2017/10/15 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──くわわわ……」

上空に浮かぶ月も朧な夜。
山脈の麓の道を、大欠伸をぶっかましながらざっしざっしと大股で闊歩する金髪の男が一人。
腰にはランタンをぶら下げ、その光が男の歩むリズムに合わせてゆらゆらと揺れている。
山賊街道と呼ばれるこの場所で、男のそんな無防備そうな様子は襲撃を企てる者が見ればスキだらけのいいカモにも見えるが──

「……んんーむ、中々出てこねぇーなぁ。今日は山賊共はお休みの日か?」

カシカシと頭を掻きながら、少し眉下げつつ呟く。
男は現在、山賊討伐の依頼を受けて此処に来ている。
が、街道を歩くこと小一時間。運が悪いと言うべきか良いと言うべきか、未だに標的と遭遇していない。

「期限が迫ってるわけでもないので焦る必要はないのだが……暇で仕方ぬぇ。まああ平和なのは良いことなんだが……」

そんなことを呟いてフンス、と鼻を鳴らし。
とりあえずダイラス辺りまではパトロールしておこうと、足は止めずに歩み続け。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道」からエレイさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にジンさんが現れました。
ジン > しとしとと小雨の降る山中、小さくも切り立った崖の下にある洞窟。
寝床とするには程よい深さのその場所に、男は居た。
焚き火を起こし、土産と貰った魚を数匹焼いている。

最初は微妙だったが、終わり間際に調子が良く、他の者達の分も釣って来た…そう言っていたか。
別に要らないと伝えるが、無理矢理押し付けてきた、いつもの事だ。
まぁ、それがこうして役に立ったのだから、何とも言えないが。

ジン > 「………何事も無い、静かな日と言うのも悪くはない」

焼き加減を確かめながら、ぽつりと呟く。
王都周辺に何かあれば、それを確かめるのは己の役割。
だが、タイミング的なものもあるのだろう、今日はこれといった出来事には遭遇しなかった。

もう数度、焼けた魚の具合を確かめながら、静かに揺らぐ焚き火を眺めている。

ジン > ちなみに、主である九尾の少女と同じ串焼きではあるが、男の場合は少々手順が多い。
豪快にそのまま串に通し焼く少女と違い、鱗を削ぎ、えらと内臓はしっかりと取り除いている。
その辺り、性格の違いがはっきりと出ているだろう。

何度か位置を変えては焼き加減を調整していけば、程よく焼けてきたか、良い香りが漂い始めてくる。
それを確かめてから、いくつかに切り分け、皿に並べて。
来るついでにとってきた山菜を添え、出来上がりだ。

ジン > 料理を仕上げ、それを食し、片付ける。
何事も無ければ、ゆっくりとした静かな時間が過ぎ去ってゆくだろう。
戦場では神速の技を見せる男であるが、普段からそういう訳でもない。

食事を終え、片付けも終われば、男は再び洞窟を後にする。
床に就くまでの時間、己の鍛える時間へと割り当てて。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からジンさんが去りました。