2017/08/21 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 街道沿い」にレナーテさんが現れました。
■レナーテ > 「っ……は、ぁ…っ…」
山道に程近いところにある東屋の一つで、相変わらず子宮内に寄生している何かに悩まされていた。
強引に興奮状態にされ続ける身体は、徐々に衰弱し、意識が朦朧としていく。
倒れないように水分を取っても、股座から滴る愛液になって、全て流れ出ていくような錯覚さえ覚える。
可愛らしいデザインとは裏腹に戦うために作られた戦闘衣の下からは、篭った熱と愛液の独特の匂いが溢れていく。
向かおうとしていた蒼月の森に入れず、足踏みを踏んでいるのが現状である。
ミレー族はすんなりと入れたはずが、腹部に宿った異形ごと自身が弾かれてしまうのだ。
どうしたものかと雨風しのげる場所まで移動したものの、ずくずくと疼く陰裂へ、手を伸ばしたくなるのをぐっと堪えて思考を巡らす。
(……いちか、ばちか…、あの…羽を…)
先日、ティルヒアから届いた品の一つを思い出す。
蒼月の森に住まう鴉とよく似た雰囲気をした黒い羽は赤い鱗粉をまとい、ケース越しにも熱を与えるほど力に満ちていた。
同様の炎の力を宿しているなら…それの力で胎内の異形を焼き殺せるかもしれない。
しかし、他の少女達を巻き込むかもしれない方法でもあり、ポーチ越しに触れる信号銃を使うことを躊躇わせる。
「……その前に、私が……無事、でいられるか…ね」
増幅弾を使って強引に抑え込むのも限界が近く、残った魔力量も少ない。
眠れず、只管に疼き続ける身体。
ぱたりと長椅子の上へ横向きに倒れると、浅く息を繰り返す。
意識を保たないといけないと思いながらも、瞼が何度も沈みかけ、開いては沈みと、強烈な眠気に耐えていた。
ご案内:「九頭龍山脈 街道沿い」にアンネリーゼさんが現れました。
■アンネリーゼ > 夏の夜、残暑とも言える蒸し暑さの名残を味わいながら、少女は一人で山登り。
目指す先は何となく山頂。気が向いたから、としか言いようのない暇つぶしの散策だ。
途中、見境なく襲い掛かってきた魔物を締め上げ、山賊も適当に蹴散らして。
邪魔者を適当にあしらっていれば、時間も相応にかかるものですっかり夜更けになってしまった。
「少し戯れすぎたかしらねぇ……山登りも飽きちゃったわぁ」
月明かりの下を進むのもよいが、こうも暗くては景色を楽しむなどということもできない。
そろそろ帰るか、と踵を返そうとした少女は、ふと何かに気づいたように、小さな鼻をすんすんとして。
「……あらぁ、私好みの良い香り。女の子が蕩けた時の――ふふふ、どこかしら、どこかしら?」
悪戯を思いついたような笑顔を浮かべると、少女は周囲を探り始める。
茂みをかき分け、岩を上って――と少し動けば、やがて一軒の東屋が見えてきて。
匂いの元が確かに中に存在することを確認すると、少女は扉の前まで近寄っていき、まずはノックを。そして――。
「ふふ、森の中で迷ってしまったのだけれど、もしも中に人がいるなら、私を入れてくださらない?
もちろんお礼は致します。何なりとお申し付け頂いて構いませんが、いかがでしょうか?」
鈴の鳴る様な声を掛けると、髪に魔力を通して、静かに周囲へと張り巡らせる。
それは、この東屋を自分の領域にする下準備。魔族の権能の一つである。
■レナーテ > (……せめてこのまま、誰にも…迷惑かけずに…なら、最良なのかな)
寝ても覚めても熱に苦しめられ、自分が壊れてしまいそうな恐怖さえ感じる。
自重するように脳裏で呟きながら苦笑いを浮かべると、扉を叩く音に、帽子の中の耳がピクピクっと跳ねるように動く。
休ませて欲しいと言う声に、即答できず扉一枚を隔てて困惑した表情で狼狽えていた。
自分の中には他者に取り付く化け物がいる、一休みどころか永遠の休みになる可能性だってある。
どうすればと、視線がさまよう中、傍らに立てかけてあった魔法銃を手に取り、銃床で地面を突きながら杖代わりに立ち上がると、扉へと向かう。
開かれた扉の向こうには、頬にうっすらと赤色がかかり、濡れた瞳に熱混じりの吐息を零すレナーテが見えるだろう。
「……いえ、これから山を降りる…予定、でしたから」
自分達も体外だが、彼女の格好はそれ以上に可愛らしいもので、まさしくドレスと言った格好。
山中にこんな格好で歩く理由は、手にしていた杖を見やり、理解に至る。
恐らく王城か何かで抱えている魔術師だろうと、思いながら赤い瞳に力なく微笑みかけた。
それではと告げて、隣をすり抜けようとした瞬間、胎内の化物がずくんと熱を鼓動するように体中を高ぶらせ、ぞわりと肌が粟立つ。
腰が抜けるような疼きに、小さく震えながら両膝を着くと同時に、彼女が感じた濃厚な愛液の匂いが更に強まる。
タパタパと飛沫が地面を僅かに濡らし、しゃがみこんだまま動けずに居た。
■アンネリーゼ > 眼前、木の扉を開けたのは、予想通り可愛らしい女の子だった。
その頬は紅潮し、瞳は宝石に水を垂らしたかのように濡れて、吐息はどこか悩ましげ。
ここいらに淫毒を撒き散らす生物や植物はいなかったはずだが、熱病にでもかかったのかしら、と内心で首を傾げた。
そして、次いだ彼女の言葉には少しだけ考えた後で。
「……夜の山をその体調で下りるのは流石に無謀が過ぎるんじゃないかしら?」
可愛らしい娘が獣の餌食になるのは、流石に忍びないし何より勿体ない。
こちらに微笑みかけてくる彼女に忠言すると、その体が不意に崩れ落ちた。
さらに濃くなる匂いは、美酒の中に飛び込んだかのように芳醇だ。
よくよく彼女の気配を探れば、彼女以外の存在をその中に感じ取る。
位置を確認して、彼女の症状に納得すると、内心ではしたり顔だ。
さて、どうしたものかと一瞬考えはするものの、ここは恩を売る方向で行こうと判断。
そっと彼女の隣に膝をつくと、そっと彼女の肩を抱きながら。
「全く……ほら、治療してあげるから、大人しくなさい。
何かに噛まれたの?それとも、悪い人に薬でも盛られた?」
気づいていながら知らぬふりをして問いかけるのは、彼女の恥じらう顔が見たいから。
そんな意地悪で気まぐれな少女は彼女の様子を見ながら、期を見て東屋へと運び込んでしまうだろう。
■レナーテ > 「大丈夫…です、ちょっと身体が熱いので…夜風で、覚ましながら…って」
苦し紛れな理由を呟きながら、彼女の姿を見ていると、再び子宮の奥で何かが暴れる。
ぐじゅると重たい水音を響かせると、数日前の夜が脳裏をよぎった。
何も知らない少年に酷い事をしてしまったこと、そして、それに喜びを覚えてしまった罪悪感。
再び、それを繰り返そうとしているのか。
崩れ落ちたまま考えていると、肩に触れる掌にビクンと身体が大きく跳ね上がった。
何が起きたかわからないような、呆然とした顔で彼女を見上げるものの、虚ろな瞳がぼんやりと彼女を見つめるだろう。
(……魔術師なら、或いは…)
同じ魔法の使い手とは言え、魔法銃の射手は基本的に複雑な体系の魔法は会得しない。
銃で使用できないからだ。
しかし、彼女は生粋の魔術師…とも見える。
一縷の望みを期待しつつも、万が一には、彼女が逃げれるようにと、おずおずと口を開いた。
「……私の、子宮…に、化物を植え付けられて…しまったんです。その…」
何が起きるのか、それになると一気に頬が赤くなる。
自分から望んだことではないとは言え、傍から見れば、ただの色狂いにしか見えないかもしれない。
ドクドクと心臓がうるさくなり、胸板を叩く振動が鬱陶しくすら感じた。
金色の瞳を伏せるようにして視線をそらすと、震えるような息を吐きだして、言葉を続ける。
「……ずっと、疼く…んです。性的に…酷く、なると…身体の自由も奪われそうで…他の人に、寄生しようとも…しますから」
控えめな言い方だが、それでも恥ずかしさは込上がり、帽子の下に隠れた耳の内側まで真っ赤になるような心地だ。
スカートの下で、尻尾がぎゅっと丸まっていき、内股を伝う濃厚な蜜がぬるりと肌を撫でると、ひくりと腰を引いてぎゅっと唇を噛みしめる。
瞳を閉ざすと涙が頬を伝い落ち、必死に欲望に耐えているのが見えるだろう。
■アンネリーゼ > 「ふむ……病、と言うよりは強制的な発情かしら。それも、かなり強いやつ。
これで理性を保って私と会話ができる、と言うだけでもびっくりだけれど」
彼女の様子は良く分かる。なにせ、少女が今まで何度も見てきた表情だ。
色に狂って壊れる前の、崖っぷちに立った娘の表情。あと少しの刺激で、色事しか考えない肉人形になってしまう寸前の表情だ。
触れた体は熱く、冬ならば湯気すら立ってしまいそうなほどで。
(――ここから壊すのは簡単だけれど、それだと詰まらないわよねぇ)
魔族としての思考は単純。己が楽しいかどうか。
それ以外を考えるのは、直ぐに死んでしまう人間たちがすべきことだ。
ただ何となく、目の前の彼女がこのまま壊れてしまうのは面白くない、だから。
「……ん、化物ねぇ――この発情度合いだと、高位の触手にでも寄生されちゃったのかしら。
正直言って、このまま耐えると、多分貴女の精神が壊れるわよ?今もかなりギリギリでしょ?」
可能性と将来を端的に述べると、彼女の様子を観察する。
明らかに限界、と言える雰囲気はもう少し見ていたいが、振り絞るような言葉から察するに、最後の踏ん張りなのだろう。
ならば、今なお、少女の身を案じて懸命に堪える、その健気な姿には応えよう。
そっと彼女の前に回り、その体をやさしく抱きしめ、受け入れながら。
「……さて、それじゃ先に謝っておくわ。意地悪な魔族だから、貴女の足元を見て交渉しちゃうの。
ねぇ、私の物になりなさいな。そうしたら、狂おしいほどの発情から解放してあげる。
お腹の中の化物も、綺麗さっぱり取り除いてあげる――なんて言ったら、どうする?」
少女は、魔族だ。故に真っ当な手段では助けない。気まぐれであってもそれは変わらない。
ただし、そのうえで彼女が望んでくれるならば、それには真摯に答えるつもりでいた
■レナーテ > 「……ずっと、魔法で抑制している…からかも、ですね」
魔物を封じ込める光の魔法を、弾薬を使って強化し、何度も賭け続けていたことは無駄ではなかったらしい。
彼女の言い様に、成る程と思いながらも、困ったように苦笑いを浮かべていた。
「そう…かも、しれません。人を半殺しにして…確実に、取り付こうと…してました、から」
こくこくと頷くものの、続く言葉にぴたりと体の震えが止まった。
今ある理性が壊れたら? 触手に呑まれてただ性欲を満たすみだらな牝猫に落ちぶれた一瞬を思い出し、青ざめ、遅れて身体が小刻みに震えた。
それを包み込む包容に僅かながら心の強張りが抜けていき、助かるのだろうかと淡い期待に瞳を閉ざす。
しかし、続くのはまさしく悪魔の言葉。
「……私、一人の身なら…それでいいかもしれないです。でも、貴方が魔族ということなら…頷いて、貴方の飼い猫になったら…いろんなものを…裏切ってしまいます」
銃を教え、猫から人に戻してくれた人が嫌いな一つに魔族があった。
ほんの少しの例外を入れてにはなるが…彼女はその例外になるかが分からない。
そして、他の少女達も時には魔族と戦う。
真面目というよりは固いところが災いして、頷けず、気丈にも柔らかに微笑んだ上で、ありがとうございますとお礼の言葉と共に頭を下げた。
申し出は嬉しいが…魔族の飼い猫だけはできない。
しかし、言葉の裏を返せば、与えられたら応えねばならないという真面目さがあるからこそで、順序が逆であればどうなるかはわかったものではないだろう。
だが、魔物は頷けと促すようにぐじゅぐじゅと彼女に音を聞こえさせるほどに暴れ、声なき嬌声となった呼吸と共に、喉を仰け反らせて、絶頂へと上り詰めてしまう。
「っ……ほ、んと…壊れ、るかも…、ですね。ご迷惑…かけたく、ないですから…離れて、ください」
壊れたら狂気を振りまく魔物と変わらなくなる、それは嫌だと思うと、最後の力を振り絞って彼女の胸板を優しく押しのけようとする。