2017/08/22 のログ
アンネリーゼ > 「あぁ、そういうこと――無茶も良い所だけど、結果的には正解ね」

彼女の装備を一瞥し、魔法銃の存在を理解する。
とは言え、識別できた処で直に作れるような代物ではなさそうなので、知識だけに留めておこう。
困ったような苦笑いには、むしろこちらが苦笑いを浮かべたい気分で。

「まぁ、その程度でやられる私ではないけれど……ふむ、ふむ?」

彼女の表情は、限界際だからかころころと変わる。
真っ青になったり、震えが走ったり、あるいは期待に目が輝いたり。
そのうえで自身の言葉に対する返答は、感服に値する拒絶だった。

「……ふふ、ふふふっ、あはははっ♪もう、貴女随分と、ふふふふっ♪
 あぁ、もう、全く……見込んだ通り以上に面白いんだから――♪」

ここまで追い詰められても、拒絶するだけの意思がある。
それは、少女にとっては何より面白いものを見つけた瞬間だ。
彼女は恐らく、今後も懸命に、必死に、この退廃染みた世界で真っ当を掲げるのだろう。
目の前で絶頂に震える彼女。その様子を見つめ、そして少女は一度ため息をつくと。

「……はいはい、私の負けね――だから少しだけ大人しくしてなさい。
 無理だとは思うけど私を信じて、荒療治になるから声は我慢しないこと、よろしい?」

押しのけようとする動きを捕まえてとどめると、彼女に素早く言葉を飛ばす。
二人目とも言える、友誼を結びたい娘を無残に壊されるわけにはいかない。
これはそう、楽しませてくれた礼。だから、先に対価はもらっている。
そうこじつけて、魔力を開放。足元に複雑な魔方陣を幾重にも刻み、周囲の空間を徐々に己の領域へと変換していく。
風が舞い、髪が踊り、木々が撓って騒めいて。少女の瞳と同じ赤光が、徐々に周囲に溢れていく。

レナーテ > 「魔族ということでしたら…そう、ですよね」

彼女の言葉に力なく応えながらも、胸の中がちくりと痛む。
恐らくあの排泄時を狙った不意討ちであっても、多少の魔術で振り払えたのだろうと思えば、己の力不足を感じざるを得ない。
だから、迷惑をかけずに自滅する答えしか選べないのも、己の弱さゆえなのだろうと。
恐怖に潰れそうな中、繋がりを選んで拒絶すると、不意に聞こえる笑い声に、虚ろながらにきょとんとした表情で彼女を見つめる。
捕まった身体は抵抗できず、されるがまま彼女の動きを見ていた。
何が面白いのやら…そう思っていると、足元に広がる魔法陣に息を呑む。
信じるしかない、そう思うと、先程までよりは柔らかくなった年相応な笑みを浮かべて、くたりと彼女に寄りかかった。

「……信じます、その代わり…助けてください。声は……はしたない、から…その」

可愛くないしととても小さな声で呟きながら、肩に顔を埋めて顔を隠してしまう。
性欲に溺れる姿など、獣と何ら変わりなく、可愛いから遠くかけ離れたものだと思っていた。
故に、喘ぎたくないという心中を吐露するも、荒治療が始まれば、そんな決意も壊されそうだと、恥ずかしさに更に赤くなる頬の熱が伝わるかもしれない。

アンネリーゼ > 「ふふ、この自信は力が強いから、というわけではないわよ?
 私は、私が認めた良い男や良い女にしか、身を許さないと決めてるの。
 だから負けないし、やられないし、倒れない。それだけの事。
 ――要は信念よ、あなたが私のものにならないのと同じでね?」

彼女の信念に、私は負けた。そう暗に告げると、珍しく柔らかな微笑みを浮かべて。
杖に溜め込んでいた魔力も解放すると、周囲は赤い光に満ちた空間へと変わる。
それはさながら、夜の薔薇園のような風情の、どこまでも赤い世界。
寄りかかってくる体温は、やはり心地よい。思わず嬉しくなる。

「……うぐ、これ完全敗北よね、私――まぁいいわ、乗り掛かった舟だもの。
 仕方ないわね――それなら、こうしておけばどうかしら。我慢できなきゃ、噛んでいいわ」

そっと左手を彼女の口に持っていく。受け入れてくれるならばそのまま、ゆっくりと手を差し入れよう。
そして、魔法陣に溜め込んだ力は己の右手に。それを少しずつ彼女の下腹部に近づけながら。

「……今から一気に貴女の中の触手を成長させて、強引に排除するから。
 大丈夫。必ず助けてあげるから、早く生み出せるように、懸命に息むのよ、いいわね?」

それだけ告げると、膨大な魔力をそのまま彼女の下腹部――子宮へと流し込む。
成長促進の属性を付与した本流を過剰なほどに流し、触手を強引に成体まで育て上げ、親離れを促すのだ。
それは当然彼女の体にも負担がかかるし、何より強烈な快楽が襲うことになる。
彼女が己のものであればより単純に事は済むが、ここは彼女に敬意を表してそうしない。
徐々に彼女の下腹が触手の成長に合わせて膨れていくのを感じながら、襲い掛かりたい衝動を堪えつつ魔力の微調整に努める。
あとは彼女の頑張り次第。声には出せないが、確かに応援の言葉を念じながらの術式が、徐々に深度を深めていく。

レナーテ > 「違う…? ――…魔族、なのに変わってます…ね」

よく見聞きする魔族の特徴といえば堕落的で、享楽的というもの。
彼女は魔族ながらに何か芯を持っているように感じる。
それは、暗に告げた言葉から、似たようなところを感じさせられ、身体の強張りが抜けていく。
じっと見つめる視線は、虚ろながらも、出会った時の緊張した雰囲気が大分抜けたように感じるかもしれない。
周囲が赤色に染まり、ライトアップされた花畑に放り込まれたような鮮やかに、綺麗と小さく呟きながら口角が上がる。

「ふふっ、私も…駄目って思ったのに、折れちゃいましたから。でも……手は駄目、です。手は…綺麗にしなさいって、言われてたので…」

彼女の言葉に微笑みながら添えられた左手に手のひらを重ね、彼女の胸元へ押し戻すようにして返していく。
声は我慢できるなら耐えようと思うものの、どうなるやらと少し不安でもあり。

「――…ぇ、それって…」

つまり強引に親離れさせるということだが、その現況が膣内を通り抜けてくることになる。
耐えろというのはそういう意味かと脳内で理解するより早く、魔力が下腹部に重なった掌から注がれ、あの脈動のような快楽が何重にも重なって襲いかかった。
瞳孔が小刻みに揺れ、小さく、ひくん、ひくんと身体が震えた後、遅れてやってくる深い絶頂の連続に、身体がカタカタと一瞬だけ震える。

「ぁ……ぁぁっ、駄目、これ…ぃやっ、だ、ぁ――…っ!? んんぁぁぁっ!? ひ、ひぐっ、ぁあ゛…っ…!? い、ぎ…っ……ひぃ…っ…!!」

ぶちゅっと濃厚な蜜を股座から吹き出しながら、喉を仰け反らせ、強烈な絶頂に表情が壊れていく。
蕩けきった淫猥な表情に歪みながら、掠れた呼吸とともに喘ぎ声が潰れながら溢れ、ぶちゅ、ぶしゅっ、と何度も股座から蜜があふれる。
きゅぅっと狭い膣口が限界まで絞られ、固く窄まっていく刺激にすら小さな絶頂が折り重なる。
子宮内で激しくのたうち回りながら育つ触手は、常人では壊れかねない快楽を叩き込み、脳が白く焼け付く感触に、壊れたように掠れた喘ぎ声を吐き出す。

「じ…んじゃ…っ…い、やぁっ…! や、ぁっ、んがぁ…っ!! ひ、ぃぃっ!」

喘ぎながら頭を降れば、零れ落ちたベレー帽から丸まった猫耳が顕になり、スカートからは何度もピンと伸び切った尻尾が飛び出す。
隠さねばならない正体に気遣う余裕などなく、イキ狂う家のように喘ぎ続けていた。

アンネリーゼ > 「ふふ、魔族であると同時に、いい女だもの。高嶺の花で居たいじゃない?」

その割に胸が貧相でちんちくりんなのだが、指摘すると怒り出すから注意である。
全くこの強情でかわいらしい娘は、どうにも己を惹きつけてくる。
この間の親友と呼んでもよい相手と出会って以来、なんだか丸くなってしまった気がするが、それもそれでよいのかもしれない。
手の平を返されると、全く、と呆れ顔になって。

「構わないけれど、それなら声我慢しちゃだめよ?
 じゃないと奥歯が砕けちゃうから……いいわね?」

彼女の選択は最大限に尊重しながら、儀式が始まる。
多量の魔力で肥え太った触手は、彼女の中をゴリゴリと削りながら、出たくないと駄々をこねる。
その分だけ彼女に叩き込まれる快楽は増大し、情人ではまず味わえないほどの絶頂を迎えることになるだろう。
それは、快楽だけで飽和した地獄といっても過言ではない。
しかし、彼女の中の存在はそのくらいしなければ取り除けないもの。
あるいは少女が魔族ではなく聖女であれば、こんな荒療治にはならなかったのかもしれない。
だが、彼女が信じてくれる以上、この仕事はどんな高名な聖女にだって、渡すつもりはさらさらなくて。

「ほらっ、必死に息みなさいっ!強引に出さなきゃその分だけ、絶頂地獄が伸びるわよ!」

叱咤激励を重ねながら、より魔力の量を増大させる。
時間をかければその分だけ彼女に与えられる快楽も増えるから。
全力で魔力を注ぎ込みながら、彼女の正体すら露わにする狂乱を眺めて、そして。

「……っ、一度目を合わせなさい。少しだけ楽にしたげるからっ!」

視線を合わせれば、放つのは魔眼。彼女に付与するのは、過去に己が触手を産み落とした時の記憶。
快楽の量は跳ね上がるが、あとは自身の経験をなぞれば触手を産み落とせるはずで。
あとは右手で魔力を注ぎ、左手で彼女の手を握りながら、元凶が出てくる時を待とう。
出てきたならば、展開した魔法陣を用いて触手を閉じ込め、異空間へと封じるつもり。
流石にこれだけの力を使った上で魔物を滅ぼせるほど、少女の力は強くないのだ。

レナーテ > 「……私には、遠い言葉…ですね」

牝猫と蔑まれ、弄ばれた記憶が脳裏をよぎる。
汚れきった身体に高嶺と言える価値はないと、無意識に思うほどに傷は深い。
だからこそ、可愛く着飾って穢を隠したかった。
奥歯を砕かないためにと改めて促されれば、小さくコクリと頷く。
先程から自分の言葉にどうしてそんなふうに嬉しそうに笑うのか、何故だろうとぼんやりとした顔が見上げていたが…一瞬で呆け面は消えていった。

「ぐ、…ぁっ、んんっ、いき…む…? ぅ、ぁっ…!」

出産の経験がないゆえに、どう力を入れればいいのかがわからない。
考える力を削ぐようにごりゅごりゅと子宮内を押しつぶす刺激に、口の端から泡立ったよだれを垂らしながら、腕の中で悶えるように喘ぎ、喚く。
久しく死を覚えさせられる強烈な刺激に、体中の力が抜けると、促されるがまま、金色の瞳が赤色を見つめた。

「……っ、は……!? ぁぁぁっっ!?」

白濁とした蜜がどろどろっと溢れると同時に息み方を感覚で理解させられ、それに従いながら力を込める。
ぎゅっと彼女の掌を握りしめながら下腹部に力を込めると、ぐじゅぐゅっ!!と激しい水音を響かせながら、暴れまわるタコのような触手が幾重も膣口から吐き出され、吸盤状の部分がハリつていく。

「ひ、ひぐぁぁぁっ!?」

ぶしゅっ!!と潮を吹き出しながら最後に更にいきむと、触手の固まりがどちゃっと魔法陣の上に転がった。
元々の魔力総量もあって、上級手前の魔物にまで育ったそれは封じ込められて、消されていく。
羊水とも愛液とも分からぬ汁で足元の地面をビショビショに濡らしたまま、不規則に痙攣させる身体は完全に脱力しきっており、支えななければ崩れ落ちてしまうほどだ。
濡れた瞳の焦点は合わず、呼吸も弱々しく、蕩けた表情で疲労感に沈んでいく。
膣口からは食いちぎられたへその緒が垂れ落ち、血の香りが子宮内に魔物に栄養素を与えていた胎盤が張り付いたままであることを示していた。

ご案内:「九頭龍山脈 街道沿い」からアンネリーゼさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 街道沿い」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレナーテさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアンネリーゼさんが現れました。
アンネリーゼ > 「ふむ、遠いの?――まぁ、無責任に否定したりはしないけれど」

彼女が今日出会うまでどんな生を歩んできたかを、自分は知らない。
だから彼女の言葉に対して否定はせずに、ただ聞くだけに留めておく。
とは言え、これ程可愛いのだから、必要以上の卑下を認めるつもりもない。
頑固な割に聞き分けのいい彼女は、素直に頷き、己の言葉通りに動く。
その様子に何となく庇護欲をそそられながら、彼女の中に潜む元凶退治を始めよう。

「息は小刻みに何度か吸って、その後で一気に吐きなさい!
 吐くと同時に力を込めて、吸う時はなるべく力を抜かないように!」

自身の経験を彼女に付与しながら、言葉でのアドバイスも飛ばす。
少しでも早く彼女の苦痛が無くなる様に、流し込む魔力の量も増して。
強烈な快楽に悶絶する彼女は、淫靡ながらも可憐で、少しだけ勿体ないと思いながら。

「もう少しだから、ほら、がんばりなさいな。
 私が傍に居てあげるから、何も気にせず、ただ生み落としなさい!」

握りしめられる手。その感触に答える様に握り返すと、ようやく元凶の一端がまろび出る。
ずるりと吐き出されたのは、大きな吸盤をいくつもこさえた立派な触手だ。
あれが粘膜に吸い付いたなら、刺激も強烈だろう。ましてやそれが暴れるのだからなかなか性質が悪い。
触手と目が合ったならば魅了の一つでも打ち込むのだが、どうやら頭はまだ彼女の中の様子。
ならば、と注ぐ魔力を自身の限界量まで跳ね上げながら。

「っ……出て、きなさいなっ……お前はもう、母から離れる頃合いよ!
 わがまま言わずに生まれ出でて、母を休ませてやりなさい――!」

彼女の懸命の息みに、触手の塊がどちゃりと落ちる。
見事とも言うべき塊は、強度的には中級魔族と同質――なかなか凶悪な存在だ。
それを、先に展開していた魔法陣の中に閉じ込め、空間の隙間へと強引にねじ込んだ。
後はただ、裂け目を閉じて、魔法陣のリンクを断つ――流石にここからあの触手を調伏するのは避けたいが故の封印だった。

そうして全てが終わると、彼女の体がこちらへと崩れ落ちてくる。
それを抱きしめ、抱き留め、自身もまた魔力切れの貧血染みた酩酊にふらりと倒れて。
まるで地面に引き倒したような形で抱え込むと、少女はそっと彼女の股座に手を伸ばし。

「……さて、本当は時間をおいて自然に剥離させるのが一番なのだけど、気分としてはよくないでしょうし――」

残るなけなしの魔力を以て、用いるのは分解の呪文。
彼女の中の魔物の名残を、魔力の光と共に消滅させる術式だ。
これで少女の魔力は完全に空っぽ。先に張っておいた結界が割れれば、外見通りの小娘と変わらない存在になる。
ぐったりと気怠い気分を味わいながら、彼女の背を優しくあやす様に叩いて、意識を取り戻すまで待つ。
そもそも無事かどうかもわからないが、そこは彼女を信じながら。

レナーテ > 何故遠いのか、それを答える前に始まってしまった出産に、体中が解けてしまいそうな快楽にのたうち回る。
掛けられる言葉はまさしく出産する娘に対するものだが、魔物を生み出すとなると、淡い嫌悪感が寒気となって背筋を走った。

「ひ、ぐぅっ!? ぁ、ぁぁぁ……っ! こわ、れ…ぅっ…! やぁ、も…や、ぁぁぁっ!!」

手足の感覚が強烈な浮遊感とともに消えていき、酸素を吸いすぎた身体は、いたるところがしびれて感覚がない。
息み方だけは言葉と記憶で同時に理解させられたのもあり、最後にぐっと力を込めた瞬間に、暴れまわる魔物が零れ落ちていった。

「ぁ……ぁぁ…」

がく、がくっと大きく、不規則に身体が跳ね上がる。
口の端から零れ落ちる涎が泡立ち、最早何も考えられない。
魔物が生まれ落ちた時に千切れたショーツが、地面の上でグチャグチャに汚れていた。
あれだけ激しい出産をしたにも関わらず、綺麗に閉じた縦割れから、肉色の管が垂れ下がっていく。
無様に垂れ下がったへその緒からは鉄の匂いと、生臭さすら感じる体液が滴り落ちる。
無様な産後の名残も彼女の術で消されていくと、匂い以外は全て…元通りになっていた。
とはいえ、崩れ落ちるように寄りかかった身体はすぐに力が戻らず、快楽に灼けきった脳は思考も働かない。
全身が弛緩する中、したしたと滴る小水が徐々に勢いを増し、しょろしょろと地面へ溢れていく。
体中が性感帯になっている今、排尿すらも心地よく、掠れた呼吸が不規則に途絶え、びくんと寄りかかったまま大きく震える。
浅い絶頂を何度も繰り返しながら、されるがままにあやされること…結構な時間がかかっただろう。
意識が確りしてくると、失禁跡と、狂うように喘ぎ散らした断片の記憶にかぁっと耳の内側まで赤くしつつ、彼女の方に顔を埋めて隠そうとした。

アンネリーゼ > 激しい出産劇の後、残ったのは鉄の臭いと暖かな彼女の体だ。
結界を張っても足元は土。彼女の体液で僅かにぬかるんだ地面の上に倒れこんだのだから、髪と服は諦めた方が良さそうだ。
とは言えそれも、彼女が無事に助かってくれたのならば、安い出費といえるだろう。

「ん、予想以上に経過は良好、って感じかしら。きれいにぴちっと閉じてるみたいだし。
 これで子宮の中は空っぽだろうし、後はお目覚めを待つばかりねぇ……?」

どうやら体の自由が効かない様子で、脱力した体は予想以上に重い。
小刻みに震える体は、今もなお軽い絶頂の連鎖に陥っていることだろう。
やがて服が湿る感覚に何が起きているかを理解すると、苦笑しながら抱きしめる力を強くして。

「聞こえてるかわからないけど、我慢せずに出しちゃいなさいな。
 この程度で貴女から離れるような私じゃないから、安心して、ね?」

とん、とん、とリズムは一定に、過ごす時間は案外長くて。
やがて意識の混濁から覚めたのか、胸元に顔を埋められながら。

「……とりあえず、無事?あんだけの荒療治だから、何か支障があったら言いなさいな。
 とは言え、私も魔力が空っぽのガス欠状態で、起き上がるのも苦労しそうな訳だけど……」

少女の目の前、赤く色づいた空はぐるぐると回っていて、虚脱感はかなりのもので。
彼女を確かに救えた満足感の対価は、久方ぶりの魔力欠乏状態で、彼女と一緒に二人で、少しの間ぐったりすることになる。

レナーテ > 可愛らしい作りをした戦闘衣は裏地に特殊な加工が施されていたり、ケープの裏側や腰のベルトに付けられたポーチ類につまった小道具の数々もあり、結構な重さがある。
それも重なるなら、見た目より重たく感じるはず。
彼女の声が虚ろに聞こえる中、出しちゃいなさいという言葉に淡く首を傾げた。
何を、と…思うものの、心地よい感触に虚ろな瞳が閉ざされていくと、促されるがままに尿を漏らしてしまう。
心地いい、気持ちいいと断片的に脳裏に浮かぶ言葉、したしたと雫が滴るぐらいになれば、少し物足りなそうに腰がふるりと震える。
だが…理性が戻ってくれば、とんでもない状態に気づくわけで、濡れたドレスの裾を見やり、くっついたまま小さく震え始めた。
先程までの快楽で強引に揺らされたものとは違い、しゃくりあげるような嗚咽が少し混じり、目元が熱く濡れていく。

「……ごめんなさい、汚しちゃった…ごめんなさい、ごめんなさい…っ…」

可愛くあるためのドレスをよごしてしまった罪悪感は一入強く胸を締め付ける。
こと、可愛くある事に強い思い入れを抱くが故に、人の可愛いを汚したことに、ショックを受けていた。
ぎゅっと指先が彼女の服を握ろうとしたところで、慌てて指を解いていく。

「……動くのは、ちょっと…。その、ありがとう…ございます」

遅れた返事を今更ながらに紡ぎつつ、顔をあげると、子供のように泣きはらした顔が彼女を見つめる。
まさしく粗相して怯える子供といった様子で、僅かに彼女の瞳を見つめた後、不安げに瞳を反らし、視線を落とす。
未だに指先が震えることもあり、それだけ汚したことへの罪悪感は強く、他になんと言葉をかければいいか分からない。
俯いたまま沈黙してしまい、視野に広がる惨状に心の傷口が広がっていった。

アンネリーゼ > 今この状態で暗示を込めれば、無防備な彼女に届くのだろう。
それを理解しながらしないのは、なんだか奇妙な気分になる。
だが、悪い気がしないと思ってしまうのは、魔族らしからぬ心情だろうか。
仕込みのあるだろう戦闘衣は、しかしそれでも彼女の柔らかさを感じられるから不思議なものだ。
暖かな液体に濡れる体。それはそれで乙なもの。肌に服が張り付いて、何とも言えぬ感覚になる。
そうして、戻ってきた彼女が急に泣き始めるのを感じると、少女は慌てたような雰囲気で。

「え、ちょ、ちょっと、泣かないでよ!大丈夫だから、汚れても!
 あぁ、もう……気にしないでいいんだってば。どうせ後で作り直すんだから」

全く、先ほどはあんなにも凛と強かったのに、今度はまるで子供のようだ。
泣きじゃくる彼女をあやしながら、穏やかな時間がやってきたことを感じ取る。
きゅ、と一瞬握られようとしていた服は、しかし少しの後に解かれて。

「ん、どう致しまして――無事でよかったわ、うん。
 ……それじゃ、この服のお詫びに、そうねぇ……」

泣きはらした顔の彼女をやさしく見つめ、その頬をぷにりと突く。
ぷにぷに、ぷに。何度か柔らかな感触を楽しみながら。

「こほん、私はアンネリーゼ。好きに呼んで構わないわ。
 さて、貴女のお名前、教えてもらってもいいかしら?」

すっかり姉か母親の気分で、対価を明示し、問いかける。

レナーテ > 「でも……」

大丈夫と言われても、そう素直に頷けずにいた。
作り直すと言われれば、それだけ汚してしまったのだと一層思い知って瞳孔が揺れる。
どうしようと思いながら、恥じらいの赤色が冷めていき、俯いてしまう。
ぐるぐると悪いことばかりが脳内を巡る中、頬に感じる感触。
それにビクッとしながら顔を上げれば、何度も突っつく彼女に、きょとんとした年よりも幼い顔がまじまじと見つめ返す。

「……レナーテ、皆は…レナって呼びます」

気にしていないといったじゃれ具合に、表情がゆっくりと崩れ、柔らかな微笑みに変わる。
涙に濡れた頬は肌も戦う仕事もある割に綺麗で、柔らかな弾力が指に返るだろう。
クスッと微笑み、それから軽く頭を下げた。

「助けてくれて…ありがとうございます、服、汚しちゃったのも……あるのに」

元々の真面目な自身が戻ってきたようだ。
御礼の言葉の後、再び顔を上げるも、心中は食い込んだ棘が抜けずにいる。
丸まった小さな猫耳がぴく、ぴくっとはね、スカートの下から垂れ下がる尻尾は、不安げに先端を地面に向けたまま、ゆらゆらと落ち着きなく揺れた。

アンネリーゼ > 「……気にするなら、今度何かの形で返してくれればいいわよ。
 ただ、そんなに怯えたり恐れたりする必要はないわ。怒ってないもの」

このほっぺずっと触っていたいなぁ、なんて考えながらつんつん。
幼げな雰囲気は、抱きしめて可愛がりたくなる。素晴らしく好みだ。
この胸の高鳴りをときめきというのだろうか。思わず笑顔を濃くしながら。

「ん、レナ、ね。良いじゃない、可愛い名前。素敵だと思うわよ?」

そして漸く、彼女の顔に柔らかな笑顔が浮かぶ。
装備を見るに、彼女も戦いを生業にしているのだろう。
その割には、なんと華奢で可愛らしいのだろうか。
どうやら彼女も、少しずつ本調子になってきたらしい。
続く言葉には、そっと両手を彼女の頬に伸ばし、むにりと左右に広げながら。

「どう致しまして。服は本当に気にしなくて良いわよ。
 私が魔術でちょちょいと作ったものだから、作り直すのも直ぐってね?
 だから、ほら、笑いなさいよ、レナ。私は、貴女の笑顔が見たいわ♪」

この小さくて可愛らしい娘は、どこまでも自分好みな様子で。
それこそ溺愛、という風情でむにむに。落ち着くまで彼女の頬は玩具にされることだろう。

レナーテ > 「……わかりました。その……確かにそう、ですけど…」

こくりと頷きながらも、気にしすぎだと言われれば言いよどみながら視線がそれていく。
どうしてそこまで…と思うと、浮かぶのはやはり過去のこと。
綺麗に、可愛らしく…彼女を汚したことと自分を重ねてしまったのかもしれない。
そう、考える合間されるがまま頬を突っつかれているわけで。

「――…えっと、ありがとう…ございます」

唐突な褒め言葉だが、先程までと違い、可愛いという音が聞こえた瞬間、ぴくんと尻尾が先端を空に向けて伸び切っていく。
自分でそうあろうとしている事を認められるのは、痛みが一瞬にして消えてしまうほど嬉しく、口角が自然と上がって緩む表情が恥ずかしかった。
あわあわと視線を左右に散らしながら、掌を顔に当て、覆うようにして隠してしまう。

「魔術で……? 魔族にも、そういう人がいるんですね。……んぁ、あの……何を、ちょ、ちょっと…あの…っ」

自分が目指した人も、一時期術によって構成されたドレスを纏っていたと聞いたことがあった。
あれと同じかなと思案顔でいれば、ふいに頬が摘まれる。
何事ときょとんとしていたが、笑えと揉まれると、今までされたことのない遊ばれ方に、言葉が詰まってしまう。
笑うなんて出来るはずもないが、おろおろしながらされるがままなのは、違う意味で楽しめるだろうか。
時折痛いですといいながらも、その掌を払おうとしないのは、治してもらった恩ゆえだ。

アンネリーゼ > 「あ、ちなみに私、甘い物とか好きよ?
 それと、レナみたいな可愛い子を抱くのが好き♪」

うりうり、ぷにぷに。この可愛い生物をずっと愛でていたい。
彼女の過去がどんなものかはまだ知らないが、いずれ話してくれる機会があるかもしれない。
ともあれ今は、こうしてのんびりと温もりを分かち合うのが一番で。

「ん、ふふ……そっかそっか、レナは、可愛いって言ってほしい子なのね?
 今一瞬、花咲くような素敵な笑顔だったもの――大丈夫よ、自信持ちなさいな」

どうやら彼女との付き合い方を一つ見つけたような気がする。
可愛いという言葉でこれほどまでに喜ぶということは、そうあるべく努力してきたということだろう。
確かに、戦闘衣も細部を見れば、細やかな拘りが見られる気がする。
動きの邪魔をしないように、しかし可愛らしさは保つ。そんなコーディネイトだ。

「えぇ、必要な物は大体作り出せる感じね。ドレスも、杖も、どちらも私が作ったもの。
 あぁ……それにしても柔らかくて気持ちいいわねぇ、貴女のほっぺ。ずっと触っていたいくらい」

むにぃ、ふにぃ、と一頻り弄ると、満足した様子で手を放す。
そしてそろそろ少女も落ち着いてきたのか、軽く上体を起こして彼女を支えなおそう。
それは、彼女の蜜と小水で出来た泥濘の上に座る事になる訳だが、今ではもう些細な事。
むしろ彼女の服や体を汚さぬようにドレスを広げながら、その上に彼女を座らせよう。

「……ふぅ、どうにか眩暈も収まったし、立てるようなら東屋に戻りましょうか。
 今の時期は急に雨が降ってくるから、ずぶぬれになる前に、ね」

にこやかに微笑みながら、彼女の様子をもう一度確かめておくことにしよう。

レナーテ > 「それは私も……あの、そういうのは、おおっぴらに言うことじゃないと思います」

ストレートな言い様に気恥ずかしそうに視線をそらした、落ち着きなく尻尾が揺れたりと、顔に表情を出さないようにしても、隠すことを忘れた尻尾には、全て出てしまう。

「――っ、い、ぃや、そういうことじゃ…ないですから、そういう…えっと……ありがとうございます」

可愛い、そう認められることの弱さを見抜かれると、ぴんと尻尾が空目掛けて伸び切った。
違うとしどろもどろに呟くものの、尻尾は落ち着きなく尖らせたまま宙をかき回すように揺れていく。
頬の紅潮が戻っていく中、視線をあちらこちらに散らしたものの、最後はおずおずと御礼の言葉を呟きながら、照れくさそうなはにかんだ笑みで彼女を見つめた。

「便利ですね…、ぇっと、そう、でしょうか? あの、ずっと触られると何か…くすぐったいというかなんというか…」

いつも他の少女達の前では確りとした自分しか見せていない分、こうも捏ね繰り回されたことは少ない。
無遠慮な動きは、嫌ではないが、不慣れ故に落ち着きなく指先がスカートの裾を握る。
不意にドレスの上へ座らされると、ぐちゃっと汚泥の上へ彼女の服を敷いてしまうことになる。
いつでも作り直せるとは言え、少し忍びなくて、余計に落ち着きなく手元がうぞうぞと動く。
東屋へ促す言葉に小さく頷くと、よろっと立ち上がってから転がっていた魔法銃を拾い上げ、少しふらつきながら東屋の中へと戻る。
木製のベンチの上へ、崩れるように腰を下ろすも、先程までの体を壊しそうな疼きもなく、安堵の吐息を溢しながら背もたれに寄りかかった。

アンネリーゼ > 「あら、ダメだった?ほら、私はどっちかというとそっち系の魔族だから、割と明け透けなのよね。
 貴女はとっても真面目そうだから、確かに大っぴらにはしなさそうよねぇ?」

尻尾は口ほどにものをいう、とでもいうべきか。
眼下でせわしなく揺れるしなやかな尾は、どことなく落ち着きがない。

「ふふ、否定しても、尻尾が全部教えてくれるわねぇ?
 あ、私は別にミレーだろうと魔族だろうと人間だろうと気にしないから。
 ん、これだけしっかり反応できるなら、大丈夫そうね……一安心だわ」

彼女が無事に笑えるなら、膨大な魔力を使い切った甲斐があったというもの。
代わりに今度は自分がただの小娘状態だが、一応備えはあるから問題はない。
彼女の様子はやはりわかりやすく、駆け引きが苦手そうだという印象すら抱く。
照れ顔も破壊力は抜群で、ちょっとむらっとしたのは秘密だ。

「便利よ。宝石なんかも作り出せるから、お金には困らないし。
 ん、これからも定期的に触らせなさいね。この感触は病みつきだから」

などと真剣な顔でむにり。満足したらようやく、彼女のほっぺは自由を取り戻すことだろう。
抱き上げて、スカートの上に乗せ、そして立てるように支えてやって。
彼女が自分の足で歩きだすのを確認すると、少女もまたふらりと立ち上がる。
酔っぱらいの千鳥足のようなよろめきの後、少女はまず自分の杖を拾い上げる。
そして、持ち手に埋め込んでおいた紫色の水晶を外すと、そっと握って砕け散らせた。
魔力が空っぽになった時のための保険――宝石に溜め込んだ予備魔力の解放である。
これでとりあえず、服の再構成と簡単な魔法くらいは使える程度に回復。
足取りも落ち着いて確かなものになったなら、ゆっくりと東屋へと歩みを進めた。
中に入れば扉を閉めて、自然な動作でドレスを脱ぎ捨てていく。
柔らかな黒い絹の下着を堂々と見せつけながら、脱いだドレスを目の前に置き、宙にさらりと指を滑らせて。
方陣を刻めば、淡い光とともにドレスが糸に分解されて、再びドレスの形に編み直されていく。

レナーテ > 「種族柄…ですか、っ…普通はそうです、普通は…っ」

種族が異なると価値観や思想と言った物が異なるなんて言うが、性に対する感覚もここまで違うとは思わず、見抜かれるような言葉に少し恥ずかしくなりながら頭を振って。

「ぇ、ぁ、見ないでください…っ。その、正確にはミレー族じゃないんです、母方の祖母がミレー族なんですけど…その血が凄く強く出ちゃったみたいなんです」

尻尾でわかると言われれば、ちらりと臀部の方を見やり、落ち着きない尻尾に気づくと、あわあわしながら真っ赤になり、きゅっと尻尾を丸めてスカートの中に隠してしまう。
普段ならずっとこうしていられるが、心が乱されると、そろりと尻尾の先がスカートから覗けてしまう。

「定期的にですか…? その、痛くしないのであれば…」

そんなに頬の感触が心地よかったのだろうかと思いつつ、不思議そうに自身の頬を突っついてみたが、そんな感じはしない。
自分では分からないのは当たり前だろうけれど。
座り込んだ後、ふらつきながら入ってきた彼女を見やり、慌てて支えようと腰を上げるが、そのままベシャっと前のめりに転げてしまう。
手をついて、怪我は裂けたものの、スカートの裾が少しめくれてしまい、臀部の下側の丸みが見えるかもしれない。
自身は気づくこともなく、彼女が宝石を砕いた映像に目を丸くして驚き、よろりと立ち上がった。

「ぇ、ぁのっ!? ……本当、ですね。編み直されてる…」

唐突の脱衣に一層目を丸くして驚いたが、同時に始まるドレスの再構成に目を奪われた。
ここまで細かな操作の魔法を見るのはあまりなく、感嘆の声を溢しながらその様子を眺めている。
視線を下ろすと、白い肌に映える黒い上下の艶っぽさに、喉が小さく引きつり、妙に恥ずかしさを覚えると、さっと魔法の光景に視線を戻し、高鳴った心臓の上へ手のひらを重ねて押さえ込もうとした。