2017/06/20 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカインさんが現れました。
カイン > 深夜の山賊街道。その中腹、山中と呼んで差支えのない場所に血なまぐさい光景が広がっていた。
無数の血痕と人の争った跡と思しき地面に刻まれた足跡の数々。
そしてそれらの真ん中にいるのは、黒衣を身に纏った男である。

「――ふう。これで最後か、全く獣と死霊は話が通じないから困るな」

小さなボヤキと共に見下ろす先にあるのは小さな土饅頭――
ここで起きた争いの片割れの葬られた後であった。
作り上げたそれに手を合わせる、どこか遠くの国の作法で浄化を祈りながらも嘆息を漏らす。
何せ戦った相手はアンデッド、それも狼のそれであった。祟られてはたまらない。

「それが両方ともなれば本当に始末に負えやしない。またぞろなんか湧いて出たのかねえ」

カイン > 山賊が住み着くことの多いこの近辺ではあるが、すみつくことが多いのは荒くれ者だけに限らない。
札付きの魔術師やらが逃げ込んで研究を繰り返した結果、その成果物を不法投棄するなどよくある事だ。
結果として仕事が増えたり減ったりする事もまたよくある事。投棄されたが山賊を襲うという話もよく聞くといえば聞く。

「そんな方向で社会貢献されても困ったもんだ。
 アンデッドはちゃんと供養しなきゃ処理が大変だしな、
 生身なら解体して余すことなく利用してやる物を勿体ない」

またぞろ死霊使いでも暴れているなら遠からず討伐の依頼でも来そうだと、考えつつ指折り勘定。
別に金に困っているわけではない物の、時間は有限だ。一緒にできる仕事は片づけるに越したことはない。

「何処に行くにしてもここを通るのは早いからついではついでで良いんだが…
 交通の便が良くて山賊の温床になるってのも大変なもんだ」

カイン > 「それこそ戦い甲斐のある輩とでも戦えるならまだしも、
 早々そんな輩が居る訳もなしな。その分は真面目に仕事をするとするかね」

求める物があるならばそれに至るまでの努力を怠る訳にはいかないのは間違いない。
肩を鳴らして音を鳴らせば後片付けを終わらせた周辺を一瞥してから、
街道を町の方へとゆっくりと歩き去ってゆくのだった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。