2015/12/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」にエデルガルトさんが現れました。
■エデルガルト > 山の中には、林の間を縫うように細い道が続いている。秋も深まり盛りを過ぎた紅葉が燃えるような彩りを添える中、白い貫頭衣を着た細身の女が、さくりさくりと落ち葉を踏む裸足の音を立てながらゆっくり歩いていた。
細い蔦がうねり絡まった様な髪に赤い花を簪のように咲かせた女は、山の中にもかかわらず、まるで目的などないかのように、ゆったりした足取りで歩いていた。
「ここは…どこ、だろう?」
たしか、九頭龍山脈、といっていたような気がする。温泉が賑わっている、と聞いた気がするのだけれど、なにか間違っただろうか、小さく首をかしげて足をとめれば、さぁ、っと風に揺れて炎の様相を見せる紅葉に、ほう、と目を細めて見入ってしまって…
「おい、待ちな」
そこへ横合いから男の野太い声がかかる。林の間から、如何にも、という格好をした山賊が3人、蛮刀を手にあらわれた。女はその意味を訝しむように、こくり、と首をかしげて、男の言葉を待とうか。
■エデルガルト > 「んぅ…?待ってる、けど」
何?と言いたげに、危機感なく首をかしげる女に、男は「見ろよ、女だぜ」と下卑た声をあげる。
ほっそりとした女の身体だが、貫頭衣を押し上げる身体のラインは意外に豊かなことが知れるだろうか。視線を感じて居心地悪そうに、胸に手を当てて…。
「なんだか、視線が、気持ち、悪い、よ?」
本人にその意図は全くないが、挑発にもとれる言葉に、男が激昂して近づいてくる。
がし、っとその細い肩を掴まれれば、んぐ、と痛がるように眉間に皺を寄せて。
「痛い…暴力、反対、あまり、よくない、よ?」
男達は気がついただろうか、徐々にその女のまわりに立ちこめる甘い薫りが強くなっていっていて。
■エデルガルト > やがて咽せるほどに甘い薫りが強くなる頃には、男達は焦点の合わない瞳で宙をみながら、座り込んでしまっていた。
「だから、言ったのに…。あ、そうだ、思い出した、温泉、だった。」
そうだ、温泉を探しに来たのだった。この辺りには最近になって豊かな源泉がわき出したと聞いたのだ。
女は、あいかわらずのふわふわとした足取りで、林の間に続く道を歩き出していって…。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からエデルガルトさんが去りました。