2016/10/12 のログ
砕華 > (それから数刻も過ぎたころ、砕華は、目的のものを見つけていた。
予想したとおり、というべきか。ミズミ草の群生地を見つけ、全滅させない程度に、刈り込む。
寒くなる季節、ミズミ草は、彼始める茎の中に、自分の子孫を残す。
その証拠として、この季節のミズミ草は、夏ごろに比べて、茎が一回り、膨らんでいた。
籠が半分ほど埋まるだけ、刈り込むと、砕華は一度だけ、空を見上げた。

空は既に茜色、夕暮れも過ぎ、夜の帳が折り始めている。
この時間になると、更に気温は下がり、上着を着ていないと、ゾクリと背筋が震える。
冷たい風が、森の中を吹き抜けた。)

「収穫はそこそこだし、もう山を下りてもいい頃合ね。
前のように、夜になって、ようやく帰れたなんてことになったら、ちょっと困るしね。」

(冷たい風に、体を震わせながら、砕華は籠を「よいしょっ」と、背負いなおした。
身の丈の半分ほどを、隠してしまうほどの籠だが、入っているのは、薬草ばかり。
たいした重量も無く、軽く弾みをつけて、肩に背負うと、木々の間を歩き出す。

先ほど通った道は、草木が全て踏み締められて、寝そべっていた。
迷わないようにと、砕華が道しるべとして、獣道をこさえていたのだ。
その道を逆送していけば、森の入り口、山の麓へとたどり着ける、と言う寸法だった。

今日の収穫は、上々といっても、過言ではなかった。
ミスミ草も草だが、一番の収穫はシロツメクサが、見つかったこと。
これを早く、細かく切り刻んで、一晩水に付けたあと、粘り気が出るまでにつめて、乾燥させて。
3日もあれば、良質な胃腸薬が、店頭に並ぶことになる。
ミズミ草も、乾燥させて、いつものように細かく磨り潰し、火で炒って水分を飛ばし、固めて、錠剤にすれば、頭痛薬になる。

シロツメクサは残念ながら、栽培は出来ないが、ミズミ草のほうは、種もしっかりと採取できた。
この種は早速、帰ったら庭に撒いて、育てていくことにしよう。
春先には、白く、可愛らしい花を咲かせるし、店先に飾るのも、悪くないかもしれない。

この先に待っている、仕事を思い浮かべながら、砕華は、山を下りていった。)

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」から砕華さんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にリミアさんが現れました。
リミア > 先日酒場である冒険者と知り合い受けてみようと思った薬草採取の依頼。
魔物討伐に比べれば簡単といえる依頼を受ける事にギルドで不思議そうにされはしたが理由を告げれば納得され。
儲けにはならないが初心者向けの簡単なものを引き受ける。

「確かこの変に生えてるんだったかな。どれも同じに見えるよ…」

態々どのような薬草かを書いた羊皮紙まで受け取ったのだが生えているという場所に来ればどれも同じに見える。
間違えて薬草を踏まないように気を付け足元の草を避けて歩き。
それなりに草が茂る場所に辿り着けばその場に身を屈めて一つずつ絵と同じかを確かめながら注意深く採取を始める。

リミア > 「これはそうで……これは違う?
こっちは似てるから……あー、わかんない」

絵を基準に薬草と思われる草を積み袋にと入れ、違うと思う物はそのままに。
慣れた者ならすぐに終わる作業も初めて、しかも区分けが付かないためによく確認するという時間をかけ本当に少しずつ採取をする。

採取の最中に時折立ち上がれば固まりそうになる身体を伸ばしてはまたしゃがみ込み。
僅かに場所を移動しながら薬草を採取していく。

リミア > 「やっぱり一人でまずやってみようじゃなくて来てもらえばよかったよ」

絵を見てもさっぱり区分けが付かず、ついには似ているという理由で無差別に摘んでいく始末。
頭に過ったのは先日の酒盛りをして知り合った兄さん。
自分よりもこういうことに慣れている様子だったのできっといろいろ勉強になっただろうと思いはしたが今更どうにもならず。

悔やむよりも今の仕事をどうにか負えないとと気を逸らして草を採取して

ご案内:「九頭龍山脈 山中」にフォークさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」にアシュトンさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からアシュトンさんが去りました。
フォーク > 冒険者ギルドの仕事で、物資の運搬を受け持ったその帰りである。
山中の獣道を愛馬で歩いていたら、奥の茂みで何やら蠢く気配がする。

「止まれ、ビッグマネー号。なんか居る」

馬の手綱を曳けば、馬上から飛び降りる。
気配をなるべく消しつつ、そっと茂みの方へと歩き……

「そ~っと覗いてみてごらん……っと」

こっそりと顔を突き出してみれば、少女が何かを探すようにしゃがみこんでいる。
しかし顔からして、別に悪人という風には見えない。むしろこっちが悪人風だ。
何を探しているか聞いてみてもいいだろう。もしかして財宝探しでもしているかもしれない。
なら、手助けをして分け前をもらおう。一瞬で打算を働かせた。

「これこれ、娘さん。こんな山の中でどうなされたかね」

まるでこの山に詳しいかのような口ぶりで、少女に近づこう。

リミア > これだけ採取すれば多分以来の量は採れているかなと完全などんぶり勘定で袋いっぱいに薬草?を詰め込み仕事完了とばかりに汗を拭う。
少し休んでから戻ろうと考えた矢先、後ろで草木がなる音が聞こえ振り返れば顔を突き出して見ている悪人に見える風貌の顔。
思わず手にしていた袋を落として間合いを取るようにして近づいてくる相手から離れて。

「何って見ての通り。ギルドの仕事。
そう言うあんたはこんな場所で何をしてるのさ」

もしかしてこの辺りいる山賊に見つかった?
戦闘になれば追い払えるだろうが今は採取依頼で無駄な事はしたくないだけに…。
答え次第では逃げようと考え警戒をする。

フォーク > 「なんだ、冒険者ギルドか。じゃあ、お仲間だな」

変なことをしなくて良かった。
男は腕に巻いてあるリストバンドを見せる。リストバンドには冒険者ギルドのマークが描かれていた。
仕事の途中、衛兵などに呼び止められた際にこれを見せることで身元を明らかにするのである。
リストバンドだけではなく、ギルドマークがついた身元を現す装飾品は様々である。

「……人の仕事に口を挟むつもりはねえけど、こんなに変わった草を集めてどうしようってんだい?」

少女の袋からはみ出ている草を見て、そんなことを言う。
薬草とか下剤の薬、使い方によっては危険な草まではみ出ている。
しかし、それが仕事かもしれないので、あまり口幅ったいことは言えないのであった。

「俺は仕事の帰りさ。良ければ俺の愛馬に乗っていくか。楽だぜ」

と、誘ってみる。

リミア > 「え、仲間?山賊じゃなくて?」

問答無用で攻撃しなくてよかったとすぐ近くの木の影に隠しているバルディッシュに目を向け。
相手がギルドのマークの入ったリストバンドを見せれば荷物を漁り、少し形は違うが同じようなマークの入った鉄の小さな板を見せる。
例え同業者でもあった場所が場所だけにギルドなどで会う様な気軽く対応できずに警戒心は隠せずに。

「変わった?私は依頼の薬草を集めてるだけだよ。少し違うのも混じってるかもしれないけど」

落した袋を慌てて拾い上げきっちりと風をして腰にと括り付け。
もし依頼と違う物でもそれなりに引き取ってはくれるだろうと鑑定はギルドに丸投げスタイルで。

「こんな場所で帰りなら討伐当たり?んー…嬉しいけどやめとく。
でも途中まで一緒にいくならいいよ?」

誘いに少し悩んで首を左右に振り、それでも途中までは道は一緒だろうと考えてそれでどう?と提案し、木の影のバルディッシュを背に背負う。

フォーク > 「こんな男前の山賊がいるもんかよ!」

ちょっと自分を美化しすぎているのは言うまでもない。
少女もギルドマークの付いた鉄板を見せてきた。初対面だがお仲間なのは間違いないようだ。

「いやあ、ちょいと荷運びさ。こういう仕事は馬持ちの俺には持ってこいでね」

正業である傭兵稼業をする時は、軍馬にもなる立派な黒馬だ。運搬時には馬車用の馬にもなる。

「なんだい、どっかに寄るのかい。じゃあ途中まで一緒に行こうぜ。俺、フォーク。お前さんは?」

口笛を吹く。しばらくすると愛馬ビッグマネー号がやってきた。
ひらり。颯爽と馬に跨がる。人に馴れているので、少女がいても動じることはない。

「随分と立派な武器を持っているな。お前さん、強いのかい?」

なんとなく興味本位。立派な相手の得物に目が行った。

リミア > 「え…男前?あ、うん…そうだね」

ストレートに悪人面と言える筈もなく言葉を濁して返し。

「荷運びは私は護衛しかしないかな。荷物を運ぶ足がないからね。
あ、馬を持ってるなら丁度いい仕事だよね」

冒険者で馬持ちなどあまり聞かないだけにそうなんだと驚いて見てしまう。

「少し麓の集落にね。せっかくこんな所まで来たから観光していくんだ。
それじゃ途中までねフォークっていうんだ、私はリミアだよ」

相手が口笛を吹けばやってくる普通よりも大きく見える馬を見て凄いなと驚き。
慣れた様子で乗る姿に馬も懐いているんだと見た目によらないんだと失礼な事を考えて。

「これ?これは冒険者になった時からの相棒だから。
強さはそれなりだよ」

単体での討伐はまれに受けはするが殆どは臨時のチームで活動するためにどうなんだろうと首を傾げて。

フォーク > 「観光かぁ……いいなあ」

少女が楽しそうなことを言い出した。
男は顎に手を当てて、うーんと唸る。そしてポンと手を鳴らそう。

「面白い!俺も付き合おう」

と、少女の観光に(厚かましくも)付き合うことを決めるのである。
どうせ街に戻った所でギルドに報告をするだけだ。それは街に戻ってからでいい。

「よーし、リミア。行き先が変わったぜ、お前さんの望む方向へ行ってやる」

だから乗れよ、と言っているのである。
この男、万事がこんな風任せな調子なのだ。ある意味冒険者向きとも言えるし、冒険者には向いていないとも言える。
テキトーな男なのだ。

「つまり腕前に自信ありって奴なんだな。俺も腕に自信ありなんだ」

太い腕を見せる。上手にぶち当てれば、丸太くらいならへし折れてしまう太い腕だ。

リミア > 「仕事の後の楽しみだよ。観光してお酒飲んでぐっすりできれば最高だよ」

初めての採取は無事に終わるかどうかわからないが、どうせなら観光しようと決めていると。
何か考えるように唸るのを見上げ、手を打つ姿に何か思いついたのかと思えば。

「え、別にいいけど…?」

別に止める事もなく少しどう言っていいかわからないという様子で頷き。
荷運びって早く報告しないでいいのかなと。

「ん、それはフォークが決めた事だから私は何も言わないけどさ」

悪人顔なのにお調子者なのかなと思ってしまい。
なんだかよくわからない大きな人という印象で締めくくってしまう。
ただ、付き合うというのならまあいいかと思う事にして馬の後ろに飛び乗って。

「それなりにね。それで稼いでる訳だから。
フォークは見ればわかるよ。だってどっちかというと傭兵みたいだし」

その太い腕を見れば冒険者ではなく傭兵と思ってしまうと笑って

フォーク > 「よし、承諾したな?」

同行を許可しましたね、と強く確認するのである。
この男、奇妙奇怪な性分なのだが初対面である彼女にはその奇天烈さがわかるわけもないだろう。

「ご名答。俺は傭兵さ……冒険者ギルドは副業と思ってくれ」

少女を背に乗せて、ビッグマネー号は歩き出す。
男はお調子者なのだ。それに何よりも――

「こんな美人を引っかけられたのが、俺にとってはウルトラハッピー」

美人を見るとさらに饒舌&軽薄になっていくのである。
馬は緩やかな足取りで山を下りていく。
時折、男は馬の脚をさらにゆったりとさせ、美しい自然や珍しい動物を少女に見せようとする。

「あの木にぶら下がっている動物はな、腹に袋を持っていて、その中に子供を入れて育てるんだ」

などと、知っている動物を見つけたらそれに関する雑学を披露するのであった。

リミア > 「言っとくけど同行だけだよ?」

相手の様子に早まったかなと早くも後悔をしてしまい。
なんというか見た目に反してノリと勢いが凄いのかなと。

「傭兵で冒険者なんだ。戦争がない時は冒険者メインって感じ?」

それを聞けば冒険者らしくない雰囲気、そして馬を持っている事にも納得をする。

「引っ掛けたって…わざわざあそこでナンパ!?それって随分とあれだよね…?」

まさかの言葉に呆れるよりも驚いてしまい。
今更降りるとも言えずに馬に揺られる。
しかしながら普段よりも高い視線で景色を見る新鮮さ、時折にゆっくりとなる馬の歩みに周囲を眺め。

「確か子供が襲われないようにするんだったよね?あれってこんな所にもいるんだ」

雑学を披露され、何気に見はするが知らない動物などを珍しそうに見て

フォーク > 「そういうこと。戦に参加する方が儲かるからな……。冒険者ギルドの仕事は数は多いんだが当たり外れが多くてどうしてもな」

戦場は常に命の危険が付きまとっている。だからこそ実入りは大きい。
冒険者ギルドの仕事は依頼数は多いが、高額報酬はベテラン冒険者に回されてしまうことが多い。
男のような無名の冒険者には荷物の運搬といった仕事しか回ってこないのである。

「ん、呆れたかい? ははは、いいじゃねえの。お前さんみたいな別嬪、見過ごしたら後悔するもんな……嫌かい?」

刹那的な生き方をしてきた。いつ死んでもおかしくない生き方をしてきた。
だからこそ、良い女を見つけたらとりあえず誘ってみるのである。
そういう男は嫌か、と問うた。

「ところで麓村に行くのはいいが、泊まる場所とかは決めているのかい?」

宿屋に泊まるのなら、もちろん男も同じ宿にしようとする腹づもりである。

リミア > 「私は幾らも受けられても戦争にかかわりたくないからパスかな。
ギルドでそれなりに稼いでれば困らないしね」

大金には興味はなくはないが流石に戦場に行ってまでという気持ちはなく。
中堅ぐらいに名前が売れている自分にはギルドでそこそこな仕事を受けるのが一番いいと笑って。

「あんな場所でナンパする事にはね。
私より別嬪な子なんて街にたくさんいるんじゃない?嫌って事はないけど…」

傭兵は冒険者よりも命の危険があるのは知っている。
なので相手の行動をどうというつもりは全くなく。
嫌ではないが場所が場所だったのでとやや表現に困り。

「決めてるっていうか…知り合いに頼むつもりだよ。
何度かお世話になってる人が住んでるから」

宿は勿論ある村だがどうせなら安く上げようと知り合いに頼むつもりだと告げて。

フォーク > 「へへ、お前さん随分と頑張っているみたいだな。尊敬するぜ」

男には地道さというか、コツコツという概念がない。一攫千金が大好きなのだ。
なので傭兵・冒険者以外にも様々な仕事に手を出してはいるのだが『大当たり』は滅多にやってこない。
根っからトラブルを巻き起こしやすい体質なので、やはり戦場が一番輝ける場所なのだ。

「いやあ、お前さんは俺が知ってる別嬪さんたちに負けず劣らずだぜ。それにいい尻をしている」

少女を初めてみた時、まず目が行ったのが尻である。

「嫌じゃないならよかった。さすがにあそこで押し倒すのはスマートじゃないしな。物事には順序がある」

割と不穏なことを言うのである。
少女の宿泊先について聞けば

「さすがに俺も一緒に……ってわけにはいけないもんな。俺は宿を探すことにするよ」

いくらなんでもそこまで図々しくは無いのである。宿がなくても道具屋で野営のテントを買えばいいし。

リミア > 「安全に出来るコトヲコツコツとがモットーだから。
フォークみたいに戦場では私には向かないしね」

少女には相手のような大胆さはなく、むしろそう言う美味しい話はまず疑ってかかる癖があり。
なので上を目指さずの中堅の冒険者としてはそれなりに名が売れている。
浮ければ確実にしてくれるという評判が少しの自慢であり。

「それは嬉しいかな…ってどこを褒めてるのさ」

その言葉に呆れてつい思い切り相手の脇腹を抓りにかかり。

「それをやったらただの強姦魔。命一杯抵抗してぶった切ってるよ」

不穏な言葉に今からでも離れた方がいいかなと警戒心が一気に跳ね上がり。

「私は知り合いだから頼めるけど知らない人は無理に決まってるよ。
宿は一件しかないからすぐにわかると思う」

向かう村はそれほど大きいとも言えずに直ぐに見つかるはずと教えて