2017/08/23 のログ
■アンネリーゼ > 「種族柄というか、性格というか……まぁ、お仕事も調教師で拷問吏だからねぇ。
それに、可愛い子と肌を重ねるのは、挨拶の一環みたいなものだし?」
確かに思想や価値観は違うが、正直普通の魔族はもっとまともだろう。
快楽主義者で可愛い物好きな変わり者。それが魔族の中での少女の立ち位置。
無論、そうなるように振る舞っているのが一番の要因だから、なるべくしてなっているだけなのだが。
「ふふ、良いじゃない。耳も尻尾も可愛いわよ?他の人の前では中々見せられないんだし、今位自由にしときなさいよ。
隔世遺伝、なんて言うのもあるのねぇ――ただ、それでも隠さなきゃいけないのには変わらないだろうけど」
彼女の言葉が本当でも、他者から見れば言い訳だ。
彼女を奴隷に落とす理由としては十二分。後ろ暗い者達からすれば垂涎だろう。
尻尾を丸めて隠す様子を微笑ましく思いながら、上機嫌に目を細め。
「ん、それじゃ、約束よ?大丈夫、痛くしないわ♪
……って、なんだか初夜を共にする夫婦みたいな会話ね」
冗談めかして言いながらの移動は、存外にふらつきも大きくて。
心配した彼女が己を支えようとしてくれて、しかしバランスを崩して倒れこむ。
お陰様で眼福。やはりむらっとくるが、まだまだ我慢できる範疇。
目の前で宝石を砕けば、それは星空のように散って溶けるように消えていく。
「さて、それじゃ、大丈夫っていう証拠をお見せしましょうか♪」
しゅるりと解けて一本の糸になったドレスが、再びするすると編みあがっていく。
同時に糸の表面に付着していた汚れは分解されて光の粒子に代わり、蛍の様に周囲を照らして。
やがて少しの時間の後に、ドレスが完全に編みあがると、被るように袖を通して。
あとはドレスが生きているかのように動いて、自然と着付けを終わらせる。
こうして、綺麗になったドレスを軽く空気に回せると、夢中になって見つめていた彼女に歩み寄り。
「ん、こういうの、好きなの?なんなら少しばかり手解きしてもいいけれど。
……ただ、その代わりに、貴女の魔力、分けてほしいのよねぇ……だめかしら?」
とすん、と木の床へと彼女を仰向けに押し倒す。
そのまま、マウントをとるかのように彼女の腹部に跨って、ゆっくりと顔を寄せて。
跳ね除けようとすれば退かせる程度の体重をかけながら、反応をうかがおう。
拒まなければ、その唇を奪ってしまうつもりで。
■レナーテ > 拷問吏であり、調教師と聞けば流石に笑みが引きつってしまう。
奴隷とされる種族に近い身として、危険を覚える職業。
普段なら適当な理由をつけて逃げ出すところだが、助けられたのと…何より、彼女に悪い印象を抱いていないのもあって、反応に困りながら、逃げずにいる。
「ぅぅ…あまり、いい思い出がないので…」
耳と尻尾を見られれば、奴隷と追い掛け回されてきた日常もあり、褒められると嬉しそうに笑いもしたが、困ったように眉を顰める。
彼女の言葉に促されるがまま尻尾のちからを緩めると、ゆらゆらと垂れ下がったまま踊っており、比較的安らいだ状態に近い動きをしていく。
「そ、そういうのはちゃんと…気持ちのある相手にいってください…っ」
不格好なまま気恥ずかしそうに呟くも、それも砕けた宝石の動きと、術への今日見に消えてしまう。
再構成を行う術の動きは、まさしく魔術師が使う細かな制御に溢れた動きで、本職ならではといった印象を受ける。
そのままドレスを羽織る彼女が歩み寄れば、押されるがまま仰向けに転がっていく。
「好きというか…凄いなって、私のは複雑な――…ぇ、えっと…分けるってどうやって…?」
馬乗りになって此方を見下ろす彼女と、意味深な言葉にかぁっと頬が真っ赤に染まる。
逃げ出したい心地だが、逃げようもなく顔をそらすことも出来ない。
近づく顔と顔、唇が近付いていくと、震えた吐息をこぼしながら視線は彼女の唇と瞳の間をせわしなく行き来する。
緊張と困惑、どう答えればいいかわからず、声が言葉にならない。
そのまま唇が重なるのがわかると、びくんと体が震え、それからピタリと硬直してしまった。
どうすればいいかわからない、そればかりが脳内で繰り返されて、とりあえず羞恥から逃れたい一一心でぎゅっと瞳を閉ざすのだが…一層唇の感触が強く感じる。
強張った身体が時折小さく震えるも、嫌がる様子はない。
■アンネリーゼ > 流石に職を聞けば、笑みも引き攣るか。
彼女だけでなく、出会った相手の大半が同じ反応を示すから慣れたものだ。
調教師にして拷問吏――処刑人と同じように、後ろ暗く軽蔑される職業だ。
ただ、逃げずに居てくれるのはあまりない経験で、どこか嬉しくなってしまって。
「まぁ、何かあったら逃げてきなさいな。出来る事はしてあげるから。
もし仮に心が折れてしまったりしたら、その時は私の物にして大事にしてあげる、なんてね?」
実を言えば本気だが、ここは冗談めかしておこう。
気楽になれば尻尾も緩むらしく、ほんのりゆらゆら揺れている。
こうしてみていると確かに、ねこじゃらしに惹かれる猫の気持ちも理解ができた。
「え、レナが結婚してくれるなら、私本気でお嫁にもらうわよ?
気持ちのない相手を助けるほど、私は甘くないもの。お分かり?」
どうやら彼女は、魔術に興味があるらしい。
それもどちらかというと繊細なものに。ならばと得意げに見せつけて、満足げに胸を張る。
今度彼女の目の前で、彼女の為のドレスを織ってみるのもいいかもしれない。
「ん、それじゃ今度、簡単な物を教えてあげるわ♪
あぁ、分け方は簡単。私とレナが、くんずほぐれつ肌を重ねればいいだけ♪」
逃げたいならば逃げられる、だけどその上で逃がす気はない。
それは、扉をあけておいて監禁していないと言い張るようなあくどさだ。
ゆっくりと顔を寄せて、今からすることを鮮明に強調してから、唇を重ねる。
啄む様に、優しく、優しく。繊細な細工を唇で触れるかのような、淡いタッチのキスを重ねて。
それだけでもわずかな量の魔力が移動するのか、少女はどこか心地よさげに繰り返す。
両腕も彼女の左右に回して、徐々に強く抱きしめて。逃げ場を少しずつ無くしながら。
「……ん、レナの魔力、甘くておいしい……♪
戸惑った時は、自分の感情や本能に従って、私を求めて、ね?」
優しく囁き、再び唇を近づける。
今度は彼女からしてほしい。そんな意図を示すかのような寸止めで。
■レナーテ > 「なるべく、そうならないようには…と思います。本当なら、こんなこと…普段はないんです、本当なら」
気遣ってくれる言葉には笑みで答えるものの、何処か口惜しさが残るような言葉を重ねて眉を顰める。
あんな不意討ちさえなければ、体中を滅茶苦茶にされるなんてなかったのにと思うと、あの化物に淡い憤りすら覚えた。
「ぅ、ぇ…えっと…! ちゃんと、そういうのはよく考えてからで…」
思っていた以上に本気そうな言葉に、びくりと跳ねながら好意にはぴりっと肌が粟立つようなこそばゆさを覚える。
女性同士をおかしいと思うことはないが、いざ自分の身に向けられると、どう答えればいいかと迷いつつ、高鳴る鼓動が恥ずかしくてぷるりと耳が震える。
当たり障りない言葉をどうにか吐き出したが、その頃には床に押し倒されていた。
「ん……っ、ぁ……ふ、っ……」
唇が重なると、そのまま鼻にかかった甘い吐息を溢しながら、小刻みに震える。
淡く優しい口吻が繰り返されると、久しぶりに感じる甘い雰囲気に女性同士だということを忘れてしまう。
身体から魔力が抜けていく脱力感と混じり合うと、それが心地よさのようにすら思えて、吐息が湿り、徐々に熱気を帯びて繰り返される。
唇が離れれば、閉ざされた瞳が開き、金色の瞳が少し蕩けたように濡れているのが見えるはず。
無理矢理でもない、逃げようと思えば逃げれる。
自分をここに縛り付けたのは、義理と本心、どちらだろうかと頭の中がぐちゃぐちゃになるようだった。
「性行為も…こういうことも、嫌いです」
自分を壊して汚し尽くした行為の一つ、キスはまだ…それから離れているからマシだった。
ぽつりと呟いたのは、彼女に対する拒絶のように聞こえるかもしれないが、こちらからのキスを強請る彼女へ、少しだけ顔を近づけて唇へ答える。
柔らかに重なると、数秒の間をおいてからゆっくりと話していき、閉ざされた瞳が再び開かれていく。
「……お礼がしたい、のか…どうなのか、私もよくわからないです」
義理なのか、疼きなのか、言葉通りわからない。
瞳を伏せながら、表情が少しだけ曇っていく。
彼女はきっと、真っ直ぐに媚びる猫のように求める自分がほしいのかなと思っていた。
野良猫のような心になった自分に、それは怖くて無理なこと。
想像と違ったかもしれないと、淡い罪悪感にぐすっと鼻を鳴らして瞳を閉ざし、目元を軽く拭う。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレナーテさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアンネリーゼさんが現れました。
■アンネリーゼ > 「余計なお世話かもしれないけれど、その考え方は少し危なっかしいわよぅ。
肇国祭の乱痴気騒ぎを見た後じゃ、レナみたいな真面目で可愛い子は格好の獲物ってわかっちゃうし。
大丈夫じゃなかったことを、ちゃんと受け止めなきゃ……ね?」
不意を打たれなければ勝てた。銃を抜ければどうにかなった。
そんなIFもあるだろうが、目の前にいる魔族の少女は現実的だった。
だから、目の前の彼女が少しでも危ない目から逃げられるように、とつい口を滑らせて。
「あら、好意は直感、早い者勝負よ?チャンスがすぐに逃げちゃうんだから。
しっかりと握りしめて、捕まえて離さない。私が今、レナに一番したいこと」
笑顔と共に、きゅっと抱きしめる。そもそも少女に倫理観など存在しない。
好きだと思ったら好きだし、嫌いだと思ったら嫌い。感情のままに動くのだ。
相手の鼓動の高鳴りをわずかに感じると、これをどうにかもう少し受け入れてくれないだろうかと知恵を絞って。
「ん、ふふっ、甘いわねぇ……砂糖菓子がほろりと崩れるような、素敵な甘さ。
レナは良い香りがするし、うん、すっごく素敵。だから、もっと見せて?」
何度か啄み、キスを繰り返し、徐々に状況で篭絡する。
あくまで彼女に逃げる道を残しながら、少しずつ鎧を外していくのだ。
「……私とキスするのも、嫌い?嫌ならやめる。私は、レナの笑顔が見たいの。
でももし、嫌じゃないなら、嫌だって思っちゃうところまで進んでもいいかしら?」
その先にはいかないから、と前置きしながら、口づけのおねだり。
それを聞いてくれたなら、少女はにこやかに嬉しそうに。
どうしたいかわからない、そんな言葉には身を寄せて。
「わからないならわからないでいいのよ。なんならこうして一緒にいるだけでm素敵だわ。
思いついたときに思いついたことをしましょう?私は、レナならちゃんと、受け止められるから」
その目元の涙に指を伸ばし、そっとぬぐいながら微笑む。
結局少女は彼女であれば何でもいいのだ、彼女だから、いいのだ。
■レナーテ > 「……そう、ですね」
事実は無事で済まなかった、そのまま自決する必要すらあったかもしれないと思うほどに。
頭の何処かではそう思っていても、突きつけられるまでは、現実の結果だけに目を向けることが出来ない。
それをしてしまえば、次もまた起きるかもしれないという恐怖の前に、無力な少女へ戻されてしまう。
淡い恐怖が体を包み、肩が僅かに震える。
しかし、彼女の真っ直ぐ過ぎる言葉に、その恐怖が驚きに潰されていき、きょとんとした様子で彼女を見やった。
少しして、沸き立つように眉をひそめて笑うのは、自分とは真逆過ぎたからだろう。
「……嫌いじゃないです」
静かに重ねるだけのキスは、自分がまだ年相応な少女だと思わせてくれる。
問いかける言葉には小さく頷きながら、彼女の要求に答えようとしながら、身体が重なり合う。
「……この耳と尻尾のせいで、地下牢に押し込められて、沢山…弄ばれました。シャワーで洗い流しても落ちない、着飾っても…、剥ぎ取られたらまた見えてしまう。アンネさんが思うほど、可愛くもないし、穢れてます」
一目惚れだったり、自分が纏う雰囲気が彼女の琴線に触れたのかもしれない。
けれど、理想よりも穢れている自分という現実に、少々胸が苦しくなる。
受け止めるという言葉を試すように、そんな言葉を紡ぐと、拭われた目元がゆっくりと細くなり、苦笑いを見せる。
「それでも良ければ、お礼として……」
穢された身体でも欲しいというのならと、彼女が欲しているだろう欲望に答えようと、体の力を抜いた。
くたりと両手が床に沈み、無抵抗といった脱力した状態で彼女を見上げる。
■アンネリーゼ > 「あと、レナは自分がかわいい女の子だっていうのを自覚して!
これ絶対!じゃないと、私が心配で毎夜毎夜眠れなくなるから!
……それじゃ、お説教はこれでおしまい。ここからはらぶらぶたいむよぅ!」
などと宣言しながら、むつかしい話は強制終了。
ここから先は、言葉など無粋な時間。花を愛でる為の夜だ。
恐怖に震える姿も、そのあとの微笑みも、どちらも素敵できゅんとくる。
「あ、その返事反則。私の好みにずぶっと来るから、だめ」
なんだか語彙がダメになってる気がするが、可愛いのだから仕方がない。
淡いキスの繰り返しは外見の年相応な気がして、何だか微笑ましいような光景。
とはいえこの少女はどす黒い劣情を抱いているわけだが、それは秘密だ。
そして始まる彼女の述懐。過去の辛い思い出を、確かに言葉にしてくれる。
それは茶化さず静かに聞いて、試されているような感覚を確かに得ながら。
「それを言われたら、私なんてレナと同じような境遇の子を何人も奴隷にして売り飛ばした外道よぅ。
だから、正直私なんかが、正しくて真面目で優しいレナに好かれるはずないって思ってる」
だけど、でも、けれど。
「――それでも、さ。気に入っちゃったらしょうがないじゃない。
だから何度でも言ってあげる。私はレナだから欲しいの。それでもじゃない、それだから、なの」
だから、私の負け、と言いながら、ぎゅっと抱きしめて。
見上げてくる顔を見つめて、食指をこらえながら答えを待つ。
彼女の、お礼などという言葉で飾られていない、本心を見たいがために。
■レナーテ > 「……ふふっ、分かりました。覚えておきます」
宣言するようにまくしたてられる言葉に、驚きながら瞳を何度かぱちぱちと瞬かせるものの、それは直ぐに困ったように微笑む表情へと変わっていく。
ここまで他者からこれでもかと言わんばかりに、可愛いと言われたことは少ない。
特にこうして、勢い良くとなれば尚の事。
今夜はその言葉を受け止めることにして、眉をひそめてはいるが楽しそうに笑っていた。
「そ、そんなこと言われましても……」
彼女の好みなど知らない、寧ろ無愛想だとすら思っていた返事が好きだと言われれば、困惑した言葉と同じように表情も変わっていく。
そして、自身の過去を告げたものの、寧ろ敵となる存在といわれてしまえば、一瞬尻尾がピンと伸び切って毛が逆だってしまう。
嫌われると知っていても、好きだと言われれば……小さく溜息を零す。
抱きしめられながら、するりとその背中に腕を回していく。
「…好かれたいなら、奴隷を売り飛ばすのも、奴隷扱ったお仕事も駄目です。いつもならもうここを離れてます…でも、もうしないならいいです」
少し不機嫌そうに呟かれる言葉と共に、ぎゅっと指先に力がこもっていく。
普段なら突っ撥ねるような相手だが、それどころか抱擁を受け止めていた。
そうしないと…と言葉を紡ぎながら、そっぽを向いてしまう。
「他の娘や、居場所を裏切ってしまいます。お礼に招くことも…出来ないです。お付き合いとかはその……同性、というのは、普通じゃないですから、もう少し考えさせてください…。別に、それが駄目というわけじゃないです。そういう人も知ってますから…ただ、その、こういう事は…あまりないので」
自分のように絶望して壊れていく少女を助けたい、行き場を失ったミレー族や奴隷を助けたい。
そんな絵空事を掲げる組織の長の秘書たる自分が、敵となる存在と親しくすることなど出来ない。
そんな立ち位置としての言葉と建前を紡ぐと、しどろもどろに溢れる言葉は纏まりなく、俯きながら回りくどく語ってしまう。
素直に応えたいという気持ちが言い表せずに、尻尾が落ち着きなくうようよとうねっていた。
■アンネリーゼ > 「ん、覚えといて。じゃないと、こう、私のお肌がピンチだから」
寝不足は体に悪いのよ、なんて言いつつにっこり。
困ったような表情が楽しそうに変わるなら、少女としても本望だ。
それに可愛いのは事実だから、いくら言っても言い足りない。
「嫌いじゃない、っていう、ちょっと素直じゃない感じがきゅんって!
こう、否定しきらないで、だけど自分の意志はちゃんと伝える感じが!
――っと、少し取り乱しすぎよねぇ。クールになるのよ、アンネリーゼ」
すぅ、はぁ、と深呼吸。ピタッと切り替わるのは年の甲か。
腕の中でびくっと反応する様子には、やっぱり駄目かしら、と諦めかけて。
その後に続く言葉には、うぐ、と困ったような表情に変わると。
「うぁー……それって、私の顧客全部失う上に、敵に回しそうなやつぅ。
でも、でも……うぅ、究極の二択をサラッというんだからぁっ、もう!」
さらに続きを重ねて聞くと、少女はさらに表情を険しくして。
葛藤とはこう言うのを指すのだと初めて知った。今までしたことない奴だ。
彼女の腕の中、強めの圧迫を感じながら、少女は最後に嘆息すると。
「……わかった、わよぅ。惚れた弱みってやつかしら、もう。
ただ一つだけ。私に剣を向けた相手だけは、容赦なく奴隷にするし売りさばく。
それだけは、魔族として譲れない。でも、それ以外は、レナに免じて全部手を引いたげるわよぅ」
かなり苦しい決断だが、そうするだけの価値を彼女に見ている。
巡り合いは数奇なものだったが、気に入ってしまったのだから、もうその時点で負けなのだ。
だから、彼女の言葉には、結局頷いて、ぽふ、と今度はこちらが逆に彼女の胸へと顔をうずめて。
「……だから、精々見張っときなさいよね」
これにて、奴隷商売はほぼ廃業確定である。
■レナーテ > マイペースにアッパーテンションな彼女の反応の数々は、あんぐりとさせたり、驚かされたりと、ペースを崩されてばかりだ。
集落にいる他の少女達と違うのは、それよりも無遠慮というところか。
楽しい人だと思いながらクスッと微笑んでいた。
「敵…寧ろ私は敵ですよ? 奴隷と首輪、鎖を否定する民兵組織、チェーンブレイカーの長に使える秘書ですから」
恐らく…気づいていないのだろうと思えば、困ったように笑いながら職業を明かす。
ミレー族の里を見つければ、既に首輪と鎖を壊すようなシンボルが描かれた旗が揺れていて、手付きになって手が出せないだの、市場に来る前の素材が買い占められただの、まさしく商売敵の話は事欠かない。
寧ろ、そんな敵相手なのに受け入れた辺り、彼女を嫌いになれなかった証拠。
葛藤に呻く声が聞こえればどうするやらと思いつつ、様子を見守る。
「……本当はそれでも凄く嫌です。だから、私に気づかれないように…やってください」
悪党だったり、何かいやいや差し向けられた誰かだったり。
それでも、人が人を踏みにじるのは受け入れられず、ぼそりと呟くと視線をそらした。
彼女がどうしても言うなら、自分が気づかないようにすればいいと、胸が苦しくなるのを抑え込むように瞳を閉ざす。
「……しません、アンネさんがしないというなら信じます。だから、信じたままにさせてくださいね?」
そこまでいう彼女を疑うのも失礼だと、真面目な言葉で答えながら微笑みかける。
起伏の緩やかな胸元はビーズクッションのように柔らかに顔を沈めさせていき、こつりと胸骨が直ぐにぶつかるほど厚みがない。
丸っこい骨な分、痛くはないかもしれないが、膨よかな女性といった柔らかさには届かない。
穏やかなほほ笑みを浮かべながら、金髪に指を疏すように撫でていくのは、彼女がとても年下の少女のように見えたからだ。
優しくゆっくりと、小さく白い手が幾度も撫でていき、穏やかな鼓動を彼女へ響かせた。
■アンネリーゼ > 少女は基本的に、好きな物に対してはまっすぐだ。
逆に嫌いなものに対しては、迂遠な態度をとる。
それが少女の処世術で、貴族を適当にあしらうコツとなる。
そして目の前の彼女は大好きなのだから、直球も直球。
アンネまっしぐらというやつである。
「ぁー、そうなのねぇ……チェーンブレイカー、噂で聞く程度だったけれど。
それじゃ、もしかして集落に帰ろうとして帰れなかったって感じなのかしら」
あれを体内に仕込まれていて、戻るに戻れなかったというならばこの東屋にいたのも合点がいく。
彼女が嫌うようなことを少女は散々にやってきて、彼女の穢れなど気にならないほどにその両手は汚れている。
それでも、彼女に手を伸ばす権利があるならば――そんな内心に応える様な彼女は、やはり可愛かった。
「……まぁ、気づかれないように頑張るわ。それに……いや、ううん、何でもない」
貴女を辱めた者達は、確かに地獄に落としてあげる。
そんな続きは、嫌がられるから口にしない。悪い事は、黙ってやるのが肝要だから。
バレなければ、罪は罪にならない――誠にその通りだ。だから、肝に銘じておくとして。
「……もう、裏の意味まで言わせる気なのね――もっと私を見て、って」
胸元に顔をうずめたまま告げると、彼女の穏やかな鼓動に耳を傾けて。
背に回していた手は、徐々に腰へと降りて、やがて彼女の尻をするりと撫でる様に動かそう。
そして、胸元へも頬ずりしながらひっそり自身の髪を操り、服の隙間からするりと、蕾を探り出そうとする。
魔力供給もかねて、そろそろ我慢も限界なのである。
■レナーテ > 「はい……元々あの触手は、他者に寄生して、子孫を増やす特性があったみたいなんです。だから、他の子に寄生したら大変ですから」
ここに潜んでいたという事にして、小さく頷いた。
本当の理由は、この山中に住まうあこがれの人の迷惑になるからと、静かに伏せたままにする。
「ありがとうございます…それと、もっと柔軟に応えられればよかったですよね、ごめんなさい」
真面目すぎて思考が固いと言われることはしばしばあり、彼女が承諾してくれたことに安堵しながらも、表情を曇らせながら、軽く頭を下げてお詫びを紡ぐ。
続く言葉になにか意味があるような気がしたが……知られないようにして欲しいと行った手前、自分から掘り返すわけには行かず、笑みでごまかしながら問い詰めはしない。
「裏の意味…? ぁ、えっと……ぜ、んしょしま…っ、あのっ、急に触るのは――ひゃぁっ!?」
甘い告白の言葉だったとわかると、かぁっと頬を赤らめながらぼそぼそと不慣れさが滲む返事を紡ぐ。
臀部に感じる掌に、びくりと背筋を跳ね上がらせ、抗議の声をあげるものの、先端を探られた瞬間に素っ頓狂な声が溢れ、軽く背筋を仰け反らせた。
キスと甘ったるい抱擁に体の熱が抜けきらなかったのか、それとも戻ってきたのか。
小粒な先端はツンと突き出るように固くなり、過敏な神経からは甘い痺れが体中に走り抜ける。
声を上げた後、一間置いてから視線を彷徨わせながら、ごめんなさいと一言を零すと、口元に手を当てて隠すようにしながら俯き、真っ赤な顔を見られまいと焦げ茶のヴェールで隠していく。
■アンネリーゼ > 「それなら、海の方で生み捨てちゃうってのもできたのに、わざわざ自分で留めるなんて真面目にもほどがあるわよぅ。
でもまぁ、それならとりあえず、異空間に閉じ込めているから当分は平気なはずよ?」
とはいえ、あの触手がより力をつけたら、その時は自力で這い出てくるかもしれに。
ただ、その時はその時で、きっと人間たちが力を合わせて討伐してくれるだろう。
あるいはその時は少しばかり力を貸してもいい、という程度には考えていて。
「いやいや、むしろ柔軟だったら、私は平気で奴隷商売続けてたわよ。
だからまぁ、このくらいでいいのよ、私の手綱を握るならね」
などと嘯きながら、彼女の感触を確かめる。
そして裏の意味も伝えたならば、真っ赤な顔に満足して。
するりしゅるり、と徐々に愛撫の意味を深めていきながら、細い髪の毛が彼女の胸元をくすぐり、意図的に乳首に絡みつく。
そのまま、繊毛のように毛先でこしょりとくすぐると、上目遣いで目を合わせながら。
「それじゃ、私の手の内を教えとくわ。そのほうがフェアでしょうし。
だから――『声を我慢しちゃだめよ、レナ』――?」
視線を合わせて注ぐのは、生まれ持っての魔眼の術式。
彼女に禁止の暗示を注ぎ込むと、ゆっくりと手を彼女の下腹部に這わせよう。
そのまま、布越しにくにくにと揺さぶる動きは、子宮を肉越しに探すかのように。
繊細な感覚を頼りに、少しずつ彼女の弱点を暴いていくこととしよう。
■レナーテ > 「産み捨てたら…他の人に迷惑になりますから」
最悪の場合、ありったけの増幅弾と薬瓶を浸かって大爆発させての自害も考えていたが、それを言うと恐らく怒るだろうと思えば、苦笑いを浮かべて気持ちの一片を答える。
「それは困ります……手の内?」
流石にそれでは仲間たちに説明ができないと、慌てて頭を振った。
不意に告げられる手の内という言葉に、なんだろうかと視線に釣られるがまま彼女を見つめると、瞳から感じる力にぞわりと身体が淡く痺れたような感じを覚える。
魔眼と呼ばれるものを、意識して叩きつけられたことも初めてで、その言葉に逆らうように声を抑えようとしたが……下腹部へのマッサージに、ずくんと疼くような痺れが走ると、ぎゅっと瞳を閉ざした。
「ぁっ! や…っ、なんで、こぇ…ひ……んっ! ぁ、んぁっ、ぁ…ぁぁっ」
先程までの快楽で全体が性感帯になっている子宮が捏ねられると、それだけでもぞわぞわと背中を走る電流に我慢のきかない声があふれる。
強すぎて、音になりきれないところもあるが、我慢ができないことに真っ赤になると、いやいやと頭を振った。
「ぃじわる…ですっ、はずか……ぃぃぃっ」
マッサージの大きな動きよりは、彼女の指の動きに交じる、雑な動き。
指が微震するような動きを受けると、堪らず声をあげた。
子宮全体が震える動きに今は弱く、とろとろと溢れる愛液は、蜂蜜のように粘っこく、その匂いも濃い。
内股を濡らす粘液の感触は、幾重もいやらしい涎の後を描き、恥ずかしさと快楽に潤んだ金色の瞳が許しを請うように見つめ返す。