2020/06/21 のログ
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2【イベント開催中】」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 海と港と享楽の街ダイラス。
護衛に討伐、逮捕に採取。人が集まれば冒険者ギルドへの依頼も増えるだろう。夏の暑さを海辺で緩和しながらも、仕事を求めて港湾都市に来ていた遊牧民は――。
バニーガールになっていた。
「この制服、ちょっと恥ずかしいけど……。
でも。へへ。……こうやってカジノでお客さんと接するの楽しいなー……!」
噂のいわくつきのオークションで物や人が買えたのかどうか。
お目当てを手に入れて気分が良くなったついでか、逆に金額に手が届かずに憂さ晴らしなのか。ハイブラゼールにあるカジノに人やコインの出入りが激しい。
不足する従業員に変わって臨時にレセプタントを募集する依頼を引き受けて働いている。
ぐっと腰の上に食い込む白い水着じみた衣装や露わな胸元には気恥ずかしいが、台を打ち手にあるカードを睨むお客さんたちへエールジョッキやナッツを運んだり注文を聞いたりする接客は曲刀を振り回すのと同じぐらい楽しい。
ご武運を。微笑みと共にルーレットテーブルで勢いこむ賭博客にエールを渡す。そっと衣服に差し入れられたチップにお礼を告げて、グラスの載ったトレイを手にピンヒールを軽やかに鳴らして場内を見回す。
何か物入りだったり用があったり、喉が乾いていたり退屈している人を探しつつ。厨房を往復して。
ご案内:「◆港湾都市ダイラス “ハイブラゼール”2【イベント開催中】」にレイン・レジネスさんが現れました。
■レイン・レジネス > その内、客のひとりが片手を上げて、「おーい」とバニーガールを招く。
独り身の客。片手には空のグラス。夏に似合いの麦酒ではない、小さなグラスの、度の強い酒。
見れば身形も清潔で整っており、懐具合も相応であろうと窺える姿だった。
カジノに滞在している客であるが、今立っている場所は、ルーレットテーブルとポーカーテーブルの間くらいの場所。
どちらに参加するともなく、どちらを眺めるともなく、半端な位置に立っている。
「君、君、こっちこっち。おかわりを一杯──と、話し相手をひとり。オーダーはできる?」
と言ってから、横目にルーレットに興じる客を見る。
一点狙いで大儲けをした者やら、反対に最後のチップを使い切った者やらを眺めて、
「大変そうだねぇ、みんな」
他人事のような一言。
■タピオカ > カジノに流れる音は様々だ。ディーラーがカードをめくる音、21が遠のいて歯ぎしりする客、魔力で動くスロットのドラムが回る音、同じように赤白のルーレットの円環を回るボールの音。そんな中で女性の涼しげな呼ぶ声は不思議とよく耳に響いて快く思えた。すぐに気づいて、青緑の瞳を細めて笑顔を向ける。
カジノフロアに敷き詰められた、踏めば軽く沈むカーペットの上をにこやかに近づいて。
「はーい、もちろん。喜んで!
お飲み物はこちらになります。どうぞ、召し上がれ!」
ちらりと彼女のグラスの形を確認すると、相手が飲んでいたものとほぼ同等の強めのお酒が入ったグラスを、手のひらを上にして持つ丸い銀のトレイから選び。オーダーに嬉しそうにしながら手渡しをする。ガラス製のグラスには双頭竜の意匠が施されており、お酒の色はほぼ透明な琥珀色だ。
「あはは。お金をすったり稼いだり、ほんとに忙しそう。
――お姉さまは、休憩中?それとも、どのテーブルにしようか様子見とか?」
彼女の物言いにくすくす肩を震わせながらひとつ頷いて。
フロアに立っていた先ほどの様子を思い出しながら小首を傾ぐ。
■レイン・レジネス > 「ありがとう。大勢で飲むようなお酒はどうも慣れなくて……んっ」
グラスを受け取りながら、空のグラスはトレイの上に置いて。それからくうっと首を傾け、新たなグラスの中身を一飲み。
空にしたグラスをやはりトレイの上に戻してきっちり両手を空けつつ、ほんのり、頬は酔人の赤色。
それでもギャンブルに熱を入れている者と比べれば穏やかであるし、元より肌は日焼けを嫌うように白い。
表情の方も、無愛想では無いのだろうが薄く、総じて熱気と無縁の生き物のようだ。
「そうだねぇ。テーブルに着くのも悪くないんだけど、あまり気が向かなくてね。
それよりはこうやって、ちょっと下がってお酒を飲んだり──」
その涼しげな顔のまま、女は、バニーガールの少女の回りを歩く。
踵の低い靴。それでも視線の位置は少女より高かろう。ぐるぐる、ぐるぐると周りを巡って、
「──こういうことしたりの方が好きなんだよね」
つっ……と。バニースーツの背、白い生地と褐色の肌の境界に指を這わせる。
わざと弱く、肌の上をさらりと指の腹が撫でる程度に。
■タピオカ > 「ふふ。良い飲みっぷり!
カジノの味をどうぞ味わってくださいな」
自分はお酒が入るとすぐに眠くなってしまう弱い性質なので、トレイにあるような強いお酒を口にしたことがない。
そんな酒精をあおる様子に笑みを深めて。おかわりのグラスを受け取ると、二杯目を渡して干してもらう。
顔色が酒気帯びになっても、整った顔つきに平静さを保ったままなのがどこか他の客たちとは違いミステリアスだった。
「きっとお姉さまは、賭けるより先に勝負が見通せる人、なのかな。……お酒を飲んだり……?
――ぁっ……」
ギャンブルに気が向かないという理由をそう解釈しつつも、自分を見下ろす形で回りを歩く様子にぱちぱち、睫毛を弾ませて語尾を上げ。――ほっそりとした指先が肌に触れて。ほのかに甘い熱息が漏れ。銀のトレイ上で酒精の注がれたグラスの水面が揺れた。
「僕も……。お姉さまみたいな綺麗な人に、こういうこと……。されるの好き。
お姉さま……。お望みなら、僕と、一緒に向こうへ……?」
振り向きながらはにかむ笑顔は、客に向けるというものではなくて。少し目元が濡れたものになって。
恥ずかしそうに、目線で彼女のずっと後ろを示す。
そこは別のカジノへと繋がる空中廊下に続く階段。
海辺まで眺められるが、利用する者が少なく薄暗い。そんな廊下へと案内したがり。
■レイン・レジネス > 少女の背に触れた指先は、手荒れするような仕事とは無縁のもの。
滑らかな肌と肌が、くぼみを作らない程に弱く掠めながら擦れ合う感触を、女も愉しんでいるのだろう。
薄い表情は変わらない。けれども唇の端がほんの少しだけ吊り上がって、声音も温度感を増す。
「溢したり、落としたりしないようにね。他のお客さんを邪魔したい訳じゃないんだ。
ただちょっと……うん。いじめたら愉しそうな子だなぁ、って思っただけだから──」
背後、少し高い位置から吐息と共に吹き下ろされる声。
少女の熱い息よりはまだ平静だろうが、それでも、酒の香と混ざって蠱惑的に。
そうして少女が振り向き、濡れた瞳で誘うような言葉を告げたのなら、
「──へぇ」
一度、少女の視線を追って背後を見た。人の寄りつかない場所。けれども、何処かの部屋という訳でもない。
用があれば客は通るだろうし、或いはカジノの従業員も通るだろう。鍵のかかる扉は無いのだから。
何を望まれているかを知っていながら、提示するのはそんな場所。背に指を這わされて悲鳴も上げない性質と合わせて、
「案内してくれるかな、積極的なお嬢さん。……ふふっ、案外にいやらしい子だったね」
批難するような言葉を投げながら、その後を追うだろう。
声色は言葉と裏腹に愉快そうで、指も中々少女の背を離れないまま。
■タピオカ > 「……っ、……んんっ……。
……はぁ……、……ぅ……。お姉さまの指……、
触られたら、……ぞくって、……しちゃう……」
医者の触診の、その未満程度。
指の腹のほのかな曲線すら直肌でわかるかどうか。
なのに、彼女の存在は大きく、全身に染みていくよな心地だった。うず、と揺れるバニーコスチュームの切れ上がった布地に包まれた小尻が揺れ。
肘にしっかり力をこめて、言われた通りにグラスを支える。
その膝裏も落ち着きがなくなりそうな気配。
「……ここは眺めも良いし、明かりも月明かりぐらい。
もしかして、人が通っちゃうかもしれない。そんな場所なの。
えへ……。いやらしい子でごめんなさい……。
ん……、んっ……。
僕はタピオカだよ、お姉さま……。
お姉さま……。初対面なのにきれいな人に触ってもらえてドキドキしちゃう、いやらしい僕に……。おしおき、して……?」
もしかしたら人目についてしまう。そんな場所を選んでしまうのは、彼女との出会いとひとときを刺激的にしたいから。
そんな淫らな気持ちを込めて小さな声で謝る。
批難の言葉すら、自分にとって胸の鼓動がはやまるもの。
空中廊下の静かな月夜の下で、無防備な背を向けたまま。
そんな甘い声音を囁き。
■レイン・レジネス > 辿り着いて、周囲を見渡した。
月の明かりと、眠らぬ街の明るさと。誰かが地上からこちらを見上げたとして、ガラス窓は鏡のように、夜景を映すばかりだろうが。
誰かが通りかかれば、これからの行為は全て、はっきりと見られてしまうのだろう。
……それも良いだろうと思う程度には、この国の倫理観に染まった女であるから、場所に不満を示す事は無かった。
「おしおき、かぁ。いいね、そういうのは得意分野。
……じゃあ、おしおきしようか。お仕事の道具をこんな所まで持ってきた、悪いバニーに……」
柔肌に触れさせたままの指に唇を寄せた。じれったい程弱く撫でるばかりだった指の刺激に、息を吹き付けるもう一つのじれったさ。
トレイも、その上のグラスも、片付ける時間を与えなかったから当然だが──まだ、少女の手の上にある。
落とすなと、一度言っている。何処まで守ってくれるだろう。好奇心を交えながらも、
「ん……」
まずは曝け出されたままの背に口付けた。背骨を食むように唇を当て、その起伏をなぞるように下へ。
唇と舌と、指より熱く柔らかい感触を押し付けながら、時折はちゅっと音を立てて肌を吸う。
吸い上げた痕を残しながら低く、背の中ほどまで降りた辺り──タイツを穿いた脚に両手が触れた。
膝裏、外腿と触れて、内股。衣装は破かないように、そうっと。触れながら、手が這い上がる。
脚の付け根まで昇って──少しだけ横へ逸れて脇腹。まだ幼さを残した胸元。
口付けのリップノイズと、呼吸音と、布地を擦るさらさらという音ばかり鳴らしながら、掌が少女の胸を覆った。
掌全体で、撫でる。まだ優しく。けれども布地の向こう、小振りな胸の中心を探り当て、転がすように。
「……私はレイン・レジネス。レインでいい、長いからね。
君のことはタピオカと──呼ぼうかなと思ったけど、どうしようかな。
そうだな……〝お前〟とか、どうかなぁ」
少し遅れて名を告げながら、もう一度の背への口付け。最後の一度は強く、所有印の如く痣を残すように。