2017/04/19 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカインさんが現れました。
■カイン > 夜。家庭からは火の消え、繁華街が栄え始める時間帯。
そのような人の営みからは程遠い暗い山道の中腹付近、開けた広場に
人工の明かりが灯っていた。焚き木を中心に簡易な野営地を作り上げた、
そこにいるのは張本人であるらしい外套を身に纏った男が一人座り込んでいた。
「参った、もう少し早く港町を立っておくべきだった。思わぬ足止めを食らったな」
物憂げな言葉と共に視線を向けた先にあるのは明らかに複数人、
しかも男の物とはまた違う様子の荷物の数々。その中から吊るされた獣肉を引っ張りだし、
手馴れた様子で切り分け鉄串に刺してゆく。物騒な道具も散見されるその荷物は、
分るものが見ればここらの山賊が常用していることが多い物である事が分るだろう。つまりは戦利品らしい。
■カイン > 「襲われたおかげで食事の心配がなくなったのを喜ぶべきか悲しむべきか。
一夜の春を謳歌する権利を無くしたことは悲しむべきだな。風情も何もあったものじゃない」
肉を手ごろな形に切り分け串を通し終わればそれを数本作り、火の前に刺し炙る。
程なく肉の焼ける匂いと肉汁の爆ぜる音を響かせだすのを尻目に愚痴が零れた。
娼館なりなんなりに行く機会を逸したというさして重要とも思えぬ愚痴である。
袋から香辛料らしきものを取り出しながら、頬杖を付いて揺れる炎を眺め。
「せめてこの周りに村でもあればな。わざわざ硬い地面で寝る事もないんだが」
■カイン > 「――そろそろか」
肉が焼けた様子を確かめてクシに手を伸ばし、食いついく。
口の中に広がる肉の味に上機嫌な様子を見せながら、
暫しの静かな夜のひと時を愉しんでいくのだった。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。