2016/03/01 のログ
エリミア > 木々の隙間から差し込む月明かりだけが照らす中、2頭立ての荷馬車が車輪を軋ませながら夜道を照らすランタンを揺らしてひた走っていく。
その御者席には旅装のフードつきローブを羽織った小柄な少女が見た目に反して力強い手綱捌きで馬を操る。

「ね~、お馬さんたち、もうちょっと揺らさないで走れないかな~…」

眠たげにも見える半眼の少女は、車輪の軋みにも負けそうな気の抜けた声でただ走らされている馬車馬に語り掛けていく。

「はぁ~…お腹へった…」

揺れる御者席にすでにお尻をぶつけて何度目か、ともかく輸送を頼まれた荷物を運ばなければ報酬はもらえないため只管馬車を走らせる。
一人で依頼を受けた目的でもある魔物の襲撃はないせいで、少女の飢えは全く満たされず、腹の虫がその薄く割れた腹筋から鳴きだして、木の根を削る車輪の音にかき消された。

エリミア > 「せめてこう、絨毯とかあれば…んっ!?どーっ!どーっ!」

ガタガタと揺れる馬車の御者席に文句を零していた少女は、不意に大きく馬車が揺れたときに聞こえた木が割れるような乾いた音に気が付いて、直後に何か削るような音を立て始める馬車を、手綱を使って止めようとする。

「まっさかぁ、そんなはず…」

しばらくして止まった馬車の御者席はこんなに右に傾いていたかという違和感を無視しながら、一縷の望みをかけて御者席から軽々と飛び降りると、無残にも右の車輪が破損している様子が少女の眼に飛び込んでくる。

「あ、あは、あははは……どうしよう」

乾いた笑いしか出せなくなった少女は、引きつった表情のままやるせなく笑い続けて、しばらくしてがっくりと肩を落としながらため息を零す。

ご案内:「九頭龍山脈 山道」にハーディさんが現れました。
ハーディ > ふと、月光が何かに遮られ、木々がざわりと揺らめく。
それはおぼろ雲のようでもあったが、注意してみれば四角い影を落としているのが判るだろう。

「やれやれ、さっさと帰って酒でもひっかけたいところだな、今夜は冷える。……うん?」

それは虚空に浮かぶ絨毯のようであった。上に乗ったものがもぞりと首を伸ばして何かをつぶやき、下をのぞき込む。

「こんなところに動かない馬車か。夜盗でも群がって来たら危ないだろうに。
馬は生きてるようだし……おい、誰かいるのか」

エリミア > 「引きずっていったりとかすれば…っ!四角い、影?」

どうにもならない車輪の破損にしばらく右往左往しながら何をするでもなく歩き回っていた少女は、不意に月明かりが遮られると警戒するように身を固くして荷台に置いたグレイヴを取ろうとして、それがまるで空に四角いものが影を落としているように見えて首を傾げた。

「なんだろうあれ…うわっ、人が乗ってる!?おーい、こっちこっち!」

空を見上げると、何かキラキラとした布が撓むでもなく四角く広がっている様子には、不思議そうな表情を少女は浮かべる。
しかし、そこから誰かが顔を出して、しかもこちらへと声をかけてくれば、少女はローブのフードを脱ぎながらその場で手を大きく振って声をあげた。

ハーディ > 「なんだ、人が居たのか、どうにも見えづらいな」

褐色だからって見えなかったわけではないと思う。たぶん。
乗り手が何かを唱え、絨毯の端を持ち上げると、
それはふわりふわりと左右に揺れながら、木の葉が舞い落ちるようにゆっくりと降りてきた。
ちょうど馬車と地面の間の高さ、馬車のすぐ近くまで高度を下げると、砂漠に住む民族風の男がスタッと飛び降り、着地する。

「空飛ぶ絨毯は珍しいか?
見たところ、輸送の途中だったようだが、こんな夜更け、こんなところで立ち往生しているとろくな目に合わんぞ」

ターバンを幾重にも巻き、目元を黒の覆面で隠した男は、碧い目を相手に向け、僅かに首をかしげて訊ねた。
その後ろで空中静止する絨毯には商人のものだろうか、幾つかの品物が見えたが月明かりだけでは判別しきれない。

エリミア > 「わ~…すごいなぁ、絨毯が浮いてる!…変な恰好だね」

半眼気味だった少女は、心持ち瞼を見開きながら降りてくる絨毯に目を輝かせながら感嘆する。
そして、降りてきた男の恰好にはローブ下にレオタードしか着てない自分を棚に上げて率直な感想を零した。

「うんうん!初めてみたよ!…あっ!馬車に乗っけた荷物を運ばないといけないのに車輪が壊れちゃったんだ!」

顔立ちもはっきりとしないが、声から男と分かる相手に、少女は絨毯の感想を言いながら、問われた言葉に思い出したように、無残に割れた車輪を指さしながら困り眉で言う。
荷台に積まれているのはいくつもの箱や袋で、外から見ても何が入っているかはわかりづらいことだろう。

ハーディ > 「変な格好だと?」

思わず、男が聞きかえす。表情は分かりづらいが、よく見ると眉間にしわが寄っているのが判るだろう。
ふん、と鼻を鳴らし、少女の格好を頭のてっぺんからつま先まで
じろじろ露骨に眺める。尖り気味の耳、褐色で細身の体型……ダークエルフの類か?

「その言葉、そっくりそのままお返しする。
なんだその恰好は?冷え性になっても知らないぞ」

とは言いかえしてみたものの、この格好ではどこぞの暗殺者とそう変わらないだろう。ぐい、と覆い布を引っ張り剥がせば、彫りの深い赤褐色の精悍な顔つきが現れる。

「ああ、右の車輪が壊れたのか。これはまた、盛大にやらかしたな」

車体をぐるりと見回し、指さされたそこに確かに破損個所を見つけた。荷台は袋や箱ばかりで、それほど興味をひくものは見つけられなかった。
しゃがんで明かりを懐から探しながら、もしかして借り物か?と一応聞いてみる。

「簡易な奴だったら何とかなるだろうが…… あれ、燐寸どこいったっけな……」

エリミア > 「うん、頭に布巻いて、お顔隠して、怪しい人だよ」

服装を貶されたと思ったらしい男が、眉間にしわを寄せながらじろじろと少女の姿を眺めてくると、特に視線は気にならないらしい少女はきょとんとしていた。

「うーん?変かなぁ。身体丈夫だから風邪ひかないもんねっ」

自分の露出の多い服装は、外を歩くには似つかわしいものではないが、そもそも服を着る意味が薄い少女にはよくわからなかった。
が、なんとなく馬鹿にされたと思ったのか小さく舌を出しながら言ってのける。

「そうそう酷いんだよ、馬車指定しといてすぐ壊れるんだもん!」

車体を見回す男が、無残に割れた車輪を眺めて問いかけてくれば、少女は食いつくよく答える。
雑貨商が山の荒道を通るには車輪の消耗した馬車を宛がってしまっただけのことであるが、少女は納得できずにむくれた表情を浮かべていた。

「えっ、もしかして直してくれるの!?お兄さんいい人だね!」

馬車を覗き込むようにしている男の言葉に、少女は急に機嫌を直してスキップしながら相手へと近づいていく。

ハーディ > 「せめて急所くらい守る努力をしたほうがいいと思うが」

まあ、服装については文化の一部だ、ここで争っていてもしょうがない。
不思議そうな顔の少女を眺め、ため息をついてから車輪に向き直る。

「なるほど、ということは、取引相手がやらかしたほうだな。俺なら後でケチつけるね」

何処からか布を巻いた長剣を取り出して、ざくざくと近くの地面を削り始める。

「まあな。ただ直すっていっても無傷にはならない、“森林地帯”だから俺にできることは限られてくるし。あと無償奉仕はやらない主義なんでな、あとで何かしら払ってもらうぞ。
さて、砂の小山一つ。こんなところか」

剣先で何か刻印を描きながら、顔を上げる。

「悪いが、その辺の適当な木切ってきてくれるか?車輪の帯は何とか使えそうだが折れた部分はつけ直すしかない。もちろん時間かければできなくはないだろうが…場所が危険だ。
まあ、量は適当でいい、あとはこっちで何とかする」

エリミア > 「やっぱ鎧とか着た方が自然かな!?でもお金が欲しかったわけじゃないし…」

単に今の服装が楽であったが、一応正体を隠している以上、車輪に向き直る相手にそう食い気味に問いかける。
商人の依頼はついでで本命は「食料」を求めていたため、商人が出す報酬が増えても少女としては旨味がなかった。

「目的地まで走るだけで充分だよ。う、お金取るんだ…あ、後払いとか…?」

修理してくれるらしい男の周りをぴょこぴょこと動きまわりながら、少女は何度も頷きながら嬉しそうに笑っていたが、商人らしい相手の物言いには一転してもじもじとした煮え切らない態度になる。
要は持ち合わせがないのだ。

「…ん?…んん~?よくわからないけど、木を切ったらいいんだね!」

作る、という部分から修理することは少女にもわかったが、なぜ短剣で地面を掘ったかがよくわからなかった。
それでも要求は単純であったため、少女はグレイヴ片手にすたすたと歩いていくと、少し離れた場所にある人の胴ほどの幹の木に思い切りその刃を打ち付けた。
刃の鋭さと馬鹿力で容易く切り倒した木をずるずると引きずり、男の近くまで持っていく。

「はいお兄さん、持ってきたよ」

ハーディ > 「身なりをちゃんとしておいた方が、少なくとも相手の信頼度は上がると思うがね。それによって良い依頼も入りやすくなる……ま、一個人の体験談だ、気にするな」

やっとのことで灯りをつけると、改めて車輪に向き合う。
鋭い斬撃音と、少し後に樹が倒れる衝撃に何事かと振り返り。少女が大木を軽々と引きずってくるのを見て目を丸くした。

「おおこわ……細身の腕でなんてパワーだ、アンタとは事構えたくないな。
まあいい十分だ。あとは俺の“砂魔術”で砂精にやらせる。……アブラ・ケダブラ(私のいう通りにせよ)……ほれ」

呪文を唱え終わってパチンと指を鳴らすと、小さな砂山からギザギザの刃をもつ灰色の小人が無数に現れ、瞬く間に部品を切りだして、車輪を組み立ていく。
月が一度雲に隠れ、また姿を現したときには、多少不格好ではあるが、少なくとも片道くらいは走破できそうな車輪が、右側に取り付けられていた。

「ああ、くたびれた。早く一息つきたいところだな。
なに、金じゃなくてもいい。そうさな、日雇いの護衛はどうだ。2回目からはちゃんと面倒みるぜ」

手を二回鳴らせば小人は消え、疲れた表情の男が腰を下ろす。片手をかざせば絨毯の上から瓢箪が転げ落ち、手元に収まった。中には液体が入っているようだ。

エリミア > 「なるほど、そういうものなんだね、覚えておくよ」

人らしく繕うための方法は少女にとっても有意義な情報であり、それを忘れないように少女は相手の言葉を反芻するように頷いた。

「一人で護衛するぐらいには覚えはあるよっ。砂、魔術?…へぇ…」

木を運びながらえへんと薄い胸を張る少女は、男の挙動を興味深そうに見ていた。
やがて砂から生まれた人形たちが作業を始めていくのを見た少女は、半眼のままその口角がまるで三日月のように持ち上がる。
魔力を操れる人間は、少女にとっても中々会えない貴重な存在であるのだ。

「お疲れ様!ありがとうね。お兄さん、魔術師だったんだ…護衛してもいいんだけど…私の身体じゃ、ダメ?」

やがて街に向かうには充分な車輪が完成し、少女は座り込む男を労いながら、子供じみていた態度とは少し雰囲気の異なる笑みを浮かべたままだった。
男の提案には頷くも、座る相手の横にすり寄るようにしながら、その褐色の掌で男の胸板を撫でるように触れようとしつつ問いかけてみて。

ハーディ > 「身体で払う、か。いいだろう」

先ほどまでの無邪気な雰囲気とは違い、妖しく誘うような問いかけには、にやりと笑みを浮かべて頷いた。
自分の魔術を見ていた少女の表情が、少しばかり気にはなったが。

「その方法ならばこちらもやりやすいというものだ。
だがここで始めるのもいいが、まずは無事に依頼を終えてからだな。こんな山中じゃ、事の最中に襲撃されても困る」

少女がもたれかかるに任せて、男も相手の腰に手を回しかけて。
ふと、思い出したように問いかける。

「そういえば、まだ名を訊いていなかったな。
俺はハーディ。アンタ、いや、お嬢さんはなんて名だ?」

エリミア > 「えへへ、嬉しいなぁ」

意図が通じて、それを拒まれなかった少女は頬を綻ばせながら笑う。
魔力を持つ相手と交われば、接触を媒介にしてそれだけで魔力を得ることができるのだ。
車輪の修理の費用も兼ねて、空腹も満たされることは少女にとっても万々歳のことである。

「わ、お兄さんも乗り気だねっ。うん、町の安全なベッドの上で、いっぱいしようね?」

もたれかかる相手は拒絶せずにその細腰に腕を回してくると、笑みを浮かべる少女は腰をくねらせながら、褐色の肌に薄らと桜色の火照りを浮かばせていく。
本当ならばここで貪るように魔力を得たかった少女であるが車輪の恩もあり、何より相手が乗り気であるのにわざわざ危ない橋を渡る気もおきなかった。

「お兄さんはハーディていうんだ。私はエリミアだよ。それじゃ、せっかくだから道案内してよ」

今更のようにお互い名乗り合うことになり、少女はニコニコと笑いながら相手から一度身体を離すと、馬車へと向かって御者席に跨っていく。
その後、二人して夜の山道を抜けていったことだろう。

ハーディ > 少女の内心に、ハーディは気づく術を持たない。故にそれはただの欲望の応酬であって、それ以上のメリットが相手にあるとは露知らず。
口ずさむように、その名をゆっくりと繰り返す。

「エリミア。覚えておこう。
さて、そうと決まれば仕事を片づけるぞ」

長剣を仕舞うとき、まるで注意を促すように、刀身にわずかな煌めきが奔ったが、ハーディがそれに気づいた様子はない。
少女──エリミアが馬車へと戻ると、こちらも絨毯に飛び乗り、再び上昇させる。
ただし今度は、馬車をできるだけ緩やかな道へ先導するように。馬に追いつかれないギリギリの速度と間隔で、器用に絨毯を操り、宙を駆けていった。

ご案内:「九頭龍山脈 山道」からエリミアさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山道」からハーディさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中の温泉」にディン・タウロスさんが現れました。
ディン・タウロス > 山賊の良く出る山中を周りを気にしつつ、身体のあちらこちらを血で染めながらもそれにしてはしっかりとした足取りで歩いて。
確かこちらにあったはずと温泉を探して、お目当ての温泉を見つければほっとしたように立ち止まり。

「あったあった、確かこっちにあるって思ってたけど、当たってて良かったよ。
まぁ、こいつに探しに行かせても良かったんだが…誰かに見つかって殺されても困るからな」

バックラーを外して腰に掛けていた剣を置いて、装備を次々に外していきながら、指先だけを触手へと変えて。
感覚を共有しておけば周りの様子も分かるし、離れても位置が分かる。
それでも、万が一感覚を共有しているときに殺されればかなり痛いので、それは避けたいと自分の脚で歩いていた。

「しかし、思ったよりも山賊どもの数がいたな…5人くらいだって聞いてたのに、10人以上いた気がしたんだが…。
まぁ、その分だけ実入りも良かったし、文句を言うことでもないか。
触手の実戦経験もつめたんだしな…やっぱり、使い勝手が良くなってるわ」

温泉に来る前に強襲をかけた山賊のアジト、事前情報よりも人数が多かったそれも洞窟の中という狭い空間では触手達のいい餌食で。
身体のあちらこちらについている血はもちろん、山賊達のもので。

「取りあえず、血の匂いをさせてると獣を呼び寄せかねないからな…まぁ、来たところで触手の餌になるだけなんだが。
血塗れっていうのも外聞が悪いし、綺麗にしないとな」

呟きながら全裸になり、温泉の外で湯を身体にかけて血を流し、装備に着いた血もある程度流して。
それから湯へと全身を浸けてリラックスしたように、のんびりと鼻歌まじりに入浴を楽しみだす。

ディン・タウロス > 「ふぅ…疲れた身体に湯が良く染みる…人間の状態で歩くときちんと脚に疲れが来るんだよな…不思議なもんだ。
触手にすると…疲れる、って感覚がほとんどなくなるのにな。
触手になってから、またもとに戻したらやっぱり疲れが残ってるし、疲れが取れるまで触手でいるといいのかも知れないな。
まぁ、そうしたらいつ疲れが取れるかとか分からなくなりそうだが」

水中で腰から下を触手へと変えていき、水中で自由に触手達を動かせば先ほどまで感じていた脚の疲れは消えて。
それからまた脚に戻すとやはり疲れは感じていて、どうなっているのかわが身の事ながら不思議だと首を傾げて。
それから首から下を全て触手に変えて、頭が湯の中に沈まないように気を付けて触手で支えて。
触手の色を水のようにすれば水の中ではほとんど見えなくなることを確認していく。

「こうすると見えなくなるからな、水中で奇襲を仕掛けるのには丁度いいんだが、水中で待ち伏せをするなんてますます人間辞めてるって感じがするな。
まぁ、こうなったらもう人間じゃなくなってると言われても仕方ないんだが」

今の見た目は温泉に生首が浮かんで独り言を言っている状態で、何も知らずに目撃すれば魔物扱いされるだろうなと苦笑いをして。
それでも、首から下を触手にして湯の中をゆらゆらと触手達をなびかせていると心地よく、人間の姿はとらずにそのままでいて。

ディン・タウロス > 「こんな山賊だらけの山の中で裸になって温泉に入るなんて、こうなる前には想像も出来なかったな。
ふふ、なんとなくだがお得な気分だ、普通の山賊程度じゃ俺をどうこうするなんて無理だしな。
それでも、魔王とかあそこまでの強者には勝てないんだろうな…あれは別格すぎる」

今までにであったことのある魔王を思い出し、あの力の前では自分などそれこそミミズのように蹂躙されるだろう。
死なない為の方法はあるものの、勝てないのはまず間違いなく…調子に乗りすぎれば身を滅ぼすなと呟いて。

「それにしてもなんだな…この状態だと汗すらかかないんだな…結構長く浸かっててものぼせる感じはしないし…暖かくて気持ちいいのは間違いないんだが」

これも触手の身体になったおかげかと、触手の先端を手のひらの形に変えて顔をお湯で洗い、ふーっと気持ち良さそうに息を吐いて。
再び手を触手に戻して湯の中を揺蕩い、まるでくらげがゆらゆらと揺蕩うように温泉を漂って。

ディン・タウロス > 「…このままのんびりと揺蕩っているのも悪くないんだが、流石にそろそろ上がらないと茹蛸…茹で触手になりかねないな。
まぁ、温泉で長時間加熱されたからってどうこうなるとは思えないが…ふやけはしそうな気がするし」

水を吸った触手が膨れてぶよぶよになって、元の姿に戻ったら自分までぶよぶよになってたら怖いなと笑いながら、触手から人間の身体へと戻っていって。

「さて、流石に街までは人間の姿じゃないとまずいしな…面倒だが、元に戻って帰るとするか」

元の人間の身体へと身体を戻していき、温泉から出て濡れた身体を拭いていって。
それから着替えを出して血で汚れた服は袋に突っ込み、装備をつけ直していって。

「さて、気合を入れて街まで歩いて帰るとするか…今度、馬とか買おうかな…長距離を移動するのには馬はいるしな」

呟いて歩きだし、幸運にも途中で山賊に会うこともなく…山を下りて街へと戻っていった。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中の温泉」からディン・タウロスさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にディン・タウロスさんが現れました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からディン・タウロスさんが去りました。