2016/01/30 のログ
ご案内:「ドラゴンズネスト」にフィリオソリスさんが現れました。
ご案内:「ドラゴンズネスト」にキルド・ニッヒドさんが現れました。
フィリオソリス > 「うむ良いできじゃ.ほれ.代金じゃ」

できあがった門扉を眺め満足そうにうなずく少女は工具を担ぎ顎ひげを蓄えた男に金貨の詰まった袋を渡す.

門からはぞろぞろと職人の男たちが現れとめどない.
そのことからもこの工事が大変大がかりだったのだとわかるだろう.

このような場所をこれだけの規模で工事するなど変人のすることだろうが職人たちにとっては金払いが全てである.

その点この依頼主である少女は大変に気前が良かった.

『へぇ.たしかに…またごひいきにしてくだせぇ.嬢さんさんの頼みならいつでもきまさぁ』

そう言って会釈して男たちは去って行った.

あとには豪華な門扉を備えた洞窟の入口に少女一人が残る形となった.

キルド・ニッヒド > せこせこと帰る者共のウチ。
一人の少年が、ぽつんっと残っていた。なんとも不思議そうな顔をして。
仕事はちゃんとしていたが――ずっと不思議そうにしていた少年。
じぃっと門を見ながら、ぽつりと……

「……なんでわざわざ、洞窟を工事するんだ?」

だれも口にしなかった疑問を、ずれた少年は口にしてしまう

フィリオソリス > 「うん?なんじゃ小僧.帰らんのか?」

自分の方が背丈が小さいにもかかわらずそうのたまう.

「―――まぁよい.
 なに,住まいは綺麗な方がいいじゃろう?」

洞窟の中は舗装され.あるところは自然の趣をうまく引き出しつつ
あるところは柱や彫刻,タイル状の壁面などをあしらい荘厳な形に
どこも小さな明かりが掲げられなんというか いかにもダンジョン といったようであった.

「よっ」

巻き取り式の開閉装置があるにもかかわらず完全に無視して
そのまま素出で巨大な門扉を開閉する.

キルド・ニッヒド >  
「……少し気になったから。中とか。担当した場所以外はわからないし」

客、だというのに口調はぶっきらぼう。
しかし、今の物言いだと――

「……住まい? こんなところに住んでるのか?」

自分はずれているともつゆ知らず。

「……変わってるね、あんた」

ごごごっと開く扉。はて、しかしあれはそう簡単にあかなかったはずだが。
主に、重量的な意味と仕掛け的な意味で。
くわしいことはわからないが――

口を逆三角。栗のようにして、ぇーっという表情をしてみせた

フィリオソリス > 「(無礼な奴じゃのう……)」

などと思う.
視れば顔に出てるだろう.口がへの字型に曲がっている.

「ほれ.仕事は終わりじゃろう.帰った帰った」

しっしと手を返す.

むろん自分はそのまま洞窟の中へと入っていこうとするだろう.

キルド・ニッヒド > ……なにか間違えただろうか。
しかし機嫌が悪いことは、分かった。
何がまずかったのだろうと思考する。頭が回るのは普通。
何かに行き当たったように。

「……失礼しました、客サマ。頭が良くなくなくて、いろいろ未熟で。仕事は終わりますたが、学ぶことが残てます。是非中身を見せてもらったり、せつめいしてしてほしかたりするですが」

言葉遣いが怪しい。
慌てて、追いかけてくる。なにも警戒もせず、駆け足で

フィリオソリス > 「師にならえばよかろうに…….まぁ見て盗めとも言うしのう.
 勤勉なのは関心じゃ.
 よかろう.中を見てまわることを許す.」

職人の誰かの弟子か何かと思ったようだ.
口はへの字のままだがなにぶん改築が終わったばかりである
いつもより機嫌が良かったことも大きいだろう.

「だが言っておくが我は芸術には疎いぞ,聞いて答えがあると思うな?
 それにある程度モンスターの類いも払ったが出くわしても知らんのでそのつもりでな」

ごりごりと門扉を閉ざす.

キルド・ニッヒド >  
「ゆるされます、ありがとござます」

ぺこりと、頭を下げる――がやっぱり言葉は拙い。
そして扉が閉められたのを視て。開け方どうするんだっけと、一瞬考えたが。
あとでどうにかしようと、後回しにした。

「げいじゅつ? ……げいじゅつってなに?」

首を傾げて、尋ねて。モンスターと聞けば。

「……モンスターもでるですが。しかし、きゃくさまのいえのものならなにもしてこないんじゃ?」

フィリオソリス > 「ヤツらは勝手に住み着いておるだけじゃ.広いからのう.
 しかし芸術とは何か,か……哲学じゃのう」

ひたひたと歩きながら同じく首を傾げてしまった.

「んーむ.魅せるために作られた人工物……かのう」

キルド・ニッヒド >  
「……それ、気分、わるくならない?」

自分だけのスペースが汚されるのは心地よくないはずだと思いつつ、ゆっくりぺたぺたと歩いて追いかける。
まるで従者のようだ。

「――魅せる。ってことは、あん――アナタも、見て気分高揚した?」

こほんっと言い直して何度も首を傾げながら

フィリオソリス > 「美的感覚という物は近しいのかもしれんのう.不思議なものじゃ」

彼女が龍だと知らなければ何を言っているのかと思うかもしれない.
あんに人ではないと言っているのだから.

「しかし気分か.そういうものだと思っておったかろうの・・・ふむ.
 自称勇者などが来たときはそれなりに怒りもこみ上げてきたものだが
 違いか…ふむ……」

足は止めないがどんどん頭が傾く.どんどんと思考の深みにはまっていく.
何とも禅問答のようであった.

キルド・ニッヒド >  
「……んん? なんで、ふしぎ?」

思ったことは口に出してしまうタイプなのだろう。
大分、一生懸命考えていたようだが結局答えは出なかったようで。
聞くのが一番というように口にする。

「……じしょう、ゆうしゃ? 怒り。おこったの? 今は違うの?」

一緒の状態になりつつ、結局質問は止まらず

フィリオソリス > 「うん?違う者同士であるのに同じものを視て同じ情動が引き起こされるというのは不思議ではないか?」

端的に答える.答えてはいるが伝える気は無いのだろう.
自分でもわかっていないだけかもしれない.

「かかっ.そやつは今頃モンスターの養分よ」

思い出の方に思考が動いたのだろう
疑問はそれとして置いておいて質問に答える.

「しかし小僧.貴様質問ばかりで周りを全然見ていないではないか」

首を傾げるキルドになげかける.
自分より一回りも大きいこの少年はなぜに未だに自分のまわりをちょろちょろと歩いているのか

キルド・ニッヒド > 「???」

また逆三角。どうやら納得いかないように首を傾げて――

「なんだ、食べられたのか。勇者ってほどじゃなかったのかな」

ふむふむと、頷いて、ぽんっと手を打つ。

「だからジショウ。なるほど」

問いかければ、あぁ、そういえば。

「いろんなことおしえてくれるから、つい。でもだんだん、ここのことわかってきた」

口元で笑みを作り。

「ありがとおきゃくさま」

フィリオソリス > 「大言壮語甚だしいわ.
 そういう輩は良くくるのじゃ」

思い出したのか割とうっとうしそうな目をしている.

「ふん.礼を言われるほどのことでもない.今日は気分も良いしの」

ぷいっとそっぽをむく.その表情はうかがい知れない.

キルド・ニッヒド >  
「……勇者、きらい?」

首をさらにかしげて、いろいろ考えて熟考してから
また聞くことを選択したようで。そっぽを向いてしまったのをみれば
その首はまたぎゃくにこてんっと。

「――それじゃ、またきていろいろ質問してもいい?」

フィリオソリス > 「そういう奴はたいてい不遜じゃからな」

自分を棚に上げて言う.

「ここが何だかまだ気付いておらんのか…まあ良い」

小さくぽつりとつぶやいて続ける.

「勝手にするがよい.
 しかし大丈夫か?それなりに深いところまで来たが」

気付けば三階層も半ばである.
モンスターたちは彼女の近くにいれば近寄ってくることはないが
彼女が離れればわからない.
それに元来このダンジョンは迷宮である.
帰り道はわかるのだろうか?

もっとも律儀に送り返してやる気も無いのだが.

キルド・ニッヒド >  
「――おきゃくさま、おこるところなんとなく想像できた」

次から気をつけなきゃな、なんて思いつつ。
そんな言葉を聞けば――

「……しんぱいしてくれるの? おきゃくさま、やさしいね。だいじょぶ、あたまよくなけど、あしだけには、じし、ある。でももしころんじゃったら、たいへんかも」

どんっと足を叩いてみせた。
しかし、モンスターの事を思い出したのか顔はちょっと青い

フィリオソリス > 「ふむ.そうか.がんばるが良い」

助ける気は無い.
なにせ最初にモンスターに出くわしても知らないと警告したのだから.

ぱたりと立ち止まり温泉に入ってから寝室に戻ろうかなどと思案する.
温泉には相当力を入れて改築しており王城の浴場にも引けを取らないと自負している.

キルド・ニッヒド >  
「うん、がんばる。ありがと」

笑顔、のつもり。目元はしっかりと緩んでる。
走ろうかと思ったとき、思い出したように

「おきゃくさ、おなまえ、おしえて!」

フィリオソリス > 「我か.我はフィリオソリスじゃ」

普段はホイホイ名を教えることもないのだが機嫌が良いとこの辺りも適当である.

「ではな小僧.また会えるかは知らんが」

などと不吉なことを言う.
帰ろうとするのならば見送ることだろう.

キルド・ニッヒド > 「うん、また!」

ぐっと運動をしてから走る。ニンゲンにしては、早い。だが狼とかその辺りなら追いつかれる程度。

「また、くるからー!」

なんて言いながら、どんどん姿は小さくなって……

フィリオソリス > 手を振ることもなく仁王立ちで見送る.

さて.自分は風呂に入ってから戻るとしよう.
少年が見えないほど遠ざかると自分は少年とは違う道へと歩き出した.

ご案内:「ドラゴンズネスト」からキルド・ニッヒドさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンズネスト」からフィリオソリスさんが去りました。