2017/09/10 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にラピスさんが現れました。
■ラピス > 迷子を捜す。
森を住処にするエルフなら森に慣れろ、と言いたいところだが、そうもいっていられない状況にあった。
昨日からエルフの少女が戻らないという。
物珍しい動物にでも誘われたか、それとも人間や魔族に攫われたか。
ともかく、集落の大人総出で迷子探しである。
それに駆り出されたラピスにとっては、不満なことばかりではなかった。
何しろ、このあたりの森は視界がはっきりと開けていて明るい。
ラピスが住む森のような薄靄もなく、煌々と照る太陽の光が木々の合間から零れてキラキラしている。
それに。
「………あれは、人間?あ、でも、魔族かな。…人間も魔族も見た目の違いが判らないかも」
迷子探しの最中に、街道沿いの近くの繁みまで出てきてしまっていた。
きちんとフードをかぶってエルフ特有の耳を隠しているし、
よほどの興味か理由があって、木々が茂る繁みを見ない限り、ラピスの姿も、それがエルフかどうかなど行きかう者たちには解らないはず。
その安心感もあって、馬で行く者、馬車で通る者、徒歩の者、と街道沿いを進む者たちを興味深げに見ている。
■ラピス > ミレー族やエルフ族なら、その容姿から判断も付きやすいが、人間と魔族というのは、どちらも似たり寄ったり。
物珍しげに眺めては、あれは人間、あっちは魔族、などと適当に判断付けていた。
「…―――!」
そんなちょっとした遊びの最中に、遠くから何か声が聞こえた。
エルフの耳は森の中では実に便利に働いてくれる。
物見遊山となっていた迷子探しの仕事に、本格的に戻る頃合いか。
踵を返し、声が聞こえたその方へと軽やかに走り出す。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からラピスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にオデットさんが現れました。
■オデット > 昼過ぎ、女は少し離れた場所に馬車を待たせ、街道に沿う林の斜面にて薬草をつんでいた。
これらは主に薬湯に使われるのだが、他にも様々な用途があるため
カゴいっぱいになるまで戻らぬつもりで せっせと木々を掻き分け歩いている。
木の根元までは陽は届かず、風が吹けば涼しい。
そんな気候に秋の到来を感じつつ、迷わぬ程度に先へと進んでいき。
「あら…。これ、火を通すと美味しいのよね」
食べられる野草を見つけ、カゴの中へと。
薬草の片手間に野草、山菜と、進めば進むほど混じり合っていく。
「痛…っ。 ―――…」
触れた枝が手指を傷つけた拍子に立ち止まると、きた方向を振り返る。
なかなかに深くまで踏み入ってしまったようだ。
■オデット > 「……」
女が少し顔を顰めたのは、迷ったからではない。
意外と深くまできてしまったばかりに、戻るのも一苦労だと分かったからだ。
和装で、散策するには不向きな格好なのでその苦労や、いかばかりか。
もう少し奥に入り、薬草をつんでおきたいのを堪えて足のため、女は早々と戻るのであった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からオデットさんが去りました。