2017/07/05 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にケラノスさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からケラノスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にケラノスさんが現れました。
ケラノス > 衣無し、住無し、食無し…そろそろこの生活にも慣れてきた気がする。いや、むしろこれが普通になりつつある。
そんな侘しい事情はさて置くとして。九頭龍山脈…山中の何処かその辺り。
古びた長刀を肩に担ぎ、その先に重石のように最低限の旅道具を詰め込んだズダ袋をぶら下げて。
独り、山中を当ても無く適当に歩き続ける。道中、山賊のアジトに出くわしたがそれは叩き潰した。
ついでに、食料とか酒とか金目になりそうなものはネコババもしてきた。
別に問題ないだろう、相手は山賊なのだから。奪われる方が悪いのだ。
アジトから奪った酒瓶を左手にぶら下げ、時々口元へと運びながら色違いの瞳で山中を見渡す。…鬱蒼とした森、雑草生え放題の地面。
木々のせいで空も満足に見えやしない…森深き山中では当たり前の光景。

「…つぅか、マズいなこの酒…もうちょい上等なモン確保しとけよな山賊共め…」

奪っておきながらそんな不平不満をボヤく。でも手に入れた手前ちゃんと飲む。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカナンさんが現れました。
カナン > ダンジョンに潜るのも賞金首を狩るのも、微妙に伸びないやる気と共に山中をうろつく内に。
目指した道をはぐれてあてどなく獣道を突き進む、ことに。

何時からか誰かが―――恐らくは、この付近を塒にしていた山賊が―――獣道に偽装して整えた道へと合流し、幾らかの快適さを伴って進む、が。正規の道は相変わらず不明瞭で。野宿を検討し始めた矢先―――

「…………うん?」


遠目に誰かの影を見つけた、ような。草を掻き分けて其方へと進む。がさり、と。獣か、人か、別の何かにも聞こえるかもしれない。避ける草が騒ぎ

ケラノス > 「………あぁ?」

胡乱げなガラの悪い疑問符と共に、一度歩む男の足が止まった。
前方、まだ少々距離があるが風も無いのに草叢が揺れている。ガサリ、獣か人か。どちらでもいいか。
構わず、止めていた歩みを再開して堂々とそちらへと向かおうか。
警戒心が無いとかそんなレベルではなく、無防備に肩に担いだ長刀も下ろさずに真っ直ぐ歩き続ける。
潜むモノが獣だろうが人だろうが、襲い掛かってくるならまぁ斬り捨てるだけだ。

(……まぁ、獣じゃねーなこの感じは。誰か知らねーが俺以外にもこんな山中をほっつき歩いてる物好きが居んのかねぇ?)

カナン > 影があったと思しき方向から、こちらに向かう音がする。
躊躇いも警戒も感じられない進みは、野生の獣とは矢張り毛色が異なる。


ちらと、腰に提げたナイフに視線を落とし、右手に指を絡めて抜き取り。
左手に焔の熱を集めようとし―――――あ、ダメだ。自分が丸焼けになる。
枯草だらけの周辺地帯。

微妙な葛藤を起こしながら、進んだ先―――少し開けた 草地に抜け出る。


「……誰か、いるの」

山賊、だろうか。迷子だろうか。緊張を含んだ声が誰何する

ケラノス > 男にそもそも警戒とかそんな意識は無い。警戒を抱いた時点で既に斬り合いか殺し合い、そんな事を何度も経験してきた。
真っ直ぐ進む歩みは遅くも早くも無い足取りではあるが、同時に迷いが無く止まる素振りが無い。

向こうとは対照的に、肩に担いだ長刀は未だ抜くどころか下ろす気配すら見せず。
やがて、少し開けた場所へと男が姿を現す。魔族なので人間よりも夜目は十分に利く。
相手の姿を遠めに捉えれば、そこでやっと足を止めるだろう。

「ああ、居るぜ……で、テメーは誰よ?」

ぶっきらぼうとか粗野の見本のような口ぶりで気だるそうに問い掛けを返す。
相手の緊張を孕んだ声色にも動じずの自然体を保ち、相手の出方を待っているだろう。

カナン > 投げ返された声は、こちらと対照的に思えた。
身構えるよりも泰然としている、ような。

「……通りすがりの働きたくない冒険者Aだよ。…………山賊?」

にしては、何か、違う。疑問形を二乗した問い。
軽々と担いだ長刀を見上げ、己の手の内のナイフを見下ろす。
二刀が斬り結ぶ絵面を想像したら一瞬目眩がした。つらそう。
臆することは余り無い方だと思っていたけれど。少し圧される。本能的に嗅ぎ取った場数の違いかもしれない。

ケラノス > 「……あぁ?働きたくない冒険者だぁ?……それ、冒険者って言えんのか?」

と、口調は雑だが尤もらしい事をそう切り返してみる男で。
一定の距離がまだ二人の間にあるが、男は泰然自若としていて全く動じていない。
山賊扱いされているが、それを鼻で笑い左手に持っていた酒瓶の中身を一度煽って。

「……ただの通りすがりの無職の男だ。で?そのナイフは…アレか?ここでやるってか?
俺は別に構わねぇが……止めとけ。そっちの首が胴体とオサラバしてもいいなら好きにしろ」

脅しではなく忠告。淡々とそれが事実になるかのような口振りで。
勿論、そうなるとは限らないが男は何処か見透かしたように彼女を見ている。
ついでに言えば、何処か面倒くさそうな表情だ…やる気が無さそう、とも言える。

(……ってか、幾らなんでも山賊に間違われる格好でもねぇ……筈なんだが。
いや、最近の山賊は俺みたいなカッコでもしてんのか?)

カナン > 「ごく偶にやる気出す。それからまたやる気使い果たす。――――山奥で、水…………お酒?」

遠目に見える酒瓶につられて視線が上下する。
多少の緊張は残していたが、持つだけ無駄なような気もしなくもない。

「…だって酒瓶と長刀携えて、道なき道を闊歩してるんだもの。……自称冒険者と無職の出遭い………。
………するの、働くよりは好きなんだけど。何か………………歯が立たないような気がする…」

臨戦態勢よりも、尻尾があれば丸めたい心地だ。
ナイフを見下ろして、しょぼりと鞘の中に収める。

「……お酒?頂戴」

遠くから強請った。

ケラノス > 「……無職の俺が言えた事じゃねーとは思うがよ?…お前、結構ダメなヤツじゃねーか?」

ズバズバとそんな事を言う男。オブラートに包む、という事を知らないのだろう。
お酒?という疑問符に、無言でそちらに見え易いように酒瓶を掲げてヒラヒラと振ってみせる。

「……嬉しくねーってか、ダメな出会いとしか思えねーなそれ…。
まぁいい……少なくとも、警戒心や緊張を露骨に抱いてちゃ話しにならねーよ。」

言いたい事は堂々と良くも悪くも言うタチなのか、さっきから地味にズバズバ言う男。
ナイフを彼女が収めれば吐息を一つ。やれやれ、といった感じの表情でそちらに酒瓶を放り投げる。

緩い放物線を描いた酒瓶は、ちょうど彼女の胸の高さ辺りの位置に飛んでいくだろう。

「マズい酒でいいなら丸ごとくれてやる。どうせ山賊からかっぱらったモンだしな」

別にそこまでして飲み続けたい訳でもないのか、あっさりと残りを酒瓶ごと彼女に提供するようで。
しかし、流石にこの距離で突っ立ったまま会話も面倒臭い。
スタスタとそのまま歩き出せば、開けた場所の真ん中に良い具合に切り株があった。
そこで足を止めれば、長刀と先にぶら下げていたズダ袋を下ろして自身も切り株へと腰を落ち着けるだろう。

カナン > 「うん、でも意外となんとかなるよ。……無職なのに、羽振りよさそうじゃない?がっしりしているし」

食べられなくてやせ細ったりとか、欠片もなさそう。ズバッと言われてもまるで堪えてない当たり真性なんだろう。
酒瓶につられて頭が動く

「マイナスとマイナスが掛け算されたらプラスになるよ。
足し合わせたらマイナスが拡がるだけだけど。
……………だっていなす力が、ありそうなんだもの。………あ、」

飛んできた酒瓶が綺麗な放物線を描く。差し出した腕の内に抱きかかえ、

「マズいの?………山賊じゃなくて、山賊を潰す方だった!」

ありがとう、と。礼を添えて。切り株の傍に落ち着く相手を見遣り、少し間を置いて歩み寄る。
切り株の足元、地面の方に腰を下ろす。

嬉々として酒瓶を傾け―――― 何とも言えない顔になった。
咽喉を通る熱と――――匂いが 、 「個性的!?」

ケラノス > 「……別にそうでもねーよ。金が無くなったら、適当に山賊とか盗賊潰して金目のモン巻き上げたりな。
さっきも山賊のアジトに偶々遭遇したから、取りあえず潰してその酒とか食料とか金目のモンをかっぱらってきたトコだしよ?」

と、淡々と切り株に座りつつ語る男。こっちの方がやってる事は地味に酷いかもしれない。
まぁ、この短い会話の中で男なりにこの女も独特なのは感じ取った…お互い様だと思っておこう。

「……いや、そうとも限らねぇだろ……いなすまでもねぇけどな」

彼女が酒瓶を受け取ったのを確認すれば、そちらから視線を外して脇のズダ袋をゴソゴソと漁る。
中からパンやら野菜やら肉やらを取り出して適当に食べ始めつつ。

「…あぁ?潰すも何も…”俺の進行方向に居たのが悪い”」

と、パンを頬張りながら真顔で言い切った。そもそも山賊なんて潰しても問題無いと思っている。
気がつけば、ちゃっかり切り株の足元、隣に女が座り込んでいた。
酒を飲む様子を尻目に、肉を齧っていたが…味の感想に皮肉げに笑って。

「そりゃ、山賊が飲む酒だからな…まぁ、ピンキリあるだろうがそりゃ外れの部類だろーよ」

そう言いつつ、そちらにパンを無造作に手渡そう。喉が渇いてるだけでも無さそうに見えた。

カナン > 「強!?……大暴れしたら、余韻引き摺って殺気立つものじゃあ、無いの?」

相手が地面に置いた袋を思わずじーっと食い入るように見る。
もしかしてあの中にはいろんなお宝が眠っているのではないだろうかと。
独特って思われてるとは夢にも思ってなかった。

「限らないの?
…………いなすまでも無いって、なんで…。油断してるひとにひと泡吹かせる位なら、容易かもしれないよ? 
…ああ、俺様 だね。」

衒いも無い一言に、唇を緩く歪めて面白がるように告げた。

「でも、進行方向にいても、山賊じゃなければ蹴散らさないんだね。
 えー……山賊ってお金溜め込んで美味しい物をたらふく食べるんじゃないの……? あ、りがと……」

納得いかない顔をしながらも。
味が独特だとしても。久々に飲む酒の、酔う感覚は楽しくて。ちびちび、含んでいた処。
目を細めて笑い、パンを両手で受け取る。かじりつき、

ケラノス > 「…いや、そうでもねーな…路傍の石ころ蹴飛ばす程度の感覚だが」

山賊=石ころ扱い。地味どころか普通に酷い扱いである。
残念だが、金目のモンはあまり手には入らなかったので少量だ。
大半は酒とか食料くらい。後は武器が多少。これは使うよりも質屋に売るかどうかといった所。

「……ひと泡吹かせるのはいいが、倍返しの覚悟は出来てんだろーな?」

スゥ、と目を細めて隣の女を見る。淡々とした態度だが目は真っ直ぐに女を見据えている。
この場合、倍返しどころか三倍とか四倍になるがそれは些細な事だ…多分。
俺様、と言われても否定はしない。実際、台詞の端々にそんなニュアンスがあるだろう。

「…何でもかんでも潰して済むほど世の中楽でも甘くもねーからな…その程度は承知してる。
…いや、どの山賊も羽振りが良い訳でもねーよ。連中だってそりゃ腕利きもいりゃ雑魚も居る」

と、肩を竦めつつ。ついでに肉と野菜も分けてやろう。なんか餌付けしてる気分になるが。

「…つか、仮にも冒険者ならもうちっとマシな装備とかねーのか?
……ああ、じゃあついでにこれでも持ってろ」

と、ズダ袋から魔法の短剣を取り出して渡そうと。刃渡りは20センチくらい。柄の部分に赤い宝石が埋め込まれたそれ。
彼女が魔法を使えたりするならば、その宝石に魔力が蓄積されてるのが分かるだろう。

「使用者の魔力とか異能力を媒体にして切れ味を増す短剣だ。予備に持っとけ…ま、売って金にするのもお前次第だが」

カナン > 「だいぶ実力差が無いとなりたたないよ、それ。とっても弱かったんだね……。だから変わった味のお酒を楽しんでたんだ…」

山賊は潰されて良かったと思うが、浅い同情が少しばかり。酒は独特だけど、パンは美味しく頂いていた。

「…………腕を斬りつけたら、手足を折るの? 腕っぷしだけを使うとは、限らないよ」

倍返し。交わすように視線を合わせて緩く首を傾げる。
左手の人差し指を口元に持っていき、軽く噛んで血を滲ませる。
無造作に掲げて、ちょん、と唇をつつこうとした。

「口に入ると動けなくなる血とかね」

舐めちゃダメだよ、と付け足した。効果については物凄く話を盛って告げていたが。
肉野菜を見ると、眇めた双眸が柔らかく眠たげに戻って、しゃくしゃくかじりついた。
お腹が満たされるしあわせ。

「…………私のとっておきのナイフを!」

マシって!確かに値切った果てのなけなしのナイフだけど。
地味にショックを受けていたが、右手に其れを受け取る。
血に似たきれいな赤をかえすがえす眺める。親和性がある、のか。皮膚の表面を熱が走った、ような。

「……良いの? 長持ちしないものを持っているから、すごい補強になってくれるかも」

売らない、と。頭を振って

ケラノス > 「……いんや、強かろうが付け入るスキってのは何処かにあるもんだ。」

緩く首を振る。俺様的面はそこそこ強いが、同時にそれだけでなくちゃんとその辺りの心得もある。

「……ん?五体バラす程度だな」

倍返し以前に殺害前提だった。しかし、この女も何処かマイペースな奴だな、というのが男の感想。
と、何やら己の指を噛んで血を滲ませる女を怪訝そうに眺めていたが。

「……へぇ」

そして、彼女の忠告…話を盛っているとか関係なく。おもむろにその指をパクッと咥え込んだ。
それだけかと思えば、そのまま舐め回したりしてやろうと。
多少”ピリッとくる”が特に問題なくそのまま血が止まる程度には舐めておいたとか何とか。

「……魔力の波長が合ってるっつぅ事は…アレか、やっぱ火属性かお前。じゃあ尚更に持って置いたほうがいいな」

と、彼女の変化を感じ取ったのか、彼女の飲むそれとは別の酒をズダ袋から取り出して煽りつつ一言。
一度くれてやった物に未練は無いらしく、「お前の好きにすればいい」と短く答えて。

「…ま、その短剣をどう生かすかはお前次第だ。自分に合ったやり方を考えていきゃいい」