺める時間が続いていた。
急転した山の天候から逃れて手近な小屋に入り込んで暫く経つ。雨脚は遠ざかる気配もなく、火を入れた炉で薪が弾ける音以外は至って静かなもの。

「……ダメだな。暫く待つしかねぇか。」

いよいよ諦め、退屈な時間と向き合う覚悟を決める。
小屋の壁に背を預けて座り込む。幾分剣呑になった目を閉じ、姿勢を安らいだ。

往々にしてある事だが、己の能力を使えばこんな所で立ち往生する必要はまるでない。
だけれども、内奥にある何かが常にそう動く事を躊躇わせていた。拒否感と言っても良い。
もう埋没しかけている古い記憶と何か関係しているのだろうか――意識は内側へと沈み始め、静かで規則正しい雨音がその瞑想じみた行いに拍車をかける。

クトゥワール > 沈思黙考――のつもりが、いつしか意識は眠りの沼へ。
かっくりかっくり、こうべを揺らしてどれだけ経ったか。
気がついた頃には雨は上がっているだろう。小屋を後にし、その場から立ち去る。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山小屋」からクトゥワールさんが去りました。