2021/04/09 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 格闘場」にイスルスさんが現れました。
■イスルス > 人と魔物 英雄と龍 殺し合いは常にお決まりなものがある
しかし人間同士があるのに、魔物同士の殺し合いというものを見た者は実は少ないのではないだろうか
狩猟者くらいなものだろうか 殺し合いと捕食の現場を見ることなど
ここはそんな刺激を満たす魔物の格闘場
人外 魔物 超人 人という枠を超えた域
逃げ道の無い深堀された空間が使用され、幅を取るのは席のみ
一階から地下へと抜ける格闘場の空間の中、周りは血と闘争に飢えた
只の抜き差しだけでは飽き足らない者らが掛け金という参加料を支払いながら、声を上げて見下ろす
知恵の無い鬼が棍棒を片手に、飲み込まんとする大きな兜蛙に下半身を喰われながらも、棍棒で頭部を叩く。
大蛙の骨に響かせた ガゴンッ! ガゴンッ! という音を最後に、血を流しながら丸呑みしてみせた兜蛙
しかも、わざわざ口でつっかえのように鬼を挟み、背骨を折り曲げてからという念の入り
それを見つめるイスルスは、メイド服姿という出で立ちのまま参加枠から鉄檻越しに現場を見やった。
「ゴルルッ……」
空っぽの胃を響かせるような、喉から出る唸り
まるで空気の鼓が続くような音と共に、自身の参加をおとなしく待つ
主が参加をしてこいと命じたのは、イスルスの食事に見合うそれと、察しているからか。
スンッと鼻先には様々な種族の匂い
そして席にいる主の匂いと音も、もちろん嗅ぎ分けた。
■イスルス > 殺し合いの深度
肉体の規格
興奮の粘度
血潮の臭気
全てが 全てが 安全な枠から眺める中で、ダイラスの徒を沸かす
諸手を突き上げ、達人の剣戟ではなく魔物の腕力を 老練な足さばきではなく魔物の牙を 赤い血ではなく青い血を
求める者が違う そんな中で、メイド姿の、やや背だけの女が出てきたらどう思うだろうか
決まっている ブーイングだ そんな体格の事柄を求めてきたわけではないと
そんなちっぽけな枠を修めにきたわけじゃないと 相手も同じだった 体を敢えて赤く塗ることで上を示す鬼人
それを見つめる無表情なイスルスの瞳 鬼人は、生き延びる為か 好きで転がり込んできたのか ギラついた目で、こちらを見た
「……。」
両者向かい合う 腰巻 胸当てだけ雌の鬼人 衣装身なりを整え、主へとロングスカートをつまんで一礼して見せるメイド
向かい直れば、闘いのドラムが激しく音を震わせた。
向かってくる赤い肌へ、片手にホールナイフをエプロン裏から引き抜いた、イスルス
両脚裏で叩きつけるような体への着地 筋肉や骨ではなく、その眼へと両腕で突き立てたナイフ
『■■■■■ァァァァァァァァァァァツツツツ!!』
突き刺し、捻りこみ
柔らかい部分を狙った一撃と共に、地面へ倒れ伏させる。
出来事を受け止める、その瞬きの時間が、もう片方の目を抉った
大ぶりなナイフと倍量の柄を持つホールナイフ その円に指をかけ、捻りこませたのならもはや望みはない
鬼の、その脳髄へ ナイフを送り込ませようと、イスルスが拳を固める。
グリップを、上からたたき始めた
一撃目 激しく脳を揺さぶるような震える痛み 鬼人が引き抜こうとするのを、腕は離さない
二撃目 絶叫と共に、イスルス自身へと殴り掛かる様子 頬へ 額へ 鬼人の硬い拳が何度殴ろうが、揺れない黒い瞳
撃たれる拳をチラリと、その黒い瞳が振られると、口元が開く。
ぐぱっ
鋭いギザ歯の並んだ、獣の口
人の顔で持つ口元ではない、その大きく開けられた、鋭い歯列
拳を半ばまで咥え込むようにして、顎の力が指を、甲を、かみ砕く。
ぼ り ん っ
軽快な音が、指の骨が噛み別れたことを示した。
甲が途中から、割かれたことをわからせた
闘技場内映像が、悲鳴と吹き出る血潮で彩られ、歓声が沸く
「…………。」
そして、その赤い指を、ボリッボリッボリッと肉と共に食み、飲み込む音
魔物同士の殺し合いに相応しいやりとり
そして、拳が無くなった鬼が、涙を流す
三撃目 両手でゆっくりと、全身の力をかけて、頭を貫いた。
事柄が終わり、口元から赤を垂らすままに、喉が鳴る。
喰おうというのか その現場に、周りが目を見開く。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2 格闘場」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 「....此処、だね」
そう呟き鉄檻の中を見つめるのは、小柄な体格にキラキラと輝く銀色の髪。
その瞳は血よりも濃い赤色。
いつも彼女が来ている群青色のロングコートは来ておらず、黒いコンバットスーツを来ているのが見えるだろうか。
武器は漆黒の刃に身の丈ほどある無骨なバスターソードのみで、補助用の武器は一切持ってきていなかった。
彼女が参加した理由はたった一つ。"腕試し"ただそれだけのためだとか。
「さて.....行こうか」
メイド服の少女が赤肌の鬼人を捕食しているのを見ると、彼女は口からそう言葉を溢し、鉄檻の中に足を踏み入れるだろうか。
■イスルス > 人の姿のまま、肉を喰らう
魔物のような化け物の姿ではない
測らずとも、雌としては人型では器量よく見える
唯一その底なしのような“鮫の瞳”を除いて
周りが、捕食するメイドに、人外に、何もできない
時間が過ぎようとしたとき、新たな敵対者が増えたことを知らせたのは、観客席にいる主の声
「―――グロロロッ……。」
喰いかけとなったそれを放置するまま、口元の赤
それを懐から出したハンケチで拭う
目の前の相手はバスタードソード一本
そして、この闘技場に投入されている以上、人外 その角が並ぶ片側が物語っていた
イスルスが、喉を鳴らし、やや毛色が違う相手に、体からゆっくりと煙を漂わせる。
唐突な参入 唐突な食事の邪魔 そして唐突な挑戦
初めて嗅ぐ匂いだ 自信があると見えた。