2017/04/09 のログ
ディン・タウロス > 「そうだな、ちゃんと俺の名前を言ってくれたしな。
なら、次に会うときはもっと詰まらないでちゃんと読んで
貰えるよな?」

(忘れる訳がない、というのは普通なら嬉しい言葉ではあるも
のの、今の状況だと忘れていた相手の言訳なので微妙な顔に
なってしまう。ただ、まあそれも慣れたことなので気にはなら
ないが、突込みだけはしておかないと気が済まなかっただけで)

「済まないな…ああ、それならもっと前からタマモにお願いすれ
ば良かったなぁ。脚が付くからって持って帰らなかったお宝と
か結構あったしな。直球なのもタマモは嫌いじゃなかったって
想ったけどな?もちろん、雰囲気を大切にするような場面なら
そうするけど…今はそうでもないだろ?」

(暗い山賊達が住んでいたアジトの洞窟で、甘く誘う、というの
も何か違うようなと思えば頭を傾けながらそう尋ねて。わざと
らしくため息を吐く相手に苦笑いを浮かべながら触手で頬と
頭を掻いて)

「そう考えると今までもお宝はこいつらに喰わせてどこかに
保存してれば良かったんだよな…どうせ売れないしって思って
放置したのは勿体ないことをしたよ。あはは、まぁ、普通は
こいつを見せるようなことはしないから大丈夫だよ。
タマモだから見せたんだしな、信頼してるし。そもそも、そ
うじゃなかったら、流石に頭だけの格好で会いに来ないし。
さて、こうして見上げてると話しにくいし、元に戻るか」

(流石に誰でも見せる訳ではなく、信頼した相手だから見せて
いるのであって、その辺りは気を付けていることで。
群体の方から何匹かこちらに来させれば、首のない人間の身体
をとらせて。そこに触手でジャンプして、すぽっとはまりこ
んでは肉体の表面を服に擬態させて冒険者姿になる)

タマモ > 「………努力はするぞ?」

こう、間を空けるから相手に不安にさせるのだ。
しかも、どこぞのお偉いさんが使いそうな言葉である。
どうしても、慣れぬ間はこんな感じなのだ。

「ふむ…それならば、次からはそうすれば良いじゃろう。
王都に戻れば何とでもなるのじゃ。
あー…いや、むしろ、その方がはっきりと分かり易くて妾としてはありがたい。
…もちろん、相手と状況は選ぶがのぅ?」

まぁ、問われれば、確かに雰囲気云々は考えてくれると助かるものだ。
とはいえ、そんな状況を無視しての行為も嫌いではなかったりする。
するにしても、されるにしても…両立ゆえに、である。
今は確かにそんな雰囲気ではないが。

「知らんかったものは仕方あるまい、次から気をつければ良いじゃろう。
信頼か…ふふ…信頼というものを得られたら、どれだけ良い事じゃろうな?
…いや、良い。そうじゃな、戻った方が良いじゃろう」

分かっている事、分かっていなかった事、それはどうしようもない。
今こうしてそれを知ったのだから、次からはこれで改善されるだろう。
相手からの言葉に、一瞬苦笑を浮かべる。
本当の自分を見せれるような関係、少しだけ…まだ一度だけしかあった事のない少女の姿を思い浮かべてしまった。
そうなれる事があるのかさえ、分かってもいないのに。

それを振り払うように軽く首を振り、改めて相手を見遣る。
ちょうど首と触手がくっ付き、いつもの姿になったところだ。

ディン・タウロス > 「ん、分かったよ。忘れられないようなこと
をして覚えて貰うのもいいかもだけど」

(期待薄のような気がしなくもないけれど、努力をすると言って
くれている相手に言うことでもないので岩内ことにして。
次からは、と言われればルートのあるらしい相手に卸せば
金に換えられるのだから、助かると頷いて)

「遠まわし過ぎて伝わらない、とかだと困るしな。
まぁ、もし来たのがタマモじゃなかったら、触手で襲ってたか
も知れないけどな。触手達、タマモを襲うのは駄目って言う
からなぁ。まぁ、状況が整えば相手をして貰えるんだから
俺としては嬉しいけどな」

(色々とあり、触手達は少女に対して無体を働くのは嫌がる
為、襲うという選択肢は余りなく。そして信頼、と言えば
一瞬ではあるが苦笑を浮かべる相手に不思議そうに今度は
きちんと首を傾げ)

「俺はタマモのこと、信頼してるが…まだ俺はタマモから信頼
して貰えるほどでもない、かな?元に戻らないと、タマモを
抱くにも抱けないしな?さてと…これからどうしようか?
タマモのアジトまで宝を運ぼうか?そこで楽しむ、とか」

(悪戯っぽく笑って身体を見回して、擬態忘れのないことを
確認してから大きく身体を伸ばし、各所をフィットさせて。
取りあえずこれからどう動こうかと相手に尋ねる)

タマモ > 「うむ、それは遠慮しておこう」

無理矢理覚えさせられるのは、苦手なのだ。
後の申し出に関しては、ばっさりと切り捨てておいた。
換金ルートに関しては、その相手である式神を後にでも教える事だろう。

「ふふんっ、遠回しになんぞ言われたら分からぬ自信だけはあるぞ?
いやいやいや、山賊の仲間であったならともかく、他の無関係な冒険者等を襲ってはいかんじゃろう?
しっかりと、その辺りは管理しておくのじゃ。
そう毎度毎度はせんからな?気分が乗ったらと考えるが良い」

変なところで自信を持ち胸を張る少女、それは自慢になりません。
他の者だったら襲う発言には、じと目を向けて注意する。
なるべく、他の者に見せるべきものではないのだから。
と、行為に関しては一応釘を刺しておく。常にそうではないのだと。

「あ、いや…お主は信頼をしておるぞ?
………まぁ、妾にも色々とあってな、ちと思い出してしもうたのじゃ。
おっと、そうじゃったな…運ぶ先は、王都の富裕地区じゃ。
そこに妾の知り合いが済んで居る…後、そこでするのは止めた方が良い。
後で何を言われるか分かったものではないのじゃ…」

勘違いあっての言葉に、違う違うと手を振って。
細かくは言えないが、それだけは教えておく。
これからの事を問われれば、向かう先を教える。
別に持ち運ぶ自体は怪しまれないだろうと思い。

と、後の行動が決まれば、動き出すのだろう。
距離としては少々遠いのだが、問題はないのだろうし。

ディン・タウロス > 「まぁ、恨み辛みの記憶と一緒に覚えられる
のは俺も嫌だし、それは辞めておこう」

(こちらもするつもりはなかったので、ばっさりと切られても
余り気にすることはなく、寧ろ相手の口調っぽく言ってみて)

「…まぁ、雰囲気を大切にする場面以外ではストレートに言う
から大丈夫か。ん?ああ、襲うって言っても男だったら襲う
とかしないぞ?襲うって言うのは女のときに性的な意味で
ってことだしな。それに、暴走したりしない良い触手達だから
な、言うことも聞くし。ふふ、分かったよ。まぁ、気分の
乗ってないときに相手されてもお互いに楽しめないしな」

(自慢にならないことを自慢げに言う相手に相変わらずだな、と
いうように苦笑いをして。釘を刺されれば分かったと頷きなが
らもどこか残念そうに)

「ん、そうか?そうか…それなら嬉しいな。ふふ、そう言って
貰えると凄く嬉しいぞ。タマモにそう思って貰えて。
ん、そうか…ああ、それじゃあ王都の富裕地区に持っていけば
いいんだな、分かったよ。はは、確かに知り合いが住んでると
ころでする、とか確かに何を言われるか分かったもんじゃない
しな。それじゃあ、街まで行こうか…途中で、こいつらも台車
とか袋とかに擬態させないとだけどな」

(信頼している、そう言われれば嬉しそうに、心底、嬉しそう
に笑って。そして運び先を聞かされれば途中までは触手蛇に
運ばせて、街中にはどうやって入れたもんだろうかと考える)

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からディン・タウロスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカインさんが現れました。
カイン > 道行く人々の影もない山道のただ中、旅装の男が一人道を行く。
男にとっては慣れない道なのだろう、時折足を止めて周囲を見回し手持ちの紙切れに何かを書き留める様は、
まるで行脚途中の学者か何かの様。しかし腰に履いた武器と明らかに戦を生業とすると主張せんばかりの風貌が
明確にそんな学術的な職業の者ではないと否定していた。

「なるほど、この辺は山賊とかが出やすいって話だったが確かに見通しもいいし人を襲うには適してやがるな。
 報奨金目当てに迎え撃つならもう少し狭い場所じゃねえと取り逃がすかもしれんぜ」

そして、それを示すかのように口にする内容も聊か以上に物騒な言葉ばかり。
襲う下見どころか襲われる下見位の算段を立てている有様だった。当然、返り討ちが前提だ。

カイン > 「全く、カワイ子ちゃんの一人でもいれば張り合いが出るってもんだが、
 山賊ってのは基本的に食い詰め者の中でも男ばっかり集まるから世知辛い。
 ご同業の方が女が多いっての、そういう時代なのかねえ?」

最近御同行にも女性の顔を多く見かけ、しかも利害がかみ合う事も多い。
戦ったり同じように騒動に巻き込まれたりする経験もそれなりにあるが、
そういった人々に成敗される側に男が多いのは同姓として少々情けないという思いが半分、不純が半分。
そうこうする内に山道の中腹程の場所にできた天然の広場のような場所に行き当たれば足を止め、
手近な岩に腰かけて水筒から水を一気に飲む。

「ぷはっ、そういや昼飯用意してなかったな。何か腹に入れるのは戻るまでお預けか――
いっそ山賊でも襲ってきてくれればそいつらの持ち物かっぱらえば良いんだがな」

まさに山賊の思考で空を見上げれば既に夕刻に差し掛かるだろう空模様。まさしく後の祭りだ。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にプルメリアさんが現れました。
プルメリア > 一息ついたカインが空を眺めれば、暮れ始めた空に鳥が渡る。
…すると、ふと耳に聞こえるのは鳥の声。 いや、違う、風上、もう少し進んだ場所から届く音。
それは歌である。 耳をすませば、風が運ぶ音は途切れ途切れに声を届ける。 …女の声だ。
こんな山中、しかも山賊街道なんて名がつくような場所で、女の歌声なんて、魔物の誘いとしか思えないだろうけれど。
その歌声は細く、しかし柔らかく伸び伸びとして。

…魔物が勢力を増す夕刻この時期、罠かもしれないその歌声に、
貴方は近づくことができる。 聞き逃す事も出来る。

カイン > 「――考えても仕方がないか。懐具合も寂しくなってきた所だ、ここらで山賊団の退治依頼でも受けようか」

まさしく蛮族。そのもである事を隠しもせず、膝を叩いて男が立ち上がる。
視線の先を過る影に夜食に思いでも馳せようとした刹那、明らかに木々の発するものとは違う音が耳に届いた。

「山中にセイレーンなんて聞いたことはないが、ハーピィか何かか?」

思い当たる魔物に心当たりがまったくないわけではない。だがそれにしては上手だと、
当の魔物が聞けば激怒のあまりに襲いかかられても文句は言えぬ考えの元興味を惹かれ、
声の主を探すべく音のする方へと歩を進める。鬼が出るか蛇が出るか、どちらがでても問題ないよう腰の得物にだけは手を添えて。

プルメリア > ゆっくりとカインが山道を進めば、段々と歌声ははっきりと。
聞いた事のない言語だが、節回しからきっと、子守歌なのだろうと分かる。
そして、それを聞いていたカインに、不意に僅かな眠気が襲う。
獲物に手をかけて警戒を解いていないはずなのに、脳の芯が痺れるような錯覚。
魔族には、軽く頭を振るだけで振り払える程度の力だが。

そして、山道に繁木々の向こうに見えたのは、…リュートを爪弾きながら歌う、異国の肌した女の姿。
その周りには、武器を手にした男が数人倒れ伏している。
カインが見れば、安らかな寝息を立てている山賊だと分かる…。

「…っ …どちらさん?」

歌が途切れる。 女が顔を上げる。 しかし、誰何をしたのに、女は顔を左右に動かしてカインの位置を掴んでいないようで。
そして、また歌いだそうとして、突然咳き込んだ。 膝をつき、豊かな胸を押さえて息苦しそうに。
その姿は無防備で、罠ではないと分かるだろう。 旅人を山賊が襲うなら、もっとうまいやり方はいくらでもあるのだ。

カイン > 力のある歌だという事はすぐに知れた。
即興曲という類のものでないことも、そう時間をかけずに理解する。
であるならば――そう意識を取り直した所で目撃した光景は何とも奇妙な物だった。
この国では見かけぬ風貌の女性が歌う只中を、大の大人が幾人も寝こけている様はここが山中でなければ
酒場か何かでそれなりに見る光景だ。だがこの場に至っては明らかにその女性が事をなしたのは明らかだ。

「ほぅ、ララバイの呪歌か。見事なものだ、確かに対処を知らなければこうもなるだろうな。
 驚かせてすまん、何危害を加えるつもりはない。怪しいものではあるがそこは安心してもらっていいぞ」

狼狽した様子の女性、そしてそれが蹲ったのを見て取れば軽く拍手しながらも近づいて女性を正面から見据える。
そうなれば女性の様子が常人のそれとは違うことに気づくのに時間は必要なかった。

「もしかしてアンタ、盲目かい?」

プルメリア > 掠れた咳をする女は、小さな背負い袋に今まで引いていたリュート、足元に転がる杖と言う、酷い軽装。
歌を生業とするものだろうに、歌で喉を潰すほど歌っていたのは、必死の行動だったのだろうと言う事が察された。

「…けほ、…危害は、加えない… ん、わ、分かりました…大人しくするから、どうか、殺さないで…
 何でもします、から…どうか、どうか… けほっ」

近づくカインに、哀れなほどに怯えた様子を見せる女は、やっとカインの方を見た。
薄いヴェールの向こうの瞳は閉ざされていて。

「はい… …貴方達が、他の人を殺してしまったから…もう、一人ではどこにも行けない歌唄いです…
 じゃけえ、もう、逃げませんから、酷い事をしないで…」

訛りのある共用語。 褐色の肌に、白い髪、あまりこの辺りで見ない顔形。
近づくカインの方に細い手をついて、震えながら頭を下げる。
同行の商隊が襲われたが、豊満な女の身体を狙った山賊が女を追いつめた所に、呪歌で眠らされた。 そんな所だろう。
しかし、カインを山賊と勘違いした女は、諦めて身を捧げてでも生きようとしている。

カイン > 女性がふと見れば扇状的とすら見えるのはその生業故か。格好を見れば大凡どういう家業かは窺い知れる。
随分と必死な様子の女が己を何と勘違いしているのかはすぐに知れた。だが、口をついて出かけた誤解を解くための言葉はまた違った色を載せ、

「そうだな、酷いことをしないのは約束しよう。その代わり――」

まさに悪役の三文芝居。己の方を気配で察したか閉じた目で見る女の肩を右手で引き寄せ、
強引に唇を重ねてからそっと離す。唇を重ねた動きとは裏腹体を抱きとめる手は相手を気遣った物ではあったが。

「傭兵を雇う気は無いかねお嬢さん。お代は今のキスでいい、なんであればここらに転がってる山賊共の懸賞金でも貰えれば食費程度にはなるだろうな」

どうだろうかと問いかける声は耳元で幾分以上にイタズラめいた感情を含めたものだった。

プルメリア > 薄いドレスにマントを羽織った姿、それでもなお主張する胸の膨らみは男の目を奪うだろう。
目を閉じながらも、目の前で止まった足音にびくっと細い肩を跳ねさせる女。
その肩を抱き寄せた時に漏らす声はか細く。 しかし、下院の唇に触れた物は柔らかく濡れて。

抱いた腕の中で硬直していた女の身体も、しかし、抱きとめるカインの腕の温かさと優しさに、ゆっくりと弛緩する。
その腕から伝わる気遣いと、悪戯っぽい声出の申し出に、暫く呆けたように口を開けていた女。
しかし、ひ、と息を吸い込む音を唇から漏らした後、自分を抱くカインに、自分から抱き着いて、ボロボロと大粒の涙を零した。

「ありがとう、ございます…っ ひっく、も、もう、殺されるかと、思い、まし…ぐすっ、うう、あああああんっ!」

盲目の闇の中、孤独の中で逃げて、必死で相手に抗していた女の我慢は決壊したようで。
騙されたとしても、カインに縋り、安堵の泣き声を上げる。

…しばらくそうして、おちつくまでぐすぐすと男の腕の中で泣いていたが、落ち着いてくれば身を離し、鼻をすする。
カインの服の橋を、震える手でぎゅっと握ったまま説明する内容は、カインの思った通り。
旅の芸人一座に相乗りしたが、此処で山賊に襲われて一人だけ逃げ、追いつけられて呪歌で足止めしていたのだ。

「う、歌えなくなって…山賊が起きたら、もう、殺されるかなって…もう駄目だって…思ってたん、です…
 よかった、良かったぁ…っ 雇います、貴方を雇います…、キスだけじゃなくても良いから、護ってください…」

ヴェールを涙で濡らした女は、そう言ってやっと微笑んで、名前を告げた。
プルメリア、それは南国に咲く花の名前。 遠い国から旅をしてきたのだと告げた。

カイン > 値踏みするような視線で女の体を見回していたのものつかの間のこと。
気を張っていたらしい女が泣き出して、面食らうことになるまでそう時間はかからなかった。
泣きじゃくる女性の体を抱きしめたまま落ち着くまでやりたいようにやらせながらも周囲の山賊たちへ気を配れば、
一応まだ起きる気配はない。それさえ確認すれば後は女のしたいようにそのまま抱きとめる。
時間を経て落ち着いた後、自分から離れた様子に子供をなだめるかのように頭を撫でた。実際の年齢で言うなら子供どころの話ではないのだが。

「それは災難だったな、プルメリアか…耳慣れはしないが良い名だ。
 オレの名はカイン、では道中よろしく頼むぞ。…その前にこいつらをなんとかしなければ、だがな」

頷きながらの安請け合い。程度の差はあれ、こういったことは日常茶飯事なのだろう。
動じた様子もなく答えるなり印を結んだかと思えばそこらに寝転がっていた男を黒い物が縛り上げていく。
こうなれば男の仲間たちがいたとしてもそうそうは助けられはしない。

「しかし何でも、と来たか。男にそういうことを言うのは止めておいたほうが良いぞ?どれだけひどい目に合わされるかわかったものではないからな」

プルメリア > この辺りの地方では見かけない肌と髪の色。 盲目ゆえ、カインの視線をさえぎる事もせずに。
周囲の山賊はそんな泣き声を聞きながらも深い眠りの奥。 必死だったこともあり、加減をせずに呪歌を唱えたのだろう。
頭を撫でるカインの手に安心したように、涙を拭う事もせずにゆっくりと息を吐きだした。
それから微笑んだ表情はたおやかで、緊張の糸が切れたのだろう、初対面のカインの手を頼る様に握りしめる。

「遠い南の島国から旅をしてきたんです …カイン様、こちらこそよろしくお願いいたします」

カインの魔法にも気づかず、これで良い、と一段落した声を聞けば、ほっと息を吐いた。
それから、カインの忠告を聞けば、小鳥の様に首を傾げて。

「…命を取られるよりも酷い事なんて …カイン様が助けて下するなら、私は…
 それともその、…私じゃあ対価になりません、か…? その、唇だけなんて、そんな、カイン様に悪くて…」

身体を売ることに抵抗は無いのだろう。 旅芸人の女であるならば、まあ、良くある事だ。
しかし、言いながらも自分の唇に指を当てて頬を染める様子は生娘のようで。

カイン > 女の頭から手を離せばその手が女に掴まれた。縋るように握られる体温に応じるよう、
指に力を込めて握り返しながら声を上げて笑い声を上げる。抵抗感の薄い様子に反してまるで恋する少女かなにかのような、
可愛らしい仕草。それが演技でないのだとしたら随分と魔性の女だと楽しげに笑む。

「ハッハッハ、別にそうは言ってない。
 だがこんな所で抱くわけにも行かないだろう?それともプルメリアは外で抱かれる方がお好みかね」

掴まれた手をそのまま己の方へと引き寄せ女の子柄な体を自分の腕のうちに収めながら、
頬に手を触れて形の良い顎へ指を流してゆく。プルメリアには判らないだろうことを承知で
正面向き合うように顎を持ち上げればもう一度唇を重ねる。しかし今度は先程の触れるだけのキスではない、
舌を押し込み全てを蹂躙するかのような荒々しいディープキス。

プルメリア > 握り返される男の大きな手に、すっぽり収まるような細く小さい手。
弱々しい力で、しかし震えながらもぎゅうっと握り返す。
1人でどれだけ逃げて歌っていたのだろう、その手は土で汚れ、白いドレスの膝も泥まみれだ。
笑われれば、もう、とちょっと頬を膨らませる仕草。

「べ、別にそう言う訳では…ただ、その、カイン様も、見知らぬ女をお荷物に行くのは、
 大変でしょうし…恩はお返ししたいと思うから… は、むっ?! んっ。 …ん、ふ…っ」

言葉の途中、抱き寄せられてのキス。 薄く小さな自分の舌を、男の太く大きな舌が絡めとる。
鼻にかかった声を漏らし、蕩けて流れ込む男の唾液を、喉を鳴らして飲む。
貪られ、捕食されるようなキスだけれど、女はカインの腕から逃げようとせず、むしろ、気後れしながらも舌を差し出す。
たっぷりと時間をかけ、口の端から唾液が滴るほどのキスを受け、離して…カインから自分が大人しいことを指摘されれば、

「…助けて下さるという、カイン様の言葉を、カイン様を…
 私は、信じますから… この身を、全てお預けします…」

言いながら、糸をたぐる様にカインの顔を両手で探り当て、頬を撫で、
ヴェールを脱いで、自分からカインの唇を子猫のように舐め、顔を傾けて口付けを返す。

「…でも、はい、そうですね …ふふ、こんな所ではカイン様も落ち着けないでしょうから
 お宿についたら、きっと、出来る限りの事をしますから」

そう言って、それでも、身を離しがたくてカインの首元に顔を薄め、身を寄せる。 まだ少し、震えていた。

カイン > 頬をふくらませる所作がまた年齢相応よりは幾分幼く見え、思わず笑いを噛み殺す。
見えずとも漏れる吐息でバレてしまっているだろうが我慢しきれないようだった。
必死に一人でここまでやってきたプルメリアの様子に何か感じるものがあった様で始終上機嫌。

「――よかろう。宿についたら俺はプルメリアの事を抱く。
 覚悟しておけ、1度2度で終わるなどと思うなよ?その気にさせたのだから責任はとって貰おう」

ゆっくりと舌を引き抜いた末の言。散々女の味を堪能した上に告げる傲岸不遜さだ。
己に身を委ねるというのであれば無下にする気は毛頭ない。ただそれが優しいものであるか否かまでは、
責任を持ちかねると言わんばかりの態度ではあるのだが。

「何はともあれプルメリア、お前さんが落ち着いてからだがな。
 時間はあるのだ、落ち着くまではこうしておいてやる。――まだ怖いのだろう?」

プルメリア > あ、笑いましたね?と咎めるような拗ねた声。
しかし、カインの笑みにつられるようにこちらも小さく吹きだして笑った。
やっと心から安心したのだろう、涙の残りが零れて頬を流れた。

「はい、私の身体で良ければどうぞ、召し上がってー… …え、あの、え、2回じゃ終わらないんですか?
 あの、その、は、はい、えっと、が、頑張ります…っ …あの、頑張ります…」

カインの低い声に小さく身震いをして、戸惑うままに頷く。
同時に、怯えて背筋に走る冷たい物と同じ量、身体の芯が疼く熱を覚えていた。
しかし、カインが続けて伝えた言葉はとても優しくて。

「…は、はい、実は、腰が抜けて、立てなくて…
 こわ、かった、です… 貴方が来てくれてよかった…」

まるで離れ離れになっていた恋人に出会ったように抱き着く腕に力を籠め、
汗の匂いがする首筋に口付けし、豊満な胸を押し付けて、少しでもその体温を感じようと抱き着いた。
カインの腕の中の女は、仕草や表情と違い十二分に女らしく、その身体は安い娼婦とは比較にならない程。
抱き締められながら、自分が王都に向かって旅をしてる事を話し、カインはどうなのかと尋ねる。

カイン > 「気のせいじゃないかね」

素知らぬ顔で笑う相手を見返し言い返しながらも、
まるで少女のような顔を覗かせる女を一度強く抱きしめて安心させようとしてみせる。
頑張るという言葉を繰り返す様子に少し呆れながらも抱きかかえた体、
その臀部を強く握るように揉み。

「大分溜まっているから丁度よい。それこそ体力には自身があるのでね、
 そう簡単には潰れないでくれよ?でないと別の意味で腰が抜けることになるだろう。
 ――うん?俺も王都への帰りの途中だったのでちょうどいい。そのまま帰るとしようか。
 抱えていくのはお姫様抱っことおんぶどちらがいいかな」

抱きついてくる女が腰砕けになっていたということを聞けばさも当然だと言わんばかりに問いかける。
どちらにせよ、街道はさておき王都に入るときには必ず人目に触れることは必至だった。

プルメリア > 「気のせいですか? そうですか …見えない目でも、頬が緩んでいるように思えますけど?」

カインの頬に当てた手で、ゆっくりと丁寧に男の顔を確かめるように撫でる。
その途中で強く抱きしめられれば、子猫が喉を鳴らすような声を小さく漏らす。
掴まれた臀部は大きく、男の指が沈み込むほどに熟している。 くふん、と甘く鼻にかかった息を漏らす女。

「わ、私も、体力には自信がー…っ … … …ない、です、けど、その…
 …こ、腰が抜けても、カイン様が満足するまで、お使いください… 受け止めますから…
 って、え、あのっ お、お姫様抱っこなんてそんなその、こ、恋人や、その、特別な人の、抱き方と聞きますから…っ」

おんぶで…と答えた声は、それでもやっぱり恥ずかしそうで。
褐色な耳まで赤くしながら、カインの頬を愛おし気に撫で、意地悪な人、とクスクス笑った。

カイン > 「それはプルメリアがの頬が緩んでるからではないかな。オレのせいではないだろう」

撫でられる感触を受け入れながらもわざと抑揚のない声で返答する。
甘えるような仕草で己に頼る女性の体を抱きしめたままゆっくりと揺らす仕草はまるで赤子にするそれのようだ。
その起点になっているのが強く鷲掴みにされた臀部というのでなければ形にもなろうものだが。

「そうか、それでは遠慮なく頑張らせてもらうとしよう。
 せめて子守唄が聞ける程度の元気は残しておいてもらいたいものだがな、
 プルメリアの歌は良い歌声だった。また聞きたい。――そうか、では背負ってゆくとしようか」

己の求める反応を見て取ってしてやったりといった様子をみせて女の体を支えたまま立ち上がりプルメリアの反応を伺い。

プルメリア > 「私の頬が緩むのは当然ですとも、だって、命の恩人の腕の中ですし」

私は良いの、と子供の様な我が儘を言いながら、お尻を掴む指の感触にぞわぞわと快感を覚えてしまう。
安心と快感が混ざった感情を覚えれば、立ち上がる男に支えられるままに。
立ち上がれば、小柄な女は男の胸に顔を埋める形になって。
その逞しい胸板に頬を寄せる姿は、春を売る淫売には見えない。

「お、お手柔らかに…でも、はい、お望みならば歌いましょう
 …ふふ、貴方にだけ、今日の夜には… …え、えっと、本当に、背負うんですか?」

恥じらいながらも杖を拾い、リュートを背負えば、男に背負われて山道を言う事になった。

カイン > 「女子にそう言われては男は何も言えんな」

何ともズルい話だと嘆く素振りを見せた後、改めて女の体を背に抱えてしまう。
手際の良さはそれこそ人を抱えるというよりも持ち運ぶということに何故かなれていることの証左か。

「さて、歌ってもらう曲も一曲だけというのもつまらんな。色々と考えておこうか――」

そのような言葉を交わしながら山道を二人、一つ溶け合った影となって後にしてゆく。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からプルメリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からカインさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にプルメリアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からプルメリアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にプルメリアさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からプルメリアさんが去りました。