2017/03/30 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 山中の警備に当たっていた仲間達が放った信号弾から始まった。
巨大な隼に括り付けられた籠に飛び乗り、現場へと駆けつければ、そこは暴虐の限りを尽くされていた。
組合とは別の馬車を狙った山賊の一段が、物資を奪い、傭兵を血祭りにあげ、怯える女達を踏みにじっていたのだから。
直ぐに駆けつけた仲間達と対処に当たるも、怯える女達の一人が告げる。
母親とその娘が、山賊達に追いかけられて道を下っていったと……。

「っはぁ……っは……! こっちへ…」

少しして、逃げ惑う母娘を見つけることが出来たが、途中で合流したのだろう、仲間の数が増えていた。
不意打ちからどうにか隙きを作り、母子を確保して逃亡を図るも、第二陣とやってきた山賊達は太刀打ちできる数ではない。
矢が太ももを貫き、肩を切り裂かれ、かなりの被弾をした姿は、側にいる母子を不安にさせるほど。
それでもどうにか笑顔を見せ、集落の方へと先導していくも、風に交じる男達の匂いの距離から、追いつかれるのは明白だった。
足を止め、傍らの木の幹へ寄りかかるとケープの下から信号銃を取り出し、母親へと突き出す。

「私が足止めをします…戦闘の音がしたら、コレを空に向かって撃ってください。 信号弾を見て、大きな隼にのった仲間が助けに来てくれますから」

それを受け取るのを躊躇う母親だったが、男たちの声が僅かに聞こえると、直ぐにそれを掴む。
不安そうにする娘に、お母さんにちゃんとついていくんだよと、何時もより白くなった顔で大丈夫というように微笑み、見送った。
離れていく姿と、近づく声。
ポーチから止血用の軟膏を取り出すと、傷口に震える手で塗りつけていく。
じぐじぐと鈍い痛みが広がり、ぎゅっと瞳を閉ざし、シワを寄せた顔で痛みに耐える。
空になった瓶を草地へ放ると、びっこを引きながら道の中央へと移動すれば、魔法銃を構えた。

「……あんな娘に、あんな思いはさせたくないですから」

脳裏をよぎる、数年前の記憶。
性処理の道具にされ、鎖につながれた記憶は今思い出しても身体が小さく震えてしまう。
仲間が母子を回収してくれれば、他の仲間が援軍にやってくるはず。
やれると自分に言い聞かせながら息を整え、薄暗い道の真中に、不釣り合いの格好で立ち塞がり、山賊を待ち続けた。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にカナムさんが現れました。
カナム > 今日の山はいつもと少し違っていた
濃厚な血の香り、遠くから響く叫び声や武器のぶつかる音
珍しい
見に行ってみよう

「2人…こんばん」

声をかけようとしたが母娘は無我夢中でこちらに気づかず走っていってしまった
必死なうえにこの暗い道だとしかたないか
話を聞きたかったのだけれど情報は得たのでまぁ満足
母娘が走ってきた方向に向かえば無我夢中で逃げたくなる相手が居る筈
暫くすればまた新たな人
しかしよく見ればその奥から更に沢山の人人人…

「怪我してる?」

足と腕に見える血を見つめ声をかける

突然背後からやってきた怪しい風貌の男
自分が彼女にどんな印象を与えるかなど考えてはいない

レナーテ > 痛みがだいぶマシにはなったものの、道中に消費した魔力量もあり、勝つという条件はだいぶ絶望的に見える。
それでも…時間ぐらいは稼げるし、死ななければ仲間が助けてくれると信じる他無かった。
使い古された得物を手にした山賊達が見えてくると、銃口に魔法陣を広げていく。
まずは岩の散弾を放ち、相手の陣形を崩して一人ずつ潰していくしかない。
茶色い光が自身の位置を晒すことになろうとも、綺麗な構えを取ったところで…背後からかかる声にやっと気づく。

「っ!? 貴方も彼らの仲間ですかっ!」

振り返り、無遠慮に銃口は向けたが、直ぐには引き金を引けない。
声を掛けただけで、攻撃してこなかった事が引っかかる。
年の割には幼い、甘い顔立ちが眉間にシワを寄せて睨むようにして告げるものの…あまり迫力はないだろう。
痛みに銃を支える手が震え、カタカタとライフルから音も響く。
そして、背後からやってきた山賊達が二人にはっきり見える距離に近づくと、一度そちらへと振り返り、彼と山賊達の間を視線が往復する。

カナム > 「仲間?」

物騒なものを構える女性が鬼気迫る表情で尋ねてくる
向こうからくる奴等の仲間なのか?と
何もしてないのにひどい誤解だと頬を膨らませて

「ま、いっか」

山賊達と目が合う
彼女の方を見た後に自分にも殺気を向ける
こっちを威嚇するだけの彼女と違い間合いに入ればその得物を振るってくるのは間違いない

「ご飯食べ過ぎなくてよかった」

嬉しくて思わず笑顔が浮かぶ
腰元から鉈を抜き左腕が燃え上がる
突然子供の腕が炎に包まれる異様な光景
山賊がそこに気を取られればレナ―テのすぐ隣を鉈が通り過ぎ山賊の一人に深々と突き刺さるだろう

レナーテ > 「…違うのですか?」

此方の問いの言葉に、むくれた幼さを感じる返事に表情に、毒気を抜かれてしまう。
険しさが消えて行くと、キョトンとした様子で呟くものの、追いついた山賊達にそれもまたもとに戻ってしまう。
山賊達も彼の存在を知らないようで、何だアイツは?といった様子で口々につぶやいているのが消えた。

「それはどういう意味で…」

彼のつぶやき、山賊達との邂逅も日常の何らない事柄のような良いようだった。
訝しげに問いかける言葉も半ばで、続く言葉と共に放たれた炎、そして刃。
いきなり一人目が始末されると、山賊達はターゲットを彼に変えて四方八方からボロの剣や斧で襲いかかるだろう。
不意の出来事で置いてけぼりにされるこちらは、ぽかんとした様子でそれを見やりつつ、銃口を下げていく。

「組合の増援…ではないですよね、多分」

彼を見たことがない、茶色の魔法陣を消すと、青白い光で魔法陣を銃口から浮かばせていく。
彼の背後を狙うものがいれば、その山賊を魔法弾で撃ち、阻む。
彼の意図は分からないが、今は共闘しようと彼の援護に回った。

カナム > 「まずは一匹っと」

軽い口調で鼻歌を歌い手応えを感じる
レナーテを無視して自分を取り囲んだ山賊達
得物はどれも錆びていたり欠けていたりのボロイ剣に斧、果ては棍棒も混ざっていて

「僕は逃げないからみんな落ち着いて―」

剣を振り下ろそうとした男には初激を躱しその顔を燃えたままの腕で掴み潰す
と、背後から迫る敵は自分が相手をする前に前方の射手によって阻まれ、或いはその命を絶たれる
あまり背後に注意を払わなくてもよさそうかと判断すれば前方への攻めは更に苛烈になる

「3、4…5!」

振り投げたはずの鉈を足元から拾い山賊を斬り、叩き、燃やしていく
薄暗い夜道はカナムの放つ炎に照らされて射手にとっては絶好の狩場となるだろう
先にレナーテを潰そうとすればその背中を焼かれ、穿たれる
運良くカナム斬りつけても次の瞬間には平気な顔をして反撃が飛ぶ
まるで遊んでいる様な笑顔で山賊と戦う
1人、また1人と山賊はその数を減らしていく

レナーテ > この糞ガキが! ぶっ殺してやる! と怒りを露わにして一斉に山賊達が襲いかかるも、その誰もが彼に一蹴されていく。
背後を狙う敵をこちらが援護すれば、後は任せたというように前へ前へと突撃する彼に、唖然としながら魔法銃の引き金を何度も引きつづけた。

(「まるで…子供の遊びのような感覚ですね」)

味方にすれば頼もしくもあるが、敵にしたら恐ろしいといった印象。
炎の明かりも在り、撃ちやすさが上がれば、山賊達も瞬く間に数を減らしていく。

「っ!? 今治癒を…ぇ…?」

一斉に襲いかかった敵を一人撃ち漏らし、彼の背中が切り裂かれた。
目を見開き、慌てふためきながら緑色の魔法陣を展開するも…何事もなく反撃をしていた。
呆気にとられながらも、今は援護だと頭を切り替え、攻撃へと戻っていく。
結果…半数を失ったところで山賊達は散り散りに逃げていくのだった。

「危ないところを助けていただき、ありがとうございます」

戦いが終わり、ライフルを背中に回すと彼へとゆっくりと近づいていく。
互いの顔が見れるぐらいの距離まで歩けば、軽く頭を下げるようにして感謝の言葉を紡ぐ。
顔を上げれば、笑みではなく、疑問が表情となって浮かび、じっと金色の瞳が彼を見つめる。

「私はレナーテといいます、そこの集落にいる…チェーンブレイカーという組織のものです。えっと…怪我は大丈夫なんですか?」

何か魔術的な効力なのだろうかと思いつつ、彼の様子を見やる。
心配するこちらのほうが、彼よりもボロボロではあるが。

カナム > 「勢い減ってきたよー?もっと頑張りなよ皆!」

斬りつけても、攻撃し続けても止まらない
怪我は瞬きをすれば塞がり体力も全く底が知れず
そして背後からは魔法銃による援護射撃、生き残った山賊が逃げ出すのも無理はなかった

「おー流石山賊、逃げるの早いなぁ…」

逃げ出した者を態々追いかけはしない
ありがとうと言われれて振り返れば少し、と言うよりかなりお疲れ気味の女性
お礼は言われたけれどなんだか不思議そうな顔をしている

「援護ありがとー。おかげで結構仕留めれたよ、僕はカナムだよ」

怪我の事を聞かれれば大丈夫と頷く
未だ体に残る傷、腕から延びる炎がその傷をなぞれば綺麗に塞がるのが見えるだろう
そして、確かに魔術に近い力ではあるがそれ以外の何かも混ざっているのが分かる

お互い挨拶をすまれば足取り軽く元山賊の遺体の元へ
手を翳し燃え上がる遺体の炎が腕の中に吸い込まれ、炎の消えた遺体は黒く燃え尽きる
レナーテに止められなければ同じ作業を転がっている遺体全てに施そうとするだろう

レナーテ > 相変わらず軽いノリで山賊達をあしらっていく。
振り返った彼をよく見れば、傷があるものの纏う炎が治癒を行っているのが見える。
魔法銃用の魔術ばかりに特化して覚えた分、学問的な理解は少ない方だが、感じる気配から術とは異なる何かとはわかるが、それ以上はわからなかった。

「カナムさんですね…こんな遅くにこんなところで何を…?」

見たところ、自分よりも年下の少年だが、夜を出歩く年頃とは思えない。
訝しげに問いかけるも、離れていく彼に謎は深まる。
死体を埋めるのだろうかと思えば、彼の後に続き、燃えつける死体を目の前に、ビクッとして驚き、一歩後ろへと下がっていく。

「何をしてるんですか…?」

吸い上げられるように炎が彼へ集まる、まるで何かを吸い取っているようにも見えた。
マイペースな彼に得体のしれ無さから来る不信感を覚えていく。

カナム > 「んー血の匂いがして戦ってる音がしたからさ?
珍しいなぁと思って身に来たんだよ」

自分にとっては軽く散歩に来た感覚に近い
こんな遅く、と言われて考えてみればか確かに太陽が沈んでからそれなりに経っただろうか?
時間の概念が薄れているせいでそこら辺がひどくあやふやで忘れがち

「ん?何ってごはんだよ、沢山仕留めたから一杯だね!」

笑顔で応えてまた食事を続ける
炎が燃え上がりそれを吸い付くし次の遺体へ
元々彼らに止めを刺したのも食事の為
彼女が不信感を感じているのを気にする様子はない
全ての遺体の元で食事を終えれば満足気に一息ついて

「あぁ、そう言えばその傷どうする
矢は抜けてるけど痛いでしょ?」

満腹になって思い出す
彼女もかなり傷を負っていたと
特に太ももの傷は山を歩いていくには不便な筈
なので治療しようかと提案する