2017/01/05 のログ
■マティアス > 「だが、そろそろ頃合いだろうね。
あまり時間をかけすぎても宜しくない。不意打ちにも何にしても、鮮度は重要だ」
決断する。野盗の足跡の行き交い等を調べた限りでは、そう多くはない。
付近にテントやそれに類する建造物が見受けられないならば、あとは思い切る頃合いだろう。
野盗のとりあえずの住居たる洞窟の入り口付近に仕掛けた魔術式は、総計で6つ。
状況開始の号砲と、それに続く不意打ちの印象付けでそのうちの2つを起動。
残る3番目と4番目を、続けざまに起動する。
土の上に木の枝で連続して図形を描き、タンッと。強く地面を突く。
「――貫通の光矢の連弾。その交差だよ」
刹那、炎とは別の眩い光が木々の幹を起点に同時に二つ、連続して生まれて駆ける。
先ほどからの悲鳴の生じ続ける場所を、白い光の矢の連続が十字に交錯して消えて失せる。
生きているものも、そうでないものも。等しく貫通力の具現が撃ち抜く。
これで二本の脚で地を踏みしめて立つものが居れば、人以外かそもそも生きていないものであろう。
手にした木の枝を放り出し、左手に鞘に納めた剣を提げて立ち上がる。
足元に描いだ図形の群れをきちんと靴底で踏みにじり、消しておくのも忘れてはいけない。
■マティアス > 額の上に乗っかった眼鏡を下ろし、右手でブリッジを押さえて位置を整える。
瞬きして、眼を馴らせば裸眼よりも視界がクリアになる。
夜間でも比較的視線が通るのは、修行と慣れと眼鏡自体に仕込んだ術の作用だ。
左手に下げた剣を左腰のベルトに付いたホルダーに差し込み、靴底を軋ませて前に進む。
「さて、仕込みを使って勘定が合えば大半は戦闘不能に陥っている筈だ。
……――そうでないときは、まぁ、考えるだけ無駄だし、どうにかするだけのことさ」
独り言ちつつ、件の目的の場所を目指そう。
結果の確認と目的の達成の双方を満たして、やっとしばらくの食い扶持を得られる。
自由気ままな生活とはつくづく、楽ではない。
血の匂いを纏わせながら、全てを終えた後は――帰途に就く。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からマティアスさんが去りました。