2017/04/25 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にサヤさんが現れました。
サヤ > 九頭龍山脈をまたいで町と町をつなぐ街道の一つ。
左右をそり立った崖に挟まれた一本道の中には、壊れた馬車やそれを率いていたのであろう死体が重なるように倒れていて。
その中央で一人の少女が鉄の剣を片手に立っており。

「アハハ……弱かったなぁ、まぁいいや……これでまた、薬もらえるんだし」

壮絶な光景の中央で、ぼそりと呟き。
その体は返り血で汚れていたが、気にした様子も見せず。
血で切れなくなった剣を捨て、倒れた馬車に上って隅に座れば迎えが来るのを待つことにして。

サヤ > バフートで奴隷商に使うだけ使われた挙句捨てられ。
そこで偶然山賊団の一味に拾われてから毎日、山賊団の雄の情婦として過ごす代わりに今となっては無くてはならない麻薬を打ってもらっていた。
そして時折、かつて冒険者だったころの剣術を見込まれて、今日のような単身での襲撃すらこなす日々を送っていた。

「これだけ仕事すれば、しばらくは大丈夫……かな」


迎えを待つ間、死体を眺めていても暇だと思い。
座っていた横倒しの馬車のドアを開けて中を覗き込めば。
おそらく商品だったのだろう、毛皮や食料、酒などが散乱しており。
それを見れば満足そうに口角を上げる。
返り血に汚れた姿も相まって、その笑みはどこか狂気じみていおり。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > (最近この辺で襲われる商隊が多い、ついでに着く予定の馬車が来ない。
ってなモンで、「俺は今休暇中」と釘を刺さしていたのだが、現状身軽に動けるのは自分しかいないってんで無理やり気味に行かされた訳、であるが)

――……こいつはまた

(惨劇の現場からそれなりにと離れた木の影。
フードを被り保護用のグラスと口布当てて、気配と息と姿を隠し、様子を伺う男が一人。
馬車を襲った山賊が、誰かさんに倒された。という可能性もあるが……)

そうでもなさそうか。

(死体は、おおよそ民間人か。傭兵や冒険者なんかも混ざっているかもしれないが。
そして今現在、自分を除いて生存しているらしき人物は一名、今は馬車の荷物でも見ているのだろうか。
微妙に姿に見覚えがあるような気もするが、今は置いておこう。
さて、どうしたモノか。一人っきりで全てやったのであれば、相応に手練れだろう。
姿を現しても、9割方戦闘になると予想できる。素直に戻って騎士団にでも連絡したほうがいいかなと、状況を確認しながら考えている
普通にならバレないレベルの隠形と言ってもいいが、世の中普通じゃないやつもいるモノである)

サヤ > 自分用の武器になるようなものはないかと馬車の中に手を突っ込んでごそごそと中を漁っていたが大したものは見つけられず。
他の馬車を探ればあるのだろうが、そこまで必死になる気もなれず。

「遅いな……」

ぼそりと呟いて迎えが来るであろう道の先に目をやり。
馬車の淵に片足を抱きかかえるようにして乗せれば膝の上に頬を乗せ。
一筋の風が崖の間を吹き抜けたとき、本能的な何かが気配を捕らえたのか。
顔を反対側、風上の方に向けて、気配のしたまばらな気の影を目を細めてにらみ。

「誰か、いるの?」

アシュトン > …………うへ

(思わず、口の中で小さくと毒づいた。
明らかに相手の意識がこっちに向かってる上に、どうやら声を掛けられたようだ。
まぁ、正確に位置がバレているって感じではなさそうだが、近寄られると少々厄介ではある。
つまり、短時間でどうするか決めないといけない、という訳だ。
1、犯人かどうかを確認する。 ……状況証拠でほぼ出そろってるよなぁ。悠長に聞いてる暇もないし。
2、逃げる。……崖が少々面倒だな。相手の機動力次第になる。一応、逃げには自信があるが。
3、応戦。 ……強そうだしなるべく戦いたくないなぁ)

ふぅ…………

(一息、付いた、後。
木の影から、低い姿勢で飛び出す人型一つ。
それと同時に投擲される、2本の刃、棒手裏剣とでもいうのが一番妥当だろう。
狙いは左肩と右足、やけにバラついているの、だが。
鉄の表面に刻まているのは、細かい溝であり。浸されているのは、麻痺毒である。
即効性は十分、だが投擲武器では量は限定される。其れでも動きが鈍ればいい。
つまり、どっちか当たればいいという判断での、狙いである。着弾タイミングも、ほぼ一致。
結論、戦闘しつつ逃走の隙を稼ぐ。あわよくば倒す)

サヤ > 「っ!」

声をかけてからのしばらくの沈黙。
気のせいかと思い始めたころに人影が飛び出し。
その姿を確認するより早く、二つの投球物が飛来してくるのが見えれば反射的に座っていた馬車を蹴り、勢いよく前に飛び出し。
かつて、全盛期であれば造作もなく避けられたであろうが、奴隷生活と薬物によって萎え。
おまけに身重になりつつある身では動きに精彩さが欠けるのか、ギリギリのところで足首を浅く切り裂かれる痛みを感じ。
実際、襲撃がうまくいったのも、女であることと、明らかに貧相な服装で武器も持たない姿であるということで相手が最大限に油断していたことも大きかった。

「くっ……」

それでもごろりと地面に転がれば落ちていた剣を掴み。
人影の方向に切っ先を向けるも、切り裂かれた足首を中心にしびれが広がるのを感じ。
おそらく先ほどの武器に毒が塗ってあったのだろうと忌々しげに眉を寄せながらも、息を整え剣の柄を握り直し。

アシュトン > (己は、人間である。つまり人間とは、魔族やエルフや獣人や首輪のないミレーやら。
そいつらと比べれば、弱者である。弱者に油断している暇なんてモノはない。
攻撃するとなれば、相手の年齢性別如何にかかわらず全力であるし、それがまぁ弱者の生きる方法である。
ほぼ無言のままに飛び出し、投げつけた刃の一つは、足首を掠めたようだ。
少し、浅いな。微かに眉を動かせば、距離が空いた状態を維持しつつ、動きを止め、低い体勢のままに様子を伺い)

……おやおや、暫くと合わない間に随分なザマになったじゃないか。

(くくっと、喉元が小さくと鳴った。
ここいらで、相手が何者か確認が取れたのであろう。
一度だけ、そう言えば会った――というよりも、襲ったとでもいうべきか。
名前は知らないが、どちらにせよ会った経験はある。
その時は随分とマトモそうだった気がするが、いやはや、ヒトというのは変わるモノだ)

と、だ。
一つ聞いておく、そいつらを襲ったのはお前か?

(抑揚もなく特徴も押し殺した声で、問う。
そいつらとはつまり、今死んでる奴らの事だ。
コチラとしては時間が経って毒が回った方がありがたいので、会話で引き伸ばしつつ。
それでも相手が迫ってくるなら、さらに応戦といった所か。
懐の中では、金属の筒が一つと、用意されていた)

サヤ > 「…………あぁ」

こちらを警戒するように距離を確保する男の顔をじっと見つめ。
相手の言葉を聞けば小さく思い出したようにつぶやく。
かつて自分がまだ、薬におぼれる前に、自分を犯した男の顔を見ても、その表情は少しも変わる様子はない。
自分を犯した男など一人二人ではないのだ、今更かつての男に会ったところで何も動揺する必要など感じない。

「そうよ……これも、私の仕事だから」

周辺の惨劇について問われれば、変わらない口調で肯定し。
一方で、足から広がるしびれが全身へと広がっていくのを感じれば自らむやみ動くこともできず。
とわいえ、今の自分が正面からそれなり以上の腕を持つ相手とやりあって勝てる気はしなかったが。

アシュトン > (顔は現状グラスやら口布やフードでかくれているし、あの時は……どうだったかは忘れたが。
まぁ、体格やらなんとなくの顔つきから、記憶に一致できる人物として認識しされても不自然はないか。
少々考えるように間をおいてから、緩い足取りで相手の方へと近づいてゆく。
勿論、逃げる、戦う、防ぐ、避ける、対処はすぐに出来るよう、警戒を緩める心算はないのだが)

これ「も」、私の「仕事」か。
大よそバックに何か組織がある雰囲気だな、山賊か、魔族の類か、何かまでかは分からんが。
さて、素直に降参して洗いざらい吐くなら、比較的マシな処遇になるように、してやってもいい。
が、どうするね?

(相手が1足で飛び込めない程度の距離、その位置から首を少し傾げた。
まずは、しかるべき場所に突き出すのが一つ。前に襲った事については、もみ消しも可能だろう。
あるいは、犯人を別にでっちあげて、何処かに売る。奴隷としてでもいいが、商人連中も今回の事で業を煮やしているだろう。
もう一つは、個人的に飼う。少々腹が膨らんでいる、ような感じもするが。それと精神面も合わせて、どうにかする必要はあるが)

サヤ > 「ふふ……」

降参を促す言葉に思わず顔を舌に向け小さな笑いが漏れる。
別に今の組織に愛着があるわけでも、義理を感じるわけでもない。
しかし、今の自分には一つ大事な要素があった。

「別に話してもいいけど、今の場所と同じように薬、くれるなら」

再び顔を上げれば淀んだ眼で相手を見つめる。
降伏の対価としての提案、今の自分には義理などよりも重要なものであり。

「言っておくけど、すごく高いし、なかなか手に入らないらしいわよ?その代わり、使うとすごく気持ちよくなれる、もうあれがないと壊れそうになるの」

口元に壊れた笑みを浮かべ。
薬の快楽を思い出したのかどこか遠くに視線を送り。

アシュトン > ん?

(笑うようなタイミングだったかと、思えばレンズの下で目が少しばかり丸くとなり。
腰からカトラスを右手で抜き出せば、相手に切っ先を向け。
相手の動きと状況を確認と、安全確保も兼ねて。彼女が手にする武器を地面へと払い落そうとし、つつ)

薬ねぇ、おおよその薬なら、俺個人でも用意できるがな。
成分さえ分かれば、期間次第で抜くことも、出来なくはない、が。

(片目を僅かに細めると、思案気にしているようだ。
問題は、対価と利益である。今の状態の相手を飼うというのは、正直趣味ではない。
となれば当然治療が必要な訳で、安くは済まないだろう。
警備か何かに突きだした場合、クスリを用意するとは思えないな。情報を引っ張り出して、組織を潰すのが一番の解決だろう。
と、すると)

商人の奴らなら、そういう薬の出どころも良く知ってるだろうかなら。
そっちに引き渡す事にする。あいつ等も被害が出てて煮え食ってるだろうからな、包み隠さず話すんだな。

(肩を微かに竦めるのであった。
必要な金であれば、アイツらは出すのは渋らない。もっとも、その怒りによって無事に済むかどうかは、別の話になってしまうが
コチラとしては、商人ギルドの依頼を冒険者ギルド経由で受けている形だ。つまり、商人達が納得すれば損にはならない。)

サヤ > 相手のカトラスが自分の持つ鉄の剣に当たれば、既に毒によるしびれで力が入らなくなっていたためかたやすく地面に落とされ。

「アは……奴らが、知ったところで、私に高い薬をくれると思ってるの?」

既に抵抗する意思はなく、腕をだらりと下げて。
自分の行先を告げる相手に自虐的な笑みを浮かべる。
自分が山賊団に入ってから潰した行商は一つ二つではない。
おそらく再び奴隷に落ちるよりひどい目に合うのは確実だろう。

「ハは………あははは!」

もはや薬を手に入れることはできないと思えば思わず笑いがこぼれ。
徐々に大きくなればやがて空を仰いで壊れたように高笑いを響かせて。

アシュトン > (地面に剣が落ちると、それを遠くにまで己の脚で蹴り飛ばし。
手にしていたカトラスを鞘の中へと仕舞い込む)

それについては、俺の知ったことじゃぁないさ。
商人の奴らもこれ以上被害は増やしたくないだろうし、最初、はくれるかもしれんな。

(ま、情報を引き出した後は、そうも言ってられないだろうが。
おおよそ、何処かに売られるか、恨みをぶつける慰みモノにされるか。
あわよくば薬の方は体から抜けてくれるかも、しれない。もっとも、それまで精神と身がもてば、だけれども)

ふん、その調子で連れていくのも面倒だな。
こいつをヤルから、暫く大人しくしてろよ。

(小さな油紙の包みを、指で弾いて相手に寄越す。
中身に入っているのは、少々茶色がついた白色の粉。麻酔性のある植物の樹液を濃縮し、精製したモノである。
抵抗する程の力は出せないが、クスリを摂取する位なら、可能であろう。
自分が所持しているのは緊急時の痛みどめ、なのだけれど。恐らくクスリの種類は違うとは、思うが。無いよりかはマシだ。
その間に此方は袖からワイヤーを引き抜き、両手を縛り、脚は歩けるが走ることは出来ない程度に繋ぎ合わせる、準備でもしておこう)

サヤ > 「あははは、どっちでもいいわ。どうせ、いつか終わるだろうって思ってたから」

薬に溺れ、犯罪にすら躊躇なく手を出している生き方が長く続くとは考えておらず。
投げられた包みをどこか期待の籠った目で受け取れば中を開き。
中身が思っていたものと違うことがわかれば落胆の色を隠さず。
それでも山賊団が取引していたため、それが何かは大体予測が付いたのか、少しでも心を落ち着けれるだろうと考え。
相手が自分を拘束している間に慣れた手つきでそれを摂取して。

アシュトン > ま、冒険者に殺されるか、騎士団に殺されるか。運がよければ捕まるか、結局この辺のどれかしかないわな。
それに、こういう薬は長くつかってりゃ、どっちみち身がもたんさ。
クスリには、色々と詳しいもんでね……っと、今さら説教やら説明する話でもないな。

(苦笑気味になれば、小さく肩が揺れた。
どちらにせよ、今さらというしかないのだ。
そう言う意味では、やはり現状ではあまり「そそられる」感じがしないのも確かである。
妙になれた手つきなのに察しつつ、ワイヤーで動きを拘束し。
あの量を摂取すると、暫くとおぼつかないだろう。軽く後ろから抱え上げて、相手の身を支えつつ歩き始めようとして)

俺が飼ってやれば、欲しい薬も多少は用意してやれるんだがね。
如何せん、今の状態じゃどうも愉しめん。もう少しましになったら考えてやるから、精々頑張って耐えるんだな。

(それがクスリの禁断症状か、あるいは商人から受ける扱いか。或いは両方だろう、が)