2015/11/07 のログ
ツバキ > 男は問いかけに答えない、代わりに視線を向けた相手からその答えが返ってきた。
言葉に何も感じない、つまり言っている事は本音だろう。

「ふうん?治安維持?…この人ってやっぱり悪い人だったのね?」

いきなり問答無用で襲ってきたのだ、良い人間である訳はないと思う。
もっとも、この地がそもそもそういう場所である可能性もあったから、そうとは限らない。
でも今の言葉を聞けば、やっぱり合ってたんだと納得する。
ただの見物客なら気にする事はない、少女は男へと向き直った。
視線が戻される少女を目にした男は、もう反抗する気力も失ったのか、何も言わない。

「で、貴方達の食料は?」

二度目、恐怖に口が利けなくなったのか、言うつもりがないのかは分からない。
ふうっ、と短く息をつく少女。
やれやれといった感じに肩を竦めて背を伸ばすと…ぱちんっと指を鳴らす。

それに合わせたようにばぢっ!と男の体中に激しい電流が走った。
ゆっくりと力を失った男の体が地面へと転がる。

「私に三度目はないの、残念ね?」

ナルラ > そのまま少女の使う術に興味を示しながら見物を続けている
魔術とは異なる系統の術、能力である可能性はいなめないが
術であるのなら体得することも可能であろう。

「食料? 腹でも減っているのか?」

盗賊の男が激しく震えるように見え、そのまま倒れるのが見えた。

「オーラを、変質? 雷撃に?」

そう見ながら彼女の使う術を自己分析しながら、見続けている。

ツバキ > 仕方ない、といった感じに今度は新しく現れた男性へと視線を向ける。
なんだかさっきの男達とは違い、身形は良さそうだ。

「ううん、まだお腹は減ってないの。
でも、次に食料が手に入る場所が分からないのよ。
王都ってところに向かってるんだけど、今はどの辺り?
もうすぐで着くの?」

さっきまでの形だけのような笑顔とは違い、歳相応の少女のような雰囲気を漂わせる笑顔を見せる。
ごそごそと懐から一枚の紙を取り出し、男性へと向ける。
そこには港湾都市から王都までの位置を記した大雑把な地図が描いてあった。

己の使った力が分析されているようだが、それは気にしてないらしい。

ナルラ > 事が終わったようなので、ゆっくりと少女に近づいていき

「ああ、王都に向かっているのか、なら目的の場所は一緒だ送っていこうか?」

そう言いながら地図を受け取り、ざっと見る。彼女はダイラスから海沿いでなく九頭竜山脈へやってきようで。

「港から来て、こっちは逆方向だ……お前は異邦人か?」

身なりなどを見れば、この国の周辺の者には見えない、時々みかける東方の者かもしれぬが

「時期に天馬がそろそろこちらに来る頃だ、直行便で今日中には到着できるがどうする?」

そう尋ねながら、地図を渡し返す。

ツバキ > 近付いてきた男性からの申し出、こちらにとってはありがたい内容だった。
そして、逆方向に進んでいた事も伝えられる。
あれ?といった感じに首を傾げ、戻ってくる地図をもう一度見た。
…やはり聞いて描いただけの地図では頼りにならない、そう思う少女であった。

「そう、つい先日に船でこの国に来たの、ちょっとした用事があってね?」

さすがに、この国の情報収集に来ました、とは言えない。
その辺りの詳しい部分は省き、手短に答える。

「天馬?よく分からないけど、今日中に着けるのならお願いしたいかも
それにしても…この国って本当に人外が多いのね、なんだか不思議な感じ」

懐へと地図をしまいながら、それではそれでお願いします、と頭をぺこりと下げる。
下げた頭を戻しながら、ふと思った事をぽつりと呟く。
この国についてから、もう何度目か感じる人間以外の存在に感じる感覚だ。
…もっとも、ちゃんとした人間か、そうでないかの二分しか出来ない大雑把な感覚ではあるが。

ナルラ > 「なにこちらとしては、帰りのついでだ……少し話し相手になってもらえればなお結構」

しばらくすれば西側から黒い飛行物が飛んで来る、それはゆっくりと二人の元へと降りてくる。

翼の生えた馬、ペガサス、天馬である。

「なに、様々なものが集まる、それゆえに『まれびとの国』とも呼ばれているな。 自己紹介が遅れた。 我はナルラ、なナルラ・ホーティ・カルネテルだ」

そう自己紹介を済ませれば、少女に手を差し伸べる。
彼女が手を伸ばすのなら、それをつかみ、己の後ろに乗せるだろう。

「さて、一つ聞くが、我は人間とは違うのか? 生まれてこの方人間であるとは思っているのだが」

先日の竜との戦いから、己の身に何か変化が起こっているのを感じていた。
毒などが効かず、常人なら肺が焼けてしまう高温な場所でも平然といられた、強力な加護がその身に宿り、人間の枠からはみ出たような。

彼女にそれを見分ける眼力があるのなら、恐らくそうなのだろう。
だとしたら何になってしまったのだろうか

ツバキ > 「話し相手?あんまり面白くない話ばっかりだろうけど、それでも良いならね」

相手から見て他国となる自分の国の話なら少しはマシだろうか?
とりあえず、聞いてもつまらないだろう船旅の話は止めようと考えている。
と、近付いてくる天馬。
それを見れば、ああ、なるほど天馬ね、と納得した。

「なるほどね、ちゃんとした話を聞いてなかったから助かるかも。
ん、名乗られて返さないのは悪いよね…私はツバキだよ」

手を差し伸べられれば、その手を取って後ろへと乗るだろう。
馬は乗った事があるからここまでは良いが…その後がどうなるはか分からない。

「うーん、なんて言ったら良いのかな…なんとなく感じるものが違うの。
細かく説明しろって言われても、そんな感じだから勘弁してね?」

困ったような表情を浮かべ、指先で頬を掻く。
実際に、本当にそれだけの差でしか分からないのだ。
それが良いものなのか、悪いものなのか…は別として。

ナルラ > 「先ほどの術とかな、マナではなくオーラで使用していたような感じがするが」

そう言いながら彼女を己の後ろにのせ、しっかり捕まるように言えば天馬の手綱を握る

「ツバキか、よろしくな……」

そのまま天馬は翼を羽ばたかせ宙を翔けていく。
空を飛べば一直線の距離、馬上で様々な情報の交換を行うだろう。

その後二人が王都で何があったかは、別のお話で

ツバキ > 「マナ?オーラ?…うーん、そういうのあんまり考えた事がないから分からないな」

使っている大人達を見て、真似たら出来た。
考えるよりも体で覚えるタイプか、どうも説明は苦手である。
男性からの問いに、なんとも答え難そうに…

「こちらこそ、よろしくね?ナルラ」

年齢差や立場の違いなど気にせず呼び捨てである。
気にしないタイプであれば問題は無い、逆だと少々苦労するかもしれない。
問われれば答え、気になった事は問う、到着まで色々と語り合ったのだろう。

ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からナルラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山賊街道/山中」からツバキさんが去りました。